渡辺美帆子企画展「点にまつわるあらゆる線」 公演情報 渡辺美帆子企画展「点にまつわるあらゆる線」」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
1-12件 / 12件中
  • 20120211
    (^・ェ・^)

  • 満足度★★★★★

    ハードとソフトの融合感
    主人公のスペックの表し方と
    その枠のなかで動いていくものの事象が
    非常に良く作りこまれていて・・・。

    企画展とされているし、
    確かに態は展覧会の様相を呈してはいるのですが、
    そこには極めてまっとうな
    演劇の世界がありました。

    ネタバレBOX

    開演時間の15分くらい前に劇場に到着、
    すでに開場していて。
    ドリンクチケットとトークンを2枚もらって
    春風舎のスペースに足を踏み入れます
    様々な展示のなかでも
    場内にたくさんぶら下がっている紐にまず目が行って。
    紐につけられたタグから
    それらが一人の女性のデータをデジタル化したものであることが
    わかる。
    たとえば「鎖骨の長さ」といった身体的なスペックから
    「私のことを好きって聞いたときの反応、両手を広げた長さを1cmとする」
    といったかなり凝ったものまである・・・。
    かと思えば彼女の重さを実際に持って体現できるものや
    彼女の頬の柔らかさを実感できるものから
    彼女の家のカギ、
    抜けがらなんていうものまでが置かれていて・・・。

    そして中央には彼女自身の部屋があり
    静止した彼女自身が置かれている・・・。
    会場をめぐりそれらを観た段階で
    すでにひとりの女性が
    不思議なリアリティをもって観る側にあって。
    心拍を定義したメトロノームの音が
    会場内に響いていることにも気づき
    ふっと彼女の内側に置かれているような気分になる。

    展示会場の中央で
    彼女の一日が繰り返され始めます。
    2月3日の日めくり、
    目覚めて、化粧水を塗り、
    ベランダに出て窓の外を眺め
    マグカップの飲み物を口にし、
    日記を書き、眠りにつく。

    そのルーティンは、博物館の動く展示のごとく、
    なんども繰り返されます。
    で、次第に展示されている
    彼女のハード的なデータや記録が
    観る側にとっての彼女の一日とリンクしていく。
    最初は漠然とその姿を眺めていたのですが、
    そこに
    他の役者たちの様々なパフォーマンスが重ねられ
    彼女の内外の景色になっていくなかで
    次第になにかが広がってくるのがわかる。
    男たち、
    制服の女子高生、
    足ひれをつけて徘徊する女性・・・。
    ふっと展示と彼女の動きの内外が逆転して・・・。
    唐突に思えたそれらのことが徐々に変化して
    彼女の内なる記憶や想いの具象として
    一つの世界に取り込まれていく。
    そして、客観的に彼女に属するものを観ていたはずが
    夢と現のそれぞれの中で彼女の内側に去来するものを
    観ることに世界が置き換わっている。

    彼女自身の情報とそれらが機能して観る側に映し出されるもの。
    準備されたハードウェア上でソフトが稼働して
    会場全体が、
    一つの演劇空間として機能していく感覚。
    でも、そこから生まれ伝わっててくるものは
    イメージを創り出すロジックが
    実験的に示されるというような感覚を乗り越えて
    人が日々を営むことのビビッドさの実感として残る。
    デジタル化された表現やデータには
    ハードウェアがソフトによって起動しているような
    醒めたドライな感覚がありながら、
    そこから浮かび上がってくるものには
    時間の繰り返しと表現の拡張によって膨らんだ
    豊かなリアリティをもった
    一人の女性の感覚があるのです。

    終盤日めくりが一日進み、
    彼女が入籍をしたこと、さらには引っ越しをすることが示されます。
    留まって展示されていた時間から抜け出して
    すっと時間軸が伸びていく。

    会場を去る前に
    もう一度ぐるっと場内を一回り。
    ガチャガチャとトークンや
    冒頭には奇異に感じた
    抜けがらと表示されているもの、
    展示されているものそれぞれから
    改めてニュアンスを感じることができて、
    この表現、
    本当にしたたかに作りこまれているなぁと再び感心。

