消失点 公演情報 消失点」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.6
1-16件 / 16件中
  • 満足度★★★★

    少し違う
    過去観ている作品に比べると、緊迫感の質が少し違うような気がしたのは、やはり脚本が演出と違うからだろうか。

    ネタバレBOX

    今作は、どうしても自身のバックグラウンドとの乖離が大きいため、確りと受け止める事が出来なかった。女性でもなければ、子供もいない身としては、共感しづらいものがある。また、いつもの居づらい雰囲気は、精神的圧迫によるものだが、今回はバンバンと机を叩いたりと物理的でやや合わない感覚。あと、雑遊の中で反響が酷くて気になった。長辺側の壁に大きな声が当たると反響で声が割れる。ラストのタイトルコールは良かった。今作は、やらないのかと思ったところで、タイトルコールしての暗転、からの終演はカッコ良い。
  • 満足度★★★★★

    想いは重い
    一方は子供を放置し死なせしまい、そうなってしまった経緯や心情、一方は同じような境遇で同じようになりそうで、この事件に関わることによりそうならないような心情の変化と言った感じか。それぞれを微妙にリンクやデジャヴ的な感じて見せながら、吐き出される想いは非常に重く感じる。
    子供がいるいないで、感じる密度は違うと思われるが、濃密な時間でした。

  • 満足度★★★★★

    重く、惹き込まれ、考えさせられる
    急遽時間が取れ、色々迷ったが初観劇の本劇団作品を観劇。
    重い!そして惹き込まれる!考えさせられる!
    ネグレクトをテーマにした本作品は、既に事件として子供を死なせてしまった母親とその母親を取り調べる刑事を軸にされていた。だが、この刑事もネグレクトに近い生活を送っている。
    本テーマは簡単に解決できるものではなく、また綺麗事で片づけられるものでもない。児童福祉課職員の方が持っていたブランドバックの指摘や何か出来る事はいう問いに、「お金」という現実な答えもあいまってより一層問題の奥深さを出している。
    各人物が分かりやすく描かれているが、ある意味隣人でも状況によっては自分自身にも起こりうる事だとも思えた。
    全編通して、重苦しい舞台であったが、警察署長と部下刑事の存在が少しだけ空気を緩めてくれたのが良かった。
    子供を人形と声だけで演出したのも本舞台には合っていたと思いました。
    重苦しかったですが、また次回公演も観てみたいと思う劇団です。






  • 満足度★★★★★

    肩の力は抜けないがグイグイ引き込まれる
    娘を放置して死なせた被疑者女性の取り調べを担当する刑事も実は似た境遇で…な物語。
    刑事と被疑者、現在と過去を絶妙のバランスでクロスさせる構成と照明を巧みに使った演出が相俟ってグイグイと引き込まれる。
    その刑事の揺らぐ(?)心情にクリント・イーストウッド製作・主演の映画「タイトロープ」を思い出したり、子供の泣いているところや不在の表現に舌を巻いたり。
    そうして迎えるラスト、被疑者・刑事の双方に小さな安堵があるのが救い。
    あと、奇しくも二夜連続で「ダメ男見本市」的になったが、世代差が如実に顕れていたと思う。
    また、脚本家と演出家の組み合わせが芝居屋風雷紡と同じではあれ、棲み分けはちゃんとできており…と言うより、問われるまではそんなことを意識しない程にJACROWの色が出ていたとも思う。

  • 満足度★★★★

    みてきた
    子供いないので感覚がわかりませね。

    次の出番まで扉のうしろにいるのがまるわかりな松葉さんの姿を想像してました。

  • 満足度★★★★★

    考えさせられる
    とてもじゃないけど肩の力を抜いては観れないハードなJACROWの世界。個人的な経験もあって(20年近く前のことになりますが、児童虐待の嫌疑をかけられ、区の福祉課に通報されたことあり)、今までのJACROW作品の中では心的衝撃度が一番。児童虐待の問題は一筋縄ではいかないけれど、この問題を世の中が広く認知してもらいたいと切に思う。

