『痕跡≪あとあと≫』◆◇終演。ご来場ありがとうございました!!!◇◆ 公演情報 『痕跡≪あとあと≫』◆◇終演。ご来場ありがとうございました!!!◇◆」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.7
1-20件 / 23件中
  • 満足度★★★★★

    あとあと
    悲劇的な出来事なのに、ラストに明るい兆しを、予感させるラストが、良かった。
    時折、差し込まれる笑いも、上手い。


    どうにかしようと思う、強い意志と、どうにかなると言う、甘さ。
    譲れない想いと、流される現実の中、違う形で見える愛は深く偉大でした。

  • 満足度★★★★★

    本気の本気でダブルコール。
    本気の本気でダブルコール。終演アナウンスに負けそうな会場で、どうしてもこの気持ちを伝えたかった。鳥肌が止まらない。あんなに長くゾクゾクした舞台を観たことがない。それも一度じゃない。何か所もゾクゾクさせられる。30年ほどの観劇人生に君臨する名作と出会った。ダークでスリリング。照明の美しさが、それを際立たせる。観客がある程度は予想できる展開。そこがミソ。考えさせておいて、少しずつ見事に裏切る展開。彼らの抱える秘密が心を締め付ける。けれど、そのほとんどに悪意がない。むしろ優しさや愛情が溢れている。だから苦しい。拉致被害者の家族の思いを連想した。しかし、ここには怒りの矛先が見つけられない。この感情の迷子がより一層、心を締め付ける。彼らのその後に思いを馳せる。若い二人は共に生きてくれるだろうか。根無し草が手を取り根を下ろしてほしい。彼も、どこにも帰れない。でも…あの距離のまま二つの家族と繋がっていてほしい。仕事も続けてほしい。みんなが大切に思ってくれているのだから。彼女のお父さんのような存在の人も、お父さんのように繋がっていてほしい。償った男も戻ってほしい。償えない男と、母になり子供の未来を守った女…愛の苦しみ。

  • 満足度★★★★★

    今日までそして明日から
    いくらでも暗くて重くなる題材を、締めるところは締めつつ全体的に明るく軽妙に描き切る見事さに脱帽です。明日からも生きていけます。

    ネタバレBOX

    私は初見だったので、正直、終演時間を見て、当日パンフレットの登場人物の「被害者」「加害者」の文字を見て、このテーマの話を長い時間観るのは苦痛かもな思いましたが、オープニングの舞台演出の創意工夫に惹きつけられ、その後は役者陣の凄みと卓越したストーリーテリングに魅了され時間を忘れて楽しませてもらいました。良い人と悪い人ではなく強い人と弱い人の生きる希望と再生を描いていて、胡散臭い言葉であまり使いたくないですが、本当に「癒し」の物語で気付いたら落涙している圧倒的に品が良い傑作だと思いました。
  • 満足度★★★★

    完成度の高さに驚き
    自分は観劇したらすぐに書き込むほうなのですが こちらの作品はなかなか言葉が出てこなかったです・・・。


    目撃者:若狭勝也さんから始まる語りのシーン 韓国料理マスター:大神拓哉さん お母さん:斎藤とも子さん あの日の連れて帰ってしまう吉川竹夫さんといい ほか役者さんも全員 すごく良かった!


    メイ:桑原裕子さんも母親のわりに不自然に若く 息子と親子にみえなかったのも 納得。
    あとあの役にメイという名前があっていた(←そういうとこ大事☆)


    ほかの方も書かれてますが 照明も素晴らしいし ストーリーもしっかり作ってあるのに とてもわかりやすいのはすごいことだし キャラクターも光っていた☆


    ネタバレBOX

    (韓国マスター:大神さんは 割り切ってお店を盛り上げる姿 ラーラ:四浦麻希さんを お店の商品のように多少気は使いつつも 心理的にはとても冷たかったり 生きるしかないから仕方なく生きていて やっぱりその根底にあるものは冷たい でもどこかひたむきで・・・ 大神さんのあの役がなにしろインパクトが強くて好きだ)。 


    最後の意味深自転車も良かった!


