「江戸系 諏訪御寮」「ゲイシャパラソル」 公演情報 「江戸系 諏訪御寮」「ゲイシャパラソル」」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-9件 / 9件中
  • 満足度★★★★

    鑑賞日2016/06/03 (金)

    3日(金)の夜、前夜の『ゲイシャパラソル』に続いて、観て来ました。
    フライヤーの右側、何やら、おどろおどろしい方(笑)、『江戸系 諏訪御寮』。

    ネタバレBOX

    江戸系 諏訪御寮』は、2014年3月、下北沢での初演を拝見。これ以降、あやめ十八番さんの舞台をフォローする、きっかけとなった作品です。

    今回は「肉親の情」がテーマでしたが、過日の『ゲイシャパラソル』の感想でも触れたように、ヒトの心の機微を丁寧に描いた、現代の人形浄瑠璃、といった作風に、強く心惹かれます。次回作が愉しみな団体さんです。

    主演の諏訪琴美役・金子侑加さん。
    以前、舞台以外の場面で拝見した際、相当、気の強い方だなぁ(震)と感じましたが、そんな彼女の気迫、といったものが初演同様…いや、それ以上に、ビシバシ伝わって来ました。
    他のキャストの方々も好演でしたが、金子侑加、彼女ひとりだけを観ていても、充分、もとの取れる舞台でした、とさ♪
  • 満足度★★★★

    鑑賞日2016/06/02 (木)

    フライヤーの左半分、派手な方(笑)。あやめ十八番さんの『ゲイシャパラソル』、2日の夜、新宿で観て来ました。

    ネタバレBOX

    芸者・仇吉(あだきち)を中心に、同じ置屋の同僚や、パトロンの地元選出代議士、隣国の大富豪…といった面々が、未来の日本という設定ながら、人形浄瑠璃的な「情」の世界を展開していきます。
    劇中、登場人物たちが披露する、お座敷芸な踊りに小唄…あやめ十八番さんの作品、番外の一人芝居も含めると6本拝見していますが、いつも以上に、和のテイスト満載の2時間でした。

    それから、今回、特に感心したのが、わかり易さ。登場人物達の「謎」の部分が、上演時間の中で全て語り尽されていたので、観終わってから、スッキリ納得♪
    ただ、我がまま言えば、少しは「謎」の余韻、残しておいても欲しかったかなぁと。

    まだお若いのに、着物の着こなしも所作もシャキ!としておられた、小口(おぐち)ふみかさん。
    登場時にはド悪党に見えたが、仇吉を奪い合う過程で、人間、そんな単純なもんじゃない!と伝わって来た、代議士役の和知龍範さんに、隣国の大富豪役・塩口量平さん。
    登場時どころか、最後の最後まで、まさに「ゲスの極み(笑)」な人物…にもかかわらず、「情の深さ」や「モノの憐れ」を一番体現されていた、森川陽月さん。
    役者陣の中で、個人的に印象に残った皆さんですが、他の方々もしっかりと、ものがたりの世界に溶け込んでいて見応えたっぷり!
    お席がSOLD OUT、当日券が出るかどうかの盛況でなければ、もっと・もっと自主的に(笑)宣伝に努めたい舞台でした、とさ♪
  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2016/05/29 (日)

    『江戸系 諏訪御寮』
    このユニット初の再演。ある地方の伝説と風習を背景に描く、奇妙で切実な恋物語。そして同時に家族の物語でもあった。

    多重構造の物語が浮かび上がらせる人の想いが愛おしい。

    『ゲイシャパラソル』
    印象的な設定と和のテイストを生かした物語の面白さはもちろん、人物の描き方にも厚みがあって、役者が映える舞台となっていた。

    盛りだくさんな印象ながら、さまざまなモチーフや手法や音楽がスタイリッシュにまとまって、あっという間の125分となった。

  • 満足度★★★★

    初見でした
    面白かったし、達者な役者さんに、生演奏で、見応えありました。

    客席間の通路も使っていたが、舞台(演技スペース)が小さく感じ、もっと大きいステージ用の演出だったのでは?と、感じてしまい、好みが別れるのかな?と思ってしまった。

    ネタバレBOX

    やはり、生演奏は良い。

    ところどころに、差し込まれる生演奏、歌にダンスと、テンポ良く、構成は面白かったけど、演技スペースが小さかったのでは?
    なので、多人数の役者さんがでる場面は、迫力よりも、ごちゃごちゃ感の方が、強く感じてしまった。
    動きも声も、大きく感じ、もう少し広いスペース、離れた客席用に、感じてしまった。
    力量のある役者さんばかりなので、発声法が良いのであろう、声の響きがとても良かった。
    なのに、音量が大きく感じてしまった、、、

    歌も、幅広い客層が解り易い選曲だが、わざと音を外す面白さも、絶妙(上手)すぎて、逆に笑えず、必要性に疑問を感じてしまった。
    他の部分を、キチンと歌っていたので、演出なんだろうなと、思うが・・・

    ラストに、うるっときた良い作品でした。

    諏訪御寮(金子侑加さん)か゛、素晴らしかったです。
  • 満足度★★★

    観劇の感想です.
    初めて拝見しました.いつも下北沢のほうで観ることが多いのですが,
    久しぶりに違う劇場で観ますと,雰囲気とかいろいろ違う物だなーと気がつきました.
    お話は非常に興味深く面白かったです.私は両親が高齢なので,死の話題が日常で、自分でもよく考えます.なので話もしっくりきました.
    演じている方の熱量はとても高くて良く伝わってきました.皆さん若くてパワフルな感じでした。ただ、その辺が逆に見辛さ,聞き辛さに通じるところもあり、そちらに気持ちが言ってしまいました.でもおいていかれていたとしても楽しい時間でした.

