東京裁判 公演情報 東京裁判」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
1-6件 / 6件中
  • 満足度★★★★

    芝居は厚く気持ちは熱かった
    至近距離、見上げる位置での観劇は貴重。
    前回の公演で観た時は結構史実とか法廷用語に気を取られたんだけど、
    今回はドラマとしてグワッと入ってきた感じ。
    最前列中央という場所のおかげか弁護団の熱意というか熱気を肌で感じることができました。
    そして、まさかこの作品で涙を流すとは。

    ネタバレBOX

    美術背景なし、音楽なし。
    机と椅子5脚が舞台中央に配置されているのみ。
    役者の言葉と動きのみに釘付けになる。
  • 満足度★★★★★

    シンプルな舞台か らの熱量は凄まじい
    今回でこの作品を観るのは3回目。
    今までの2回はpit北/区域という観客の集中度が増すサイズと空間の劇場だったので、今回のような、“普通の”舞台で演じるときに、同じような感覚を得られるのか、あるいは演出を変えてくるのか、が興味の中心にあった。

    ネタバレBOX

    しかし、果たしてそんな事前の感情を吹き払うような、素晴らしい舞台だった。

    劇場に入るとあえて舞台裏が見えるようになっている。
    「虚構である」ことを意識させるためかなのか。
    と思いもしたが、よくよく考えるとpit北/区域では観客の姿や気配を感じる舞台だったので、こうした「虚構である」という企みはすでにあったかもしれない。

    先に書いたとおり、この作品を観るのは3回目だ。
    それにもかかわらず、まるで初見のようにラストまでの1時間40分間、惹き付けられた。
    改めて戯曲や役者の上手さ、演出の確かさを感じた。

    舞台から届く緩急の波、熱量、役者の一体感が素晴らしい。

    pit北/区域では表現しきれなかったであろう、微妙な照明変化もいい。
  • 満足度★★★★

    (結果は)わかっていたけれど!
    芝居としては5人の弁護団の状況把握による戦略や熱い思いが演じられていてよかったのですが、ひとつの言葉が凄くひっかかりました。
    それは、”日本人全員が戦争をしていた”という言葉です。私から言わせば”させられていた”のですから大きな間違いです。
    また、このままであれば。やはり小劇場のほうがより臨場感が出るのは皆が思うところでしょう。ひと工夫欲しいです。

    ネタバレBOX

    敗戦国が何を言おうとも決めるのは戦勝国!
    ふたつの原爆投下による一般市民約30万の死者+被害者も明らかに国際法違反。しかし、聞く耳持たない中立とは名ばかりの戦勝国判事。
    結論が解っているものの、あの手この手で無条件降伏ではないことを主張。
    その経緯がみせどころ。
  • 満足度★★★★

    失望でなく希望
    罪という言葉は一筋縄ではいかない。法が道を網羅することが叶わぬ限り、常に悩ましい。責任とはリスクであり、賞賛の期待と罪業の不安とを甘んじて引き受ける覚悟だと思う。裁判が‘公正に’行われて審判を受けた、その事実こそ「責任を取った」ということであり、その後の国家にとって意義深いことであった、そのために弁護人たちは、そして被告人たちでさえもが立派に務めを果たしたのだと思い知った。小机を囲む五人に客席が一体化して‘敵’に囲まれたように思われるほど熱伝導に優れた会話劇。

  • 満足度★★★★★

    改めて感じるパラドックスの力
    再再演の舞台を観て以来の、観劇でした。

    いつもの、狭い空間での上演が、緊迫感を作り出していたので、俳優座劇場での上演は成功するだろうかと、心配しながらの観劇でした。

    開幕前には、左右に、常時置かれている木材などが立てかけられていて、やはり、この作品には相応しくない劇場空間ではと危惧しました。

    ところが、始まってみると、嫌がオウにも、中央の5人に、気持ちが集中して、知らない間に、その木材などは、目に入らなくなりました。

    野木さんの、筆力、構成力、演出力と、5人の役者さんの力量で、東京裁判の弁護団しか、視界に入らなくなるなんて、これぞ、パラドックスの力技だと、感嘆するばかりでした。

    ネタバレBOX

    以前観た時より、整理されていた印象を受けました。

    5人の、出自や体験が、それぞれ、露呈するシーンが、かなりカットされていたと思います。

    それによって、芝居の論点がずれず、ただ裁判の弁護手法に重きが置かれる舞台進行になって、観る側にも、思考停止にならない配慮があったと思いました。

    以前観た時よりも、終戦時の知識が増えたせいか、話に出る人物の経歴や人となりなども、わかって観ているので、5人の日本弁護団の心情に寄り添って、舞台を見守ることができました。

    何度拝見しても、凄い!と敬服してしまう、演劇作品です。

    ただ、一つ残念だったのは、私の位置からは、背中しか見えない水越役の植村さんの台詞が、囁く時では、ほとんど聞き取れなかったこと。
    彼の演技は、大好きなので、より、残念に感じました。
  • 満足度★★★★★

    始まったばかり
    長く続く裁判の基本的な論点が整理できました。

    ネタバレBOX

    東京裁判が開廷されたまさにその冒頭部分の弁護団席の様子。

    重い題材でお芝居を作ることは大変だと思います。

    大きな舞台の中央に小さなテーブルと五つの椅子のみがあって、一人の通訳兼任を含む五人の弁護団が翻訳という形で相手側のセリフを引用しながら見えない裁判官たちや検事団と対決する手法に、こういうやり方もあるんだなと感心しました。正面に一人、左右に二人ずつの配置でしたが、役者がかぶらないように、前方が少し広くなったような特別なテーブルを使ってもよかったのではないかと思いました。

    日本国内にもA級戦犯を擁護する必要はないとの意見がある中、弁護団はまずA級戦犯に罪状認否で無罪を主張させ、戦争は政治の一形態であること、日本は政府が降伏文書に調印しており、ドイツのように無政府状態で占領され行われたニュルンベルク裁判を適用するのは間違いであること、ポツダム宣言という文書に基づいて降伏した条件付きの無条件降伏であること、人道に対する罪や平和に対する罪は開戦時には存在しないこと、検事側に立つような人物が裁判官を任ぜられるのはおかしいなどの主張をしました。

    おなじみのパール判事があそこにいて、被告席の東条英機が笑ったなどとの話題も入れつつ、今始まったばかりの東京裁判でした。

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