忘却曲線 公演情報 忘却曲線」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.6
1-20件 / 35件中
  • 満足度★★★★

    初鑑賞でした
     あわあわとした物語の中で、繰り返されるフレーズ、思い出されるエピソード、人と人の関係性…色んなものがあやうくて湿度が高い感じ。
    でもお芝居に不思議な透明感があって、不快指数はあがらない。

     人に例えるなら、女の子。
     「きれいすぎて哀しいね」とか「幸せすぎて死にたくなっちゃった」とかサラリと言っちゃうタイプ、みたいな。
     うわあ、と思う。好きじゃない。どちらかというと苦手。けど、気になる。
     そんなこと感じるのも、夏の終わりで雨 だったからかしれない。

  • 満足度★★★★★

    夏の気だるさ、匂い、記憶が詰まった作品
    初めて青☆組の芝居を観劇しました。
    お母さんから離れたみんなはこれからどんな人生を送っていくんだろうと思いましたが、
    いや、ひょっとしたらお母さんは最初からみんなの記憶の中にしか存在していないのかもしれないとも思いました。
    または、この話はは人の記憶ではなくて、この空間(場所)の記憶の話なのかもしれないとも思いました。
    (そう考えるとこの話は「ゴドーを待ちながら」的なのかもしれません)
    舞台美術、照明、音響ともすばらしく、また役者がみんな演技上手で、この世界観に引き込まれました。
    どっぷり夏につかって一緒に夏の気だるさ、匂い、切なさといったものを追体験しました。
    劇場を出て爽やかな気分になりました。こんな芝居は久しぶりです。

  • 満足度★★★★★

    大好きな作家さん
    一つ一つの台詞にハッとさせられたり、暖かい気持ちにしてくれたり、ときには古傷をえぐられるような大人のお芝居。
    人間に対する深い洞察力と愛に支えられた言葉の一つ一つが心を揺さぶる作風。普遍的なような、極めて個人的なような、見る人それぞれで意味を感じられるような、たとえるなら万華鏡のようにキラキラした世界をいつも魅せてくれます。
    そうたやすく「理解できた」とは言えないような世界観、感情の機微は、観劇中も、観劇後も、いろんな気持ちを起こさせ、思考してしまう。今回もうまいこと、してやられました。すっかり小夏ワールドの虜です。

    ネタバレBOX

    俳優さんみんなとても素敵で、自然なお芝居には驚かされます。
    ときどき、どっと笑いが起こったりします。
    自分だったら、してやったり顔になってしまいそうなところですが、
    まったく動じない俳優魂が素敵です。
    もう、役そのものがそこにいる感じなんだろうと思います。

    井上さんは前回から高校生なのにすごいオーラだなと思っていましたが、
    今回も素晴らしい存在感。

    配役の妙も感じました。
    あの母親のあどけなさ、危うさを出せるのは、
    彼女の透明感あってこそなのでしょう。

    個人的に大ファンの荒井さんが
    ちょっぴりいやな男を演じていたのが面白かったです。
    いつも好青年のイメージでしたが、さすがです!

    冒頭のシーンで、歌を口ずさみながら話をしている演出が
    とてもかわいくて、
    この家族の船出をしっかりと見届けたい!!と思わせるワクワク演出でした。

    なんだか、ファンレターみたいですみません。
    何度も見てもっと理解したかったなー!!
  • 満足度★★★★★

    これからが とても 楽しみだ!
    評判を耳にして、初めて観てきました。幕開けのところから引き込まれて、女性ならではの視点や感性に深くうなづかされるところがたくさんありました。余韻を味わいつつ、次回に期待したくなりました。これからがとても楽しみだ!

