通る道 公演情報 通る道」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-5件 / 5件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    自分好みの舞台。
    旗揚げ公演をした<中野スタジオあくとれ>…比較的小さい空間だが、三十三回忌法要に集まった人々の心情を描き出すにはピッタリ。登場人物は5人、そこに三十三回忌法要らしさが出ており、人の死と過疎化という世の移り変わり、その寂しさ侘しさが感じられる。

    説明では北国とあったが、舞台は冬の北海道、寒風が吹いており 極寒の様子がしっかり伝わる。それを体現する演技が実にリアル。
    死という必然と少子高齢化という抗えない現代日本の課題・問題もちらつかせ、それを抒情豊かに描く。

    法要という典型的な儀式、事件も大きな出来事も起きないが、そこに集まった人々の近況も含め人生が語られる。そこに この劇団の「覗かれる人生芝居」の面白さを観ることができる。
    (上演時間1時間35分 途中休憩なし)

    ネタバレBOX

    舞台美術は菩提寺泉水寺の一室。上手 下手に障子の衝立、中央奥に石油ストーブ、そして座卓が2台。シンプルな作りであるが、法要が始まる迄の時間を過ごす 控えの間のよう。寒風が吹いている音響、障子を開けて入ってくる住職の未亡人、そして法要に集まってくる人々が一様に石油ストーブに手をかざし尻を向け 暖をとる。その姿 様子が滑稽であるが実にリアルだ。そこに表現力の確かさを観ることができる。

    役者は5人…実の父親 角田正造の三十三回忌法要を行う正一(増田再起サン)、弟の嫁<義妹> 角田妙子(細川量代サン)、そして甥の角田誠司(木の下敬志サン)、姪の赤坂奈美恵(増田恵美サン)、それに住職の未亡人 武田文子(永井利枝サン)と少ない。しかし、何の変哲もない日常会話(夫婦間や子供のこと、仕事や健康等)、その淡々とした語りの中に しみじみとした 人生が感じられるほどの演技力。自分もその場にいて 法要に出席する、そんな錯覚に陥りそう。

    この寺まで、以前はバスの運行本数もそれなりにあったが、今では1時間に2本と激減。少子化の影響で小学校が廃校になり、コロナ感染も相まって過疎化が進んだと。後々分かるが、飲み屋もシャッターを閉め(シャッター商店街)、人との交流も無くなってきている。何となく地方都市の厳しい状況が分かるような。

    三十三回忌法要の後は、この泉水寺(北海道)の墓じまいをし、東京へ(墓を)移すという。現実的な対応を見せると同時に、故郷との縁がだんだんと薄れていく寂しさ、そこはかとない悲しさが込み上げてくる。
    先週、親戚に不幸があり久しぶりに故郷へ帰った。幼き頃に見た風景が遠ざかるようで…そんな哀愁に浸ってしまった。
    次回公演も楽しみにしております。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    「通る道」とは何か、深く考えさせられる演題です。

    ネタバレBOX

    実際に現実にありそうな話で、遂行がじっくりとゆっくりと進んでいくのがとてもよかったです。役者が5人ですが、もっと多くの人数が出ているかのように感じました。外がすごく寒いということが伝わってきて、すぐ外は北海道であるように思えました。役者の作り出す話の展開と雰囲気によって、観終わった後の余韻が心に沁みました。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    そうかもね、そうだよな、っ感じで
    時々自分に置き換えて見ていた

    ネタバレBOX

    最初の来訪者3人の会話がリアルで日常感を感じた
    一部屋の舞台、セットも人も少ないのが良かった
  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    曾祖母の葬式もこんな感じになったなと思い出す舞台でした。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    人生の一部を覗き見するという新感覚の演劇であった
    よくも悪くも誰かの人生の切り抜きであり、そこにフィクションが存在するのか境界が曖昧になる作品
    とても不思議な気持ちに包まれた

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