ブラックジャックによろしく 公演情報 ブラックジャックによろしく」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-3件 / 3件中
  • 満足度★★★★★

    骨太な熱血ドラマ
    研修医が困難を乗り越えながら成長していく熱血ドラマ。

    六行会ホールという広い舞台だが、敢えてシンプルなセットにし、その立ち振る舞いには 「動」 「静」 のメリハリを効かせた素晴らしい演出だった。
    照明は薄暗く、台詞を言う役者ヘライトを当てることで観客の目を集める。
    それゆえ役者の演技の善し悪しが舞台の出来・不出来に直結する。

    本公演は、人間の尊厳を内容とした重厚な脚本であるが、それを見事に表現していた。

    ネタバレBOX

    10年前の医療現場の状況が緊迫感をもって描かれていた。と同時に医療に携わる者の過酷な労働環境に対する痛烈な批判。

    フライヤーには、「超一流の永禄大学附属病院の研修医・斉藤英二郎、月収わずか3万8千円。同大学医学部卒業後、3ヶ月で初めて患者を持つ。研修医・斉藤は理想とかけ離れた日本の医療の矛盾に苦悩しつつも、懸命に日々を送る!」 
    と書かれているが、さらに大学病院の封建的・閉鎖的な体制への疑問も描き込まれる。

     さて、仮に 「生・死」 に 「勝・負」 という概念を持ち込んでもそれは意味がないことだと思う。人は必ず死ぬから、初めから負けは決まっている。
    それでも生きている、生きたいと思う。その思い、願いが十分伝わる芝居である。
    書くことは簡単だが、その状況に直面したら・・・。

     結論は決まっている終末医療にどう決着をつけるか、医師という立場だからこそ悩み苦しみ、その先にある苦渋の選択・・・見事に結実させた“緩和ケア科” に感動した。
  • 満足度★★★★

    ハングリー精神が欲しい
     原作は、「モーニング」誌上に連載された佐藤 秀峰氏のコミックだが、今作は、その5巻から7巻~がん患者編~である。原作を読まれた方も多いとは思うが、念の為、若干、この原作のアウトラインを示しておいた方が良かろう。主人公は、理科Ⅲ類、京都大学医学部、大阪大学医学部等に匹敵する永禄大学医学部出身の研修医、斉藤 英二郎が、日本の医療制度、システムの壁、法、倫理などと臨床現場の矛盾に悩みつつ、有り得べき医療を求めて、悩み、上部とぶつかりながら、自らも成長し、医療制度そのものをも変えてゆく「成長」の物語である。(因みに、今作の医学的状況は、原作の発表された2003年当時を基本にしている)追記後送

  • 満足度★★★

    テーマの深さ/大きさはともかくまずはお芝居で観客を引きつけてほしい…
    斉藤先生が暴走(斉藤節)してからが
    「ブラックジャックによろしく」、
    という感じでした。

    ガンとの戦いについて、抗癌剤その他による辛く苦しい延命治療
    (寛解(完全治癒)はない)か、
    あるいは辛い延命治療ではなく残りの人生を
    どれだけ有意義に過ごせるかを考える、
    というクォリティオブライフの観点、

    そしてそもそも「ガン告知」を本人にするかどうか、
    という重いテーマについては考えさせられるものがありました。
    (人の2人に1人がガンにかかり3人に1人はガンで死ぬ、という事実からも)

    ネタバレBOX

    クライマックス、ガンの石塚さん?(お母さん)が、
    ガンとの辛い戦いを吹っ切ったかのように「強さ」を持って
    家族を連れて宮古島の大木の前に立っての告白シーン、
    はっきりいって今までの場面で全然気持ちを引っ張られなかった分、
    急激に涙腺が緩みあわや号泣、というぐらいに気持ちを持って行かれました。


    ただ、、、それだけでした。


    あとは
    ・ 斉藤先生が「石塚さん?にTS1(日本国内未承認のガン治験薬)を
      使いましょう!」とかつての○○医師のように暴走を始めた場面、

    ・ OPと同じ夢?で10年前にガンで亡くなった妻と手をあわせ
      「手の大きいお医者さんは・・・」
      の下りをED間近に使ってきた所
      (あれで印象深く終わらせるかと思ったら
      更に話しを続けてしまったのが逆に締め方としてもったいない感が
      ありました)

    あの辺ぐらいですかね、心に残ったのは。




    原作の「ブラックジャックによろしく」は
    本当に医療の闇や人間の尊厳その他に迫った名作でした。

    その「ガン患者編」をお芝居にしようと思ったのは良いと思いますが、

    ・ 序盤、全設定を紹介しようととにかく盛り込み過ぎ
      テンポ早すぎ

      原作漫画で全何十話とかかったお話をたった2時間弱のお芝居で全て
      網羅できる訳はないので、まずはお芝居として
      どこをどう観せたいのか、を中心に構成すべきではなかったでしょうか?
      (はっきりいって前半特に説明パートだらけで
      肝心なお芝居が薄いかな、と感じました。)

    ・ 序盤、演者の台詞に感情が全くのってない、と感じました。

      例.斉藤先生と○○先生との会話
        「斉藤先生、自分がガンになったら告知して欲しいですか?」
        斉藤回答
        「では家族がガンになったら?」
        ここで「家族はちょっと」と即答しちゃう斉藤先生、
        お芝居でなく普通の会話と考えれば
        ここに「思考」が入ると思うのですが、
        何も考えずに即答しちゃう、
        これってただ覚えた台詞をポンポン出してくだけの
        まったく感情/気持ちの入っていないお芝居だと思うのですが…

      その他、長台詞や医療用語などの難しい単語が出る台詞など、
      台詞をとちらずに言う事に精一杯でそれぞれの演者、
      まったく「気持ち入ってないなー」と、観ているこっちも
      まったく気持ちを引っ張られるものがありませんでした。

      後半、クライマックスに向けて感情がのるほどに
      演者の皆さんの演技が良くなっていくのは観ていて分かりましたが・・・

    ・ 逆に抗癌剤治療を否とする××先生、
      10年前の後悔からまったく人が変わってしまっている、
      という設定は良いとして
      その雰囲気というより発声など、「ちょっと人としてどうか?」
      と思うぐらい変わりすぎではないでしょうか?
      (医者というか人して周りが怖くて近寄れないレベルだと思います。)

      ちょっと現代の方、役柄とはいえ誇張表現しすぎでは?
      (お芝居が上手いだけに浮いて感じました。)

    ・ 脇役がまったく立ってない、必要性すら感じない。
      メインとなる数名以外の脇役の存在について、
      ここまで物語に使われないと
      「いる必要あるの?」とまで思ってしまいます。

      彼女や同期、序盤の患者などほとんど出番なしな上、
      場面的に「実際に人が演じる」必要性すら感じられませんでした。
      (無理に原作に合わせようとせず、物語上必要性を感じないものなら
      大胆に切ってしまっても良かったのでは?)

      勝手な持論ですが、「脇役が立たない舞台は面白くない」
      せっかくメイン以外に人を置くのなら、
      うまく世界観を広げたり、深めたりする為に
      脇役の方々を活用して欲しい、と思いました。


    石塚さん?奥さんの感動パートまでがあまりに長い
    原作「ブラックジャックによろしく」の説明パート、
    と感じられた為、「良さ」が見いだせませんでした。

    終末医療に対する緩和ケア課の創設など(原作通りでしたっけ?)、
    テーマとしての締め方は良かっただけに残念です。

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