漂着種子 公演情報 漂着種子」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
1-6件 / 6件中
  • 満足度★★★★

    1984版観劇
    劇場内は時間がゆったりと流れてました。ゆったりとはしてるが静かで力強い世界観が目の前で繰り広げられてました。
    八丈島の方言、わかるわけではないがなんかよかった。面白かったです。
    観れなかったが、2013版にどう繋がってるのか凄く気になる・・・

  • 満足度★★★★

    2013
    上演時間90分。挨拶文を読むと啓蒙作品かと思ってしまうが、実際は自然体の会話が漂う、好みの作風だった。

  • 満足度★★★★

    2013年を観ました。
    八丈島に都会から逃げてきた娘が自分を見つめなおす時間を送る話。
    同じ東京都にありながら、海の音と愉快な温かい住民に囲まれて、癒されていくのがうらやましいと思いました。
    都会生まれ、都会育ちだと逃げ込むところがありませんので。

    ネタバレBOX

    暗転の度に起こるセットチェンジのハプニングにアドリブでゆる~く本筋に持っていく演技が、安心して観ていられました。
    それにしても、鬼の全身タイツにはびっくりしました。(やっぱりドリフじゃん)
    吊られた四畳半のセットは、複雑に動いて面白いですね。
  • 無題616(13-041)
    19:45の回(晴)。19:15受付、階段右側で待つ、19:25開場。いつものように入って右へ。ここからだと正面にあたる扉位置でも芝居があるので、こちらがおすすめかと。波の音が聴こえる…2013版。床よりも少し小さい床台が四隅の鎖で天井から吊られています。完全に浮いているのではなく、力をかけると動くようでした。滑ったのは演技ではなさそう。遠くから聴こえる太鼓、唄、笛。こちらは初めて。19:40前説(90分)。19:47開演〜21:18終演。

    元下宿、今はゲストハウス(風呂付)、芝居に打ち込む男たち、東京からきた女たち。「八丈島の民話(未来社)」が舞台におかれ、幾つかのすれ違いが描かれる。1984年版をみていないので、みていたらまた違った感想になるのかなと思い、東京で「いろいろ」あったとしても、此処でなければならない理由がもう一つ掴みきれず。また、祭り、唄、こういったものは相当鍛練しないとそれらしさが出ないと思う。

  • 満足度★★★

    モノクロ映画のような。
    猫の会「漂着種子1984」を観る。
    30年前の八丈島のお話。方言は正しいのかもしれないけど、いまひとつ八丈島っぽくならず、漠然と何処かの離島という感じ。ちよっと今村昌平監督の「神々の深き欲望」を思い出したり。
    丁寧に作ってあって、じんわり染みます。全体的に抑えた演出。佐藤達くんの飄々としたオッサン感がいいアクセント。
    猫をどこで使うのかな、と思っていたら、そうきたか。映画だったら、クレジットの背景で、浜木綿の中を元気に駈ける猫の親子が映るのかな。

  • 満足度★★★★

    流れ着いた種子
    八丈島を舞台に、本土からやってきた小学校教師と画家を目指す女性の恋。
    悲劇に向かって少しずつ傾き始めた運命は、ある日一気に坂を転げ落ちる。
    終盤、主人公ちどりの台詞にどきどきするほど緊張した。
    雷鳴と共に、あの場面が忘れられない。

    ネタバレBOX

    舞台は八丈島、画家を目指すちどり(高木充子)の部屋。
    少し雑然としているが、波の音が聴こえ
    窓から今は無人の故郷、八丈小島が臨める部屋である。
    ちどりは三姉妹の末っ子で、すぐ上の姉かや(小林梨恵)と
    その夫誠(佐藤達)夫婦は母屋に住んでいる。
    元は物置だった離れを改装してアトリエとし、ちどりはここで寝起きしている。
    一番上の姉あき(天明留理子)はクニ(本土)で暮らしている。

    本土から赴任して来た小学校の教師志水(成瀬正太郎)が道に迷ったのを
    ちどりが案内した事から、二人は次第に親しくなっていく。
    ちどりを好きで、魚を持って時々訪れる漁師の順平(つかにしゆうた)は
    そんな二人を見て心中穏やかではいられない。
    志水に対して攻撃的な言葉を投げかけ、ついにちどりから
    「もう来ないで」と言われてしまう。

    東京の姉から「東京で働きながらもっと絵を見てもらえば」と誘われ、
    志水からは「結婚して八丈島で暮らそう」と言われたちどりは激しく迷うが
    その直後志水が行方不明になるという事件が起こる。
    そしてついに事態は最悪の結末へと向かってしまう・・・。

    前半少し状況説明に時間が費やされるので展開が遅い印象を受けるが
    移住のいきさつや志水の性格、島に残ることを選んだかやの心情などが
    丁寧に描かれ、後の展開にそれらは大事な情報となる。
    志水との恋、順平の嫉妬等が描かれるに従ってテンポは上がり、
    空間が引き締まってくる。
    緊張がマックスに達するのは、ちどりが順平に問いかける場面だ。
    志水が浜で拾ってちどりと一つずつ持っていた南方産の大きいつやつやした豆“モダマ”、
    そのモダマを、なぜ順平が持っているのか・・・。
    その順平に対して声も荒げず、淡々と志水のことを語るちどりの台詞に
    私は動悸が激しくなるほど緊張した。

    八丈島の方言がやわらかでどこか懐かしく、初めて聴くのにすんなり解る。
    長い旅の果てに八丈島へ流れ着いたモダマという植物が、運命を象徴するようで美しい。

    ちどり役の高木充子さん、気負わず自然体で
    少しずつ志水に傾いていく様が清潔感を持って伝わってくる。
    過酷な運命を受け容れてこの先どう生きて行くのか、
    寄り添いたくなる魅力的なキャラクターだ。

    母屋に住む姉夫婦の夫誠を演じた佐藤達さん、
    順風満帆とは行かないちどりを、温かく見守る義兄の台詞が実に上手い。
    衝突しがちな姉妹の間で緩衝材となる明るいキャラにほっとする。

    漁師の順平を演じたつかにしゆうたさん、
    志水に対する敵対心むき出しの台詞に、ちどりを思う気持ちが溢れている。
    その気持ちが暴走して身を滅ぼす男を、身勝手ながら哀れにも感じさせる表情が良い。

    この話の30年後を描く「2013」では、ちどりが産んだ子どもが
    八丈島を訪れるというストーリーらしい。
    波の音が聴こえる部屋を出て、ちどりはどんな人生を歩んだのだろう。
    “東京から南へ300キロ”、そこに暮らす人々の言葉は今も昔のままだろうか。

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