桜の森の満開の下

デザイン:奥秋圭

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実演鑑賞

東京演劇アンサンブル

ブレヒトの芝居小屋(東京都)

2013/08/27 (火) ~ 2013/09/01 (日) 公演終了

休演日:8月30日(金)

上演時間:

公式サイト: http://www.tee.co.jp/stage-shoukai-image/sakura/sakuranomori.htm

※正式な公演情報は公式サイトでご確認ください。
鈴鹿の山奥にひとりの山賊が棲んでいました。熊やイノシシを狩り、とおりかかった旅人を襲って奔放に生きていました。この山には桜の森がありました。旅人たちは桜の森の満開の下を通ると気が変になるから、と避けて通るのでした。

ある日山賊は高貴な女を奪います。ところが、女の美しさに目がくらみ、夫を斬...

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公演詳細

期間 2013/08/27 (火) ~ 2013/09/01 (日)
劇場 ブレヒトの芝居小屋
出演 公家義徳、原口久美子、井上みな、ほか
脚本 広渡常敏
演出 広渡常敏
料金(1枚あたり) 3,000円 ~ 4,500円
【発売日】2013/07/29
前売一般3800円
前売学生3000円
当日4500円
公式/劇場サイト

http://www.tee.co.jp/stage-shoukai-image/sakura/sakuranomori.htm

※正式な公演情報は公式サイトでご確認ください。
タイムテーブル 8./27(火)19:30
8/28(水)19:30
8/29(木)19:30
8/30(金)休演
8/31(土)14:00
9/1(日)14:00
説明 鈴鹿の山奥にひとりの山賊が棲んでいました。熊やイノシシを狩り、とおりかかった旅人を襲って奔放に生きていました。この山には桜の森がありました。旅人たちは桜の森の満開の下を通ると気が変になるから、と避けて通るのでした。

ある日山賊は高貴な女を奪います。ところが、女の美しさに目がくらみ、夫を斬り殺してしまいました。こんな山道は歩けない、という女をおぶって家へ連れ帰ると、そこには7人の女房たちが待っていました。女は男にこの山女たちを斬り殺させます。と、男は女が何かに似ているようだと感じます。桜の森の満開の下をとおるときの気分に似ているのでした。なにがどう似ているのかはわかりません。

女は寂しいと言い、男には寂しいということがどういうことかわかりません。それでも男は、女の気に入るように、いろんなご馳走をこしらえたり、山を越えて清水を汲んで来たりと、かいがいしく尽くしました。でも、どんなにまごころを尽くしても女は満足しないのです。ほんとうに強い男ならわたしを都へ連れて行っておくれ、という女の願いを叶えるために、ふたりは山を降ります。

男は都へ着くなり、金銀財宝を山と積んでみせます。が、女が欲しがったのは人間の生首でした。女は首遊びに興じます。そして女の悲しさ、人間の性(さが)を首を使って描いてみせるのです。しかし女のキリの無い欲望に、男は疲れてしまいました。女は一直線に空を飛びつづける鳥のようだ。けれども自分は枝から枝へ飛びまわるのがせいぜいのただの鳥だ。男はひとりで山へ帰ろうと決めました。

女は男の決意を聞いて怒り、悲しみ、しかしとうとう一緒に帰ると言い出します。お前とでなければ生きていけないと言うのです。初めてしおらしい姿を見せる女に、男は有頂天になって、一緒に山へ戻ります。そして前は恐ろしくて通れなかった桜の森の満開の下にさしかかりました。すると女がズシリと重くなります。おぶっていたのは女ではなく鬼だったのです。男は狂ったように鬼と戦い、首を絞めて殺しました。……と、それは男の愛した女でした。男は女を抱きしめます。が、女は桜の花びらの中に掻き消えてしまいました。男は桜の森の満開の下にただひとり残されるのです。

作家・檀一雄の薦めで、坂口安吾の傑作短編『桜の森の満開の下』を、広渡常敏が1966年脚色・初演。1990年からは海外公演でも高い評価を受け、ニューヨーク、ロンドン、ダブリンを始め5ヶ国7都市での上演を重ねてきた代表作の一つ。2013年にはルーマニアのシビウ演劇祭にも招かれ、東欧公演を予定している。国内での巡演は2013年度でいったん打ち上げる。
 観客の反応でもっとも多いのが、「凄い!」ということばである。「ことばにならない」という声も多い。「満開の桜の下はなにか恐ろしい気がする…」と感じる日本人の、多分共通の感覚を、この作品で味わった、という感想も多い。
これはいわゆるドラマ作品のようなつくりの演劇ではない。濃密で美しい舞台空間に観客は吸い込まれ巻き込まれ、いつしか自分も桜の森の満開の下にひとりでいるような錯覚に陥る、陥らせるような演出である。このような型破りな、そして美しい舞台を創り出せる演出家は、いまのところ広渡常敏しかいない、と言えるぐらい、特色のある、記憶に焼きつく舞台だ。
豪華なセットと桜吹雪、舞踊、高まる音楽……、派手なビジュアルの一方で、とても静かな芝居でもある。そこには人と人が一対一で向きあったときの緊張感があり、「他者」の存在を初めて発見した時の恐れのようなものがあり、求めても求めてもひとつにはなり得ない「人」というものの寂しさがある。
観劇後に生まれることばは人それぞれだろう。が、自分自身の何かを揺さぶられずにはいられない体験となるだろう。
2013年シビウ演劇祭のオープニングを飾っての凱旋公演となります。
その他注意事項
スタッフ 作=坂口安吾
音楽=池辺晋一郎
演出補=志賀澤子
照明=大鷲良一
効果=田村悳
衣裳=小木節子
舞台監督=浅井純彦
制作=小森明子・太田昭

[情報提供] 2013/07/27 16:29 by teeakira

[最終更新] 2013/09/01 10:49 by teeakira

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