悲しみよ、消えないでくれ 公演情報 悲しみよ、消えないでくれ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.6
1-14件 / 14件中
  • 満足度★★★★★

    見終わってすぐに頭に浮かんだのは、マリー・ローランサンの詩
    正確には高田渡さんが歌った『鎮静剤』の歌詞。

    失った者の悲しさ、露わになる人間関係。
    上手い!

    ネタバレBOX

    山小屋の主人を演じる、でんでんさんが、普通に台詞を言っているだけで何かが起こりそうだ。
    なんかヒリヒリした緊張感がある。恐い。
    しかも、彼が演じる山小屋の主人は娘を亡くしていて、この日がその命日だという。
    これで何も起こらないはずはないだろうと思った。

    登場人物たちのそれぞれの状況と、本音らしきものが見えていく展開は、上手いと思うし、やっぱり面白い。
    山小屋の主人は、何かじっと耐えているように感じてしまう。

    その場をなんとかうまくしようと、無理をしているような感覚だ。

    ラストの彼の一言が効いている。
    そして、タイトルのうまさに舌を巻いた。

    高田渡が歌っていた、『鎮静剤』(マリー・ローランサンの詩)の歌詞はこんな風である。

    退屈な女より もっと哀れなのは かなしい女です
    かなしい女より もっと哀れなのは 不幸な女です
    不幸な女より もっと哀れなのは 病気の女です
    病気の女より もっと哀れなのは 捨てられた女です
    捨てられた女よりもっと哀れなのは よるべない女です
    よるべない女より もっと哀れなのは 追われた女です
    追われた女より もっと哀れなのは 死んだ女です
    死んだ女より もっと哀れなのは 忘れられた女です

    最後の一行がこの作品を語っていると思ったのだ。

    高田渡『鎮静剤』
    https://www.youtube.com/watch?v=E_12lISYgSA
  • 満足度★★★★

    もう、言わんこっちゃない。。。
    舞台を観ていくうちに、きっと誰か爆発するんやろな・・・・
    って思ってたら、もう、言わんこっちゃない、
    こんなありさまだよ。。。

    でも、人間だから、みんな悪いし、みんな悪くない。

    できれば、この舞台にいた登場人物たちが、
    ここから時計を動かし始めて、しっかりと生きて欲しいと祈るばかり。。。

    ‥というように、
    観たひとの記憶にだけ残って消えていく舞台が、
    なんとも名残惜しいというか
    ……楽日なら、尚更なんだろうけど……
    この舞台は、特に強く感じました。。。

    でんでんさんが、すごく良くて
    ラストのでんでんさんを観るには、ほんとベストポジションでした。

    ネタバレBOX

    役者さんのレベルがやはり高く、生越さんも全体のくさび(楔)的な感じで良かったけど、まだブラッシュアップできる余地はあると思うので、頑張って欲しい。。。
  • 満足度★★★★

    マチネ
    素晴らしい!

  • 満足度★★★★★

    極上の人間悲喜劇
    演技、演出、構成、舞台美術全てが素晴らしかった。

    主人公は優柔不断でいい加減。
    その場その場で適当な嘘を吐いてどんどんと泥沼にはまっていく。
    他の登場人物たちも不倫に不妊、DVなどいろんな問題を抱え、
    うわべだけで取り繕ったような人間ドラマが後半ボロボロと崩れていく。
    もう観ていてイライラ、もやもや、そして胃がキリキリとしてくるのだけど目が離せない。
    ぐいぐいと引き込まれてあっというまの2時間でした。

    そんなドロドロとしたお話なのですが、
    もの凄いシリアスな曲面でも随所で笑えてしまうのが自分でも不思議でした。
    悲劇を突き詰めると喜劇になるってこういうことなのかな。

    演技も素晴らしかった。
    自然体というか角の取れた演技というか。
    あまりに自然なので、
    目の前で繰り広げられている本物の人間ドラマを覗き観ているような
    そんな感覚に浸れました。


    開演の仕方が面白かった。
    暗転が無いまま放置。
    客席が自然に静まって、最後水を打ったように静かになってからスッと舞台が始まる。
    意図的な演出なのかは分かりませんが、良い入り方だなと思いました。

    ネタバレBOX






    [memo]
    忠男は亡くなった元同棲相手 一葉の実家に居候。
    小説を書いている。
    一葉の妹 梢が山を下りることになったので山岳仲間らが集まる。

