レンタルディレクター 公演情報 レンタルディレクター」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.8
1-6件 / 6件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     ベシミル! 華5つ☆ 追記後送

    ネタバレBOX

     脚本は設定が良ければ半ば成功したも同然、という鉄則にピタリ嵌った見事な設定。アクタージュの目指してきた人の優しさを頗る付の自然体で表現する舞台としても、レンタルビデオショップ、<カリチャイナ>での店長、店員たちと常連客たちとのあれやこれやの日常会話にさりげなく埋め込まあちれた伏線が、或いは思い出話の断片が後に大きな効果を齎す展開は見事という他無い。かてて加えて店長役でアクタージュ代表を務める大関雄一氏を始め劇団員皆が持つ優しさが作品全体に滲み出て今作の主眼テーマと見做して良いと考えられる他者への思いやり優しさが観客の心にそのまま届く。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    地方都市にあるレンタルビデオショップ<カリチャイナ>が舞台。その街の夏祭りには、商店街の店が 或る出し物…イベントで街興しをしているよう。カリチャイナでも催しの準備をしようとするが、アイデアが浮かばない。物語は、善意に溢れる地元の人々と東京から来た憂い謎めいた一人の青年との交わりを通して、人の<優しさと切実さ>を仄々と描いている。

    少しネタバレするが、夏祭りには 映画の上映を目論み、宮沢賢治の「よだかの星」をモチーフに、ショップ店員が脚本を書き下ろす。物語の基調には、よだかの星…容姿が醜く不格好なゆえに鳥の仲間から嫌われている を意識しているよう。表層的にはコミカル、ユーモア溢れるといった印象だが、そんな中で 東京から来た青年の存在と仕事がカギ。ショップに出入りする個性豊かな人々を描いているが、その背景には地方都市の活性化が透けて見える。同時に人の心にある苦しみ・・人との関わりが苦手といった ありふれた悩みを取り上げている。

    物語では、克服すべき困難に立ち向かうといったことではなく、ただ その人を肯定する といった自然体で受け止めている。登場するのは、ショップの店長や店員、八百屋の夫婦、美容院経営者、そして会社員など 普通の人々。その人々が抱える普通の悩みだからそこ、観客のあるある感情を刺激する。

    最近見かけなくなった レンタルビデオショップという設定が妙。人の滞在時間は、借りて すぐ帰る人もいれば、店で視聴する人もいる。人の出入りが自在に出来ること、地方都市ということで 昔馴染みといった常連客を取り込んでおり、登場人物が固定していても不思議ではない。そこへ東京の人…仕事と苦悩 そしてショップ店員の悩みがシンクロしてクライマックスへ。癒し系劇 といったところか。
    (上演時間1時間45分 途中休憩なし)

    ネタバレBOX

    舞台美術は、中央に丸テーブルと椅子、上手後ろにDVDが並んだ棚、下手も同様に棚やリビングチェアが置かれている。壁には映画のポスターやチラシが貼られており、レンタルビデオ店といった感じは出ている。ほぼ中央奥が出入り口、下手は別部屋へ通じる。

    レンタルビデオ店は、ほとんどが常連客で日々騒がしい。人見知りの従業員(バイト)高畑綾乃を「よだかの星」に準えて、彼女の心を解(開)放しようと働きかける人々の優しさ。また近所の八百屋の夫婦喧嘩、その八百屋の女将と絡む美容室の女性オーナー、仕事が忙し過ぎる会社員など、どこにでもいるような人々が織り成す人情劇。夏祭りといった地域 季節の風物詩(イベント)を絡め 面白可笑しく仕上げている。

    個性的で愛嬌ある人々、その言葉と行動に隠された優しさ。そして 社会にある棘のようなコトへの皮肉と人への応援がしっかり伝わる。まず 八百屋の主人は、ビデオ店へ入り浸ってエロDVDを借りている。妻はそれを知っている。夫婦して何気にビデオ店の売り上げに貢献しようと。
    また ブラック企業のようなところで働いている会社員、自分がいなければという強い責任感。しかしビデオ店の店長 黒澤明は、例えば この店のバイトが1人居なくなったとしても大丈夫。それが組織というものと諭す。

    この気心知れた人々がいる街へ、東京から写真を生業にしている青年 諏訪信二がやってきて、物語は動き出す。風景写真は撮れるが、いつしか人物は撮れなくなったという。実は女性が乱暴されそうなところへカメラを向け、助けたことがあった。その時ファインダー越しに犯人の目を見て といったトラウマを抱えている。この心に傷を負った青年と ビデオ店の人見知りの女性の淡い恋が…。
    全体的に優しく仄々とした雰囲気、それを役者陣が楽しんで演じているよう。

    蛇足ながら、カメラマンが人物を撮れなくなった理由…自分は戦場カメラマンとして戦地の不条理、といったことを連想した。
    次回公演も楽しみにしております。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    主催の大関さんが開演前から観客の対応をとても丁寧にしてくれる温かい劇団さんです。
    本作品のレンタルビデオ店「カリチャイナ」、本当にあったらぜひ常連になりたい位!
    今回も楽しくて少しジーンとくる素敵な舞台でした。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    前作のお蕎麦やさんのお話から拝見。今回も心暖まるいいお話でしたね。悪い人が一人もいない、安心して心穏やかに観られる、そんな作品ですね。ラストもよかった。優しい時間をありがとうございました。

  • 実演鑑賞

    面白かったです。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    アクタージュさんには独自の演技メソッドがあるとしか思えない
    “STRAYDOG”さんにも似た突き抜け感
    日常風景であって日常でない、大阪人顔負けのコッテコテ&どことなくシュールな匂い
    最初こそ一歩引いたスタンスで観ていたものの、これが段々クセになってくるというか いつの間にか笑いをかみ殺してのアクタージュワールド
    今回これまで役者として出演されていた竹下亘さんの初 作・演出作品になるのでしょうか
    自劇団の魅力となり得る部分を良く分かっているなぁという印象で、ピンポン玉が弾んでいるようなフットワーク、猥雑な面白さがありながらシーン(日時)が変わるごとに衣装チェンジされていく細やかさも活き、本作に出演されている主催 大関雄一さんもめっちゃ楽しそう(笑)

    体感的にはコメディー8割のドラマ2割
    とは言えラストに近づくにつれドラマ部分が俄然生き出し、ちゃっかりロマンスも
    最後に涙が滲んできたのはジ~ンときたからなのか、笑いをかみ殺し過ぎたのか
    キーワードは“突き抜け感”
    各々の個性を演じ切った役者さん達が清々しくキラキラ輝いて見えるのでした

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