【ご来場ありがとうございました】みんなのへや/無縁バター【全ステージPPT実施】 公演情報 【ご来場ありがとうございました】みんなのへや/無縁バター【全ステージPPT実施】」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
1-12件 / 12件中
  • 満足度★★★★

    「みんなのへや」は特に面白かった!
    どちらも面白かったが、特に「みんなのへや」は秀逸!
    大笑いしました!!
    この劇団がセットはシンプルだけど、脚本が面白く、また役者さんたちが設定にあったキャラクターを演じるのが、本当にうまい!!
    ちなみに、「大空襲イブ」を観劇したときは、劇団初見だと勘違いしてしまった。。

  • 満足度★★★★

    なかなか
    2本とも面白かった。特に2本目のオチが最高に笑った。脚本はどちらもうまいと思ったが、惜しいのは演出。やや稽古不足というか練りこみが足りないのかなあ?    でも、「中途半端なコメディはいらない」というだけあって、昔よりは腕を上げつつある、と思う。

  • 満足度★★★★★

    ごめんなさい。
    僕・・・

    これを面白いと思わない人とは友達になれません。

    ネタバレBOX

    普通あれですよ、ひとりで食事を食べに行ったら、それがどんなに美味しくったってそれを声に出して言うなんてことなかなかできないですよね。それと同じようにですね、ひとりで観に行ったお芝居がどんなにおもしろくったって、なかなか声を出して笑うなんてことはできないわけですよ。いわゆるそれは羞恥心のせいなわけだと思うんですけどね。それが人の人たる所以なんだなと、なんだかそう思うわけなんですけどね、ええ。

    ところがですね、すっかりやられましたよ。僕はもう人ですらないのかもしれません。だって、それくらいに羞恥心の壁はいとも簡単にベリリと破りさられ、僕はひとりで観劇しているにもかかわらず、普段出したこともないような大きな声をあげながらいわゆる爆笑というやつをしていたのですから。

    いやはや困ったものです。
    けれどそれくらいにおもしろかったんです。

    特にゲイネタは背筋に冷たい何かが何回も何回も走り去り、同時に何回も吐き気を催したのですが、それ以上に笑えました。

    皆さんいい役者さんですね。

    無縁バターもすこぶる良かったです。
    こちらも役者さん達、どなたも良くて、けれど特に後から出てきた作業員の方の自然な余裕が良かったです。

    なにしろどちらも長過ぎず、そのくせぎゅうぎゅうに中身が詰まっていて、最高に面白かったです。

    ちなみに今、いい感じで酔ってます。
    まぁ、どうでもいい情報ですけどね。
  • 満足度★★★★

    異なったテイストとそれぞれのグルーブ感
    中編2本立て公演。1本目と2本目では、観る側も引き込まれ方がかなり違っていて、両作品とも楽しめました。

    かっちりと組まれたプロットに、ちょっと見た目にはアバウトに感じる美術も見事に機能して、時間を忘れて楽しむことができました

    ネタバレBOX

    「みんなの部屋」は、
    定番的なシチュエーションコメディの手法を踏襲しているのですが、
    見せ方がしたたか。

    まるで子供のままごとのように
    床にべたに部屋のレイアウトを書き込み、
    ベット以外はパイプで簡単に組んだだけの場に
    物語を展開していきます。
    マジックミラーの部屋というか
    全室に設置された監視カメラを観ながら
    物語の展開を楽しむ感じ。

    キャラクター設定に無駄がなく
    ちゃんと観る側に収まるというか無理がない。
    余計なものを排して
    ひたすら個々の立場や状況に基づく行動を描いていく・・。

    しかも、部屋の外にある出演者たちが
    隠れることもなく舞台奥のベンチに控えていて
    その動きから
    次に部屋に訪れる状況を予告してくれる。

    観客にシーンごとの意味や
    それぞれの立場の変化に
    ハラハラ感が絡みあって、
    そこには常ならぬほどにわかりやすい
    カオスの質感とグルーブ感が生まれていきます。

