純情スペクタクル 公演情報 純情スペクタクル」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
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  • 満足度★★★★★

    面白くて泣ける素敵な作品
    この日は純チームの方を観に行きました。
    描かれる物語とその観せ方に惚れ込んでるところなので、今回もとても楽しみに観に行きましたが、期待以上に面白かったです。ハートフルコメディ、というとちょっと笑えて最後ほろっと泣ける、くらいのイメージですが、笑いすぎて苦しくなるくらい笑えて、号泣して、号泣続けながら笑って、みたいな感じで、終わる頃には感情絞り尽くされて抜け殻みたいになってたので、普通とちょっと違った意味でキャッチコピー詐欺みたいな気分。これほんとすごい。
    観客に先の展開を想像させながら、それでもわかりすぎてて面白くなくなることがない。意外性のある展開を見せても、その面白さの肝は意外性のみで終わらない、舞台の面白さが存分に詰まった作品でした。次回公演もとても楽しみだし、今回観損ねた人には次は是非に、とおすすめしたいです。

    ネタバレBOX

    アンケートにはもう「全部好き」しか書きようがなかったのでここでちまちまと。
    月村さん。あのテンションをあのテンポで観せるのが好き。特に「指切って」のところ、面白いを通り越して可愛かったです。哀れみは愛しさにもつながるんだなぁ、と変なところで実感。家族や友人と話してもあのシーンのこと話す人多いです。
    司くん。記憶のことについては伏線チラ見せありましたが、私は観終わって記憶を反芻してる最中にようやく気付きました。記憶戻っても隠すんじゃないかなぁ、という想像をしてたので、記憶がないフリをかなぐり捨てて四季ちゃんを助けるために家の力を使うのは想定内……のはずが大号泣。演技の力を感じました。
    四季ちゃん。透明感のある表情がきれい。チラシのイメージビジュアルから抜け出てきたみたい。「お兄ちゃん達の妹で良かったと君が思ってるのと同じくらい、彼らの妹が君で良かった、と思うよ」と思いました。誰かの行為を美談にするためのただのリソースになりがちな立ち位置の彼女が、きちんと生きた人間で、いろんなものを見て、理解して、考えて……ちゃんとみんなに与えているものがあるというのがとても好き。
    冬彦くん。「馬鹿」というのが「難しいことはわからないけど純粋で素直でかわいい」みたいな小綺麗な感じじゃなくて、「あー、小学生男子でこういう子いたわー」っていう突き抜けた馬鹿笑顔見せてくるのが好き。だからこそ、自分だけ聞かされてなかったこと、その内容にショックを受けるのがほんとにきつく効いてくるし、いい演技だったなー、と思います。男兄弟の中では一番下で頭も良くないんだと、そうでなかったら違ったんじゃないかと考えてしまいそうだし。賢くなったときとのギャップ、それに対する反応で他のキャラのキャラ性が掘り下げられるのも美味しかった。キャラじゃなくて役者さんに関しては、殺陣なくてもすごく好きな舞台だーーー、とは言っててもちょろっと身体能力活かした動き入ったりはやっぱり嬉しかったり。「いつもよりは若干広いと思ってた舞台が狭く見えるー」とか大分興奮しました。
    剛くん。物語の語り部と語られるべき物語の一部であるということを活かしたネタが好き。オープニングのパフォーマンス後のアナウンスとあれでなんとなく心の準備というか、どの範囲で受け止めればいいのか掴めるのがいい感じでした。
    夏生くん。我が道を行く人ばかりの安藤家の中で一人、よく人を見てるのが視線や瞬きなんかの目の演技でよくわかるのが素敵でした。人の言葉に振り回されるけど、しっかり噛みしめてもいる。みんなを愛してる。家族が無茶苦茶だから一人で割を食っている、というより、困りながらも兄を信頼し、妹や弟達を可愛がってる感じがするのが大好きでした。
    秋奈ちゃん。家事を一手に引き受けてても、母親でなくてあくまで兄弟感が出てるのが他の兄弟から人生を搾取されてるみたいに見えなくて良かったなぁ、と思いました。いっそそうなってしまった方が楽かもしれない状態でそうならないのは兄弟間の関係が健全だし、そんな兄弟のことを彼女が好きだからだろうなー、とも。あと、最後の最後、司くんの感動話に割と台無しなこと言うのが好きです! あれがあると逆に司くんの話が嘘くさくなく聞こえるし、あのまっすぐさは気持ちいい。
    マリさん、鮫島さん、小金沢さん。ろくでもないことを言ってても不思議と憎めないというか、愛せる馬鹿なのが素敵でした。あと、あの家族の周辺にいるからといって、全部が四季ちゃん中心に動いてるわけではないというのがあの世界を健全にしてたなー、と振り返って思いました。
    松平さん。一条父との会話のところが好きです。マイペースでとてもこだわりがある……と見えるのが後のシーンへの期待感につながり、そして、それが逆にあの引き下がり方への納得にもつながるなー、と。
    千春さん。私が今回誘った友達二人ともが千春さんにベタ惚れになって帰っていったので、マリさんと月村さんのあの惚れ方もわからなくもない……罪深い……。司くんに対して「すまなかった」という謝罪ではなく「ありがとう」という感謝を伝えるとことか、安易に司くんも家族みたいなもんだとしてしまわなかったところとか、優しくて厳しくて力強い素敵なキャラだったと思います。

    物語の構成の話とか、細かな演技とか、結局書き切れてないので、やはり「全部好き」とあらためて書いて締めにします。全部好き!

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