上質な二人芝居
目の見えない少女と吸血鬼、それぞれの佇まいを見事に表現した二人に目が釘付けに。森の中をイメージさせるBGMも素敵でした。でも窓の外に見える現実の風景と聞こえてくる車の騒音が雰囲気に水を差して残念…
満足度★★★★★
無題738(13-164)
19:30の回(小雨)。19:00、エレベータで4Fに上がり出たところに受付、そこから階段で5階の会場へ。1Fは何回か来ましたが5Fは初めてです。そっと覗いてみると入り口近くに女性の方がひとり座っていらっしゃいます。入るとテーブルと2脚の木製の椅子があり、会場の右側に椅子席。前列はミニ椅子、後列はパイプ椅子の2列でやや円形の配置。中央に座るとテーブルの向こうは大きな窓(不透明)、外はキャンパスに通う道路。下手が入口、雨音、車の音が聞こえ、内側にコート掛。上手に掛布団。客席右横に足の長いランプとテーブル上には食器とグラス。目を女性に戻すと、黒い髪をうしろでとめ、黒い衣装に靴。じっと何かをみているようなみていないような佇まい。ときどき立ち上がり上手に、そしてまた戻ります。一言も話しません。終わって振り返ってみると、そういうこと(役柄)か...と。
こちらは初めてでなんとなく今夜の公演を探していて、6/10(月)、ここの1Fで芝居をみているので団体情報をみると、「最近の写真」が目を引き、さらに情報登録の「モコ」さんはどんな方かとみると...「渡辺美帆子事務所」の制作...とありました。
渡辺さんは「小瀧ソロ(2011/5)」「サよりよろしくバー(2011/8)」「点にまつわるあらゆる線(2012/2)」の3作をみましたが、その後別府に拠点を移していました。サイトをみると東京に戻っていて秋に公演と。これも何かの縁と思いみに来ました。
個人的には「芝居」っぽくないところが大変よかったです。二人芝居で短時間のリフレインを多用。
「説明」をちゃんと読んでいなかったので「目の見えない少女」ということは、少し経ってから気がつきました。開演前にそんな雰囲気だったわけです。
吸血鬼の特性には特に触れることなく少女との感情は控えめに、会話も朗読のように、「パンとワイン」が二人の間に置かれ、時間が回るようでした。19:32開演~20:31終演。次回もみたいと思います。