    姿を隠した想定の役者たちのお芝居が
    とてもしっかりと生きている。
    クローゼットやベット下などに隠れて外をうかがう表情が
    舞台の厚みをしっかりと保ち、
    物語のメリハリを作り上げていく。

    ラストの部分がほんのすこし
    弱いかなとは思ったのですが
    よしんばそうであったとしても、
    コンテンツに
    がっつりと引き込まれてしまいました。

    無縁バターは、
    ちょっとショッキングなシーンから始まります。
    一人の男の孤独死を処理する場面、
    そのちょっとえぐい感覚にひっぱられながら
    どこかブラックに染まった笑いに
    引き込まれていく。

    でも、そのブラックさで物語は
    収束しないのです。
    意外な部分ががっつりと伏線にされていく。
    それが解けていく後半がかなりすごい。
    ドミノが倒れるように
    すっきりと物語が通っていく。
    一本目とは異なるグルーブ感に
    ぞくっとくる。

    そりゃラストはちょっとずるいけれど
    ちゃんと観る側をうなずかせてくれるのです。

    役者たちのお芝居にぶれがないのも勝因かと。

    面白かったです。
  • 満足度★★★

    確かに笑った
    おもしろい、確かに。でも既成品な感じがするのだな、感覚的なことなんだけど。

  • 満足度★★★★

    どちらも楽しい!
    コメディとシリアス物の二本立てかと思っていたら、ああこうなりましたか!

    ネタバレBOX

    『みんなのへや』は、ベッドと小さなテーブル、便器が本物で、押入れと棚と湯船としてスケルトンの金属枠が置かれ、壁やドアは省略されているため、登場人物がベランダ、押入れ、トイレ、風呂場に隠れても、その表情が見えるようになっていて楽しめました。ベッドの下だけは見えませんでしたが…。

    ダブル不倫にホモ友だち、ここが新鮮でした!泥棒、ストーカーや大家も加わって、誤解が誤解を呼び、脱出しようとすると人に出くわす、そのような展開は良くあるパターンですが面白かったです。

    ストーカー役の女優さんが顔の表情などいい味出していました。

    『無縁バター』は、先のシーンからテーブル敷きをどかすと人型の滲みが現れスタート。

    孤独死した男の娘が登場して、親族がいても無縁な社会の実態を明らかにしていくのかと思いきや、男の嗜好から幼女を監禁していたのではないかという疑念が湧き、それが子猫を連れてきたに変わり、最後は難破した宇宙船から助け出した宇宙人を連れ帰っていたことが分かるなど、どんどん話が別方向に進み、最後はピカッと記憶を消して終了。

    どちらも甲乙つけがたい出来でした。
  • 満足度★★★★

    満足
    どちらも面白いコメディ2本立て。1本目は簡素なセットを観客の想像でカバーする低コスト(?)なシチュエーションコメディ。別に理屈抜きでも十分楽しめました。スケルトンな感覚ですね。2本目は小ネタが笑える。途中でいきなりシリアスな社会派かと思いきや、驚愕のラスト。初見の劇団でしたが、十分満足です。

  • 満足度★★★★★

    舞台装置が無いのは制約ではない
    簡素な舞台が逆に観客の想像力を掻き立てる。
    作りこまれた舞台装置は逆に観客の想像力を制限してしまい、
    作品の可能性を奪う恐れすらあるのだと気がついた。

  • 満足度★★★★

    実験的な面白さ
    それぞれ1作品でも題材的にはじゅうぶん成立するものなので、2作品というのは観客にとってはおトクといえる半面、時間的な制約もあり、もったいない提供のしかたもいえる。今回は会場の特徴を生かした実験的な試みで、本公演とはまた違った楽しさがありました。よって、作品の完成度というより、番外企画としての視点で、評価させていただきました。
    冨坂友さんは、シチュコメを手がける劇団の中でも、私が最も期待する若手作家のおひとり。まだお若いのにセンスは抜群で、肩肘張ることなくシチュコメの王道を行く姿勢に注目しています。かなり自信はお持ちなのだろうが、悪い意味での頑固さはなく、「観客にどう見せるか」に腐心されているのに好感が持てる。
    将来が本当に楽しみです。

