ガダラの来訪者 公演情報 ガダラの来訪者」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    旗揚げ公演
    旗揚げ公演の割に役者が上手いと思ったら、それもそのはず。円、俳優座、銅鑼などの役者が客演で出ている。だが、シナリオのメインプロットに大きな矛盾や問題点はないものの、サブプロットとの関連では若干齟齬の生じている部分があった。(追記後送)

    ネタバレBOX

     都市部からのアクセスは余り良くないが、レトロな町並みや、夏涼しい気候、掛け流しで美肌効果のある秘湯にも恵まれた平家の落人部落に、避暑地誘致の話が持ち上がっている。現在は人より豚が多いような養豚の町だが、四囲を森に囲まれ、高台の向こうには清流が流れる。地元の実力者は二人、畜産業を営むゴンゾウと旅館を営むミミオである。ゴンゾウは平家落ち武者、蛇目氏に連なる身で、先祖の蛇目は弓の名手であった。隠れたこの地が、地味悪い荒れ地同然の土地だったので、彼は山に入っては弓で獲物を狩り、持ち帰って皆を養った。或る時、旅の僧が、通り掛かりこの地に投宿したが、一宿一飯の恩義とでも考えたか、彼は、穀物の栽培法を教え、狩りにゆくなら、猪を生きたまま連れ帰り、此処で飼って増やせば良い、と提案。日本で初めての養豚業はこうして生まれた、との話だ。他にも、僧は治水や灌漑、薬草の知識など多くの事を村人に教え、だんだんと村に溶け込んでいった。然し、村人の根本的な猜疑心迄は解けなかったようだ。僧の余りの優秀さに恐れを為した住民は、僧を鬼の類と位置付け、謀って井戸に突き落とし生き埋めにした。それでも暫くは、僧の伝えた技術によって集落は潤い、かつてない繁栄を見せた。が、暫くすると、彼の教えによって始まった養豚業で三つ目の子が生まれる。大抵は死んでしまうのだが、生き残った三つ目の子が、僧が生き埋めにされた井戸のあった場所にへたり込んで、押せども引けどもびくともしない。その上、地下から、唸り声が聞こえる。その後、空が焼け爛れたように真っ赤に染まったかと思えば天変地異に襲われ、集落は壊滅的打撃を蒙った。

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