十二夜 公演情報 十二夜」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.1
1-7件 / 7件中
  • 満足度★★★★★

    千秋楽
    素晴らしい。今年No.1。これまでの全ての中でも指折り。演劇の素晴らしさに溢れていた。娘たちに観させてやりたかった。再演すべきだ。一度しか観られなかったことを呪いたい。冒頭からヴァレンタインの横地梢さんから目が離せなかった。李そじんさんの麗しさにウットリ。男装して愛しい人に仕え、しかも姫への恋のキューピットを仰せつかるジレンマを、纏ったその柔らかなオーラと潤んだ瞳が匂い立たせた。完全に心を射抜かれた。そして大好きな小瀧万梨子さんのコメディエンヌっぷりに脱帽。こんなのできちゃうのね。

  • 満足度★★★★

    青年団(系)俳優もやるな
    作・演出で芝居を見る自分にも癖になる俳優、気になる俳優が現れて来る。控えめな(あまり感情を露にしない)青年団の芝居でも存在感をみせる俳優が居り、彼らがしっかり起用されたRoMT版「十二夜」は、やっぱり青年団と思わせる要素が多々。俳優の本当の力量は見えないが(台詞の抑揚が意味と違ってたりもするが)、この芝居の世界が作られている、と感じた。テンポよく作ってると予想していたが、たっぷりな演技もあり2時間40分超え。十二夜だのに、まさかのカーテンコール無し。
    やり尽されたシェイクスピアを、どうやるのかが作り手にとっての勝負だが、この舞台では口語の用い方に特徴があった。訳は河合祥一郎。そのまま喋れば訳語の文体に絡めとられた演じ方になりそうな所、台詞を噛み砕いて口に慣らし、台詞は台本のままでも発語の感覚が「現代」になっている、という技を繰り出すのだ。行き別れた兄妹の妹のほうが兄に似せた男装をしており、瓜二つで周囲は見分けがつかないという設定ゆえ、普通あり得ない寓話を成立させねばならないが、演技は勿論演出的工夫が各所にあって客をうまく乗せている。役の見せどころ、笑わせどころでは、役者がしっかりと仕事をしていた。

    ネタバレBOX

    再会する兄妹は両名とも純粋さ凛々しさを湛え、清潔感もあってそれだけで再会の感動を裏づける。男装した妹に恋心を打ち明ける女は、恋心を発見した時の感覚を思い出させるしぐさ、佇まいのリアルさ。他の役者も、演技のディテイルが美味しい2時間40分(超)だった。
  • 満足度★★★★★

    古典喜劇でこんなに笑えるとは。。。/約155分・休憩無し
     期待以上の出来。
     いろんなシーンがあるこの劇を簡素なセットで上手に見せていたし、翻訳モノの割にセリフ回しがそこまでものものしくはなく、割とすんなり世界に入り込める。
     訳者が苦心して訳しただろうにさほど可笑しくはないダジャレの数々を強調しすぎず、やや流し気味に言わせるのもいい。

     そして何より、●●さんの独壇場と化していた某シーンの可笑しいこと!
     自分がかつがれていることに気づいていない間抜けで哀れな中年男を●●さんが緩急完璧な演技で好演していて、笑った、笑った!

     この●●さんと××さん。このベテラン二男優が安定した演技で作品を引き締めていて、客は安心して劇世界に浸れる。

     主役の若い兄妹は、互いによく似た中性的な男女が演じるのが適切な配役なのかもしれない。
     今回のRoMT版『十二夜』ではそのような配役にはなっていないが、ネタバレに記した理由により、今回の配役もそれはそれで悪くはないと思えた。

     田野邦彦さん演出作品を観るのは昨年の『ゴーストシティ』に次いで二度目だったが、役者が時おり特定の客を見つめつつ演技する演出は健在。
     自分好みの女優さんに見つめられた時はドキドキしてしまいました。。。

    ネタバレBOX

     互いによく似た兄妹が、そのそっくりさ故に周囲を混乱に陥れるところに本作の醍醐味はあり、容姿の近い男女が兄妹を演じるのが理想的。
     が、見た目が瓜二つな男女を揃えるのは大変だったのか、兄セバスチャン役の磯谷雪裕さんと妹ヴァイオラ役の李そじんさんは衣裳こそ同じものを着ているが、風貌は互いにまったく似ていない。
     それでも李そじんさんは綺麗で可愛く、兄役の役者と似ているものの容姿は並の女優さんがヴァイオラを演じるよりは男性客が喜ぶし、磯谷雪裕さんはカッコよく、妹役の役者と似ているものの容姿は平凡な男優さんがセバスチャンを演じるよりも女性客は嬉しがるはず。