  • 満足度★★★★

    よかった
    俳優さんたちの演技もお話も、とても丁寧な感じ。
    すべてに答えがあるのではなく、観る人が想像できる感じもよかった。


    それぞれに悩みを抱えた大人たち・・・。
    未来への希望を感じさせた終わり方は素敵でした。

  • 満足度★★★★★

    久しぶりに
    台本を買ってしまった。
    妖艶で儚い世界観が最高。

  • 満足度★★★★

    紫色の葡萄
    観終わってじわーと良い余韻に浸れる作品。太郎の友達役の藤川さんが良い。特にベランダで山中が叶子の秘密に触れるシーン。心が淋しいもの同士の静かなぶつかり合いに圧倒される。

  • 満足度★★★★★

    すばらしかったです!
    何度見ても素晴らしい青組さんのお芝居!心が温まりました。わが町でも見ていた、荒井さんが素敵です。

  • 満足度★★★★★

    観劇できた、幸せ!
    私事ですが、観たいけど、スケジュールが・・・でも観たく、なんとかギリギリ最終公演の予約とれたけど、電車が遅れて、小竹向原駅到着は、開演10分前・・・ていねいな、道案内メールを頂いてたのに、忘れてしまった私は、慌てて劇場にTELをする事、3回・・・慌て過ぎて、劇場前を行ったり来たりのマヌケな私の為に、劇団の方が、迎えに来て下さって、無事、開演に間に合いました。お忙しいのに、ご迷惑おかけして、申し訳ありませんでした。お陰様で、こんなに素晴らしい舞台を、拝見でき、本当に、ありがとうございました。

    ネタバレBOX

    サラサラと流れ落ちる、砂時計のように、僅かでも、確実に積み重なる速さに、流されながらも・・・

    すべてに、おいて、柔らかく包みこんでくれるような、心地良さもあり・・・

    感覚に、呼び起こされる思い・・・

    思いがあるからこそ、おこしてしまう出来事・・・

    同じ事は、何一つおきないのに・・・立ち止まってしまう・・・

    忘れる為に、書きなさい。

    の一言に、とても、癒されました。

    やけにリアルでありながら、はるか彼方の蜃気楼にさえ見える、空間と全役者さんの力量が、素敵な作品を、ますます輝かせていました。次回作も、必ず観たいです。
  • 満足度★★★★

    SPIRAL MOONに通ずる雰囲気
    前作『恋女房達』のコミカルなタッチから一転しての静かで優しい感覚と、余白が多い=すべてを語らず観客の想像に委ねる余地が大きいことに SPIRAL MOON と通ずる雰囲気を感じて癒される。
    それにしても母親役の井上みなみが16歳とは驚愕。
    また、黄昏時の表現を筆頭に照明も見事。

  • 満足度★★★★★

    漂う。
    今回は2回拝見しました。
    千秋楽は終わってしまったのに、また観たいと思わせてくれます。

    次回作も楽しみにしております。



    ネタバレBOX

    今回は、食卓に‘卵焼き’でした。
    昭和の香りより、
    汐と夕顔とたばこ、卵焼き、母の残り香、いろんな香りが漂っていた様に思います。

    五感で感じる作品でした。
    とてもよかったです!

  • 誤解してた!
    冒頭の曲、ドラムの音から戸川純バージョンだと勝手に思ってたけど、
    ↓河田唱子さんのコメント欄で、
    ブリジットフォンテーヌの原曲だったと知る。
    役者では、ちょっと嫌な感じの役なのに好感をつい抱いてしまう荒井志郎と、あまりに笑顔が素敵だった大西玲子が印象的。

    ネタバレBOX

    ★戸川純/ラジオのように http://www.youtube.com/watch?v=srw0KDpgoZQ
    ★Brigitte Fontaine/Comme a la radio http://www.youtube.com/watch?v=3WfVir1_Edc

    横浜だからか、意外に底に流れるのは『人形の家』だったなあ(←強引?)。女は、家の外では娼婦としてしか生きられない。ときとして駆除されてしまうような、ノラ猫としてしか。

