かたつむり第参部 完結編『彼岸花ノ章』 公演情報 かたつむり第参部 完結編『彼岸花ノ章』」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.6
1-5件 / 5件中
  • 満足度★★★★

    役者陣の素晴らしさ
    第一部、第二部を観ていないのだが、十分に楽しめた。夏樹陽子さん、松永京子さん、那須野恵さんなど力のある役者さんが揃い、女の情念をテーマとしている割には、さほどドロドロしたイメージを持たせず話は進行した。
    ただ、暗転がやたら多く、その都度こちらも頭をリセットしなくてはならず、気を削がれる感があった。場面展開はもう一工夫あれば更に良くなったのではないか。音響効果は大変素晴らしかった。

  • 満足度★★★★

    女たちの屈折した情念の顛末
    そんなものを感じた物語。昨年末に上演された「かたつむり」は私も堪能させてもらったが、本作は、その後に夏樹陽子さん主演として書きおろされた三部作の其ノ壱「宵待草ノ章」(大正12年=関東大震災の年)、其ノ弐「紫陽花ノ章」(昭和8年)に次ぐ完結編だ。

     私は三部作の過去二作品を観ていないが、劇中、壱部や弐部で描かれたであろう過去も告白の形で示され、内容は分かりやすく理解できた。やや、脚本上に「何故こうした行動を取るのか?」と首をかしげる部分もあったが、女たちの情念と、主演の夏樹陽子さんの妖艶な美しさに魅せられ、それで楽しめれば良しとしたい芝居。私は十分に楽しめた。

    ネタバレBOX

     日本軍の満州進出→国際連盟脱退→太平洋戦争へと加速度的に向っていく時代の帝都・東京の岡本邸では、女主人の糸子(夏樹陽子)が殺されてから1年が過ぎていた。彼女を刺し殺したという糸子の息子・芳雄の妻である千代子は脳(精神)病院に入院したままで、千代子の妹・美代子が、この事件を機に呆けてしまった芳雄の傍を片時も離れず面倒をみていた。美代子はかつて芳雄と恋仲で、呆けてしまったとはいえ、ようやく愛を手に入れ幸せだったのだ。

     そんな折、糸子と瓜二つの妹・琴子(夏樹)が事件の真相を知ろうと岡本邸を訪ねてくるところから物語は始まる。

     そこから先は、事件の真相がどうだったのか、誰も分からないまま、この岡本邸に下宿している帝大生たちの推理ゲーム的な状況なども交えて展開していく。その顛末は、妹・美代子を溺愛する千代子、息子・芳雄を溺愛し誰にも渡したくない糸子、その母・糸子を誰より異性の「女」として愛し情交まで及んでしまった芳雄、その芳雄との若き頃の恋が忘れられずに今の状況を崩されたくない美代子……。みな屈折した愛に悩み、その愛を得るがために「事」を起こしてしまう女の悲しい情念が引き起こした糸子の死となり、そして、千代子、美代子の死を招いてしまうのだ。

     このストーリーは悪くないが、やや、疑問に感じる設定や進行も見受けられた。だが、それにも増して、夏樹陽子さんの美しさは、オーラを感じた。

     出演陣には、学生達を始め、やや技量に欠ける演技も見られたが、女優陣は政府の噛みも幾度かあったが、概ね安定した演技だったと思う。
  • 満足度★★★★

    解決編
    ここまで行き着かなければ終わらないどろどろの世界でした。

    ネタバレBOX

    2011年版では千代子の許に突然妹美代子が満州から戻ってきて、ナメクジがカタツムリの殻を奪い取るように千代子の夫や岡本家の実権を奪い取りましたが、今回は殺された義母糸子の妹琴子が長年サナトリウムで療養していたという設定で唐突に登場しました。

    しかし、この琴子は糸子が殺された事件の真相究明に意欲は持っていましたが、二人がそっくりで千代子や美代子に精神的ショックを与える効果はあったものの、すぐにサナトリウムに帰ってしまうという何とも中途半端な存在でした。夏樹陽子さん的にはその後も糸子の影として登場していたのでどうってことはないのでしょうが…。

    下宿人の大学生のうち一人が金田一耕助風いでたちをしていたので、彼が事件を解決するのかと思っていると、肝心の見せ場になった途端に、学生を始め有力どころが皆退席してしまって、誰も見ていない間に広間に残った千代子、夫、美代子が死に絶える…、私たちには事の顛末は分かりましたが、世間的にはまた新たな闇が追加されたという結果に終わりました。

    そもそも義母と夫のただならぬ関係を知らなければ真相は把握できません。

    千代子は冷ややかに対応していましたが、若いころに夫と恋仲だった美代子は糸子が許せず殺害を企てます。しかし、実行できずに躊躇しているところへ千代子が来て、美代子を解放するには夫と別れさせることが第一と考えていた千代子がぐいっとナイフを突き刺したというのが糸子殺害の真相のようでした。

    そして今回は、まだ心が開放されない美代子のことを思い、千代子は脳病院を抜け出して下宿人となって潜入し、紅茶に毒を入れて夫を殺害します。美代子は悲嘆にくれてその紅茶を飲んで後を追い、美代子の開放に失敗した千代子も服毒死したというのが真相でした。そして、そこには糸子の影がありました。

    白い風車に赤いライトを当てての彼岸花の表現は骨唄のようでした。
  • 満足度★★★

    彼岸花
    チケットプレゼントにて鑑賞。120分。

    ネタバレBOX

    糸子(夏樹陽子)が義理の娘・千代子(高森ゆり子)に殺されてから1年。糸子の息子で千代子の夫の芳雄(片岡暁孝)は精神に異常をきたし、千代子の妹で芳雄を愛する美代子(松永京子)が世話を焼く。千代子もまたショックから精神病院に入院してしまった。そこに糸子の妹・コトコ(夏樹陽子)がやってくる…。

    序盤から中盤のやりとりがちょっとタルい。というか、人が多くて演技力が全体的に微妙という感じ。少人数でも良かったと思う。
    貴族階級な家の愛憎劇という骨子はいい。糸子と芳雄の近親愛、芳雄への一方的な愛に浸る美代子、美代子へを屈折した愛を抱く千代子。終盤のシーンとか、お面を使用した演出も良かった。ただ、「愛憎」の粘っこさがもっとあった方が好み。話はドロっとしてるんだけど、感覚的にそれがあんまなかった。

    主演の夏樹は日本人な美しさがあった。
  • 満足度★★★

    イマイチ
     シナリオが論理の徹底性を欠くため、メリハリを失って切れが悪い。それでストーリーが失速してしまった。その隙間を情念で埋めるという発想も安易だ。また演技にも作り過ぎたわざとらしさが折々見えた。科白をかむ役者が多かったのも気になる所だ。

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