    ただ 『(法的には別として)誰も何も悪くなかった』見事にまとまってる分 もっとえぐって欲しかったかな。
    もちろん作品としてすごく良かったという前提でです(^^)


    KAKUTAさん良い劇団に出会えました これからの作品も楽しみにしています☆ 

  • 満足度★★★★★

    あとあと
    こりっちの説明ではストーリーが分かるようなことは何も書いてなかったし、当日配られたチラシも読まずに観劇しましたがなんの前知識もなくてもお話が分かりました。これってけっこう重要なことだと思いますよ。説明も事前のチラシも暗さが漂っていたので、覚悟して行ったのでしたがそれほど悲惨な内容でなくて良かったです。10年前の出来事。その後の登場人物たちの行く末。各自の選択が、あとあとの人生に大きく影響を与えて行くのですね。

  • 見応えあり♪♪
    『痕跡《あとあと》』を観るのは今回が初めて。バラバラのピースが意外なところから繋がっていく展開は見事だった。ちょっと出来過ぎな感はあるけど、2時間20分の長尺ながら、最後まで飽きさせない見応え十分な舞台だった。音響や照明も◎

    ネタバレBOX

    「宮◯みゆき」のサスペンス小説を彷彿とさせる内容で、どちらかと言うと映像的かな。
  • 満足度★★★★★

    円形劇場で見たかった
    円形劇場で見れたらと悔やまれる。

    ネタバレBOX

    溜めて、溜めて、最後の最後で救われた。
    「このまま終わるのか」とモヤモヤしたものが一気に晴れる瞬間が良かった。欲を言えば正面上段から見た方がいいと感じたが表情も良くわかる横合いから傍観者的に見たもののある意味面白かった。
  • 満足度★★★★★

    良作
    劇団結成して20周年だとか。
    円形劇場での初演も見て、見せ方も面白かったし役者さんも素晴らしかったし、話もわかっているし。リピートして見ても感慨も薄いだろうな、と思いつつ劇場の使い方がどう変化しているのか見たくて見に行った。
    わかっているのに、世代の違う母の行動とそれぞれの意思の強さに今回もまんまとボロ泣き。

    円形のステージを彷彿とさせる見せ方も面白かったです。

  • 満足度★★★★★

    心に響く作品
    初演観劇時、言葉にならない色々な思いが自分の中で渦巻いて、こんな感覚になった作品は初めてでした。内容は知っているにも関わらず、いや知っているからこそ冒頭からあの世界に飲み込まれそれぞれの登場人物の想いが痛いくらいに伝わってきて観終わった後思わずはー。と息をつく。そのくらいのめり込みました。照明が凄くて、情景がわかりやすいうえにあの世界観をより際立たせていたと思います。ありきたりな言葉でしか表現できないけど本当に素晴らしい作品です。

  • 満足度★★★★★

    全てはタイミング!
    誘拐犯の理由の弱さと母親の強い執着心が明らかに怪しいと思われる発言を鵜呑みして簡単に諦めるところは疑問を感じるもののいい舞台でした。

    ネタバレBOX

    結果として子供をさらった男、もうひとつは子供をひき逃げした男の話が軸となる。
    交通事故に遭った子供が記憶を失い、その子を助けた男が子供を家に戻すタイミングを逃し、その子供と20年間暮らしてしまう。事件前にバーで飲んだ不審な男を覚えていたバーのマスターによって徐々に明らかになって行く。
    一方、ひき逃げ犯は20年子供を探す母親に出合ったことによって心理的に
    追い詰められていく。
    誘拐犯人の独白の場面は、子供を返しそこなった理由がやや弱いもののこのシーンを入れたことはとても良かったです。
  • 満足度★★★★

    ネタばれ
    ネタばれ

    ネタバレBOX

    KAKUTAの【痕跡】を観劇。

    大雨の深夜にバーテンダーが河川で目撃した交通事故、
    ひき逃げしたドライバー、被害者の子供、その母親、そして子供を救出した人、
    その人達のその後の人生を描いた作品。