     事実、ヴァイオラがオーシーノ公爵に抱きしめられるシーンでは、一男性客として当然ながら公爵に感情移入し、ドキドキ、ワナワナしてしまった。。。
     ヴァイオラを平均的な容姿の女優が演じていたら、この高揚はありえなかったはず。

     一方、女性のお客さんは、伯爵家の女主人・オリヴィアがセバスチャンに抱きしめられるシーンにグッときたことだろう。
     こちらも、セバスチャン役の男優が並みの容姿をしていたら、その高揚はもたらされなかったに違いない。

     しかし本作、李そじんさん以外にも魅力的な女優さんがいっぱい出ていて、目移りして仕方なかった。
     道化フェステを演じた菊池佳南さんもその一人。
     彼女が菩薩のように温和な笑顔でかしずくようにお辞儀をして幕が開き、彼女が同じように一礼して幕が閉じる演出がなんとも印象的でした。

  • 満足度★★★★

    結構バタバタと、
    あらすじをを急いで流しているような感じでした。

    ネタバレBOX

    オーシーノ公爵に仕えるヴァレンタイン役を無隣館の横地梢さんが演じていましたが、殊更に存在感がありました。オーシーノがシザーリオを寵愛するのを見て憂いた表情をするので女かと思いましたが、アントーニオを捕縛するのを見て一応男だと考えました。二組のカップルが誕生した大団円の後のラストシーンで、再度物思いに耽っていましたが、彼はゲイなのか、なぜわざわざ女優を使ったのか、なぜドタバタコメディのハッピーエンドの後に物思いに耽らせる必要性があるのか理解に苦しみました。

    李そじんさんは出ずっぱりで可愛かったですが、男に変装するのに髪を束ねただけというのはちょっと芸がありませんでした。現在、日生劇場でやっている『十二夜』や歌舞伎版は一人二役です。どっちがいいとも言えませんが、少なくとも今回はそんなん間違えるかと思いました。

    それよりも、兄を助けたのも、妹を助けたのも同じ俳優さんというのでは、アントーニオのことは知らなくても、自分を助けてくれた船長さんのことぐらいは覚えているでしょうって思ってしまい、頭が混乱しました。

    経費節減なのでしょうが、二組のカップルのドレス姿など見てみたかったです。

    ところで、道化が太鼓叩いてハンカチ広げ投げ銭を要求するシーンがありました。最前列の席でなかったのでできませんでしたが、最前列にいたら間違いなくハンカチの中にそっと小銭を入れました。残念でした。
  • 満足度★★★★


    二回見ても面白かった。

  • 満足度★★★

    かなり面白い
    李そじんの魅力をたっぷり堪能出来た。
    そして小瀧万梨子が、芝居なのか?地で行ってるか?が分からない位の演技の上手さは最高です。

  • 満足度★★★★

    喜劇
    面白い。150分。

    ネタバレBOX

    十二夜は日本の30代で一度見たきり。見ごたえあって長丁場でも楽しめた。

    役者それぞれが特徴とか出せてたように見えた。
    熾烈ないたずらをされるマルヴォーリオ(太田宏)はしっかり笑いを引き出せてたし、ラストの「復讐してやる」もちょっと怖いくらい。
    ヴァイオラ(李そじん)に恋するオリヴィア(小瀧万梨子)も、伯爵令嬢な雰囲気と恋する乙女なギャップが上手かった。

    最後の、独りになるヴァレンタイン(横地梢)のもの哀しさもいい。ヴァイオラが来たせいか公爵から一時遠のくが、アントーニオ(平吹敦史)をとっつかまえ再度屋敷に戻るも、結局ヴァイオラの身分とか公爵との結婚が分るという。恋だいたずらだとわしゃわしゃやってる面々に対して、舞台にすら上がれない人間のやるせなさみたいなのが、いたたまれない。舞台上で着替えさせるのは良い演出だと思った。

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