    もう、がっつりはまってしまいました。




  • 満足度★★★★★

    かなりおもしろかった
    千秋楽を観劇。
    何度も見たかった。
    空間が良い感じ。
    「彼女」を演じた女優が素晴らしかった。
    集中力と持続力があった。
    この公演の成功は「彼女」に負うところが大きい。
    「彼女」を見ていれば、それだけで幸せだった。
    他の俳優は余り良くない。

  • 満足度★★

    演劇についての演劇
    「人間」を展示すると題して、展覧会のように観客が自由に動きながら観る、演劇という表現形式について考えさせる作品でした。

    4方の壁や天井から吊り下げられた紐に「彼女」の様々なデータが記されている劇場の一画にカーテンとロールスクリーンで囲われた四畳半程度のエリアがあり、その中で「彼女」が2月3日の朝から夜までを何度も繰り返し演じ、次第に周囲でリアルでない要素が発生し、複数のシークエンスが同時に演じられたり、「彼女」が他の役者に入れ替わったりして、虚構性を強調する展開でした。

    演劇における虚構性や、見る/見られるの関係性といった要素をただ提示しているだけで、そこから先の生の舞台ならではの質感の表現が不足していて、頭でっかちで行儀の良いメタ演劇に感じられました。
    現代美術の世界でもノンフィクションに見せかけたフィクションを提示するスタイルがありますが、絵や写真や物の展示に比べて演劇では人がその場で演じることによる虚構性の表現の可能性があるのにそれを活かしきれていないと思いました。
    中途半端にキャッチーな要素がありましたが、もっとポップな方向に持って行くか、あるいはそれらを排除して観客がイライラするくらいストイックで退屈な構成にした方が、狙いがはっきり浮かび上がると思いました。

    役者が演じていることよりも、普段見られることに慣れていないために見られていることを意識せずに振る舞う観客の姿や、それを他の観客が見ていることを更に他の観客が見ているという入れ子状の関係性が興味深かったです。

  • 満足度★★★

    面白い試み
    不思議な空間に戸惑うが演劇だった。
    自由度が高くて個人的には楽しめた。
    ぬいぐるみハンターの「増殖にんげん」を思い出した。

  • 満足度★★★★

    展示会
    演劇をも展示してしまう。舞台と客席の隔てがなく、独特の経験ができた。春風舎向き。

  • 満足度★★★★

    無題293(12-046)
    13:00の回。渡辺さんは3作品目、3つともずいぶん違っています。ここは初めて、地下鉄から地上に上がると住宅地っぽいところに出て方向を見失う、少し歩いて目印を見つける、早く着いたので周辺を歩く、陽が暖かい、図書館を見つけたので開場時間までみて回る、12:45受付開場(荷物、コートを預ける、軽装の方が動きやすいです)、中では渡辺さんがお客さんをお迎え、床、壁、天井いろんなものがあります、日記、鍵、福笑い、ペットボトルに入った水、吊らされた紐(その長さがポイント)、レゴ、ガチャガチャ、地図、台本…やや奥には「彼女」の部屋、昔風に言えば四畳半、ベッド、テーブル、本棚、緑色のカーテン、でも三方はスクリーンでそれぞれの四隅の間から「彼女」を見ることができます…が、自由に開け閉め可、ビデオカメラがあってその映像が映されます、さらにその奥、牢屋のような部屋に男。写真撮影可(携帯ですとカシャッと音がするので、デジカメのフラッシュなしがいいいかも、で、遠慮する必要ないです)、飲食可。「彼女」のための「彼女の全ての」ものを見聞きする時間。

