ガラパゴス 公演情報 ガラパゴス」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.4
1-9件 / 9件中
  • 満足度★★★★★

    ナガサキからガラパゴスへ
    反復がフーコー振り子のように微妙に角度を変えながら軌道を描き、長崎がナガサキに揺れ動いてゆく瞬間にぞくっとした。
    群唱があれほどはっきりと言葉で聴き取れる舞台を観たのは初めて。

  • 無題
     見てるだけでトランス状態に引き込まれる少年王者舘の空気は健在。特に後半のダンスは、最初のうちは色々考えながら見ていたのですが次第にぼーっとなって飲み込まれました。

     ただ、いつもは昭和前半くらいの空気で満たされているのに対し、今回は現代の言葉が強く入り込んでいました。前回の「夢+夜」の前はかなり間が空いてしまったのでひょっとしたら最近はそういう傾向があるのかもしれませんが、個人的には前作くらいの方が好みでした。

  • 満足度★★

    やはり、舞台で立ち見はつらい
    まさにアングラ演劇! まさにわけわからん!
    物語としては、長崎のいろいろな時代を
    断片的につないだような作りで、ストーリーはあってないようなもの。
    雰囲気は唐十郎に近い?
    客の忍耐を試すような同じ場面の反復&繰り返し、
    そして、終盤永遠に続くとも思えた謎の踊り。

    この劇団、公演時間短いって聞いてたから立ち見でも
    入ったが、1時間40分強キッチリやってるじゃん。
    やはり、舞台で立ち見はつらい。

  • 満足度★★★★

    ツボを突かれまくり
    夢の中の如く時間軸を自在に跳び超えるスタイル、懐かしい流行語も含む言葉遊び、各種映像テクニック(具体例はネタバレBOXへ)、アナウンスと本編のザッピング感覚の冒頭・終盤など、いずれも好みでツボを突かれまくり。

    ネタバレBOX

    列→死、自己中心→忌中などの「文字のモーフィング」、降り注ぐ文字や舞台の塗り潰し、舞台映像そのものの投影など
  • 満足度★★★

    『始めなければ終わらない』
    シュール。ひたすらシュール。
    私は今作で3回目(シフォン、夢+夜、今作)ですが、
    今まで見た中で、一番、
    好み(好き嫌い)がはっきり分かれる作品かなぁと思いました。
    (私は『シフォン』が一番好きです)
    わかってたけど、中村榮美子さんが出演されていなかったのが
    やっぱり残念。

    それにしても客席、満員すぎてビックリ。
    何かメディアで宣伝でもあったのか?
    暑かった上、階段に座布団を置いただけの場所で観たので、
    身体が痛くて、観劇に集中出来なかった。。。

    ネタバレBOX

    コトバが聞き取れないところは、聞き取れなくて、いいのかなぁ、
    とか、思いながら観ていました。

    それにしても、リフレインの多いこと!
    何回目かわからなくなったりしないのかなぁとか
    余計な心配をしてしまいました(笑)
    巧みなコトバアソビに関心することしきり。
    でも『立つ・座る』を繰り返すところは、
    観ているこっちも少々疲れました(笑)

    映像・照明・音楽と舞台(役者)との不思議な一体感、
    オリジナリティあふれるダンス、
    そして独特のこの世界観は大好きなのですけれど、
    観劇の環境って大事ですやはり。
    今日はくたびれました・・・。
  • 満足度★★★

    初観劇
    知ってはいたのに観たことのなかった劇団。

    物語が抽象的に進むのも、動きや踊りが入るのも、目新しくはなかったのですが、映像の使い方がとても独特。

    延々と繰り返されるのはもう少し短いと嬉しい。

    もっと得体の知れないものを観られるのではないかと、かなり期待して行ってしまったのは自分の責任のような気がする。

    役者はとてもよかったです。
    色々な劇団に出演されている池田さんは特に◎。

  • 満足度★★

    みた
    心浮き立つような開幕だったのに、その後はもうアングラ指向の学芸会という感じでしんどかった。
    反復という手法も、度が過ぎるとネタ詰まりとか手抜きに思えてくる。
    観客は老若男女幅広い。終幕後は盛大な拍手。
    人から教えられ、初めて見に行ったけれども、いつもこうした作風なのだろうか。

