「オイディプス王」「タイタス・アンドロニカス」 公演情報 「オイディプス王」「タイタス・アンドロニカス」」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.4
1-7件 / 7件中
  • 満足度★★★★

    本当にすごい。
    シェークスピア作品の中で
    もっとも異質で残虐と言われる「タイタス・アンドロニカス」。

    山の手事情社のルーマニア公演のポスターをたまたま見かけて、
    ずっと気になっていた。とうとう観れた。

    山の手事情社、本当にすごい。
    隅々までこだわりが行き届いた安田雅弘さんの構成・演出にため息。
    演出、構成、演技はもちろんだが、
    舞台美術、音、照明、衣装、なにしろすごい。
    圧倒的にとか、完全なとか、、、。うまく言葉にできないが。

    今回もアーロンを演じた山本芳郎氏すばらしかった!
    倉品淳子さん演じる妖しい迫力ある悪女タモーラも。
    2人とも怖いくらい目の演技がすごい。
    瞬き忘れて見いってしまう。

    2作を2週にわたって続けて観た。
    個人的には「オイディプス王」の方が好み。

    次の作品も必ず観たい。

  • 満足度★★★★★

    巻き込まれてゆくような、
    かなり遅くなりましたが、書いておきたかったので、、、

    ネタバレBOX

    細胞の一つひとつが覚醒していくような、
    まばたきすら惜しくなるような、
    呼吸する重みが増すような、
    脊髄が痺れるような、、、

    そんな舞台だった。


    外側から観ているというより、自らも巻き込まれてゆく感覚。

    あの場に身を置いているだけで、
    体だったものが身体へと変わってゆくように感じた。


    観る事ができて本当によかったと思う。
  • 満足度★★★★

    タイタス
    「4畳半」が確かにみえました。

    ネタバレBOX

    タイタスアンドロニカスは、蜷川作品の印象が強かったのですが、同じ原作でも演出が違うとこうも違うものなのですね。
    とてもソリッドな作品でした。


  • 満足度★★★★★

    タイタス
    ひさびさに拝見。
    古典を斬新な手法で演出するので、まったく別物として見られるのでしょうね。年齢不詳の役者たち、すごいもの観ました。
    シェイクスピアがこんな話を書いたんだと驚きでした。

    ネタバレBOX

    黒人の飄々とした動き、憎らしいかんじでしたが結局、あれだけ死人が出ていても生き残るのですね。

    肉があのあとどうなったのか…気になって仕方ありません。
  • 満足度★★★

    練り上げた独自の「型」を用いてシェイクスピアを表現
    公演パンフレットで劇評家・扇田昭彦氏が述べているように、この劇団独自の「四畳半スタイル」とこの戯曲の「『外部』の視点を欠いた報復行為の閉鎖性」の相性がよく、今回の作品は高いクオリティのものだったとは思いました。ただ多分に個人的な好みを交えた感想としては、独自の型で芝居創りをすることだけで舞台が完結してしまっていて、客席の観客との間に溝があったのでは? という思いが残りました。何というか、日本の古典芸能を観にいったときの受け止め方に近いものがあります。まあ、本当にこれは個人的な好みですが。

  • 満足度★★★★★

    かっこえー!
    いや、これは間違いなくかっこいいです!久しぶりに“劇的”な演劇を拝見致しました!…で、もろ肌ひとつ見せていないんですが、なぜだかエロチックな雰囲気が漂っているのは、これは「妖」とか「艶」とかという感じの世界でしょうか・・・で、詳細はネタばれになるんで書けないですが、間違いなく「凍りつく」シーンがあります…いや、よかったですよ、これは・・・

  • 満足度★★★★★

    まばたきを忘れるほど堪能。
    やっと観る事ができた。
    しかもシビウ演劇祭で絶賛された作品「オイディプス王」観劇。
    初見がこの作品で良かった。何もかもが好みだったからだ。

