南へ 公演情報 南へ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.5
1-8件 / 8件中
  • 満足度★★★★

    B
    面白い。110分。

    ネタバレBOX

    二回目というのもあってかなり色々と観やすく楽しめた。日本とかって大きめなレンジから、男女の狭い世界の端々が感じられてね。

    フジイ(坂倉夏奈)の言った「日本じゃない日本」ってのが何なのか。いわゆる「地上の楽園」的な音感がしなくもなく、作品の底にある冷たさが伝わってきて、なんとなく不安な感じになった。
    タキタ(前原瑞樹)とササキ(佐藤滋)、アキタ(富田真喜)の三角関係的で、最終盤の「心配してよ」(序盤もあったけど)のシーンで、やっぱり不安になった。佐藤の柔らかめな感じと前原の無表情のような感じが、いい空気出してた。
  • 満足度★★

    Bチームを観劇。暇人演劇として見応え薄。/約110分
     Aチームを観劇後、何日か置いてBチームを観劇。
     分かりづらく感じた作品への理解が初見時よりも深まったのは、観劇が二度目だったことに加え、ある女を富田真喜さんが演じたことも要因だろう。
     主要人物の一人であるその若い女を、声が通ってセリフの立つ富田さんが演じたことにより、その女を含む日本人の船客たちがなぜ母国を離れて南島へ向かうのか、その理由が初見時よりもよりよく呑み込めた。

     ただ、理解はいくらか深まっても、本作が面白いかと問われたならば、答えは否。
     多くの時間が割かれている詩談義は実を結ばないまま終わってしまうし、詩を語る連中をはじめとする“暇人を描いた劇”としても見応えに乏しい。
     退屈な船旅をやり過ごすため色んな人物がバカなことを始めるのだが、バカバカしさが極まっていないため、コミカルなのに笑えない気持ち悪い時間がたびたび発生するのだ。

     砂漠監視隊シリーズという、宮沢章夫が手掛けた暇人演劇の大傑作を知る身としては、同じ暇人を描きながらあのシリーズほどには笑えない本作に物足りなさを感じた。

    ネタバレBOX

     私が笑いを誘われたのは、多賀麻美さん演じる密航者の女の子が踊り出すシーンのみ。
     あの踊りには役者の持つ天真爛漫な人となりが役を超えて滲み出ていて、微笑ましい気持ちで眺めているうち、気がつけば声を出して笑っていた。

     逆に、ササキが炭酸飲料を一気飲みするシーンは、笑いを欲しているのが明白なのにまるで笑えず。
     本作の作・演出家は日常を細やか且つリアルに描く作風で知られているが、なぜギャグはこうも大味なのか?
     ササキに扮した役者は飲料を“延々”飲み続けて笑いを取りにいくが、子供しか笑わないようなこの手の力業ギャグが、この作・演出家の作品には少なくない。
    『忠臣蔵・OL編』ではあるOLが社食のラーメンに“延々”香辛料をかけ続けて笑いを取ろうとし、『暗愚小傳』では一同が“延々”笛を吹き続けてウケを狙う。

     共通しているのは“一つことを長々続けて笑いを取ろう”という安直な意図。
     今後の作品にはもっとひねりの効いたギャグを期待。
  • 満足度★★★

    A
    面白い。110分。

    ネタバレBOX

    とある船のデッキでの会話劇。

    不穏な日本を離れ南の島に向かう客船。日本人かそうでないかがちょっとしたファクターになっている。日本人は仕事をしないのが普通らしいし。
    近未来的な外側をみせずにゆっくりと会話が進み、そして終わる。あんまり刺激的な話でないけど、ところどころに違和感とか不安感を覚える作品。

    話的な面白さとか、笑えるとこも少なめな感じだけども、普通でない空気感が漂ってた。
  • 満足度★★★★

    ネタばれ
    ネタばれ

    ネタバレBOX

    平田オリザの【南へ】を観劇。

    20年ぶりの再演らしい。

    とある豪華客船の船上が舞台で、乗客は日本人のみで、何処か遠い南の島へ避難もしくは移住をするようだ。
    その船上では記念写真を撮ったり、詩を朗読したり、船長に悪ふざけしたりと裕福な人達の怠惰な風景であり、楽園のような時間が永遠と続いているようだ。
    そして彼らは何故日本を捨て、南の島へ向かうのか?
    その答えがまるで見えないまま、いや探そうとしないまま、その日本人達は永遠と無目的な旅に向かっているようだ。
    そしてそんな何故?という疑問を残しつつも、作中には何も答えを提示すらせずに、乗客の台詞「今夜は綺麗な月が出るかなぁ?」で終わってしまう。
    平田オリザ特有のテーマである、舞台で行われている疑問の答えは、蚊帳の外にあり、それをどのように捕まえるかは己の考え方次第と言っているようだ。
    舞台ではテーマが何で、言いたい事は何を語る西洋かぶれの演劇手法ではなく、今現状に置かれた社会の状況をあえて同じく舞台で再構成して、
    提示してしまう手法は、劇場に夢を求めにくる演劇ファンには悪夢である。