  • 満足度★★★

    ほへー。
    物語への導入や全体に散りばめられているアクセントが面白く、アングラ的アンサンブルもとても好意をもって観た。繋ぎきれないいくつかのエアポケットがもったいない。制作的慣習のいくつかにむむむと思った。

  • 満足度★★★★★

    ウギャー! なんだコレ! 面白いぞ!
    フライヤーの雰囲気からアングラ&アングラしている舞台を想像していたが、どうやらそうでもなかった。
    じゃ何だったのか? と問われれば、「ウギャー! 少年王者舘だ!」とだけ答えておこう。
    「ウギャー!」と思わず叫ぶほどの、激しい驚きがそこにあるわけではないのだが、ニヤつきながらの、心の中での喝采と思ってほしい。
    この楽しい舞台は、わずか90分!

    ネタバレBOX

    スタートの前説から、一発かましてくれる。ここで、「オオッ」と思ったわけで、このスタートは、メビウスの輪のごとくラストにつながっていく。
    終わりはない、それは始まっていないから、というラスト。

    どこだか不明のセットもいい。使い方を含めて。

    舞台の上では、どこなのか、誰なのかが不明のまま、しかも、「舞台である」ということをもひっくるめて、すべてが混沌として混じり合い物語は進んでいく。
    進んでいくのかどうかということも、実は定かでない。

    照明や音楽の切り替えが面白い。と言っても、それできちんと一見区分されている表裏(や前後や虚実)の内容が、そこに安定しているわけでないことは、後々わかってくるのだ。

    それは、ゆるいインパクトを与えてくれる。
    観る者は、糸口を探しだそうとする。
    しかし、幾重にも張り巡らされた言葉の糸は、観る者をあらゆる方向へといざなう。ちょっとした悪夢のようでもあり、目まぐるしく、観ている者を強く引き込む。

    細かいつながりと、それを手繰る観客の意識を断ち切るような演出も本当に素晴らしい。

    時代や場所も人も記憶も未来も過去も、その人の存在も、まったく明確ではなく、ゆらゆらとしている。

    しかし、ぼんやりとしているわけではなく、何もかもをカットバック、あるいはクロスカッティングして怒濤のような台詞とともに物語が溢れ出す。
    溝が傷ついたレコードのように、けたたましく繰り返されるエピソードに、「中略」の文字での、おふざけの塩梅やセンスは素敵だ。

    そこには言葉だけが、言葉遊びというよりは、さらに過剰な様相で、次々と現れては、台詞や物語の中に埋もれていく。そして、積み重なる。
    台詞だけでなく、プロジェクターを通して舞台に現れる文字遊びも愉快だ。必要以上に「死」を意識させすぎて、それはギャグにまで到達する。

    「ハウステンボス」「ナガサキ」という街の持つ地場のようなものが、「戦争」の歴史を引っ張り出すが、そこにだけ、何かを込めているわけではない。
    つかんだ情報は、つかんだそばから崩れ落ちる。

    女優度が高く、ここは女系の劇団ではないかと思いつつも、男性陣の「立つ・座る」だけというエピソードには、笑った。気が変になりそうなほどの繰り返しが凄すぎる。

    ほぼ主演だった、ひとみ役の黒宮万理さんと昭和40年代のイチロウ役(キャスト名不明)が好演。
    ひとりを演じた夕沈さんと、青いベストで壁や障子を食べた方、イチロウの母役の方(いずれもキャスト名不明)の3人の、キレの良さが印象に残る。

    エンディングでの、恐ろしいほどの連続。連綿と続くDNAの螺旋を彷彿とさせ、それに続くダンスも、これでもかというほど、しつこい。演じる者のカタルシスがそこにある。
    いつまでも終わらない、過去から未来への、人類の愉快で悲しいダンスが続く。
    終わらせる方法を忘れてしまったのかと思うほど。
    この終わらせ方(台詞)は少々紋切り型ではあったが、着地点があり観客席で一安心した。

    次回も是非観たいと思うのだが、残念なことに名古屋の劇団なのだ。
    また東京公演を行ってほしいと願うのだった。

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