    ネタバレBOX

    こういった場所、自分を固定しない場合、個人的に一番面白いのはスタッフや観客だったりするのですが、LEDECO「増殖にんげん」が完全フリー。シアターグリーンでの谷賢一さんの結婚式にも移動が自由な時間がありました。観るだけではなく、観られているという意識(気にしすぎでしょうが)にちょっとした緊張感が伴います。日常、歩いていても、電車に乗っても、お店に入っても(…店員さんの視線はありますね)、みんな「風景」や「背景」だったりするのです。

    様子を伺いながら、前にでようか、向こう側に回ってみようか…慣れてくると動きが活発に。あと、何となく隅の方に腰掛けたり。

    四畳半というとまずは「おいどん」ですが、「彼女」の部屋にはさるまたけなど生えていません、カラフルな雑貨に囲まれ日記をつける。

    前半、後半、似たようなシーンが繰り返されますが、大きく違うのが「うどん」の有無、2回目は実際に食べていますね。

    コインを置いてゆく男、フィンをつけパタパタ音をさせ歩く女、転がる男、アイドル志願の女…あり得ない組み合わせが会場を満たしています。

    劇中、ほとんど瞬きしないことがありましたが、お聞きしたところ特に意識した演出ではありませんということでした。

    起きて、日記をつけて、客がきて、寝て…「家路」が1日の終わりの合図ですね。

    博物館や絵画展のように、自分のペースで行ったり来たり、繰り返しみたり、ですね。


  • 満足度★★★★

    自由な空間
    自由な空間だなぁ…と。
    入退場から撮影から座る位置から。とにかく自由。そして、自由を突き付けられたとき、どうして良いのか戸惑いを隠せず、自分が制約の中に生きる人間なのだと思い知らされます。

    ネタバレBOX

    役者さんが観客の中に紛れるようにしていて、誰が役者なのか分からず、自分ももしかして役者で、「観客役」を演じているのではないか、という錯覚を起こしていました。普通にお客さんだと思っていた人が役者さんだったりしたので。

    五感をフルに使って体感出来る作品でした。
  • 満足度★★★

    劇場が溶けて・・・
    ・・・いくような感じを持ちました。「劇場がまるで美術館に溶けて・・・」あるいは劇場空間にいる演者と観客(さらにスタッフ)の間が溶けて・・・」。
    「人間の展示」で、展示されている人間は「部屋にいるようですが、部屋の周りにもさながら現代美術の展示館の様相。人間のデータもアートの形で展示されています。私は「肌の固さ」と、「足の親指の長さ」「第七肋骨の長さ」が気に入りました。観客も動くよう促されますが、その前にかまわずいろいろ動いたほうが楽しめるのではないかと思いました。あとトークンをもらいます。使ったほうがいいです。せっかくのサービスですから。

  • 満足度★★★

    人間の展示
    観客は自由に動き回っていいから、気がつかない間に自分が出演者達に囲まれていたり、出演者に話かけられたりして、見てるのか見られてるのか、見てる観客を見てるのか段々わからなくなってくる。見たことない見て、体感出来たけれど、何が起こってるのかは理解出来ませんでした。

  • 満足度★★★★★

    「雪」も面白かったけどこちらもなかなか・・
    なんだか最近、アゴラより春風舎の方が挑戦的で面白い気が・・。

    ただ、やっぱり「雪」なんかと比べると、
    春風舎の他の作品でも、深みとハードさでは負けてる気が・・(汗

    こんなにも間近であれだけの作品を作る作家が滞在してくれてるんだから、
    これから同じ場所で上演する人たちはみんなガチで勝つ気で
    舞台にDIVEして欲しいなぁ・・。

    「点にまつわるあらゆる線」、とても面白かったですよ。

    ただ、1週間前に同じ場所で上演された「雪」が
    この時期上演されたどの日本の作品と比較しても
    別格の趣きを呈していただけのことで・・。

  • 「雪」素晴らしい!
    「雪」が素晴らしいのに書き込むところが無いのでここに書き込ませてもらう。
    演出家の感性の素晴らしさを感じた。
    出演者もみんな良かった。
    アフタートークが言いたい放題で面白かった。
    私は完全版を2回観劇。

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