はつ恋 公演情報 はつ恋」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-1件 / 1件中
  • 満足度★★★★

    夢か現実か朗読か




    「朗読劇力」が ある。
    小説を読みふけった少女だ。
    毛布の中のパラレル・ワールド。
    月光や蛍の光のように、照明演出は繊細をきわめ、浮かぶ。モスクワ郊外の都市が1830年代のまま、それぞれの観客において再現していく。


    長谷川あかりはテキストを句読点ごとに読んでいるようだった。そう強調するのは、彼女が「演技」していたためである。
    21歳の令嬢を18歳の日本人少女が「語り継ぐ」わけだから およそナチュラルな演技だ。前者への「称賛」が 語り手への「真実」にも聴こえる。

    だが、私が知る限り、長谷川は16歳の少年を弄ぶ趣味はない。インテリ階級の青年諸君を ペット化する豪快さはない。第一、女性に主張権のない封建社会だ。ロシア文学の虚構(憧れ)だろう。
    「朗読劇」は 「わたし」の一人称であり、この内向性において、長谷川が演じる21歳の令嬢も、主人公である思春期少年の視線が注ぐ「像」が求められる。それが「初恋」相手なら ロシア一の女性だろう。

    長谷川が「威圧感」の女王様と「清純」の21歳を冷静に分別し、時に惑わせたのは、この「像」狙いだと思う。


    なお、『観たい!』に「若手の、若手による、若手のための朗読劇」と記したが、これは そうではなかった。












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