第三帝国の恐怖と貧困 公演情報 第三帝国の恐怖と貧困」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.5
1-5件 / 5件中
  • 満足度★★★

    表と裏!ハイル ヒットラー!
    ブレヒトのドイツ人でありながら、時代に狂わされない冷静な眼に脱帽。
    27のエピソードから10作品を上演。
    鍵十字、ヒトラーの写真など雰囲気よく出ていました。

    ネタバレBOX

    ⑤勤労者の時間ー偽情報、⑥いましめー思想統制⑦スパイー疑心暗鬼
    ⑩箱ー現実無視が面白かった。
  • 無題1272(14-321)
    19:30の回(曇)。18:30受付(整理券あり)、19:00開場。

    ネットフェンスにも、鉄格子のようにもみえる舞台、その外側(左右)にテーブルと椅子。

    19:15前説(120分)、19:30開演の挨拶、台本変更のお詫び~21:33終演。

    海外の戯曲は不得手でそれは本作でも変わりませんでした。今では使うことのない言い回し(こなれていないセリフ)と異国という設定(仕草)が邪魔をするのでしょうか。

    「マクベス」「壁あまた、砂男」...3作目でした。

  • 満足度★★★

    物足りない
    ブレヒトの「第三帝国の恐怖と貧困(悲惨)」は、当初そのパロディ「第三定食と豆腐と蓮根」として上演される予定であったが、事情により変更したもの。
    さて、本作は20世紀を代表する劇作家ブレヒトの記念碑的な大作であり、全編を上演すると4時間を超えるらしい。ナチス統制下における小市民の不安な日常を描いた情景のうち、「白墨の十字」「黒い靴」など10景を上演した。もともと色々な劇団で上演されるほど魅力のある作品だからストーリーは面白いが、演技でその面白さを現し切れなかったと思う。もっと言えば役者間の演技力に差があり、バランスを欠いていたと思う。

    何気なく見逃してしまいそうな新制度の中に、将来を危惧させる重要な決め事が…どんな時代でも真を見誤らないよう心したいと思わせる芝居であった。
    そして何より、無関心が将来に悪影響を及ぼすということを示唆しているようであった。
    今後の公演に期待しております。

  • 満足度★★★★

    現在の日本と比べよ
     ワイマールから翼賛体制への移行を、ヒトラー存命中にブレヒトは描いていた。
     ところで、情報隠蔽を本質とする秘密保護法は、誰を保護しているのか? 政権や官僚、資本家、御用学者、メディアなどの嘘、不誠実を見えないようにしているだけだろう。そのほか、憲法改悪、教育基本法改悪等々、枚挙に暇が無い。この植民地のだらしない、アホな姿勢と倫理の崩壊を、唯、誤魔化す為の道徳教育なんぞ、糞クラエ! である。

    ネタバレBOX

     ナチが政権を奪取するに至る過程で、除々に生きづらくなって行く状況を市井の一般人家庭や、其処に出入りする人々、活動家のアジトなどの対話から、リアルに浮かび上がらせる。その中には、夫がアーリア人種、妻がユダヤ人というカップルもあった訳で、このようなカップルでは、妻の安全の為、ドイツ国外へ避難するなどと言うことがあった。そんな市民の除々に圧迫されてゆく自由や税の増額などと、不平分子、排斥対象者拿捕などに従事する、ゲシュタポ、親衛隊、ヒトラーユーゲントなどとの駆け引きと争闘の結果が、ブレヒト自身の市民への取材を基に構築された作品である。ゲシュタポや親衛隊については、ヒトラーユーゲントよりよく知られているだろうから、説明は割愛するが、ヒトラーユーゲントについては、安倍政権の教育改悪とも密接に絡むので、その危険性を指摘しておこう。これは、子供達を権威である教師の手によって洗脳し、「党」なり「指導者」・「独裁者」なり、彼らが築いた体制なりを批判した場合、例えそれが親であっても公安関係者に密告させ、しょっ引く為に「教育」するのである。現に、現代史にもそんなことが行われていた現実がある。ex.(紅少兵)について調べてみよ。
    演技については、演目が急遽変更されたという事情があるにせよ、科白を噛む役者が多かったのには興を殺がれた。残念である。上演中なので、これ以上、細かいことは述べない。更に詳しいことは、キチンと歴史で勉強すべし。
  • 満足度★★★★

    第三帝国の恐怖と貧困って
    こういう構成の作品だったのかと認識しました。

    ネタバレBOX

    当日パンフレットによれば、ブレヒトの『第三帝国の恐怖と貧困』は、1933年から1938年にかけてのナチス政権下における人々の生活の断片を描いた27のオムニバス小編から成る作品です。全てをやると4時間を超えるそうで今回は10編が選ばれました。

    突撃隊に言いがかりをつけられる怖さ、手のひらに書いた白墨の十字をさりげなく異端者の服の背中に転写するおぞましさ、そんな突撃隊員も自腹でブーツを買わされたりしていたんだとか、告げ口社会になっていて、自分の子供も信じられなくなっていたことなど興味深く観ました。

    日本の軍国少年だって告げ口はしなかっただろうにと思いながらも、それだけ日本の大人は表面上も内面も忠実に暮らしていたことが窺えます。

    「ユダヤ生まれの妻」は、どこかの劇団で恐らく短編としてだと思いますが観たことがありました。緊迫した状況での切ない話ですが、これがブレヒトだったのかと再認識しました。

    やや早口でも2時間強、急ぐあまり噛むというより何か音声が飛ぶような台詞回しが気になりました。

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