蠅の王 公演情報 蠅の王」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.7
1-8件 / 8件中
  • 満足度★★★★★

    面白かった!!
    潜在意識が顔を出すというよりは、こうした人たちが集まればこうなりますって。

    ネタバレBOX

    豚の被りものを被って関節踊りのように肩をカクカクさせながら登場するシーンで心を掴まれました。

    豚の首に蠅がたかるという原作由来なのでしょうが、小さな豚小屋に閉じ込められた豚の集団のようで、今回のプロジェクトチームに集められたサラリーマンの雰囲気を良く表わしていました。

    新規プロジェクトを立ち上げる際に人事部から各部署に人材提供の打診があったとき、その部署にとって必要な人材は決して候補者として推薦しません。むしろ厄介者を推薦したりすることを思い出しました。

    そこそこ仕事はできるけど口が悪く、殴られそうになっても自らは手を出さない姑息な男、一番嫌いなタイプです。私も切れるだろうなって思いながら見ていました。そうした厄介者の集まり感が秀逸でした。

    チームがバラバラ故に、中央にあった机を下手や上手に移動させる人が出てくることで、広い舞台を有効に使っていました。

    本当にどつかれてよろめくシーンもあり、稽古場でも喧嘩が起きていなかったかと、余計なことまで心配していました。

    会社と訴訟をしていた人の訴訟内容についてはあまり触れてなく、重要な要素であるだけに気になりました。
  • 20110111
    (^・ェ・^) 上質

  • 満足度★★★★

    思いがけず
    最前列で拝見しまして…。
    組織にいる者として「うんうん」頷いてみたり、迫力ある役者さんの演技に固唾をのんで見入ってました。
    初めて拝見しましたが、出合ってしまった!という感じです。次回公演があれば是非また!

  • 満足度★★★★★

    古城さんの描く企業社会はリアルでした
    ついこの間も、同じような題材の芝居を観たばかりですが、こちらは、さすが、マスコミ企業に長く働いた経験のある古城さんの放つ作品だけあり、すこぶるリアルな展開でした。

    「蠅の王」の原作は読んだことはないのですが、見事に、古城さんのオリジナル作品として完成を見たのではないでしょうか。

    この劇団は、前身の一跡二跳の頃から、何回か拝見していますが、観る度、役者さんの技量がアップし、驚嘆します。

    以前は、芝居の流れにそぐわず、浮いて見えることがあったムーブも、今回の作品では、うまく機能していたし、各人の動きも、以前とは見違える程、上達していてお見事でした。

    パワハラの台詞など、あまりにもリアルで、観る側の胸に痛く、決して楽しい類のストーリーではないにも関わらず、脚本、演出、演技、セット、音楽、…どれを採っても、プロの仕事ぶりの結集で、そのため、観劇後の気持ちは、何故かとても高揚し、満足感のあるものになりました。

    ネタバレBOX

    最初、主役の氷室を、豚が冷ややかに取り囲むところから始まり、これは、またお定まりの、過去に遡る構成の芝居かと思いきや、その後、もう一度、氷室が、天下晴れて職場復帰するところから、始まり、新規に顔を合わせた同僚達と、和気藹々と、椅子取りゲームに興じて、観客の笑いを誘う導入から、徐々に、現実社会の悲惨な企業社会の照射に、移行して行く、演出構成が、本当に秀逸でした。

    粗筋は、みささんが詳細に書いて下さっているので、割愛しますが、時間の経過を、この劇団独自の見せ方で、瞬時に理解させる、演出や、ムーブが、大変スタイリッシュで、尚且つ、それが余計に、この会社の人間関係をリアルに感じさせて、効果的でした。

