満足度★★★★★
風格も凄い唯月ふうか
2014年バージョンは玉野和紀氏が演出・振付・上演台本。玉野氏が「自分だったらこうする」という考えを具現化した内容で大幅リニューアル。
まず上演時間が前年までの3幕構成(35分・70分・40分)から2幕構成(60分・60分)に変わりました。多くの子供たちが観る作品で幕間休憩2回の3幕構成は多少長い感じがありましたが、それを解消する玉野氏の答えが2幕構成にしてスケール感はそのままに中身を凝縮させたものでした。上演時時間を圧縮した為、前年に比べて端折った部分もありましたが、ストーリーで重要な部分はしっかり押さえており、物語全体のスケール感は前年と変わりませんし、映像も効果的に使われ、ダンスシーンが強化されていました。
フック船長役の大貫勇輔が踊るフック船長としてダンスで魅せてくれます。凄いダンスとコミカルなシーンとのギャップが良かった。ウェンディ役の福田沙紀もハマってますし、子役も迷子もインディアンも海賊もそれぞれキャラがあって良いです。タイガーリリー役の白羽ゆりはダーリング夫人もジェーンもやっていてちゃんと演じ分けていてさすがの大活躍。
2014年バージョンは動き(ダンス、アクション、フライング)が前年までよりも強化されていて、効果的な映像効果と相まって視覚的にも楽しめる為、子供たちも飽きずに観続けられます。まさにアドベンチャー。
そして主演の唯月ふうかは前年も凄く良かったのですが、2014年は更に素晴らしくなっています。前年の1年目は稽古中にアドバイスされた事を才能でやっていた感じでしたが、2年目の2014年は才能に加え、改良や進化が感じられ、全てにおいてピーターパン役を自分のものにしていて本当に凄いなと思いました。ホリプロのピーターパン役において歴代最高と言っても過言ではありません。毎年、この作品を観ている中で、唯月ふうかは歴代ピーターの人達と比べて遜色ないどころか、多くの部分で完全に上回っていると感じます。多くの要素で才能の高さは勿論ですが、主役としてのオーラ、輝きも最高で、風格も感じました。まさに最強の17歳です。
前年の2013年から唯月ふうかがピーターパン主役となった事でホリプロのピーターパンという作品のレベルが全体的に引き上げられたと感じています。唯月ふうかが作品全体の質と品格を引き上げてくれたと言っても過言ではありません。彼女が主役だからこそ、ピーターパンという作品が新たなステージへと昇華できているのだと感じます。
唯月ふうかのピーターパンは実際に大変素晴らしい為、まだ観ていない人には観たほうがいいと強くお薦めできます。唯月ふうかのピーターパンを観ずしてホリプロのピーターパンは語れない。そう強く感じます。
今後、唯月ふうかがピーターパン役を何年続けるのか分かりませんが、
唯月ふうかがピーターパンを続けてくれる限り、ピーターパンは毎年、素晴らしい作品に仕上がるはずです。唯月ふうかがピーターパン主役である事で作品全体のレベルが引き上げられ、上質を維持でき、最高を更新していけると思います。唯月ふうかは榊原郁恵の7年連続超えを実現して欲しいと思います。