よるべナイター 公演情報 よるべナイター」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.9
1-11件 / 11件中
  • 満足度★★★★★

    命ほとばしる、喉から肉体から
    身体ではなく(生きている)肉体を感じる舞台。


    青山円形劇場で観てよかった。
    「ナイター」のタイトル通り、物語の中心に野球があり、円形劇場はまるで球場のようではないか。
    バックネット裏の特等席で観た。

    ネタバレBOX

    青山円形劇場で観てよかった。
    「ナイター」のタイトル通り、物語の中心に野球があり、円形劇場はまるで球場のようではないか。
    バックネット裏の特等席で観た。

    タイトルの『よるべナイター』の、「よるべない」とは何なのかと思っていた。
    舞台の上では、生と性が溢れていて、「よるべない」のは観客なのかなと。

    しかし、ラストへの展開で、1人野球実況中継のサラリーマンが登場することで(単に実況中継をしている人だとてっきり思っていた)、一気に「よるべない」が迫ってきた。

    仕事帰りにコンピに寄って、帰りながらの「1人野球実況中継」。
    うわー、こ、これは……と。

    帰り道で、カップル見て妄想しているサラリーマンなのか。
    と思って、切なさが爆発した。

    それぞれのエピソードが、万が一彼の妄想の産物であったとしても、それぞれが生きている。
    夜の暗闇の中、電球の温かく優しい光が彼らを照らす。LEDじゃない、触れば熱い白熱電球の光だ。

    そんな灯りが、夜の中に、それぞれの「生」を、「命」をぼぉっと照らし、あちこちに見える、そんな当たり前で、ささやかで、平和な夜。
    温かい灯りの下には人がいる。

    そして明日がある。
    命は続く。

    歌がとにかくいい。
    歌詞カードがあるので、あとでじっくり読むと良さがさらに増す。
    メロディが頭の中でリピートする。

    きれいに唱うよりも、心の底から歌詞を絞り出して聴かせようとする姿がいいのだ。
    どのシーンの、どの一瞬を観ても、どの役者も気持ちが口から、いや喉から、いやもっと深いところからほとばしっている。

    日髙啓介さんって、歳取ってからもロックな役者だ。「渋い」とも違う。やっぱり「ロック」だ。歳を重ねるごとにさらにロックで良くなっていくのではないかと思わせる。歌詞とか表情とか、グイグイと心に来る。

    名作、「果物夜曲」は、前に東京芸術劇場の野外で観た。
    なんてことのないストーリーなのに、深井順子さんと日髙啓介さんの一挙手一投足、台詞や歌が胸に迫る。
    なんだろ、この感じ。
    泣きそうになってくるではないか。
    まるで中学生の初恋のような純情さが、中年に差し掛かった2人の間には芽生えている。

    愛というより「恋」。
    恋は人を純情にしてしまう。
    それを真正面からストレートに見せられて、グッときてしまうのだ。

    風俗嬢(小野ゆり子さん?)の純真さのようなものにも触れてしまう。
    夜の、電灯の灯りに照らされる彼女たちは優しい。
    生身の人であることを感じさせてくれる。
    エロスだけでなく、「生きている」ことを感じる。

    全体のテンションがリズムに乗って、激しくビートを打っている中での、森下亮さん演じる実況中継サラリーマンがいい。音楽のリズムに乗っているわけではないのだが、作品全体のリズムを壊すことなく、別世界にいるようだ。
    彼の口調と動きでラストは、さらに染みてくる。

    あいかわらず西田夏奈子さんは歌が上手いし、表情がいい。そして伊藤昌子さんも、あいかわらず表情が良くていい感じに笑わせてくれる。

    私の観た回は、代打の回だった。
    代打には、元プロ野球選手の古田敦也さんが出てきて驚いた。
    明らかに役者とは異質な肉体を持っていて、それがまたいいアクセントになっていた。

    舞台の音楽を入れたCDRは出ているのだが(聞き込んでいる)、ここらでスタジオ盤もほしいところだ。
    できれば、パートごとに録ってミックスするのではなく、「せーの」で録った、スタジオライブ的なものがいい。
  • 満足度★★★★★

    柔らかい愛情
    大好きな羽衣鑑賞。
    言葉じゃ伝えられないこと、文章じゃ伝えられないことを見事に歌とダンスで表現されています。
    どの演目でも男女の関係について書かれています。

    続きの感想はネタバレBOXで。

    ネタバレBOX

    もしかして、この感覚、私しか知らない変なこだわり?と思っていた日常の瑣末を、まるで上等な哲学のように表現してくれます。仕事の帰りに寄るジョナサンが好きな風俗嬢、仕事を考えると彼女の心は殺伐としそうなのに、彼女はそんな次元で生きていません。夏用のアイスコーヒーと、冬用のホットコーヒーを混ぜて秋用を作り、そのぬるさに飽きる境界を探しています。
    説明できない興味や探究心をみんな持ってるんだな・・・と、くすりと笑えます。

    かと思えば八百屋のバイトの女の子と、彼女に恋する舞台俳優の恋物語や、都会で一人で働くサラリーマンの哀愁も観ることが出来ます。

    人生あっという間で、一瞬だけど、楽しいよ?そう言われた気がします。
  • 満足度★★★★★

    代打ver鑑賞
    バックネット裏・最前列・通路側っつー席で鑑賞。(一般券より安い“さいふにやさシート”でこんないい席充てられちゃってよかったんでしょうか・・・羽衣初の円形劇場公演ってことで、席によっては音響が最悪だったらしいとは聞いたけど・・・)

