実験都市『ご来場ありがとうございました。』 公演情報 実験都市『ご来場ありがとうございました。』」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.7
1-20件 / 21件中
  • 満足度★★

    もっと感覚を広げて!
    シリアスな雰囲気がどうも苦手な私には“かったるくて”でも“これからどうなっていくの?という疑問が絶えず付いてくるのはストーリーにある意味面白味があるからなのでしょう。出演者は各々のキャラを忠実に演じていたようですが、全体的に重いというか、遊びがないというか、そして運びがまどろっこしい!空間も狭苦しい。私もかなり観客の想像力に頼っているように感じました。―――ので、勝手にアニメSF感覚に仕上げたら、もっとテンポも上がって、面白いのではないかとか、前線基地だけでなく、都市では何が起きているのかとか、想像し、もっと世界を広げたものが観たいと思いました。




  • 自己批評
    迫力のある芝居だった。面白いのか、面白くないのか良く分からなかった。それは、良くも悪くも観客の想像力を充てにしすぎていたのでは? これは劇作家の問題なのか、演出家の問題なのかは不明。G.com唯一の俳優、佐藤晃子は完全にはまり役だった。案内された。三つ目がとおるの「わとちよこ」に見えた。漫画の人が舞台上にいた。マルガリータ役の重盛玲架は天才過ぎ。完全にG.comのメソッドを体現しているように思われた。まだ中学生なので、無限の可能性があるなかで、万が一だが、あんまりおすすめできないが、100万が一、演劇界に、そして女優業をやったら舞台に咲く、大切な大切な一輪の花になる可能性を感じた。もちろんあくまで可能性。良くも悪くも「可能性」についての物語だったんだな、っと感じだ。再演があれば是非見たい。

    (2011・8.3文章修正 三浦剛)

    ネタバレBOX

    ばらすネタがない・・・。
  • 満足度★★★★

    魅力的な・・・
    映像的な舞台だったような・・・演出で見せているのだと思う。
    空間にあったシンプルな舞台装置に音・照明・衣裳は良かった。
    2時間の長さを感じなかった。

  • 満足度★★

    ううん
    評価わかれてますね。
    野田風の作品をやるのか?といろいろ期待していきましたが、
    役者さんは個々に素敵でしたが、やはり怒鳴りあいが多くて少し耳障り感がありました。(そういう演出?)

    ネタバレBOX

    オープニングから芝居の結論のような心情を吐露するのが 拍子抜けでした。
    役者さんはとても上手でした。衣装もこっていて良かったです。音もよかったです。太陽に0マークが出てしまっていたのが残念。
    脚本がいまいちでした。出演者が並列して長い台詞を言うのは高校演劇のような感じがしました。
  • 満足度★★★

    ・・・
    そこそこ

  • 満足度★★★

    複雑な伏線、しかしあっさりと・・・
    この芝居も、ユーザーの評価が大きく分かれているが、
    私には残念ながらイマイチに感じられた。

    開演前の舞台風景は照明の効果もあって美しく、
    やや暗めの中に木製の結構立派な椅子が2つ横に倒れていて、
    これから起こるであろうドラマを観る者に何となく想像させる。

    さて、大体の筋は他のユーザーのレビューですでに紹介されているが、
    「実験都市」の役人達(?)と、「実験都市」から別の裏都市への亡命者達、
    これらのグループが前半は交替して登場し、
    その後これらの登場人物が混じり合って、さらに進行していく。
    さらにその後、「裏都市」から逃げてきた少女も加わる。
    それで、すでに書かれていることだが、前半しばらくは伏線が多く、
    背景や事情が良く分からないまま、専門用語(?)的な台詞が一杯出てきて、
    少なくとも私には、中々頭を働かせ回転させなければ
    付いていけない内容であった。

    ところが、前述の通り、初めは別々に登場していた人たちが一堂に会して、
    話をするうちに、これらの「伏線」が氷解してしまう。
    まあそれは、分かりやすくなったという点では良いことなのかもしれないが、
    ちょっと拍子抜けの感が……。
    だって、「伏線」というのは、話が進むにつれて、
    じわじわ氷解して行った方が、楽しいですからね。

    結局は、作家が書いた話を、実験都市の指導者がそのまま実行している、
    ということらしいけど、「まあそうなのか」と思えばそれまでだけど、
    この辺もすっと腹に落ちない気がして…。