    ネタバレBOX

    「みんなのへや」

    当日パンフに、シチュエーションコメディについて、「確かに、広い舞台でしっかりした具象のセットが組まれていれば感心するけれど、それではこの表現が“持てる者”の表現になってしまう。金持ちのコメディになってしまう」ということが書かれていて、すごく共感した。実は、この夏、あかぺら倶楽部さんのシチュエーション・コメディを観劇して満足できたものの、舞台美術の豪華さに、このパンフに書かれていることと同じことを思ったので。
    昔、東京サンシャインボーイズの芝居を新宿のシアタートップスで観たとき、衣裳にもセットにも全然お金をかけていないのに、シチュコメとしては非常に精度の高いものを作っていて楽しめ、ああいう面白さをまた味わってみたいなーと思っていた矢先、文字通りシチュエーションコメディのスケルトンを見せてくれたこの企画にとても感心した。
    部屋もスケルトンになっていたが、会場の関係からか、玄関が非常に狭いのに比して、お風呂とトイレが広いなーと感じ、もう少し玄関の間口を広くとってもよいし、役者も動きやすいかな、と(まあ、こういうマンションも実在しますが)。
    ベッド脇の窓がベランダの設定のようだがちょっとわかりにくい。確かにストーカーの女性が下から登ってきたような仕草を見せたり、「靴が落ちてた」という大家さんの台詞があるものの、そういう表現の問題ではなく、女性が登れるくらいの高さのフロアなら、なぜ、登場人物が脱出を試みるときに玄関にばかり固執するのか、靴を持ってベランダから逃げないのかということが気になった。賢一(千代原徳昭)がベランダに降りる場面もありましたが。
    また、クローゼットやトイレ、風呂場での会話の声が大きいということも他の方同様、自分も感じました。
    アフタートークの説明によれば、このスケルトン芝居では、役作り以前の素の俳優を見せようという趣向もあったそうですが、携帯電話で出演していない役の俳優と話す場面、相手の俳優も携帯電話を持って奥に立っていたが、声を出さず、口を動かすくらいの仕草はしてもよかったかと思いました。
    泥棒の矢吹ジャンプが、ふだんファルスシアターで本格的シチュコメを演じているだけに、こういう実験的な芝居で観られたのが一味違い、嬉しかった。
    登場人物のなかでは泥棒が一番犯罪性が濃い人物なのに、弱い立場に追い込まれるのが可笑しかった。ストーカーの大久保千晴も、自分勝手ではちゃめちゃになっていくストーカーをキュートに演じていて印象に残る。
    優子の邸木ユカが大真面目に演じていてリアル感を出していた。この後、海賊ハイジャックに出演するというので注目したい。



    「無縁バター」

    「無縁バター」という題名が目をひく。お菓子やパン作りに欠かせない「無塩バター」を買う機会が多いもので、無塩と無縁をひっかけたこのタイトルに妙に感心してしまった。有名童話に出てくる虎さながら、たった4日間にあとかたもなく死体が溶けてしまったという設定が凄い。大学の考古学の実習授業で発掘作業をしていたとき、「甕に入れて土葬する」という島の出身者が、甕の中で遺体はドロドロに溶けて最後は水になるのだと話していたことを思い出してしまった。
    コメディというよりサスペンスタッチで、「真の孤独とは」に迫り、なかなか凝ったシュールなお話。債権回収業者の岩尾(望月雅行)が圧倒的な存在感でひきつける。大家さん役は「みんなのへや」と共通で、宮原知子が演じ、終盤の登場で、一見、荒唐無稽に思えるこのお芝居にリアリティーを与えていた。清掃業者の1人を演じる浅越岳人に若いときの小倉久寛を髣髴とさせる可笑しみがあり、シチュコメ劇団にはこういう劇団員が必要だと感じている次第。
    ラストは有名映画のパロディーのようだが、題名は知っていても映画のストーリーを知らない自分には咄嗟に意味が飲み込めなかった。オチは、誰にでもわかるものが望ましい。