    全力で暴れまわる役者の、声が、汗が、パワーが、ガンガンに突き刺さってくるっていうこんな状態で、羽衣の名曲をコンボで撃ちこまれたらもう冷静じゃいられない。
    「endless sex in the world」あたりから涙腺決壊でした。

    劇場の円の中心で、「プレイボール!!!!」と叫ぶ森下亮さんの姿がなんとも印象的。

    にしても「古田敦也が出る」とは聞いてたけど、まさかほんとに出てくるとは・・・w(冗談だと思ってた)

  • 満足度★★★★★

    みてきた
    FHの4番深井さんさすがです。きれいなお姉さんも泣いてました。

    性というよりは生を感じました。

  • 満足度★★★★★

    笑って泣ける妙ージカル。
    急遽時間が取れ、観劇。 観れて大変良かった!
    基本的には、下ネタ全開の妙ージカル。
    だが、なぜかそこに人生の哀愁がただよい、笑いながら泣きそうにもなる。
    歌詞や役者さんの熱演に、心動かされるのだ!

    役者さん達は皆さん勿論技量が高いですが、何より熱演が素晴らしい。
    個人的には、「果物夜曲」のエピソードと歌がお気に入りです。

    大物ゲストも代打で登場しましたし、大変楽しめました。
    ああ、やっぱり妙ージカルは面白い!




  • 満足度★★★★★

    明るくなった
    上演時間2時間。この作品は一番好き。楽曲のノリがよく、陽性のエネルギーに満ちている。初演よりも雰囲気が明るくなった。

  • 満足度★★★★★

    涙が…
    開幕戦、観てきました。

    もうこんなにエロいのに何故か感動してしまい、何度も涙が…

    円形劇場を一生懸命楽しそうに走り抜けていく皆んなを観てるだけで幸せな気分でした

    みょーじかる、はまると抜けられない。。。

  • 満足度★★★★★

    人間賛歌
    『代打ver』鑑賞。

    これはまたとんでもないことになっている。

    凄い楽しくて感動的であり、演る方も観る方もぐったりとする舞台。
    あとニ回位観たいが日程的にキツイ。空席が目立ったが、ああ本当に勿体ない、勿体ない。

    ロングラン希望!!

    ネタバレBOX

    全8曲
    「Walkin’歓楽街」他、予め配布される歌詞カードに目を通している段階からもその楽しい作品世界を窺える。
    澤田慎司氏のパフォーマンスは「耳のトンネル(♪ラブホチャペル)」から大のお気に入り。

    *終演後、演出・出演の深井順子さんに「小柄ながらとても体力のある方なのでしょうね」、と話した後サインをお願いしたら座右の銘「元気よく!」と一筆。
  • 代打ver
     妙ージカルも演劇の一つのスタイルだということがなんとなくわかりました。約1時間50分のほとんどの時間役者の皆さん歌って踊っているので相当大変ですが、観る方としても円形劇場の囲いの中で、否この球場で発散されまくる剛速球並みのあの熱気とパワーをスタンドでキャッチャーのごとくじっと座りながら受け止め続けるのはかなりしんどかったです。

    ネタバレBOX

     代打verの意味が最初よくわからなかったのですが、9回裏FUKAIPRODUCEの攻撃で本当に代打が出てきてホームランをかっ飛ばしてようやくわかりました。代打はFさんでした。
  • 満足度★★★★

    名曲揃いで何度も泣き笑い
     夜の野球場で野球のユニフォームに身を包んだ男女が、劣情も純情もさらけ出して歌って踊ります。くんずほぐれつの濡れ場があるほど性描写は激しいですが、だからこそ動物的で、ありのままの人間が見られるのです。何度も泣き笑いしました。
     青山円形劇場との相性もばっちり!ライブに盛り上がったり、恥ずかしくて伏し目がちになったり(笑)、反対側の席のお客様と一緒に体験できます♪ あと5ステージしかありません。お見逃しなく。

  • 満足度★★★★★

    プレイボール
    いい作品。115分。

    ネタバレBOX

    寄る辺ない人々のそれぞれの夜を描く。

    序盤の福原冠の奥さんとの情事一人芝居(子供のナイスバッティン)からしてウケた。そこから風俗嬢とか男女の情事とか果物屋と役者の恋愛とかファミレスでの独り人体実験とか、ダンスと歌と芝居でガンガン攻めてくる。円形にばっちし合ってた。
    「Walkin'n 歓楽街」「endless sex in the world」「よるべナイター」はとっても良かった。なんかカラダが熱くなった。突飛な話でもなんでもないのにグッとくるものがあるのはいい演出だったからかな。
    途中途中で入る森下亮の一人解説が、営業に疲れ、一人都会で生活するサラリーマンの唯一の楽しみと判る終盤がやっぱりいい。ラジオパーソナリティとして、リスナー(という自分)に話かける言葉(大事な人はそばにいますか的な)が響いてくる感じ。
    ベイタウン(都会)に生きる人の応援讃歌な舞台で、ストレートな熱意が嬉しかった。

    9回裏の一体感のあるパフォーマンスも良かったし、9回表の感謝投法もいい感じ。曲調とか木皮成のシンプルかつ愛嬌のある振りも気に入った。

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