    一方、家で暮らすためには、怒鳴る夫にも耐えねばならない。母を降りて、女に戻らねば未来を語れない。あるいは、歌舞伎町から黄金町まで、風俗に過度に通じたオジサンとしか出会いがない。煙草を吸わぬ、「卵」を使ってだし巻いたり目玉焼いたりする女だけが、あの家で暮らすことができる。

    つまりは、19世紀のイプセン的な物語を、現代の女性が描いていたことに驚く。
  • 満足度★★

    みた
    前作に比べて、苦手な部分が多かった。

    次回作は、見逃した作品の再演らしいので、嬉しい。

    ネタバレBOX

    全編に、少女趣味といったようなものが溢れていた気がした。
    科白の中には(日記の朗読以外でも)独り言めいたものが多いし、猫を助けようとして命を落とす母とかそのあたりは、現実離れしすぎていて引いてしまった。おとぎ話にせよ、もう少しそのあたりに現実味が欲しかった。

    初老の男と三女のエピソードは、ガラスの動物園に対する作家なりの
    反旗なのだろうかなどと感じたけれど、ちょっと甘すぎた気もする。

    一方で、長女の夫が、姉弟に対する批判の目を向ける人物として位置づけられていたけれども、だからといって悪印象を与える描き方は、フェアじゃない気がした。
    夫役の演技は、ほかの方々より生々しくて素晴らしかった。
    そうした演出なのか、演技者の力なのかは分からなかった。

    母親役を、若い女優にやらせる意味とか、猫を演じさせてみるとか、
    そのあたりの意味を読み取れなかった。
    演劇的であろうとするあまり、ごく普通にやってよさそうなことでも、
    トリッキーに作ってしまっている気がした。
    また、卵とか猫といったものが、それぞれ象徴として使われていた気がしたものの、あまりうまく機能していたように思えない。

    作家の中でのみ成立している部分が多すぎた気もしたけれど、そうでもないのだろうか。
  • みてきた
    知人にすすめられて観劇。最前列の席で寝不足、隣に座っていた男性客が入れ歯?を入れたりはずしたり入れたりはずしたりでいまいち集中できず。というコンディションもあってか、劇作家の好み、とくに言葉に対する好みと、わたしの好みはきっとぜんぜんちがうものだろうということは観る前から予想はしていましたが、好みをこえるなにかがいまひとつ見えなくて残念。

    ネタバレBOX

    次の公演もみてみようと思います。冒頭とエンディングの戸川純ちゃんはちょっとあってないきがする。
  • 満足度★★★★★

    作品だけど作品じゃない
    もう、なんと言っていいか。。。

    私の言葉で語る分だけ、今日観たものを駄目な印象にしたてあげてしまう。

    千秋楽はまだある!迷っている人は絶対に行くべき!

  • 満足度★★★★

    夏時間の大人たち
    台詞が沁みた。
    やはり吉田小夏はいい作家だ。
    実際の上演時間よりも長く感じる。冗長という訳ではないのだが。
    みんみん綺麗だったなぁ。見惚れてしまった。

    ネタバレBOX

    「二度と逢えなくても、それで終わりではない」というセリフが印象に残る。
    意外な母親役の井上みなみは大成功ではないだろうか。
  • 満足度★★★★

    よかったー
    最後の終わりでなんだかすごく鳥肌が立ちました。
    観てよかったです

  • 201009081930
    201009081930@アトリエ春風舎

  • 満足度★★★★

    秀作
    美しく、儚い情景。
    希望ってなんだろう。
    家族ってなんだろう。

    ・・・すばらしい時間をありがとうございました。


    私、勝手ですが寺山修司氏の詩を連想しちゃいました。

  • 満足度★★★★★

    時に醸されるもの
    そこには匂い立つ時間がありました。

    想いに満ちた時間たちなのですが、
    その時間が舞台上でとどめられるのではなく
    歩んでいくことで、
    さらなる薫りを醸し出し
    溢れさせていく・・・。