    *パンフの出演者の今後の予定欄が「みらいのへや」という見取り図に書かれていたのが、心憎い。
  • 満足度★★★★★

    単なる2本立て以上の、うまい組み合わせ
    コメディの2本立て。
    2本とも観客の引っ張り方がうまく、とにかく笑わせてもらった。
    コメディとしてのスピード感や、ストーリーの組み立て方には、センスさえ感じた。

    ネタバレBOX

    『みんなのへや』
    定石どおりとも言えるような、「そこで出会ってはイケナイ人たちが、1つの場所で鉢合わせして、右往左往する」というシチュエーションコメディ。
    登場人物たちが、次々部屋に現れてくることから、さらに混乱していく様がうまい。そして、おきまりとも言える。勘違いの連続が気持ちいい。

    互いに浮気をしているカップルにストーカーの女性などが絡んでいくのだが、無理のある展開になっていきつつも、ギリギリのところで、完全なウソにならないところの、ストーリーが面白い。

    ただし、押し入れに隠れている体の人物たちや、お風呂場などで、そこにいてはならない人物と会話すると言う設定のときの声が、あまりにも大きすぎて「いくらなんでも部屋の中に聞こえるだろ」とツッコミをいれたくなるほどだった。
    会場があのサイズならば、もっと声を落としても聞こえるので、そうしたほうがよかったのではないかと思う(あるいは声を潜めた雰囲気の芝居で)。



    『無縁バター』
    同じマンションの一室の設定ながら、こちらは、がらりと雰囲気が変わる。
    孤独死というテーマから、やや重めで、ブラックな展開になっていくかと思いきや、次々に繰り出されるワザには、思わず笑ってしまう。
    2重3重にワナが仕掛けられているのだ。

    観客は、台詞のやり取りから、アレコレと想像しながら、その物語に乗っていく。例えば、幼女誘拐的な話の展開は、「どうせネコか何かなんだろう」と思いつつ見ていたら、それをうまい具合に裏切ってくれたりした。

    そして、単なる人情話にしないあたりがうまいと思った。
    We are not aloneからの、MIB的なラストは、まったく想像がつかなかった。これって、自分たちだけで清掃したいと強く言うぐらいで、しつこく伏線を入れないことの成功だと思う(逆に不動産屋と名乗る男が、清掃を見届けたいと言い張るところが、その設定と対になっているのがうまいのだ)。

    それにつけても、『無縁バター』というタイトルは、よくよく考えるとかなりグロい(笑)。部屋で染みになっていたし。



    この2本の組み合わせ自体がなかなか巧みだと思う。
    同じように、人が一部屋に集まっていても、かたや、いろんな人とかかわっていることが明らかになっていくことでの、ドタバタであり、もう片方は、孤独な者同士が出会い死んでいったことにより、人が引き寄せられるという物語。

    つまり、単に、短編のコメディを2本やりました、というわけではない。きちんと意味のある2本立てだったと思う。深読みすればいろんなメッセージが出てくるのだ。

    いずれにしても、コメディとしての、「笑いの疾走感」が感じられ、十分に笑わせてもらった。
  • 満足度★★★★

    かなりおもしろい
    純粋にコメディーとして、理屈抜きで楽しかった。2本立てで上演時間計110分。

    ネタバレBOX

    パロディでのしめくくりは好きでないです。初見なのでお約束だったらごめんなさい。
  • 満足度★★★★★

    かりそめの会話のなかから浮かびあがること。
    今、ここにいることが誰かにバレると何かと都合の悪いひとたちがそれぞれの立場を守るためにタッグを組んで好都合になるように根回ししていくその場しのぎの嘘を嘘だと知らずに信じるひとと、嘘を見抜いたと確信するひと、リアル(真実)を知ってるひとたちのパズルのように入り組んだ騙し合い、誤魔化し合い、知らんぷりなどがトリッキーなモザイク模様となっていくのが心地よい『みんなのへや』。
    一方『無縁バター』では、だれかと疎遠になってだれとも無縁になったとあるひとりのひとを通じて、人との関わり合いや、人としての在り方/生き方、やむを得ない嘘について再考させられた。
    大がかりな舞台装置を立てこまないとなかなか醍醐味を味わいにくいと思われがちなシチュコメを、簡素な舞台装置を用いて役者の力と脚本の力、そして環境音と簡素な照明だけでみせるという離れ業はストイックでスタイリッシュ。
    そしてただバカ笑いをさせるだけでなく、人間に潜むちょっとした悪意や闇、生きる限り逃れられない社会性についてコメディから切り込む作家のセンスがすばらしい。