    それから、役人達の隊長らしき人は、初めはいささか頼りなく、
    しかも何を頼んでも「都市からの命令」というだけで、
    いわゆる「典型的公務員」というタイプなのだが、
    急に性格が変わって、劇場的な指導者タイプになる。
    このあたりが特にそうだが、不必要な怒鳴り合いが多く、
    その辺もちょっと個人的には引いてしまった。
    ところがさらにもう一度性格が変化し(?)、
    亡命案内人役の女性と恋に落ちてしまうと、なぜか優しい家庭人になり、
    裏都市から脱出してきた少女まで愛しむようになる。
    別に体験を経て変化することは悪くはないのだが、
    変化する理由が私には釈然としなかったのですよね…。

    あと、細かいことであるが、亡命者グループの売春婦役の女性は、
    終始シュートパンツ姿で、まあそれもいいんだけど、
    ただ、亡命途中で、人工太陽が消えて砂漠で
    急に酷寒に襲われるシーンがあって、
    他の人達は、冬支度のような格好になるのだけど、
    この人だけはそのままで、特別寒がっている様子もないまま。
    こういうところにも少々違和感を感じてしまった次第。

  • 満足度★★★★★

    とても面白く拝見しました。
    全人類の幸福を実現する為に作られた「実験都市」で生きる人々の物語。

    舞台の「仮想」と僕らの居る現実、実験都市という「仮想」と僕らの住む現実、役者の演技の「仮想」と僕らの関わる人間関係など、様々なリンクを促すヒントが提示されてました。

    答えを一切出さず、あくまでもリンクを促すのみの手法は、大変知的好奇心を刺激される良作だったと思います。

    俳優さんはセリフが歌う方が半数ぐらいいたように感じましたが、力ある方が多かったように思います。中でもワンさんの役の方が抜きん出て素晴らしかったです。その次にアンドウ役の方が素敵でした。

    ネタバレBOX

    まず前半の30分ぐらい、いくつかの伏線を張られます。
    物語が進まないまま、伏線が控え目に顔を出してました。
    観客はこれをどのように拾えたかで、
    大幅に楽しみ方が変わってしまうのではないかと思いました。

    実験都市は現実社会に起こっている事・起こった事は、無駄だと思えるような事でもすべて盛り込まれます。
    これは、この実験が成功したなら、現実の都市でもその実験結果を盛り込むという計画のもとだから、無駄だと思われる事もすべて盛り込む必要があったのだと受け取りました。砲撃・警官・ハイヒールに至るまで、それも意味がないようで意味がある。

    つまり、この実験をするには当時の現実に酷似した仮想社会を作って初めて進められる。現実の都市とは完全に切り離された環境下で、ほぼ現実の都市と同等の条件で行わなければならなかった。
    だから実験都市にしか影響を与えない人口太陽という存在も作り出す必要があったんだと思いました。

    芝居が進むにつれて現れる「人間性回復装置」という名の存在は、最も深く関係していたい人の顔に見える(求める人間になる)ようです。
    まず求める人間に見えるという存在が、このような名前で呼ばれている事にまた面白味を感じ、作者のセンスを感じました。
    決して「人間性回復装置」とは断言できないような存在がこの実験都市で存在している事が、あくまで実験たる所以を感じました。
    納得できるような存在であれば、それは完成されてるものですものね。
    だからこそ、結果論ですが、それがループを続けてしまう末路になる一つになってしまったのも理解ができそうでした。
    後半でその「装置」の顔を見てもなにも錯乱等しなかったのは、太陽が壊れたり偽善者がいなくなったりの過程で効力を失ったからなのでしょうか?

    最後に他人であるはずの数名で家族が出来上がりましたが、これも実験たる所以ということで良いのでしょうか。それが幸せとはにも繋がってるようにも感じました。もとより幸福論は様々語られるテーマで、今も一つの答えでは収束できてない事ですので、あえてこれだ!と断定する必要もないな、ああ、それがまた作者の意図か・・・と受け取りました。
    最後に弱い自分を言い聞かせるように言っていたセリフは、一番最初にも言っていたセリフでした。本当はそんな事思ってもいないのに・・・と感じたり出来たのは、やはり役者に力量があったからなんだと感じました。