    息子をひき逃げ事故で失い、捜索の結果、遺体が上がらずに行方不明のままだ。だがそんな母親は、一旦諦めた息子捜しも、最近になってマスコミの協力のもと、少しづつ行方不明の息子に近づいていく。
    そしてひき逃げをしたドライバーは、心にその事を残しつつ、平和な生活を送っている。更に行方不明になった子供は、救出された人に戸籍不明として育てられ、立派な大人になっている。
    そしてこの先の展開は自ずと見えてくるのだが、まさしく観客の思う通りに話は進んでいく。
    そこで何故、このようなありきたりの展開で話が進んでいくのだろうか?という疑問が湧いてくる。この展開の裏にか隠されているのではないだろうか?と観客はいやがでも思っていく。
    そしてその疑問は、物語として決着をつけるのでなく、登場人物の感情の一面として物語の全てを納得させる手法は、大いに唸ってしまったのである。

    傑作である。
  • 満足度★★★★

    良かった
    再演と大きな期待を持っていきましたが、それを裏切ることのない素晴らしい作品だった。

  • 満足度★★★★★

    大満足
    再演と聞いての大きな期待を持っていきましたが、それを裏切ることのない素晴らしい作品でした。とても美しい照明のおかげで、何度もある場面転換も間延びすることなく描かれ、集中してあっというまの時間でした。ですが観終わってからの余韻が、素晴らしく心に響く作品でした。今後も上演されることになれば、何度となく、この余韻に浸りたいなと思える作品です!

    ネタバレBOX

    「あとあと後悔する」ことになる登場人物すべてが、善意や正義・信念をもって、いまを生きているという描写 いくつかの事件や犠牲、法律で裁ける出来事が起きているのに、単純に誰も責めることができないような、過ちがあっても人は生きていくのだ‥という強さを感じました。

    ラストシーンの自転車は、希望にも絶望にも想像できる、素晴らしい余韻を残してくれていると思います。
  • 満足度★★★★★

    鶴屋南北戯曲賞受賞に納得
    青山円形劇場の初演を見逃し、観たかった今作品をやっと観れました。鶴屋南北戯曲賞受賞作にふさわしい深く心に残る舞台でした。ある事件と戸籍問題を軸に、それぞれが抱える悩みを描き出した舞台で観劇後に余韻が残りました。何が正解とかどうすれば良かったのかは分かりませんが、それぞれが精一杯生きているのは伝わりました。暗くなりがちな話ではありましたが、ユニークな人物の登場で笑いも生まれ、見易くもありました。
    役者さんは上手い方が多く、その熱演もあいまってより作品に深みが生まれていたように感じました。

    アフターイベントも面白く、次回公演も楽しみな劇団さんが増えました。

  • 満足度★★★★★

    ありがとうございます。
    今回観劇出来たこと、とても嬉しく思っています。
    人それぞれ思う幸せ、優しさ、寂しさ、何が正しく何が罪なのか
    大切な想いを届けていただきありがとうございます。

    もしこれから観劇される方は、座席がベンチシートになっていますので、席を揺らすと近くの人の集中を妨げるので気を付けてください。

  • 満足度★★★★

    ガシッとくる
    KAKUTA「痕跡」観てきました。
    初演観ましたが、青山円形劇場と違うアングルならではの
    いろんな演出の気付きがありさらに楽しめました。

    腹にガシッとなにかがくる芝居でした。
    そして異儀田さんのあのシーンは臓腑にズシッときます。
    あの覚悟の言葉はたまりません。

    そういえば、シュン役の方、なんだかかっこよくなってませんか?

  • 満足度★★★★★

    これぞ会話劇
    これぞ会話劇というものをみせていただきました…。ここまで素晴らしいものだったなんて…知りませんでした。4000円でこの世界に導いてくれるのならいくらだって行きたい。と思える舞台です。一回で、もちろんしっかり理解できて心にずっと残っていくような作品です。それぞれの生き方に焦点をあてたりしていけば何度でも楽しめる作品です。本当にこれは観た方が良いです。最高です。

  • 満足度★★★★★

    是非ともコンスタントな再演を
    初演時、初KAKUTAさんで心を鷲掴みにされまして、今回の再演を心待ちにしておりました。
    やはりあのラストは秀逸!
    普段観劇をしない人にも受け入れ易い、入り込み易い作品だと思います。定期的に上演していって欲しい舞台です。