    一葉は山を下りた先の民宿で土砂崩れに会い命を落とした。
    山を下りた本当の理由は、忠男に妊娠を告げ時に「おろしたら結婚してもいい」と言われたから。

    一葉の父・寛治はその話を聞いて激怒。
    その際、忠男は不倫相手の陽菜にナイフで刺される。
    翌日、忠男は山を下りることに。
  • 満足度★★★★★

    これで3000円
    終始引き込まれる物語。

    丁寧に作り込まれた人の感情の変化が、終幕に向かって加速していく感じは本当に見事でした。


    これで3000円とは安すぎです

  • 満足度★★★★

    ネタばれ
    ネタばれ

    ネタバレBOX

    モダンスイマーズの新作【悲しみよ、消えないでくれ】を観劇。

    今作では山小屋の中のみで展開する愛憎劇。

    学生時代の登山仲間が、登山中に事故で亡くなった友人・一葉を懐かしむ為に、毎年彼女の父が経営している山小屋に集まっている。
    彼女の元恋人・忠男はそれ以来ショックの為か、下山出来ずに一葉の山小屋に身を寄せている。
    そしてある事がきっかけで、一葉が亡くなったのは事故でなく自殺であり、その原因が忠男のせいではないか?と皆が疑い始めていくのだが.......。

    友人や家族を失った悲しみは、どれだけ他者と分かち合えば良いのか?
    本人はそれほど悲しいと思っていないのに、何故世間に対して悲しいフリをしなければいけないのか?そんな事がテーマに描かれている。
    忠男は恋人を失っていて、悲しいには悲しいのだが、周りが思っているほど心では深い傷を負ってはなく、建前上では悲しみを装っている。
    忠男の態度は、とても優柔不断で、酷い人間に見えるのだが、人は誰でも悲しみや辛さを持っている相手に同情した時は、相手もそれなりの態度で示してくれないといけないと勝手に決め付ける節がある。
    そしてその同情した相手の反応の仕方次第では、相手に対して怒りすら覚えたりする。だが逆の立場になった場合はどうなるのか?
    実はそこが今作の最大の焦点であり、観客の誰もがハッとしてしまう、心に深く刺さってくる作品であった。

    早くも今年ナンバー1の予感。
    そしてモダンスイマーズの新たなる代表作になったようだ。

    傑作である。
  • 満足度★★★★★

    良かった。
    前回公演は見られず。今回の舞台、各方面から好評な感想は目にしていたが、噂にたがわず、地味だけどとても良い舞台だった。
    でんでん氏にホロリとさせられるとは思いもよらなかった。
    可笑しさの中から次第に切迫した場面に変化していくのだけど、その人たちの動向を淡々と描いているだけなのに、静かにジワジワと、滑稽さと哀しみも一緒くたになり、いろんな思いが蓄積されて最後の最後にあの落とし方。見てても聞いても、心にドサッと響いた。

    舞台を3方囲みのコの字型の座席配置だったので、座席によっては最後の表情を見られない場合もあるかと。あの場面の舞台セットが彼の心情も表していたんだろうか。

    ネタバレBOX

    好きだった彼女を死なせた事への自責の念、表面上はそうであっても裏では自由を味わいたい。「なんとかなる」で時間が解決すると思っていたのかなー、な、忠男。あの場ではコレも試練だと思ってそう。緊迫した雰囲気の中で唐突に言わんでいい事を言ってしまう男ども。怒りの矛先の行き場がついチカラ技になってしまうわ地団駄を踏むわの友之、時に詩人になってしまうナチュラリストな紺野。しっかりしてそうで実は女の掌で転がされてそうな生き方に男の純情が垣間見える清一郎。この面子の中では個人的に一番夫にしたい人かもしれないw。
    ゆり子と陽菜の男へ共依存の選択性に性格の違いがはっきり出て、この30代女の行動はどちらもなんとなーくわかる気もする。

    他界した姉の意志を知っていた妹、全てをわかっていた上で父親にも言わなかったのは彼女なりの優しさだったのか。
    その姉妹2人を大切に育てていた父。娘へエールを送るつもりの選曲だったのに、一時は息子と思っていた奴に歌うことになろうとは。亡き娘の板挟みで困惑と混乱の気持ちを抑えた歌い方が味わい深くいい歌声だった。目の前の騒動の際、梢を気にかける様に口に出さないけど娘たちへの愛情が伺えて、そんな父に訪れた荒涼たる結末。冬景色の中で一人佇む寂寥感ある姿に切なくなった。

    みんな見た目はいいのに精神年齢の低さ、その場の間抜けさから露呈するダメ人間ぶり。さらにドツボにはまる展開に「あーあー‥」となり、笑えるけど、次第に父親のやり場のない怒りの持て余し方には同情したくなった。

