紅い爪 公演情報 紅い爪」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 落とし穴は案外、近くにあり?


    猟奇的会話劇が見事。それを封じ込めるためにコメディを挿入するやり方も勇ましい。

    ヨーロッパの とある郊外(私は北米の田舎町を感じた)に住む一家…。その幸せな家庭生活が崩壊していく猟奇だ。姉○と弟○の関係性がコインの表裏のように両極端。口調等は外国劇をモチーフとするが、セットや しぐさはともかく、その金髪カツラ(あるいはブレンド)はハイレベルだった。父親○のブレンドヘアーからピンセットが覗かせていた点以外は申し分ない。

    もし、勇ましいコメディが なかったとすれば、どのような舞台だったか。叙情性や、セット、しぐさ を注意深く観察されたはずである。しかし、コメディの要素を 挿入した結果、私たちは全体の評価をしなければならなくなった。すなわち、「猟奇の表」と「コメディの裏」に錆が付着しても、いずれかの面だけではなく、一枚のコインで『紅い爪』を考える必要が出てくる。こうなれば、総体として整った舞台に思えてくるから不思議だ。

    詩的であり、エロシチズムであり、虚無的である。その内実性を劇場というタンクに充満させた後、ラストのラストで ずどーん と爆発させる。もちろん充満する過程は不安だ。コメディなる「裏側」こそが それを払拭しガス抜きを図った可能性もある。

    この劇団は発展途上国か。それとも先進国か、未開発地帯か。私は、マレーシアの離島だと言いたい。





  • 満足度★★★★

    虚幻癖の本気
    見せてもらいました。
    代表が前回の公演で色々と思うことがあったようで、今回の回帰公演は原点に戻ると共に新たな挑戦もされていたのでしょう。
    今回マチネ・ソワレとA・B両チームの舞台を観劇しました。

    ネタバレ以外でまず感じたことは、この2つ(前回観たものに比べて)

    ・内容が理解しやすくなっていた
    ・笑いの部分も話の流れに無理なく入っていた
     特にBチームの先輩後輩刑事のやりとりがすごかった・・・

    ラストシーンではほかに観に来ていた女性たちが息を飲むのが聞こえましたし、2回観ても背筋がゾッとしました。

    あとはネタバレのほうで・・・

    ネタバレBOX

    観終わった後で感じたのは、フライヤーにある舞台背景(夢の話)が初めにムービーでも声の演技だけでもあると、もっと理解が深まったかなということです。

    事前にHPで説明文は読んでいましたがうろ覚えだったので、「この台詞何のこと言ってるんだっけ・・・ああ、夢のことか!」と気づきました。

    そして内容についてですが、「狂気」という部分についてはBチームのほうが鬼気迫る感じがしました。特にヘレンの病気を知った後のセインの落差が良かった。

    ヘレンもレナ、セインと共にダブルキャストでしたが、Aチームのヘレンは天真爛漫な感じで終始明るいキャラクターが光っていました。おかげで、最後に病気の影響が出て(おかしくなって)いたのか自分ではわからなくて終わった後に本人に聞いてしまいましたw  理解力が足りなくて申し訳ない^^;

    Bチームヘレンは温和な感じが印象的。そのせいでラストがAチームヘレンより悲劇的な感じがしました。どちらとも、子どもたちに病気を告白したときにはもうちょっと感情的な部分は壊れていたのかな。そこも聞いておけば良かった。

    そしてシングルキャストのカイ。さすが劇団の顔だけあって安定した演技が見られる。関東人が関西弁を話すのは大変なのに、その逆はあまり苦労しないの?不公平だ!( ゚д゚ ) 少年というか、線の細い感じがとても似合っている感じがする。今度は重厚な感じの役も観て見たいです。

    また、照明のあたり具合で顔が若くみえそうではあったけど、年老いた先生アーのを演じた佐々木さん。表情、声、動作にとても気を使っていたのが見られました。もっと腰曲がっててもいいかも。



    2回連続して観たこともあって、話の内容も台詞もするすると頭に入ってきた今回の舞台。「暗くて怖くて難しい」がとても楽しめました(´∀`)
    ★5個にすると次に観たほうが良かった時に際限なくなるので、4つで!!

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