満足度★★
近過去の難しさ
自殺した仲間が残した謎を巡る、不良っていうかボンクラ高校生たちの学園ドラマ。舞台上に登場しなくてもそれぞれの想いから、いなくなった彼の姿が次第に浮かび上がってくる構成はなかなか凝っています。この劇団の代表作といわれるだけのことはあると思わされます。
ただこの作品で描かれる高校生の風俗が微妙に古いのが気になりました。作品舞台はおそらく90年代と思われ、これは初演の5年前の時点ならちょっと前の時代ということでまだその時代の空気のようなものが反映できていたのではないかとも思われるのですが、再々演となった今回となると当時との隔たりが違和感となって浮き上がってしまっているように感じられました。むろん仲間同士の友情というテーマには普遍性があるので再演される理由は分からないのでもないのですが、今の時代に上演するならそれなりの微調整があって良かったのではないでしょうか。