    ネタバレBOX

    さながらワンルームマンションの間取り図のようにして簡素化されたフラットな舞台に2パターンのシチュエーションで、人となりをみせていく作品。

    『みんなのへや』では同棲中の恋人の不在時を見計らって浮気相手を部屋に連れ込んだはずが、運悪くお互いの浮気相手でさえも鉢合わせてしまい、やましいことを隠ぺいしようと彼氏と彼女は奔走するも、彼氏をストーカーする女子や泥棒の珍入によって事態はややこしくなっていくというもの。

    トイレや押し入れなどがこちらからみれば何もないスケルトンの空間にあるようにしか見えないので、『バレないように身を隠している』登場人物らの様相が全部見えてしまうのが斬新で、おもしろかったです。

    絵に書いたような泥棒や同時刻にダブル浮気がバッティングなど、あからさまなベタさもなんだか古風で、かえって新鮮にうつりました。

    登場人物たちの伏線/動線を巧みにひっかきまわし最後、きれいに回収されていくのが非常に爽快。

    終盤、彼氏が家賃と彼女を天秤にかけていると思いこむ浮気相手と、浮気相手がテーブルに置いていた家賃をせしめたと勘ちがいした彼氏とが彼女と家賃を『渡す』『渡さない』で揉める場面が最も笑えました。
    それだけに、もう少し、このような会話のなかから繰り出される笑いがあったらいいのに!なんておもったりもしました。

    少し気になったのは、登場人物たちにクセや味が見られなかったこと。
    無機質な感じを出すためにあえて個性を消していたのかもしれませんが、冒頭で「夢をみつづけてもう27さいー♪」なんてしんみりとしたフォークソングが流れた後に登場するタクヤは歌詞になぞらえて『いかにも夢を追いかけてるバンドマン風』の様相だったり、オーディション行ってからバイト行った、など『いかにも』な会話からはじめまるくらいのベタさがあってもいいような気はしました。

    『無縁バター』では、部屋には誰もいないところからはじまり、部屋にあるのは、液体化した人間の死体。
    これを仕事として割り切り片づける清掃員、最近増えてる老人の孤独死を取材しに来たルポライター、老人の娘、大家、不動産会社社員らで入り乱れ。

    誰にも看取られずにこのへやで死んだ老人はどんな暮らしぶりをしていたのか。どんなことを考えていたのか。清掃員らは好奇な眼差しを向けて遺品を漁り、彼の書き残したメモや原稿用紙を読み、愉快な気持ちにすらなる。
    そこには敬う心も同情もなく、彼らの行動は悪意に近い。しかし彼らにはその自覚がなく。平気で死体の匂いを消すために死体をファブリーズするその感覚はなんだか異常で、恐怖すら感じ。

    この家のオーナーは、孤独死されたことを迷惑がり、こーゆーことがあって他の部屋の人間は出て行くし、どうしてくれるの。なんて利己主義に。
    不動産会社の社員にその分の代金を補償しろ、つめ寄ったり。
    彼らにとっては命の重みより採算がとれないことのほうがよっぽど深刻。
    というのは現実によくありそうな話で他人事だとはおもえませんでした。

    そんな諍いをする両人をみた、死んだ老人の娘はやりきれない気持ちを
    誰にもぶつけられないままうな垂れ、ルポライターは、これらをすべて一纏めにして小銭を稼ぐ。

    「この部屋では何もなかった、」ことにするビッグジョークは見て見ぬふりをするとか、記憶を失くしてしまうことでしか、慢性的な孤独や不安を拭い去ることはできない。とでもいうような陰鬱な側面も残して。
    誰が何のために生きるのが妥当であるのか。見終わった後そんなことを考えました。

    終演後のアフタートークは居心地の悪さはなく、客対も非常にしっかりしていて好感を持ちました。

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