    タイトルの「悲しみよ、消えないでくれ」は、亡くなった一葉が生きている者へ対しての言葉にも取れるし、父親が一葉の友人や憎いけど息子と思いたかった相手への願いにも思えるし、こうなってしまった責任を取らせる為の仲間内の心情にも受け止められて、もうこちらの気分がアップアップで追いつかないくらいの哀楽の込み上がり方だった。
  • 満足度★★★★★

    誰が悲しみを理解できるのか。
    派手さがないのに、ここまで引き込まれる芝居はあまりなく、個人的には圧巻だった。

    ネタバレBOX

    <あらすじ>
    杉浦寛治(でんでん)が経営する雪深い山荘。
    2年前、麓で起きた土砂災害で長女・一葉を失い、
    今は次女・梢(生越千晴)と
    一葉の恋人だった新山忠男(古山憲太郎)と暮らしていた。
    そして梢が家を出て行く前日、
    お別れ会の準備のため、山荘の荷運びしている
    阿部友之(津村知与支)と陽菜(伊東沙保)夫婦が出入りする中、
    一葉を偲ぶため、新山の大学時代の山岳会仲間が山荘にやってくる。


    作りこまれた山小屋の客間の美術が良い。
    コの字型で三方向に客席が構えられ、客席からの距離が遠くない。
    一番遠い正面の後方から俯瞰するように観ていたが、
    それでも遜色なく楽しめた。

    個人的に何度か東京芸術劇場のシアターイースト、ウエストを訪れた中で、
    通路を潰してできた桟敷席に当日券のお客さん達が
    目一杯埋まるのはワクワクした。

    自然な現代口語形式の会話劇で同時に会話が発生したり、
    ぼそっとしゃべる声や小さな音が多少聞きづらいこともあったが、
    それで面白さ、魅力を損なうことなく集中して観た。
    大事が起こる派手さはなくシンプルながら、とても見応えがあった。

    全編を通じて笑ってしまう場面があるのも、飽きない。
    でんでん演じる寛治の掴みどころのない飄々とした様など
    挙げたらキリがない。

    他では例えば妻にDVをしていた友之が
    ある場面では最も的を得た台詞を言ったりする。
    問題によって各登場人物の立ち位置が切り替わるのが、
    ごく自然でそれが面白さを引き立てる。

    ・なぜ新山は一葉の実家にいるのか。
    ・なぜ梢は山を下りるのか。etc.

    そういった疑問、登場人物各々が抱える問題や秘密が
    新山と陽菜の不倫を友之が暴露することで、
    数珠繋ぎに発覚していき関係が崩れていく。
    張りつめたサスペンス的要素よりも、
    それこそ前置きのない暴露などによって
    じわっとありふれた空気がいつの間にか変わる様に見入っていた。

    作・演出の蓬莱竜太さんの
    「亡くなった方を大事に扱わなければいけない、
    そういった命のタブーに挑んだ」という旨の内容が
    当日パンフレットに書いてあった。

    このタイトルにある「悲しみ」とは
    「亡くなった者を悼むこと」だろう。
    だがそれが消えたり、無くなったりするのは、
    ある意味では自然なことだと思う。
    忘れてしまうことは悲しいが、
    悲しみにいつまでも囚われているのもどうなのか。
    これは新山以外の人間、
    劇を観ている観客も含め一般的に持っている感情だろう。

    ただ今作でいう「悲しみ」は、
    一方では、新山の今の安穏とした生活を保障するもので、
    無くなるとその生活は破綻してしまう。
    他方では、あくまで徹底的に優柔不断でダメ男の新山が、
    それでも一葉を好きだったという気持ちを
    忘れずに悼むことも含まれているように思えた。

    だが彼が徹底的にダメであるが故に、
    不器用に言い表せない(一葉が好きであるという)感情は、
    誰にも理解されず、否定されてしまう。
    人は情けないが、情けないままでいれないのも
    事実というのが残酷に伝わってくる。

    そんな新山ですら、その存在が
    寛治にとって実は支えになっていたことが分かるラストは
    心に残った。
  • 満足度★★★★

    冷徹なまなざし
     ことばだけでなく練り込まれた構成にもとづく演出で、生きている人間の現在、
    欺瞞、傲慢、あさましさといったものが次第にあぶりだされてゆく過程が実に
    緻密に描かれている。
     モダンスイマーズの作品特に混迷低迷期の作品群などでは、作品によっては
    こちらの心にうまく届かずなにかもやもやした感じが残るのだが、今回は、
    自分の鑑賞眼という普通のカメラでもその焦点近傍に入ってくる、かつての
    勢いをかなり取り戻してきているような蓬莱節が見事に炸裂している作品。

