ヴォイツェク 公演情報 ヴォイツェク」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★★

    無題908(13-337)
    19:30の回(晴)。焼き鳥屋(いい匂いが…)の隣、入口前で待ちます。19:13受付、19:15開場、狭い階段を上がり、案内された奥の席に座ります…「物件」の図面でいうと、右上。内部は「バートルビー」の時のようなつくりで…何もないただの部屋、窓を暗幕で覆うわけでもなく、窓の外はむき出しの街、階下から話し声が聞こえます。階段上がった左側にテーブル、ラジカセ、Mac、ハンドベル、E.ギター、アンプ。床の真ん中に白線のヒト型、3辺の壁際に客席、チラシでみると、右から時計回りで左側、中央の柱まで。「Vol.4」とありますがイベント参加作品を含め5作目です。
    5月の福岡公演は行けなかったものの、今夜は出演された木村さんも客席に(ちょっとお話)、木村さんはダンサーで2011/5(@デイ・プラッツ)から、6〜7回みに行ってます。Vol.1〜3に出ていらした岩崎さんもダンサー、5月にpit北/区域の公演へ行きました。
    公演前にいただいたメールに寒い可能性…とありましたが、一部のシーンで(演出上)そう感じることがありましたが概ね良好でした。
    19:31前説(70分)、19:35開演〜20:53終演。「ヴォイツェク」は未読、本公演、ますます異色。

    気になったので帰ってから確認すると、小川さん、shelf(2013/6@d-倉庫)でみていました。

    ネタバレBOX

    双方向の「会話」ではなく、意思疎通のための「身体言語」でもなく、状況を補完するための「音」や「光」でもないもので満ちた48.55㎡。

    白線にあわせ重なるカラダ、広がる6本の腕..6本の腕の持ち主は三面六臂の阿修羅像...ゆえに、此処は修羅場なのでしょう。

    付きまとうノイズ、繰り返すこと、従うことによってのみ過ごすことができる日常。

    消えては現れる個体、此処は何だったのでしょう。視界に異質を持ち込もうとしているのか、「階段」の先は地獄ではないかと思えてくる。引きずりこもうとする俗世間の声、ノイズ。

    不思議、混乱、異形...そして刺激的な空間と時間でした。

  • 満足度★★★

    変わった演出
    変わった演出なれど、それがどこに向けて作られた作品かわからなかった。

    ただ、商店街にある理髪店の2Fスペースでの公演というのは、興味深かった。
    隣の飲み屋の客のおじさんが、公演前に並んでいる観客に声をかけていたり(演出ではない)、公演が始まってからも、そのおじさんが飲み屋でしゃべっている声が聞こえてきたり、劇場ではない空間、その場にしかない生々しさがあった。

    立会川という場所自体、さまざまな歴史的背景を持っている地のようで、パンフレットに「坂本龍馬が青年時代を過ごしたことでも有名」とある。隣にある公園にも坂本龍馬像が立っていた。また、「一説には、昔、近くにある鈴ヶ森形場へ送られる罪人が、家族たちと最後に別れを惜しむために立ち会う場所ということから「立会川」と呼ばれるようになった」ともある。この歴史を背負った場所を、「ヴォイツェク」に重ねて上演されているようだ。だが、そもそもヨーロッパの話であり、上演とこの場との連なりを感じることはできなかった。

    ネタバレBOX

    場所と芝居との関係も、芝居内部の演出自体も、有機的な必然性に貫かれたものを感じなかった。
    その逆に、有機性をあえて断ち切っているという前衛性(異化)も感じなかった。
    そのため、変わった演出がどこに向かっているのか、わからなかった。
    もったいないと思った。

    ただ、マリー3:白井愛咲さんが足で医者を演じたのは面白かった。
    アイデアが面白いというだけではなく、足できちんと医者を演じられていたと思う。

    音楽の付け方も興味深かった。
    即興的なノイズギター、ラジオノイズ、蓄音機風のレコードプレーヤーでのスクラッチノイズなど、音楽自体としてはそれほど新奇なものではないが、舞台に合わせてその場でノイズを付けるという作品は、ありそうで観たことがなかったので、臨場感があってよかった。

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