実演鑑賞
満足度★★★★
恐らく初のキンダースペースで、トルストイの「復活」も(あらすじ含め)初めて。その意味で色々と興味深い観劇だった。
目玉は「復活」なのだが、この舞台はそこに松井須磨子と島村抱月の逸話を絡めている。須磨子が「復活」のヒロインを演じるのだが、舞台へのこだわり、厳しさ、わがままさと演じるキャラとのギャップが面白い。私には「復活」の最適な「紹介」の仕方であったが、日本でこれを上演した、という事実(でなくても良いのだが)が何を含意するかという点がもう一つ飲み込めなかった。台詞の行間を観客が埋めるに委ねた感もあるが、劇的を欲する自分としては日常的な台詞からもう一つ強い言葉を役者に吐かせて最後を飾って欲しかったのが正直なところ。
役者たちは達者であった。