  • 満足度★★★★

    「和」とロックンロールと、せかちゅー
    花組芝居ってこういう感じだろうな・・想像していた姿がお目見えしたので、そうか、とすぐ納得した。大衆演劇の佇まいに通じるものあり。内面演技よりは所作・抑揚で意味を伝える能・歌舞伎のエッセンスが、冒頭などに溢れており、一方生演奏の存在感でもって50~60年代の懐メロ(ロカビリーやR&R)が割と大音量で流れ、演奏者は「演奏者」として舞台に登場して何かやってる、という芝居に見せている。素と役の切り替えなど一連の「形」として作られた序幕に、この舞台が「自由にやらせてもらう」空間である事を客に納得させる事に成功する。
    以降は、「物語」の世界が、最良の形でオチを迎えるために書き手が凝らした工夫(多くを説明せず周りから囲い込む)に沿って展開される。この「物語」のディテイルに突っ込めば色々あるが、つづめてこの物語は「君が好きだ」の物語。好きになってからのあれこれはまァ見なくてよい。純粋に抽出され得る愛というものが存在する事の実証がドラマの叙述の目的となっている、そう見た。

    ネタバレBOX

    好みの問題だが、音楽は私の好みでなく、ただ二度使われることがなければ、許容できたと思う。テーマ曲的に選ばれた二曲ほどが二度流れ、少々うんざりした。二人が結ばれる、という意味で「お嫁においで」の安易な当て曲が、二回はないだろうという。。
  • 満足度★★★★

    予想以上の面白さ !!
    “あやめ十八番”は今回が初見です。「江戸系 諏訪御寮」を観劇。

    コンセプトである“日本の古典芸能のエッセンス”、“日本人特有の感覚や美意識”、“劇中音楽が全て生演奏”が現代演劇との独特の融合を以って具現化された舞台であると感じました。

    その試みには賛否両論があるかもしれませんが、
    この作品からは、可能性と面白味を充分に受け取ることが出来ました。

    役者の皆さん好演されていましたが、中でも、諏訪琴美(御寮さん)役の“金子侑加”さん、いい雰囲気を醸し出していました。

    とても素敵なユニットですね。。。

  • 満足度★★★★

    あやめ十八番、初の再演がこの「江戸系 諏訪御寮」であるという。
    劇団代表・堀越涼 氏が当日パンフで「”捧げたい”という衝動が有る方が幸せだと言えるか、無い方が幸せだと言えるか、今は凄くぼんやりしています。」と書かれている。初演は観ていないが、本公演は実に興味深く鑑賞した。物語性、描き方、観せ方に一律的な工夫ではなく、その発想の豊かさに感心させられた。だから捧げたいはぼんやりしていても、(志)掲げるはしっかり持って楽しませてほしい。

    伝承・民話を能の様式美のようなものを取り入れ、一種幽玄のような雰囲気を醸し出す。しかし舞台は現代...前口上では十六島にある2家に纏わる話であり、その物語の進展は、文章でいう「起承転結」が緩くではあるが観て取れる。それゆえ、ラストへの帰結は秀逸である。

    ネタバレBOX

    客席はL字型、ひな壇。その二方向から観ることを意識し、四角い舞台の辺と対角を基本にした動き。その堅い動きに、ときどき円を描く曲線動作が映える優雅さ。舞台はほぼ素舞台、奥に祭壇のような置物。
    音楽は生演奏...様式美を感じる中、その謡と思われる和楽に、現代楽器を用い現代の歌を流す。それが不思議とマッチしている。

    梗概は、説明文から「十六島。 古くからのしきたりが色濃く残るこの島では、今なお鬼の気配が近い。 この島の旧家・諏訪の女は“拝み屋”と呼ばれ、鬼の力を借りた霊力を持つと信じられていた。 人々の信仰心を逆手に取り、百年もの長きにわたり島を統治する諏訪の家。 しかし、この家の刀自“御寮さん”には門外不出の秘密があった。 一人の青年の恋が、拝み屋に纏わる秘密を浮き彫りにしていく...小さな島で巻き起こる、鬼の騒動。」というもの。
    この十六島...なぜか大八洲(おおやしま)=日本の古称を想起するような名前である。日本各地にある(鬼)伝説を表現しているようで、この描かれている内容に普遍性を感じる。

    文章でいう起承転結がしっかり観て取れる。
    起…この物語の概要を前口上で述べる。
    承…諏訪家の鬼に纏わる言い伝え。
    転…篠塚家に起こる恋愛と出産騒動のドタバタ。
    結…両家の話が交差し、冒頭の鬼伝説へ繋がり謎が明らかになる。

    観劇した日が実質的な初日だという。前日は訳あって とばしたという。そのためか、この日は満席。最前列の演奏ブース寄りは、見切れだったと思う。演奏ブースから役者兼務しているキャストが客席側から舞台へ向かう時は見難い。芝居その内容より制作サイドの面が残念である。

    次回公演を楽しみにしております。
  • 満足度★★★★

    江戸系 諏訪御寮
    昨日は諸事情で公演中止になり、本日が初日になった模様。初演は未見。この間のロロにも通じるような、女系家族の現代版民話。宗教団体がやっているデイサービスとか本当にありそう。

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