  • 満足度★★★★

    いつものように
    今ある現実。シングルマザーと刑事の二人の「親」の対比が痛い。何かの拍子に我々も当事者になるかもしれない。ふう・・・

  • 満足度★★★★★

    濃密な時間
    ひとつの空間に平行してすすむ刑事と被疑者の家庭の物語。子どもを守るためだったはずが、孤独によってねじ曲がっていく様子がとてもこわかった。信頼できる他人がひとりでもいることがとても大事なのだと痛感した。

  • 満足度★★★★★

    問題提起してくれる、社会派作品...
    社会の仕組みが変化しつつあるところで、一番しわ寄せを受けているのが子供ということかもしれない。各キャストが、ベストを出し切っている、と感じました。次作も大いに期待です。

  • 満足度★★★★

    ネグレクト
     話題に欠くことの無い児童虐待・遺棄の話である。

    ネタバレBOX

     行動原理の特色として、この「国」はprincipleを持っていないということを最近随分書いているから、またか、と思われるむきもあろう。然し、記紀以来、日本に独自のprincipleが生まれたことなど一度も無い。海外で高く評価される武士道の根底は江戸幕府が、支配の為に編み出した手段の一つに過ぎず、その根底に流れるのは、儒教の中でも最も君臣の恩、上下関係の絶対性を強調する朱子学であり、唯一、儒教の中で革命を説いた哲学である陽明学を報じた者は、出世街道から外された。因みに江戸時代以降、幕府・中央政権に反旗を翻した革命家で西洋思想によ
    らない者は、陽明学の流れを受けている。大塩平八郎然り、佐久間 象山然り、吉田松陰然り、西郷隆盛然り、高杉 晋作然りである。その行動原理は知行合一。
     何でこのようなことを書くか? 無論、今作と関係があると考えるからである。今作で問題になっているのが、母親のネグレクトによる小学校入学相当女児の死である。この母、根本 幸は3年前に離婚。幸の母は教師であった。短大を卒業した後、根本 公平と結婚、離婚後も旧姓に戻していない。この苗字と名前にも、作家が深い意味を持たせていることは明白である。公平は公平な判断に通じ、幸は、幸せに通じる。それが、日本の民衆が、根本的に思っていることだと、少なくとも念じていることだと考え、作家は祈るような気持ちで根本という苗字を選んだのだろう。ということは、この夫婦の抱えている問題は、我々皆が抱える根本問題であり、公平を期してする夫の会話は、日本の平均的夫の価値観を代弁し、幸の願う幸せは、この「国」の平均的主婦の願う幸せなのである。だが、ここに問題の根があると筆者は考える。問題点は2つ。1つは、第1段で述べた、principleの欠如、即ち行動原理を明確な言語化し難いという文化・文明的背景。もう一つが、事件の核心を描くに当たって“お約束通り”外堀から埋めに掛かっている点である。男女の関係は、最も遠く同時に最も近い、という微妙な関係のバランスである。夫婦ともなれば、それに世間、世間体が大きく関わってくる。principleの欠如する社会に於いて、行動原理を規定するのが情緒、それも原理主義でしかあり得ない以上、それを現実に規制するのは、村の掟、村社会の掟以外ではない。此処までは、誰でも見えるのだ。そして、その地平からしか描かれていない点に今作の難がある。同時に大衆受けもするのだが。問題は、ディスコミュニケーションの本体は、人間の根本的孤独を人間全体の問題として捉えることのできないこの国のディスクールにあると考える。そして、そのことを本質として、作品作りをするなら、別のアプローチが生まれたハズである
     更なる作家哲学の深化を期待する。
     以上のことは、作品を観て貰えば、理解して貰えよう。因みに取り調べを受け持つ刑事、梶原の部下、田村が、署長の富山が飼っているペットのオウムに言葉を教えることに関して、オウム語ってどんな言語なのか? という意味の問い掛けをし、根本的に通じない言葉(言語・状況)を問題にしている点に、このことは凝縮されているとみて良かろう。
  • 満足度★★★★★

    星★★★★★プラス★
    この題材なら、いくらでもあざとく作れたと思うが、観た後、なんだか品位さえ感じてしまう。罪に問われた人間だけでなく、まわりの人間もある時を境に凍てついていた心が静かに氷解しはじめる。

