白紙委任状 公演情報 白紙委任状」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
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  • 満足度★★★★★

    実力を感じる舞台に納得
    観劇前に観た冊子には、一人何役もの配役が書かれており、期待とともに疑問が・・・。しかし、幕が開くと舞台の面白さにグイグイ引き込まれてあっという間に幕という感じでした。こんな人、いるなぁ~と思わせる人物多数。
    皆さんの女装もスペシャルで、現代の不条理を描き出した佳作だと思います。
    毎回、異なるテーマを取り上げ、期待を裏切らない舞台。
    やはり今回のタイトルである「白紙委任状」は、劇団の自信だと思います。
    ※投稿が遅くなりすみませんでした。

  • 満足度★★★★★

    台風到来をものともせず、行った甲斐あり
    帰りの電車が心配で、他の劇団なら、たとえチケットを買っていても、観劇は断念していたかもしれません。

    でも、大好きな劇団、見逃したくない劇団、その上、今回は、理想の劇団員のみの公演。これを見逃したら、一生後悔するだろうと、神に祈りつつ、下北に向かいました。

    行って良かった。ニューヨークで、父上の遺志を継いで、奮闘公演中の中村屋兄弟にも引けを取らない、サスペンデッズのメンバーの八面六臂のご活躍に、目頭が熱くなりました。

    あの野々村議員に見せて、感想を聞きたくなる作品でした。

    ネタバレBOX

    今回の舞台は、劇団員のみという事前情報は承知していましたが、いきなり佐藤さんが、女性役で登場された時には、してやられた感で、喝采を叫びました。

    何役も早替りで、演じられるということを想定していなかったので、かなり、この劇団のファンである私にとっても、新鮮な構成劇でした。

    コントとかならいざ知らず、こんなシリアスな芝居で、一瞬にして、他者に見せる演技力が、筆舌に尽くし難い完璧さ。特に、伊藤さんは、8役をこなされましたが、全員別人に見えました。

    佐藤さんと佐野さんは、服装や、性別や年齢、鬘などで、差を出せるからまだ演じ分けも容易いと思いますが、伊藤さんが演じた役は、皆、男性で、年齢的には同世代ばかり。これを瞬時に、別人だと観客に納得させられるなんて、本当に凄い技術だと感無量でした。

    早船さんの脚本も、相変わらず、秀逸。
    人間は、誰でも、心に闇を抱えて、吊り橋を渡るような危うさの中で生きています。
    脱法ドラックに手を染めないでも、いつどこで、箍がはずれるかわからない。
    普通の人間が、何かの弾みで、犯罪者になったり、他者を傷つけてしまったりの連続。
    被害者と加害者が立場を入れ替えることも、日常茶飯事。
    そういう、人間の未完成な部分を、たった1時間15分の芝居に集約して、見せた、早船さんと3人の役者さんの技量に、心から敬服致しました。
    あまり、人となりが描かれなかった、文句屋の小山にも、彼をそういう人間にしてしまった闇があるのだと、手短な場面で、印象づける、早船さんの作者力にも脱帽します。
  • 人々のめぐり合わせの物語
     とあるタワーマンションを起点にそこにまつわるというか関わる人々のめぐり合わせの物語ですが、その心の底にひそむ思いや感情といったものが繊細な感覚で描かれておりまたそれを劇団員の方々が少ない人数で見事に演じ分けられていた舞台作品だったと思います。

    ネタバレBOX

     話は廻って最初に戻ってくるのですが、あのマンションにまつわる人々について次はどのような物語が展開されてゆくのか気になりました。
  • アメフトを観戦しているかのような演技です

    人は役者だ。

    不良高校生が「サラリーマン」を演じたければ、染色を抜き、背広を着用するのが効果的だろう。家電メーカーの社員証を持ち合わせていなくとも、その「姿」だけで新橋の住民だ。

    麻布在住の20代OLが「主婦」を演じたい衝動にかられたら、「割烹着」をまとい商店街を100m 歩行するのだ。「激安シール」にハイテンションになれば その「シャネルのバッグ」は すでに「偽」である。

    しかし、彼らは「演じている」はずだ。「不良高校生」を、「OL」を、毎日休むことなく「演じている」のだ。
    人は性別を演じる。人は年齢を演じる。人は国籍を演じる。人は職業を演じる。
    シェイクスピアの演劇理論は「人生というステージ」だ。すなわち、赤ん坊は「登場」で、死去は「はける」ことに等しい。


    政治家の演説。駅前で支持者の動員をかける、あの退屈な政治パフォーマンス。
    朝、1人たりとも振り返らぬなか、チラシ配りをする県議の仕事は「号泣」クラスだ。泣いたらいい。
    横にいる若い世代から、通勤者へ配布しているポケット・ティッシュを受け取って。
    広告主は「DHC」だろう。

    ちなみに「演説」の語源は明治時代にあたる。自由党員が「議会制民主主義」「立憲主義」などのデモクラシーを全国各地に巡回し、教え回ったことに由来する。名付け親は 福沢諭吉である。
    この派生語には「演歌」も連ねるそうだ。NHK『紅白歌合戦』放送中に「演歌」を聴くと万単位のチャンネルが移動する。
    政治家の「街頭演説」を聴いて「つまんねー」と若い世代が感じるのも、上記の「コトバDNA」からすれば健全な感覚だろう。











    およそ3人分の熱量ではない。
    少なくとも、5人は舞台に立っていたように思う。


    追記あり

    ネタバレBOX


    『白紙委任状』が何を意味するかは明らかではないが、「ヘイト・スピーチ」だったり、「クレーム対応」だったり、「結○詐欺」だったり、実に きな臭い社会派の題材であった。

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