    気持ちが萎えて、闘争心を失った社員は、皆豚のお面で再登場し、遂には、リーダーとして心機一転の筈だった氷室までが、豚になるラスト。

    アフタートークで、原作との相違点等、詳しく伺って、益々、古城さんの翻案能力の確かさを思い知ったことでした。

    キャストの演技は、皆さん、迫真のレベルで、特に、同僚に意地悪の限りを尽す、目梶役の重藤さんのことは、本当に、憎らしくなるくらい、真に迫った演技でした。

    本当に、小劇場の演出家、劇作家、役者さん達に、是非ご覧頂きたい舞台。みささんに全く同感です。
  • 満足度★★★★

    閉塞感
    就職したくないです
    社会に出たくなくなりました


    引き込まれます

  • 満足度★★★★★

    深い闇!!
    「社会」を描く古城さんの作・演出力。それを表現する役者さんの身体能力はいつ観てもすばらしい。今回の『蠅の王』は改めてそれを感じた芝居でした。

  • 満足度★★★★★

    摩擦
    小説「蝿の王」とは違った設定と登場人物。小説は無人島に漂流した子供達が巻き起こす物語だが、ここでの王国は会社のオフィスだ。そして登場人物は勿論、ビジネスマンたち。
    序盤、氷室が在室するオフィスに黒いスーツを着た5人の豚が登場する。その情景はまるで「不思議の国のアリス」さながら大人の童話を彷彿とさせるお茶目な登場の仕方だ。豚たちはそれぞれ独自でスローな動きを見せながらも都会的なセンスを身にまとっている。彼らは氷室を嘲笑してるようにも見えるし逆に氷室という人間の一部のようにも思える。これらの部品はこの物語に影のように寄り添って登場するのだ。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    それぞれの課から配属された8人は服飾プロジェクトとして仕事を推進していくが、そのうち、なぜ自分達がこの課に配属されたのかを疑問に思う輩が現われる。この仕事を精一杯頑張らなければ会社の評価が悪くなる、と勝手に思い込んだ彼らは、いつしか自分自身を追いつめ、会社の地下室に寝泊りしながら、仕事にセイを出すも、その脅迫じみたストレスから弱くて仕事が出来ない輩を攻撃するようになる。

    明らかにパワハラなのだが、こういった切羽詰った状況の中、冷静な判断を削ぎ取られ攻撃する輩がいかにも仕事ができるかのような印象になり、ポジションも確立されてしまう。世の中は強いものが有利なように空気は流れてしまう構図だ。

    そうして主張の強い多弁な輩がデキル人材と観客にも思わせてしまうのだが、もうこの時点で彼らは会社の一つの駒どころか奴隷に成り下がっているのだが、「私は会社に人間関係を求めに来てるわけではないの。仕事をしに来てるの。」と正当なセリフも吐きながら他者を支配していくさまは実際の営業課と似ている。

    しかし生き残りをかけた彼らの戦いの中で少しずつ人間関係が破滅へと動かされていくのだった。セクハラも飛び交う誹謗中傷の中、人間としての良心が崩れ無機質になっていく瞬間の構成は見事だった。

    しかし、その大元である会社は会社更生法を受ける結果となり、この部門に配属された彼ら全員が人事から「会社に必要ない人材」とレッテルを貼られた体のいいリストラ組だったことが明らかになる。

    結局薬局、自分は仕事がデキルと粋がってた輩も会社から見れば無能な人材だった。という滑稽なお話。まさに8人の王国はこの瞬間に崩れるが、その崩壊はあまりにも一瞬だった。

    構成、一人ひとりのキャストらの動き、演技力、音楽導入、そうして何よりも演出が大絶賛な芝居だった。終演後、拍手は鳴り止まず、ワタクシもエラク感動してしまったが、どうやら、この劇団の演出方法はインプロとして全員で話し合いながら構築していく方法らしく、その巧みな動きは素晴らしいとしか言いようがない。

    小劇団の方たちに観てもらいたい演出だった。素晴らしい!!
  • カイシャも“暴力装置”!?
    カイシャインなら思わず身を乗り出して、見入ってしまう
    コトバに迫力のある芝居。
    被り物が何のメタファーなのか解らないのは、私の勉強不足?

このページのQRコードです。

拡大