満足度★★★★
リング
相変わらずの面白さ!誰もが想像していた情景を簡単に覆しプロレス技から入るオイディプス王の物語。さあよってらっしゃい、みてらっしゃい!笑
以下はネタばれBOXにて。。
満足度★★★
リングの中のオイディプス
一般的なギリシャ悲劇の静的なイメージとは異なる、激しい身体表現を伴った演出によるエネルギッシュな迫力のある50分弱の作品でした。
劇場に入ると舞台中央に4本のコーナーポストがあり、奥の壁の手前には揃いの青いトレーニングウェアを着た4人が立っていて、開演時刻になるとそれぞれが腕立てや腹筋などのトレーニングを始めるという、『オイディプス王』の物語を演じる気配がない始まり方でしたが、数分して台詞が始まると古典的な抑揚と拍節感を伴った様式的な台詞回しで、視覚と聴覚のギャップが刺激的で面白かったです。
途中からは舞台後方に吊り下げられていた青いゴムチューブをコーナーポストや役者の身体に絡みあわせて、オイディプスとイオカステの呪われた関係や、運命の檻に囚われた状況を視覚的に巧みに表現していました。クライマックスのイオカステの首吊りの場面は表現されていたのに、オイディプスが自身の眼を突き刺す場面が表現されなかったのが残念でした。
オイディプスを演じた前島謙一さんが大きい声でも喋っても耳障りにならないしっかりとした発声とメリハリのある台詞回しで良かったです。変に小難しくせず、テキストはほぼそのまま用い、身体表現にリアリティ―が感じられる等身大的な演出が気持良かったです。照明と音響のタイミングやバランスが甘い所があったのがもったいなかったです。