    それが この舞台の救いなのだと思う。

    慟哭 よりも切ない 最後の若い母親の声。

  • 満足度★★★★★

    紙一重
    紙一重でもあり、その間に無数の事情が存在するのだと思いました。

    ネタバレBOX

    娘を家に放置して殺した女を取り調べている男もまた家で息子を放置しているという話。

    正面と脇正面の手前にそれぞれ子供の人形が置かれ、二つの家庭がありました。

    犯罪者になった者とならなかった者は紙一重、この紙一重を並列に描いているところが秀逸でした。刑事役の谷仲恵輔さんの最初の疲れ切った顔と、別居中の妻に預けることにした後の少し安堵した顔の変化も見事でした。

    児童相談所の職員と小学校教諭については、後一歩踏み込むべきだったとは思いますが、個人の問題ではなく組織の問題だと思います。
  • 満足度★★★★★

    ハードでも、スッキリ爽やか
    首都圏もしくは児童の一定数を擁する生活圏ではネグレクト問題は必ず存在するし、アンタッチャブルでデリケートな側面を持つ表面化しづらい、とても深刻な問題。
    それをスッキリとシンプルに演劇として成立させており、魅せ方がとても上手い。これは面白い!!
    早速職場の同僚に勧めてチラシを配って歩きました。
    個人的にはまだ観ぬ実力派劇団の内、この最後の大物は期待を裏切らないクオリティの高い作劇を提示してみせてくれ、大満足!!

  • 満足度★★★★★

    濃厚っす
    JACROWの世界を満喫しました。開演前のアナウンスに「肩の力を抜かずに~」とあったけど,抜けねえよ。最初っから最後までのめり込んで,緊張感で身体がちがち。吉水恭子さんの脚本,良いなぁ。役者さんの演技も細かいところまで行き届いていて,一体として見事な芝居を作り上げており,文句のつけようはありません。ただ,やっぱ,20時開演はキツイなぁ。確かに,JACROWの芝居に合った時間帯だとは思う。当日は初日乾杯がありました。参加して一緒にお祝いしたかったけど,家が遠いもんで^^;泣く泣く帰路についたもの。残念だったのは,ただそれだけで,芝居とは無関係。芝居内容はもう完璧で,これは観ていただきたい,自分としては観れて良かった作品です。

  • 満足度★★★

    良くも悪くも”ドラマ”的だったかな
    何かヒネリがあるのかなぁ・・・と思っていたら、
    ストレートな作りだったと感じました。

    心にキツク届く話や台詞があり、
    物語後半では客席が結構鼻のすすり音が聞こえてきました。

    でも主人公さん=男性刑事の感情の爆発がちょっと自分的には引いたかな・・、
    と思えた1時間45分。

    ネタバレBOX

    子供が人形で表現されててちょっとホラー的な要素を感じてしまいました
    (そんなことは無かったんですが)

    正直中盤で少し眠気が出てきたです

    虐待死させたお母さんに感情ぶつけてキレる取調べの刑事って・・・・
    ほんと引いたですね、自分的には・・・・。

    児童保護の女性職員さんのヴィトンのバックとかは演出Good!って思った
    (できればシーンごとに時間が前後することもあり他のバッグとかに変える細かい演出も加えて欲しかったかな→ローヒールがスニーカーになるとか)

  • 満足度★★★★★

    闇に咲いた薔薇のように☆
    「ネグレクト」・・・幼児虐待により、何の罪も無い子どもを死に追いやる
    厳しすぎる物語であったにも関わらず、

    観劇後、心の中に溢れるように湧いて来た
    「優しさ」を生み出す言葉の数々・・・

    ただ抱きしめて欲しかった
    幼い子供達の想いが突き動かしたのか、

    大人達が見失いかけた本物の「幸福」について
    子供達が声無き叫びを轟かせたからか、

    「消失」してしまった光が残して逝った影に
    自らの存在価値に気づかされたからか、

    大切に想う同士なら、
    出会った頃から、ひたすらに
    優しさの花を咲かせる素直な言葉を贈り合うこと☆

    そうでもしなければ、
    子供達の願いは永遠に叶わない

    そんな気持ちに本気でなりました☆
     
    今回も、肩の力の抜けない濃密なひとときを
    ありがとうございました☆


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