『鱈。』の(に) 公演情報 『鱈。』の(に)」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
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  • 満足度★★★★★

    鳥取上演も?
     初見のグループだが、当たり!! おもろかわゆい!! 
    何でも鳥取でFESをやりたいそうだ。

    ネタバレBOX


    リーフレットによると石立 鉄男を尊敬し阿久 悠先生を愛し「大人が本気出して作る学芸会」を目指す。ということだ。名前を「鱈。」と言う。が、発音はタラ? それともタラ マル? 後者だとしたら、タラとマルの間に半呼吸位の間が入るのか入らないのか等々、様々な疑問が湧く。これだけでも面白い。また、鱈は~しタラに通じ、歴史上事実だとされていることを対象化する為にも用いることができる。それとも、鬼婆の「馬喰い干鱈喰い腹太太(ふとふと)や」に通じるのだろうか? この辺りの謎も興味深い。
     作品は、崩しミュージカルといった体。無論、ストーリーはあって物語のプロトタイプを踏襲するような内容だが、それは、大人が本気出して作る学芸会というコンセプトのグループだから、問題あるまい。演奏は生と再生の併用だが、演奏チームは歌唱も含めてキチンとプロの音を出してくる。音楽には結構煩い自分にもすんなり聴けるレベルの高いものである。
     人魚達は、皆、ケンケン王の息女なのだが、人魚なので、当然海で暮らしている。だが、その泳ぎの形態模写が体を波のように動かす仕草で表されている点、両足部分は魚の形で一体化しているから、足はピッタリ揃えて動いてゆく。この動きが何とも新鮮である。臍出しルックなので、お臍が可愛い。雷が、臍を狙う訳である。下らない冗談はさておき、使われている楽器もユニーク、携帯用木魚(こんなもの初めて見た!)名前は分からないが、凹凸のある板をU字近いV字に曲げて叩く顫動音を楽しむ楽器だとか、小型シンバルや密教の祈りに用いる仏具等々。楽器も楽しい。ありきたりの楽器、リコーダーはわざと外す人が一人居たりして笑いを誘うし、ホンマおもろいねん。こんだけおもろい仕掛けをしておきながら、舞台袖に当たる場所迄来て暗転する迄キチンと演技をしているし、遊びと真面目の境界領域が実に波に反射して揺らめく光のようで巧みである。
     途中、10分の休憩があったのだが、この休憩時間中に舞台美術も海中の景色から海岸、即ち陸に変わっているし、どこかポップな美術センスも作品内容にマッチしているので浮かず、さりげない所が凄い。
     一人だけ♂の人魚が登場するのだが、彼のはおるベストには、何匹も蟹が貼り付いているのである。無論、鳥取名物の松葉ガニをアピールしていると見るべきだろう。松葉ガニと形は違うのだが(これも愛嬌だ)。

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