  • 満足度★★★★★

    やられました
    全体的に流れが、よどみなく、演出がすごいと思いました。
    話はとてもわかりやすいのですが、その中にもいろんなことがちりばめられていて、時間を感じませんでした。

    文句なく、観た方がいい作品でした。

  • 満足度★★★★★

    善意の罪
    初演を観ていないのでこれが私にとって初めての「痕跡」。
    皆ひたむきで、傷つきながら誰かを守ろうと必死になっている。
    その姿が本当に真摯でそれだけに哀しい。
    事件の証言者が丁寧に解説する構成、スピーディーな展開、
    美しく的確な照明、そしてくっきりしたキャラで2時間20分はあっと言う間。
    KAKUTA20周年記念に相応しい秀作で、隙の無い出演陣も素晴らしい。
    ラストシーンの余韻が、観る者に長く痕を残す作品だと思う。

    ネタバレBOX

    冒頭、衝撃的な事の起こりを語るバーのマスター(若狭勝也)、その語り口が魅力的だ。
    緊張感にあふれ緩急自在、私も一緒にその場に居合わせているような錯覚に捉われる。
    この後10年間忘れられない人物の顔を、彼はこの台風の夜、2人目撃する。
    ひとりは自殺しようとしていたところへ声をかけて、店でビールを飲ませた男(松村武)。
    もう1人はその夜起こった、9歳の少年ひき逃げ事件の犯人と思われる男(佐賀野雅和)。
    そして10年後、余命半年と宣告された少年の母親(斉藤とも子)が、
    どうしても諦めきれずにこの町へ戻ってきた。
    彼女の義妹(高山奈央子)、ドキュメンタリー作品の為カメラを回し続けるジャーナリストの男(成清正紀)、バーのマスターも巻き込んで、
    10年前の真相に少しずつ迫って行く…。

    誰もがあとあと後悔しながら生きている。
    かわるがわる証言する登場人物たちはそろって「あとあと後悔した…」という
    意味のことを口にする。
    そして“人が存在していた跡を証明する”戸籍をめぐる物語でもある。
    戸籍上は結婚していない夫婦や、戸籍を得るために偽装結婚する外国人、
    戸籍を持たない人間の定まらない孤独…。

    事件はそれぞれ当事者が自分の罪を認めるところから急速にほぐれていくが
    肝心の母と息子が出会うのかどうかまで見せずに終わる。
    だがその余韻に明るい兆しを私は感じた。
    ああ、このあと母子は出会うのだと思った。
    そうすることで、失敗に終わった多くの善意が報われるのだと。

    初演の青山円形劇場を思わせる丸い舞台に川と橋のある町、クリーニング工場、
    韓国料理屋、と変化する舞台装置が見事。
    シンプルで整然とした場面転換も洗練されている。

    斉藤とも子さんの儚げな母親が良かった。
    圧巻は真実に近づきながら、「違う」と言い張られて引き下がるところ。
    絶望と自己嫌悪でいたたまれない様がビシビシ伝わって来た。

    その義理の妹を演じた高山奈央子さん、情に厚いが人の話を聴かないタイプで
    思い込みの激しい強い女性が素晴らしく、捜索隊メンバーにぐっと厚みが出た。

    韓国料理屋のホステス山田花子役の多田香織さん、直面する現実の厳しさと、
    世間から隔絶されて育った青年と恋に落ちる初々しさとのアンバランスさが
    とても良く出ていて切なくなった。

    吉川竹夫を演じた松村武さん、不器用な生き方と内に秘めた優しさ、最後の決断をする
    強さ、そして少年が追いかけてきたとき「嬉しかった」と激白するシーンが忘れられない。

    助けてくれた人を親と信じて育った少年は「何だかその人のそばを離れちゃいけない
    ような気がして」という根拠のない不安と隣り合わせに生きて来て20歳になった。
    このどこか浮世離れした青年を好演した川隅美慎さん、ラストに明るい兆しを感じた
    もう一つの理由は、この青年像が明るく清々しいからかもしれない。

    しばらくは、美しいいくつものシーンを反芻する日々が続きそうな作品だった。



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