アニー 公演情報 アニー」の観たい!クチコミ一覧

期待度の平均 5.0
1-1件 / 1件中
  • 期待度♪♪♪♪♪

    ミュージカル『アニー』の魅力
    ミュージカル『アニー』の魅力

    ミュージカル『アニー』は,不思議な作品だ。孤児であり,貧しく,虐げられたアニーは,明るさを失わない。何があっても平気だ。いつか,両親は自分を迎えに来てくれるはず。そんなアニーは,サンディという捨て犬と友達になる。さらに,もの好きなお金持ちの家にホームステイすることになる。やがて,働くこと以外,お金儲しか生き甲斐のなかった中年おとこが,少女との会話で,新しい世界を開くことになる。その,破天荒な楽天主義は,恐慌下の庶民に生きる希望をあたえ,大統領まで感化されていくことになるのだ。

    鈴木大拙は,禅の本質は,知的直観であるとする。禅に近づくひとには,旺盛な知的欲求がなければならないとする。そのために,禅思想になじむひとは,限られる。タイプ的には,おとなの男性,それも,時代をこえて,エリート層かもしれない。しかし,禅の本質を説明するひとは,禅は,少女の持つ不思議な世界に似ているという。日本人は,なにか変なものを,「妙」じゃないか?などと表現する。その漢字の,もともとの意味は,若い女の世界はわからない,少女のもつ夢のような感覚に対して,やゆとも,畏敬ともとれる言い方だ。

    西洋演劇は,おおむね,論理の世界だ。だから,劇団四季の浅利慶太は,七割は,そのストリーが世界をしていたら,上演されても成功できるとふむ。その,論理,お話をおしゃれにする技は,象徴的なやり方,禅の世界=直観であろう。ミュージカル『アニー』は,多くことばで,みんなに自分の世界を語る。最後は,まなざしで,最高の笑顔で,歌で,・・・。そうして,演劇は,成功する。

このページのQRコードです。

拡大