    昨日【城山羊の会】が岸田戯曲賞を取ったのだが、過去の受賞暦の【ポツドール】【五反田団】【ハイバイ】【城山羊の会】などは青年団出身のようだが、彼らの行っている新鮮な作劇法は、結局は平田オリザの現代口語演劇の延長でしかないという事がはっきりと分かってしまうのだ。

    何度見ても女優・李そじんは良い。
  • 満足度★★

    Aチームを観劇。説明不足が過ぎる。/約110分
     観る人それぞれに様々な感慨を引き起こす作品なのではないか?
     初演から四半世紀を経て再々演されるこの劇について作・演出家はそう言うが、これは裏を返すならば、どう受け止めるかを客にほぼ丸投げしているということ。
     実際、母国からとある南島へ移住するため船旅の途上にある富裕な日本人達がどんな動機でどんな島へ渡るのか、当人達はほとんど語らず、それを我々は推察するほかない。

     これは不親切に過ぎるのではないだろうか?

     冗漫な詩談義に多くの時間を割くくらいなら、その時間を使い、南島へ渡る理由を各人にもっと語って欲しかった。

     初演時はバブル期の真っ只中にあり、本作は異常な好況がさらに進んだ近未来を描いている。
     当時の日本への強い怨嗟を込めて書いたと作・演出家が言うだけあって、好況を背景に思い上がっている日本人が悪意たっぷりに描かれているが、新天地へ向かう彼らはどういうわけか一様に倦怠感を漂わせ、何かに苛立っている様子。新天地への期待感はあまり窺えない。
     その理由も私にはつかみかねた。

     多賀麻美さん演じる底抜けに陽気な女の子がたいそう魅力的でした。

    ネタバレBOX

     外国人やハーフの船員がいるにもかかわらず、船内は日本語以外使用禁止。
     船客の中には外国人への嫌悪感を口にしてはばからない貴婦人もいて、船客達が日本を去る理由の一つが、バブル景気が日本へと呼び込んだ無数の外国人労働者への嫌悪感であることが窺い知れる。
     彼らは移住先の南島に日本人だけの楽園を作ろうとしているのかもしれない。

     作・演出家は本作を今このタイミングで再演することに意義を感じているようだが、本作に現代性を見出すとするならば、船客の多くが“思い上がった富裕層”であるという点だろう。

     彼らは外国人への、とりわけ、かつて征服を試みたアジア諸国の人々への強い差別意識を抱いているが、格差社会化が進む今、この差別意識が外国人でなく、同じ日本国籍を持つ“貧民”へと向かったら……

     そう考えたらゾッとしたが、ひょっとするとこの想像はもはや現実になっているのかもしれない。

  • 満足度★★★★

    【Aチーム】観劇
    淡々と定点観測

    ネタバレBOX

    デッキを定点観測することによって、北朝鮮が崩壊し、朝鮮半島は韓国に統合され、北朝鮮からの難民が日本に多数押し寄せ、またアジアからの移民も増えた日本で、所謂外国人に馴染めない人々が、日本人社会が築かれている南の島に移住することを決意して船に乗ったということが次第に明らかになっていく話。

    1994年初演の『東京ノート』はこの1990年初演の本作品の手法に似ています。

    秘書を連れたご婦人やシンガポールのビル二棟を相続した子供もいましたが、田中英光作の小説『オリンポスの果実』を意識しているとは言え、おやつに杏の実を食べているような詩人は富裕層には見えませんでした。

    南の島では日本人は働かず、現地人、あるいは日系の混血の人たちが労働する社会のようです。そして、混血には自他ともに認める階級があり、ハーフはクオーターを下層に見ていました。

    李そじんさんのデッキチェアが壊れたのか、留め具が緩んだのか、ぐにゃっとなったときの表情、その後の伊藤毅さんのアドリブ対応は興味深く見させてもらいました。
  • 満足度★★★★

    Aチーム なぜ「南へ」行くのか?
    脚本は20年前のそのままで内容構成は、現代にアレンジしていて、船の客、船員、密航者(?)の登場人物それぞれがなぜ「南へ」行くのかという会話しながらも、静かながらも、葛藤しながらも、未来へとつながる構成で若い演劇人がんばった、115分でした。

  • 満足度★★★★★

    Bチーム鑑賞
    上演時間1時間50分。目の前のこと以外がほとんど描かれず、空間も時間も一部分が切り出された、なんとなくの情景の作品。その世界に一緒にいたかのような感覚が残る。

このページのQRコードです。

拡大