演劇制作体V-NETプロデュース公演 ~信号ズ特別公演『終わりで始まり』/ 演劇制作体V-NET短編集『いつかの己を超えて行け!』~ 公演情報 演劇制作体V-NETプロデュース公演 ~信号ズ特別公演『終わりで始まり』/ 演劇制作体V-NET短編集『いつかの己を超えて行け!』~」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.3
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    V-NET短編集を観劇。決意表明とも言える代表作の2本立てで、やはり両作品とも見応え十分でした。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    両作品とも面白いですね。短編ながらもぎゅと物語がきちんと収まっていて良くできた二本だと思います。1作目は漫画のキャラクター達が作者を元気付けるとこ良いですね。2作目も婚約者の男性が彼女を返してと懇願するとこ。気持ち入ってました。心が暖かくなる二本立て楽しかったです。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    演劇制作体V-NET短編集「いつかの己を超えて行け!」…演劇2本立て、小金丸大和 氏の短編「ダブル・ブッキング」と「胸に月を抱いて」を観劇(上演順)。

    どうしてこの演目・内容を選んだのか、そこには或る意味が込められており、その気概というか決意に感じ入る。当日パンフの前段に「2023年は、V-NETにとって大きな変革の年となりました。20年慣れ親しんだ稽古場を離れた事をきっかけに、多くのメンバーが離脱」とある。その苦境・困難を2本の短編(内容)に見立てているようだ。そして後段では「いつかの己を超えて行く事で、劇団のこれからの10年を模索」とある。

    「ダブル・ブッキング」は、全盛期には何社もの同時連載をこなしていた漫画家がスランプに陥り、何とか再起しようと足掻く。取り敢えず2社の仕事を同時に引き受けたが…。
    「胸に月を抱いて」は、彼女が事故によって記憶を失い、自分は松井須磨子と言い出す。そして恩師であり愛人である島村抱月に会いたいと…。この2編に共通するのは、劇作家の苦悩、これからの創作へ思いを馳せること。

    2編のうち、「胸に月を抱いて」は観たことがあるが、演出を変えて分かり易くしているといった印象だ。「ダブル・ブッキング」は初めてで新鮮。2編を観ると その共通した思いの強さが伝わる。
    卑小であるが、演技力に差があるように思えたのが惜しいところ。星(★)は、今後への期待を込めて敢えて4つ、これからも応援している。
    (上演時間2時間 各1時間、途中休憩兼転換時間10分) 12.10追記

    ネタバレBOX

    舞台セットは、基本的に両短編とも同じ。後ろに段差を設え、やや下手にいくつかの箱馬(椅子)がある簡素なもの。

    ●「ダブル・ブッキング」
    編集者2人が、下手で自社へ作品を先に提供するよう漫画家へ依頼するところから始まる。漫画家はアイデアが枯渇し自信を失っている。編集者が協力しアイデア、プロットを出し、その光景を上手で演じ視覚化して観せる。シチュエーション、設定が変わり その都度 演技も変化し面白可笑しく展開していく。
    一方、漫画家は 自分自身(自信)を見失い妻に心配をかけていることを気に病んでいる。しかし妻曰く私は二番目のファンであり、あなた(漫画家)自身が一番のファンなのだから自信を持ってと励ます。

    ●「胸に月を抱いて」
    恋人が事故で意識不明、そして目覚めた時には「自分のことを松井須磨子」と言い「島村抱月に会いたい」と言い出す。困った恋人の佐々野は 彼女を連れ街中へ。怪しげな占い師の言葉に従い、お台場へ向かう。大正期に活躍した島村抱月の多才ぶり、そして今の時代にも同様の才能を発揮している人物に出会う。
    島村抱月が乗り移ったであろう人物が、自分の才能の限界、世間の悪評に苛まれていたこと吐露する。そして須磨子こそが抱月の器を超えてという嫉妬にも似た感情を抱き始め、当時の流行り病に倒れたことを明かす。

    敢えて この2編を上演…漫画という媒体、島村抱月・松井須磨子という人物を通して芸術=演劇に置き換えてみると、GK最強リーグ戦で優勝している作品を更に超えようという意気込みが伝わる。だから 過去作品のレベルに止まらず「いつかの己を超えて行け!」というタイトルなのかと。
    先にも記したが、ほぼ素舞台 それだけに役者の演技に注目することになり…。どうしても一人ひとりの演技力を観比べてしまい、それが作品全体の印象に繋がってしまう。そこが総合芸術といわれる演劇の面白さ 怖さではないだろうか。
    次回公演も楽しみにしております。

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