    秀作だと思います。

    ネタバレBOX

    それは日記を書く家族たちのシーンから始まります。

    ゆっくりと闇が解け、
    舞台上で思い思いにノートに向かう
    家族の姿が浮かび上がる。

    冒頭に日付が読み上げられ
    これが夏の物語であることを告げられる。
    その一言が鮮やかで、
    家族の昔がすっと浮かび上がり、
    いくつもの8月が重なり
    観る側が舞台上の空気に落としこまれていきます。

    はしゃぐ子供を叩く母親から、
    女性としての横顔が垣間見える。
    まるでフォーカスが定まったように
    若くして母親となった女性の姿が目に焼きつく。

    日記を書けば詩を書けるようになるという
    夫の言葉に従う母親の純真さや、
    若い女とともに父親が逝ってしまった日にも
    忘れるため書かれた日記に織り込まれた諦観。
    プリンのこと、幼い下世話な想い、母親の誕生日。
    互いの日記につづられる
    子供たちの幼いころの姿や
    失踪した母親への想いまでが
    船を思わせるその家の中でひとつになって・・・。

    姉妹と弟、さらに姉の夫を含めた
    今の家族たちの質感も巧みに描かれていきます。
    母がいなくなった日の気概をそのままに生きている長女。
    奔放さを持ちながら失意とともに戻った次女。
    どこかで夢を抱えたまま暮らしている三女。
    さらには長男のシャイでやさしいところ。
    ぶどうや卵焼きなどのエピソードに
    時間がしたたかに繋がれて・・・・。
    日記に刻まれた時間と
    それぞれの今がしなやかに重なっていく・・・。。

    忘れる為に日記に綴られたことたちは
    楽しいことばかりではないはずなのに、
    柿の渋さが干されて強い甘味をかもし出すように
    その抱えきれないような苦さも
    やがて、思い出の中で
    どこか曖昧に、切なく混じりあい
    潮風の感触や夕顔の甘い香りとともに
    夏に薫り立っていきます。

    2度と会えなくなっても
    それで終わりになるわけではないという。
    反芻することは大人の悦びだという・・。

    猫を糸口に
    長男の母との思い出から、
    さらには次女と三女が絡み
    長男の友人と三女の会話へといたる
    夏の時間の混在に取り込まれる。

    暑さにどこかぼやけたような切なさをもった
    Summertimeの
    甘く包み込むような歌声に彩られた過去が
    音を研がれて今にフォーカスされる質感に息を呑む。

    長男の友人が家を訪れることから
    したたかに観る側にも開かれていく
    姉妹たちが抱えたそれぞれの今。
    縫いこまれた
    その苦さが心を揺らします。
    でも、かつてそうであったように、
    忘れるために日記につづられた今も
    やがてはきっと重ねられた夏の中に埋もれていく・・・。

    東京に戻る次女、
    日記帳を送られた三女、
    そして夫と未来を語ろうとする長女・・・。

    綴られ
    さらに綴られていくであろう
    家族たちの夏の質感たちに
    深く浸潤されたことでした。

    今回の舞台には
    これまでの青☆組の作品のように
    登場人物たちを描く繊細さを
    それぞれのシーンに極めるのではなく、
    物語を流れる時間に編み込んでいくような
    力があって。

    だから、
    冒頭、女の香りを強く感じたその姿も
    彼らの母親を観る姿に塗り替わっていくし、
    それゆえに、一人の女性の生きざまが
    より深く鮮やかに浮かび上がってくる。
    日記に書かれたビターな出来事も
    その事実ではなく
    時に醸成された
    それぞれの登場人物の感覚で
    観る側を息が詰まるほどにしっかりと
    伝わってくるのです。

    作り手が、刹那を描く力にとどまらず
    さらなる手練を身に付けたことを
    強く実感した作品でもありました。



    ☆☆☆★★◎◎△△

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