魔女たちのエチュード 公演情報 魔女たちのエチュード」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.0
1-4件 / 4件中
  • 満足度★★★

    セリフの交感へ
    神話の神々をモチーフにしたエチュード、その魅力は伝わった。舞台美術は質素(舞台上に2階段を設けた感じ)であるが、雰囲気は照明効果であろう、耽美的である。また、役者は同じデザイン・朱色彩の衣装を身にまとい、表面的には没個性を貫き、あくまでタイトル・テーマの”エチュード”に沿った感情表現を…好感を持った。
    ただし、エチュード…それぞれがメインになった時に発するセリフと他の役者のセリフが共鳴していないような感じがした。セリフは、音声の「交換」ではなく「交感」だと思っていたので、相手への想いを伝えるという点が弱かったように感じたが…思い違いだろうか?
    今後も素晴らしい公演を期待しております。

  • 満足度★★★

    普通の女性でした
    魔女達のエチュードというタイトルから、美しく妖しく怖い女性のイメージでしたが、衣裳や雰囲気など、普通の女性でした。女神をモチーフにしているのだったら、それらしい雰囲気の衣裳を着る場面があってもいいと思いました。ストーリーは、女性の健気な部分は感じられましたが、悪の部分や狡猾さ等が感じられたら良かったと思います。何となく拍子抜け(?)という印象でした。

  • 無題1169(14-217)
    15:00の回(猛暑)。14:20会場着で受付開始を待っていると声をかけられ、外は暑いのでまずは中へ、と(親切!)。

    入って右側に舞台、カウンター側に椅子席、1-3列は平地、3-4列で段差。

    14:52前説(60分〜休憩10分〜40分)。15:04開演、赤いパジャマ(男用?)の女性が5人〜16:08、16:18〜17:01終演。

    神話上の女5人(洋3+和2)、「魔女とのインタビュー」とあるように、(自己紹介+物語の組み合わせ)×5。

    以前、別の公演でも感じたことですが、場所によってはかなり寒い。お話は…あまり魔女っぽくなく、最後のエピソードは、夏、終戦、らしいものでした。

  • 満足度★★★

    現代生物学も学んだ方が良さそう
     オムニバス形式の短編で構成された2幕物という形だ。第1幕では、1.闇の中2.女神たちのパーティー3.アマテラス4.いとなみのことわり5.イヴ6.Monthly Death 7.アフロディ-テ8.仮面の女10分の休憩を挟んで第2幕9.アマノウズメ10.魔女裁判11.イナナミ12.蛍の檻13.Here I am.

    ネタバレBOX


      登場する者5人のうち4人は、女神1人がイヴである。イヴも当然のことながら旧約聖書の記述に従ってアダムの肋骨から取られたとし、命名もアダムである。因みにアダムの名付け親はヤハウェだ。
     実は、この辺りからおかしいのである。発生学的には、命のプロトタイプは女性形である。然るに、旧約聖書では、男が先に生まれた(発生した)ことになっていることが、先ず、事実と逆。男性優位社会は、恐らく生物学的に弱い男性を社会的に保護する為に作られた制度だと思われるが、これが長い時代の中で制度化され、社会的通念となった時、事実を容易く圧迫するのは、子供にも分かる道理である。
     自民党の阿保共が、蔑視発言を繰り返すように、程度の低い連中には、物理的力の強弱でしか世界を測ることができないらしい。そして、生物学的には男性より強く、より本質的な性である女性は、この物理的力に如何に対応するかに苦慮してきたと言えよう。更には、性差を自然が選んだ時から男性は、遍くばらまくことを、女性は、狭く深く具体的に愛し、養い、育てることをその性差上の特色としていよう。後は、教育や習慣などによる心理的問題がある。嫉妬や、育てる条件の優劣などである。(知的・体力的・美的・経済・社会的地位などの)
     ここで、登場人物の殆どが女神になっていることについては、作者の遊びや、何となく受容している自然観があるのであろう。一応、古事記・日本書紀などの古典的知識は前提である。その上、西欧代表としてギリシャ神話からはアフロディテが、旧約聖書からはイヴが選ばれ、我が国の文化レベルを表象していると言えよう。所謂、バナナ(肌は黄色い癖に、中味は白人だと勘違いしている日本人をおちょくるアメリカの隠語)である。但し、作家が、何処迄神学や我が「国」の植民地状況を踏まえているかとなると、心もとない。
     唯、自分の気に入った作品は、女子プロレルラーを扱った「仮面の女」、コンプレックスを扱って見事な「アマノウズメ」幽けき愛の純度を精錬したような「蛍の檻」の3篇が殊に気に入った。仮面と蛍は、実現せぬだけに純度と精緻を極めた悲恋もの。アマノウズメは、足るを知る者の謙虚な姿勢とその深い苦悩に、また、アイデンティファイの在り様に深く打たれた。
     一方、如何にも日本的だと思ったのは、男女の関係を表すテーマとして、手洗いの問題が作品化されていなかったことである。自分が、フランスで暮らしていた頃、大学には、数十カ国からの留学生達が居たのだが、女子トイレが一杯だと白人の女の子はつかつかと男性用のトイレを使いに来ていた。ちょっと恥ずかしそうなそぶりは見せるが、案外シレっとしていた。無論、文化的にレベルの低い馬鹿が多数存在する日本では、無理かも知れないが、この辺りのネタを使って書いて頂けると面白い作品が出来るのではないだろうか?
     矢鱈、カム役者が居たのが残念。作品評価として、特に挙げた3作品は5つ星、4つ星の作品も多いのだが、カミの評価でマイナス。総合評価を3つとした。

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