    ネタバレBOX

     コの字型に舞台を囲む座席配置になっていて、席によっていろいろみえ方も違ってくるかもしれませんが、現代口語演劇の手法も取り入れられていて随所に工夫の凝らされた演出舞台でした。
     また、男達の情けなさ弱さが徹底している分(ハイバイの「おとこたち」に出てくるおとこたちもすさまじかったですが)、女達の強さ適応力といったものが対照的に自然と際立ってくる作りになっています。特に、問題の男の元恋人の妹(この物語のいわば隠し球というか切り札的存在)の内面的なまなざしが実は極めて冷徹で、人間の虚無と闇の世界を見つめた紫式部のあの冷徹なまなざしにどことなく重なるところがあるような気もしました。


  • 満足度★★★★★

    樹脂の光沢のごとき
    クオリティの高い芝居の出来であった。芸劇イーストの空間と機構を使い得ている雰囲気、緊張感と人物たちのリアルな生きる時間が終幕まで持続し、話じたいにもそこはかと揺さぶられるものがある。ここ幾本か劇団公演を観てきた目からは、最上の仕上がりであった。
    もっとも「良い」とか「高い」といった言葉はその芝居の娯楽性(エンタテインメント性)の達成度を言っていて、つい口から出てしまうが、今回のは私の勝手なモダンスイマーズへの思いからの感慨。作品と同程度かそれ以上に劇団の来歴なり構成員の特性や事情にいつしか思いを及ばせる(思い入れのある)数少ない劇団の一つだから、今回の舞台製作の成果には、対外試合で苦節のすえ勝利したスポーツ選手への拍手に近い心情と感動があった。
    芝居の質感としては、蓬萊戯曲の空気(台詞の行間に語らせる)を漂わせながらも、意味深な伏線の謎解きが二転三転するサスペンス構造で物語として圧縮された感がある(過去作品に比して)。人物の役割(ロール)の演じ分け、互いの棲み分けが素晴らしく、人物の一貫性の点で空白をほとんど感じない。それによってサスペンスが成立するのみならず、人物らがアトモスフィアの中に群像として立ち上がり、愛おしい。この群像の中心にあるのがでんでん演じる山小屋の主でキーマン。主人公の青年(古山)はストーリー上最も大きな問題を提供する存在となっているが、他にも主の娘、これに縁のある山岳仲間、物資運搬に出入りする夫婦らが、濃淡ある親密圏を形成し、この濃淡に応じた関係性が群像を作っていく。でんでんは一瞬のほころびなく手抜きもなく立ち、圧倒的に強靭だった。拮抗するようにして他の役者も、その人自身と見まごうリアルさで、切実に存在する。何よりその人物像の「現代性」にえらく共感するものあり、細を穿った造形は痛快というより恐ろしい。自分を見るようだった。

  • 満足度★★★★

    しっかりした脚本と役者。
    内容もさる事ながら、演者がしっかりしていて見ごたえがありました。

  • 満足度★★★★★

    げに恐ろしきは‥‥。
    モダンスイマーズ初観劇。濃密&臨場感ある舞台で非常に見応えがあった。

    役者陣の演技もみな素晴らしく、役にしっかりハマっていたと思う。



    上演時間:120分




    ネタバレBOX

    親友、夫婦、恋人(不倫)関係。様々な人間関係が、終盤たたみ掛けるように崩れ落ちていく展開は見事でした。


  • 満足度★★★★★

    情けないのが人間
     モダンスイマーズの舞台初見参。
     登場人物それぞれに多かれ少なかれ情けない部分がある。人間関係も然り。でも、人間ていうのはそんなモノだろうと思ってしまうから、憎めない。ドキドキ、ハラハラさせられたり、笑ったりと存分に楽しみました。

    ネタバレBOX

     山小屋の主人役のでんでんがいい。飄々としたおじさんが怒りを爆発させるところ、そしてラストで見せる人恋しさ……。ボッカの夫婦の不思議ちゃん具合も面白かった。
  • 満足度★★★★

    じりじりと
    初、モダンスイマーズ観劇でした。動かない時間のようにじりじりとイライラと、でも少しずつ変わっていってる。それぞれ人の気持ちなんて…自分の気持ちさへ…なのに。あとからずっしり感じますね。あぁ

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