    苦節十数年。仕事が忙しすぎだったり、日本にいなかったり、
    公演がすでに終わってしまっていたり、、。
    いつもすごく変わった美しく妖しい福島治氏の宣伝美術に心奪われて、
    観たかったのに観る事が叶わなかった「山の手事情社」。

    ずっと観たかった独特の美、力強い世界感を堪能。
    これが、山の手事情社の「四畳半」といわれる形式なのか。
    私の想像していた世界をはるかに超えていた。
    暴力的な動きから生まれる爆音・肉体の苦痛、
    さらに押し殺した苦しそうな静の動き。
    そこに精神の苦痛がシンクロするかんじ。
    完全にひきこまれた。まばたきを忘れるほどに。

    前説に主宰・脚本・演出の安田雅弘さんが登場。
    古典ギリシャ神話とは、『オイディプス王」のストーリーとは、
    今回の作品をつくった背景、シビウ演劇祭の話をしてくださった。
    この有意義な10分のおかげで、かなり作品が観やすくなった。

    古典ギリシャ神話『オイディプス王」に、
    現代女性(東京の人)の心の病巣シーンを挿みこんでいる。
    しかし「オイディプス王」のストーリーは完全な流れで進んで行く。
    ものすごくおもしろい脚本。

    好き嫌いははっきり分かれると思うが、見て損はない。

    男性陣演じる黒装束の「運命」たちが恐ろしく、かっこいい。
    中でも盲目の予言者テイレシヤスの山本芳郎氏がなにしろ最高!必見!

    ネタバレBOX

    センターに四角い柱で組まれて白い紗が所々かかったの白い部屋。
    白いモニターが一台だけ。
    柔らかそうな布で覆われたベットマットのような床。
    白い服の女(東京の人)がスリッパをペタペタいわせて左右から。
    たくさん白い部屋にスリッパを脱いで上がって来る。
    白い服の女(東京の人)現代は
    ちょっとアンニュイでコミカルでもある。
    皆、ほっぺたを化粧水をつけた後のようにペタペタとたたきながら。
    その後、ゆったりすごして静かな寝息をたて始めると、、、

    両サイドの真っ暗な中から重低音とともに白い女とは全く反対の
    黒装束に身を包んだ男性陣「運命」が大人数現れる。
    恐ろしく、かっこいい。
    暴力的な動きと床に身体を叩き付ける爆音に度肝を抜かれる。
    鍛え抜かれていなければたぶん大ケガだろう。

    センターの白い部屋から白い女を連れ去り、
    『オイディプス王」の配役をはじめる男性陣黒い「運命」。
    そして再び白い部屋(宮殿)に何人か戻される。
    モニターの上にたたされる女。
    それが「オイディプス王」であったり宮殿の人物になる。

    『オイディプス王」は迫力あるものすごく太い声で
    白い女=東京の人=女優が演じる。押し殺した苦しそうな静の動き。

    そして物語は語られて行く。

    変わった所では、白い服の女(東京の人)の潔癖性問題の表現が
    おもしろい。頭からビニールをかぶってキスをする。ビニール越しだ。
    潔癖性だからだ(笑)皮肉たっぷりの表現。他にも幼児虐待問題を
    グレープフルーツを子供に見立て表現したりおもしろかった。

    それから、何度もべた褒めするが、ずば抜けて
    盲目の予言者テイレシヤスの山本芳郎氏がなにしろステキで、
    一度観てしまったらずっと目で追ってしまう。最高なのです。
    声が良い。そして目の演技が何しろすごい。緊迫した恐ろしい目。

    なんであんなにすごいのかと一日考えたのだが、、
    瞬きを全くしていないのだ。彼だけじゃない。俳優陣みんな。
    ほとんど瞬きなしだ。後半の異常なまでの目のかんじ、、間違いない。

    「オイディプス王」の山本芳郎氏をもう一回観に行こうかな。

    「山の手事情社」もう二度と見逃さない!

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