    ある方が靴が砂漠向きではないという感想を書いてるのを見受けました。全く的外れの感想だと感じました。これは実験で、都市の生活を再現する必要があるので、砂漠に向いた服装というのは二の次です。きっと現実の都市では砂漠ではなく、どちらかというと僕らが住んでる今の都市に近いのでしょう。彼らは彼らの役割を担うためにそうした服装であったはず。亡命に適した服装かどうかなんては無駄な考慮としか言えないと思います。

    あと今回は原作者がいるので、外人の役名で上演された?かどうかはわかりませんが、リンクを張り観客に促す手法の場合、なるべく観客がリンクしやすい作品のにするべきだと、個人的には思ってます。
    なので、我々に伝わりやすい名前(日本人の名前とか)や人間関係を用いたほうが、僕個人としてはですが、より切迫して感激できた様に思いました。
  • 満足度★★★★★

    観劇
    見てきました
    様々な人種がでてくる作品で違和感なくできるのは宝塚しかないのかなと思う
    というわけで、様々な人種がでてきます
    きっと日本語堪能な各国の方をキャスティングするとより明確になるだろうな
    吹替版を生でみるかんじで
    全員日本人でやっても面白かったのですが、差別とかいう台詞があったからそれがより明確になるともっと広がりそう

    面白かったです

  • 満足度★★★★★

    素晴らしかった
    前半から演者の芝居、迫力にグイグイ惹きこまれていきます。
    が、真骨頂は中盤、後半、そしてクライマックスへの流れじゃないでしょうか。
    もともと三浦剛の作品が面白いのは脚本の完成度の高さにあると思うのですが、この作品では演出家としての魅力が存分に出ています。

  • 満足度★★★

    うーん
    設定としてはすごく面白かった。そして役者さんたちの演技も素晴らしかった。

    でもなぜか入り込めなかった。何でだろう…って見終わった後考えたのですが、観客の想像に任せる部分が大きすぎて、僕にはついていけない部分があったからかなと思いました。

    あと光と音が激しすぎるときがありました。

  • 満足度★★★

    観てきた
    照明や効果音でスケールの大きな物語を作り出していると感じた。
    が、どうも自分には叫び散らすセリフの演出に入り込めなかった。
    なんとなく言いたい事、やりたい事は伝わってきたが説明不足でモヤモヤしたままだった。
    アフタートーク面白かった。

  • 満足度★★★

    幸福の実験とは
    チケットプレゼントにて観劇。

    面白い設定に興味は引かれるものの、謎の部分が多く注意が散漫になってしまい、何がいいたいのかわからないまま終演してしまった。

    演技は皆安定していて、中でも小石川祐子が良かった。

    ネタバレBOX

    「全人類の幸福」という目的、犯罪者や売春婦まで役割を割り当てる制度、仮想敵国の存在、人間性回復装置、仮想敵国方向から来た少女、マルガリータという名の案内人‥。これらの要因がどこで一つになったのか判然としなくて。

    人間性回復装置の、見る人によって形(見え方)が変わるとか、面白いなぁなんて思ったけど。思い出の人間を見せて、装置のスイッチが入るとその人の思い出が消去されるってこと?それが幸福の実現の過程?
    頭の中がグルグルして舞台を見失ってしまいました。
  • 満足度★★★★

    魅せられました
    未来の実験都市を描いたSF大作。話には謎の部分が多いけど、キーワードがいろいろ出てきますし、セットは簡素ながら、役者さん達の熱演や効果的な音響もあって、想像を掻き立てられます。2時間魅せられました。

  • 満足度★★★★★

    「滅びの都」からの再生
    あまりにも素晴らしい舞台だった。どんなふうに褒めてもきっと足りない。物語は未来都市で生きる人々を扱ったSFものだが、舞台セットは椅子のみで殆どない。音響と照明、衣装とキャストらの演技力でもって、観客にそのシーンを想像させるという技。しかし、ワタクシには、風の吹きすさぶフカイの砂漠の真ん中にひょっこり現われた実験都市の情景が目に見えるようだった。またこの壮大な物語を書いた三浦剛の頭脳に改めて驚かされる。
    序盤で撒いた伏線の回収も終盤できっちり掴み取る。主役は案内人(佐藤晃子)だったが、彼女の衣装はどことなく「風の谷のナウシカ」の旅人のようで、ひじょうにさまになっていた。また、案内人が肉の塊となるラストは一枚の切なくも美しい絵を観てるような芸術的シーンで泣きたいほど狂おしい場面だった。そうしてあまりの感動に泣けた。


    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    実験都市の中で生かされている人々は全人類の幸福を実現するため、割り当てられた仕事に従事している。空には人工の太陽が輝き,この都市にある研究所がこの世界の中枢だ。この実験都市から裏都市へ案内人と共に亡命を決行する三人の男女が通ることから物語りは大きくうねり出す。

    アルカージィが連れていたボーランドと呼ばれている者は、実験によって生み出された装置で、これは見た人によって切実な顔にみえることから、恋人だったり、娘だったり、母親にだって見えてしまうのだから、考えたら人々を崇拝させ世界を支配することだって出来てしまう存在だ。しかし、この者の使命は皆を幸せに導くという運命を持っていることから、他人の幸せを見て己の幸せを感じるという、云わば幸せの原点でもあるのだった。

    一方、この実験都市と対極にある裏都市は既に滅びているのだった。そうしてこの実験都市も既に滅び行く運命なのだが、これを知っているのは案内人こと、マルガリータだ。彼女こそは何回も再生し、そして何回も落日の彼方に向かって歩く案内人だったのだ。

    幸福の議論で、相対的な幸せと、絶対的な幸せの説明の構図が実に面白かった。またこの都市全体がアルカージィの書いた小説どおりに動かされてしまうというSFチックさも絶妙な面白さだ。結局薬局、人間は何処に居ても身近な幸せを求めて彷徨うのだ。そうしてやはり身近な幸せで満足し世界をみつめることが出来ないのも人間だ。しかし、ワタクシはこうしたちっちゃな蟻のような人間が好きで堪らない。

    人々の思い出が消えてしまうシーンの放心状態の演技力はお見事だった。脇役は居ない。それぞれのキャラクターの立ち上がりも秀逸で見応えがあった。

    ラストで繰り返す世界と繰り返されるマルガリータのくだりの展開は次に訪れる再生の場面も想像されて赤い太陽が眩しかった。やがて・・二人が家を作り家族を作り、町を作り都市を作ることから、人々の営みは始るのだ。

    ここに関った全員に拍手を贈りたい。素晴らしいものを観ました。それは喜びです。



  • 満足度★★★

    この環境で幸福は無理!
    と、特に女性は感じるのではないだろうか?当らないとはいえ砲弾が飛んでくる、食べ物は缶詰、こんな場所に女の幸福はない。実験都市以外はどんな生活をしてるのだろう?誰がこんな実験を始めたのだろう?いろいろ疑問がわいてくる物語である。物語にはあまり共感できなかったが、芝居としては演技力のある役者陣が揃っているので、見ごたえがある。

    ネタバレBOX

    最後にマルガリータが言っているではないか「家がほしい!」 幸福なんて小さなことの積み重ねではないでしょうか?
  • 満足度★★★★

    世界観が良い
    照明がとても効果的だったのと
    音も、観客を不安にさせるのに十分な(良くもわるくも)効果があったと思います。
    また、劇場・空間の使い方がとても良かった。

    世界観が守られていて
    ひとつの物語としてしっかり見ることができました。

    ネタバレBOX

    これは個人的な見方の問題ですが、あえて排除しているのかもしれませんが
    何がどうつながっていて何が何を示唆しているか
    はっきりさせたいタイプなので紐が解けないとむずむずします。
    アフタートークでも話されていましたが
    やはり、「思い出」を失う時、なぜ安東は大丈夫だったのかということは
    非常に気になりました。同時に、その答えにはちょっと残念。

    都市は人間の幸福になりたいと思う意志の集合体で動いており、
    アルカージィが書いた小説により肉の塊になる一連を
    人間の幸福(=人間性の回復)と誤って理解し装置を造ったのだと
    思ったが、その大元となったアルカージィは何故そう書いたかを見せてほしい気がした。
    「ただなんとなく意識せずに書いた三文小説」だけでなく、
    それを書いた時の気分、意味、経験みたいなものが見たいなと。

    2時間の舞台でしたが
    テンポの良さ、構成の良さもあり、長さはあまり感じませんでした。
    面白かったと思います。

  • 満足度★★★★★

    無題65(小松さんに捧ぐ)
    小松左京さんが亡くなりました。星さん、光瀬さん、クラーク、ハインライン、アシモフ、レム。胸躍らせて読んだSF作家たちは鬼籍に入ってしまいました。「観たい!」にも書きましたが、いまどきストルガツキー兄弟ですよと言ってすぐわかる人がいるのでしょうか(ウォシャウスキー兄弟くらいのインパクトがあったわけでもないですし)。

    私は、学生時代SFばかり読んでいました。いえ、マンガ(萩尾さん)も映画もアニメもSFなら何でも。ですが、正直なところSFのお芝居が面白く思えるかとても心配。みてどうだったか…SF好きでよかったと心底思いました。センス・オブ・ワンダー、役者さんと衣装と音響と照明と。壮大な時間の流れと滅びへの畏れ。それでも立ち上がり歩み続ける。それは、アフリカから未知の世界に挑んだ何世代も前の祖先の姿をみているようでもあります。燃えたぎる太陽。何回もの大絶滅。そして生命の再生。会場をでて見上げる夜空の遠い向う側、どこかでこんなお話しがひとつあってもいいなと思ってしまいます。いつでもいいです、再演して下さい。

    近所の図書館で「滅びの都」を予約。心配していたように500ページもあるようです。

    ネタバレBOX

    思いつくままに。実は、アフタートークがあることを知らず、また突如、赤澤ムックさんが現れたのでさらにビックリ。「マルガリータ」と「案内人」、なんとなく似ていらっしゃるので早い段階から、親娘か、同じ人物かと思っていました。「アルカージイ」は兄のほうですね。人間性回復装置の小石川さん、初めてですが慈愛に満ちた演技。靴、大きくないですか?終盤、たたきつけた本は(ブックカバーがなかったけど)早川文庫ですね。厚さからみて「ストーカー」の文庫だったらお見事としか言えません(あってますか?)。床下を使ったシーン、研究所らしさがでていました。

    「百億の昼と千億の夜」:惑星開発委員会による開発実験、破滅と消滅、再び歩き出す阿修羅王。ラスト、案内人(佐藤さん)の後ろ姿が重なって見えます。

    7/29追記:読売新聞より「小松左京にとってのSFは、たえず希望の別名だった(巽孝之氏)」
  • 満足度★★★★

    光と音が効果的
    理解できないところもありましたが、実験都市の端、砂漠の雰囲気を味わいながら実験都市の終焉を感じ取ることができました。

    ネタバレBOX

    実験都市に住む人間は公平性を保つため全員が交代で一定期間指示された職業に就きます。悪者も警察官も売春婦も当局から与えられた業種というのが面白いところです。

    実験都市で作られた人間性回復装置は、市民生活に満足している人には白無垢の人間にしか見えませんが、心が傷ついている人にはその人にとっての一番大切な人に見えるようです。そして幸せを感じることによって人間性は回復されますが、しばらくすると今度は思い出が消えてしまうという重大な反動が生じます。

    脳に負担が掛かり過ぎるのか、アルツハイマー症のようになるのは理解できますが、この後、思い出を失った人間たちが集まって合体する行動は良く理解できませんでした。

    ところで、人間性回復装置は私にもただの白無垢にしか見えませんでした。生活に満足しているのかな!?

    いずれにせよ、それまで市民として実験都市に忠実だった主人公は実験都市の破滅を確信し、滅亡した裏都市から来た少女とともに新天地を求めて旅立ち、最終的には土地ではなく、家族、社会の再構築を目指そうとして終了します。

    裏都市への案内人と少女の時空を超えたような関係性が不思議さを醸し出していました。

    ところで、職業を示す赤いカードに対して、途中で緑色のカードが出てきましたが、あれは何だったのでしょうか。

    小石川祐子さんは人間性回復装置としての中性的な感じが良く出ていました。

    たった一本を吸うだけの喫煙シーンは必要ないと思いました。開場の際に前の方からお詰めくださいとの案内がありましたが、それならば喫煙シーンがあることを説明すべきではなかったでしょうか。
  • 満足度★★★★

    どこか今の日本と…
    今の迷走中の日本と重なるシーンがたくさんありました。
    音楽と効果音がとても良かったです。

    ネタバレBOX

    重苦しいテーマの中、ハッピーエンドではないですが、まだまだ大きな希望があるような終わり方でホッとしました。

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