’72年のマトリョーシカ 公演情報 ’72年のマトリョーシカ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.7
1-17件 / 17件中
  • 満足度★★★★★

    終演後に調べるまでどこがフィクションだったのか分からない 緊張感の途切れない公演だった
    映像や証言で記録は残っているが この芝居を通じ当時のあの場に立ち会い、事の行く末を見届ける経験 もっと知ろうというきっかけを頂いた また次の公演も観にいきたい

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2019/08/14 (水) 19:00

    価格3,800円

    連合赤軍メンバーによる立てこもり事件の人質となり救出された女性への世間と家族からの風当たり……。
    連合赤軍のあさま山荘事件に想を得た芝居・映画は何本か観てきたが、事件の最中やそこまでの軌跡を描いていたそれらとは視点を異にし、事件後の被害者女性と連合赤軍メンバーの取調べにあたる警察官を中心に描く。
    「あ、こっち側を描いたのか!」な内容は昨今の世相にも通ずるし、今まで観たものの結果がこれか、な部分もあるし、なるほどぉ的な。
    警察モノではお馴染みの所轄と本庁ネタもあり、あの現場でもそんなことがあったのね、なオドロキも。あさま山荘事件といえば……な「アレ」に関してもそうだったとは。

    ネタバレBOX

    3日目以降(?)は多少の自由を与えられていたとか、救出時に機動隊員2人が殉職したとかの理由で被害者という弱者を非難する世間……あの当時も今も心無い対応をする人々がいることに変わりはないというのがまた何とも情けない。
  • 満足度★★★★★

    まずは小さな劇場だけにその閉鎖性をうまく使った臨場感、人質立て籠り事件の緊迫感が強く感じられました。
    そして人質に焦点を合わせて、その家族との確執に着目したのはさすがと思いました。
    名前を呼ぶときに、まさか別の名前を呼んでいたのにはびっくりして、台詞を噛んだレベルではないぞと内心焦りましたが、名前を変えて過去を捨てて山荘に移り住んだことが分かり、そのことが人質の山荘への思い入れみたいなものも強く感じることができました。
    また犯人の兄弟のことも家族というキーワードに掛かってきますが、こちらは実話であり、逆に犯人の中で家族的なやり取りがあったからこそ、この事件を選んだのではないかと思いました。
    この公演を観て、いつかハイジャック事件も描いてくれるのではないかと期待してしまいます。

  • 別に「ケンイチ」と聞いても「ハットリ君」を連想はしないけれど、「ケンシロウ」と聞くとどうしても「北斗の拳」を連想してしまいます。私らの世代は。
    「ケンシロウ」と聞く度に面白くなってしまいました。

    「革命戦士」と聞くと長州力を連想するし。

  • 満足度★★★★★

    良いものを観せていただきました。
    二時間でおさめきれない内容を、きっちりおさめていました。
    真ん中にベットが設置されていて、たった一つのセットがこれで、これでどのように表現できるのか?と疑問でしたが、
    うまく表現できていました。
    役者の方々も、この役むつかし過ぎる…と思われる役をきっちりと演じていて感動&尊敬しましたし、演劇自体のすばらしさも改めて感じました。
    音も、うまく使っています。
    観ていない人には見てもらいたいと思わせる内容でした。超おススメです!!!!
    次の舞台も観たいし、楽しみです!!!

  • 満足度★★★★★

     無論、元ネタは現実にあった事件。

    ネタバレBOX

    「あさま山荘」事件である。極左とされる連合赤軍事件で左派と呼ばれているのは、永田 洋子を中心とした京浜安保共闘。連合赤軍はこれに森恒夫を中心とする赤軍派が加わり共闘組織という形を採った。無論、世界同時革命を標榜しPFLPと連帯した重信 房子らとは別系統だ。赤軍メンバーは知的レベルの高いメンバーが多く理論家肌のメンバーが多かったとされる。人間的にもトロツキスト・理想派が多かったようである。これに対し京浜安保共闘は実際に京浜地区の労働者が多かったとされ、理論よりは実践派、行動的なメンバーが多かったようである。粛清されたメンバーは主として永田の嫉妬心を刺激した為殺害された者が多かったと考えられるが、形式上は、所謂総括の論理による刑死であった。無論、その論理に整合性も社会科学的根拠も無いことは明白である。革命左派というより、寧ろ宗教に近かろう。然し、今作の提起している問題の核心はそんな所にない。寧ろ、日本及び日本人の極めて深い所からその判断、行動を規定している規範を俎上に載せていると見るべきだろう。その規範とは村の掟即ち、それを犯せば村八分という憂き目をみる諸々の慣習並びに卑怯な判断を内的に正当化する為の詭弁である。これを顕在化する為に極めて効果的にじゃんけん歌が用いられている。そしてこの卑劣は、現代にも脈々と息づき我々日本人の多くを盲目的に縛っているが、それは例えば苛めに、或いは幼児虐待に、或いは在日外国人差別に、被差別部落出身者差別に、と至る所で顔を出す。それは、現在世界中で猛威を揮うグローバリゼーションを技術的に支えるインターネット環境下でも日本人に不利に作用している。どういうことかというと、例えばパソコン作業に用いられる様々なインターフェイスの開発者たちは莫大な利益を享受するが、開発されたソフトを用いて利便性を享受し続けるだけの人々は、利便性の高まった労働現場では、経験や技術力を必要としない単純労働を担う労賃の安い人々に代替され職を失ってゆく。而もこの動きは好況、不況の波の中で採用人員や採用条件が上振れするという希望も持てないままである。何故なら生産手段がほぼ飽和状態迄開発された現状では、利潤を追求する企業経理上で採算を上げる為には労賃を安くする他道が無いからである。他に社会の中流に居る人々がまともな収入を得ようとすれば、起業して新たにニッチなレベルで確たる地位を築くか、取り敢えずインターフェイスの新ソフトを開発して利権を確保するとかしかあるまい。でなければ、単なる「便利」の享受者として社会的弱者への道を転げ落ちる他無い。そしてこのような開発力を持つ人間にはある種の共通項がある。MIT,IIT等のエリート校に多いタイプ、nerdである。日本はこのタイプの人々を潰しこそすれ、育てるなどということをしてこなかったし現在もしていない。日本人であってもこの手の人達は既に海外に拠点を移し、多くは戻って来ない。意味が無いからである。このような人材を大切にできないどころか潰すことしかできない日本に未来が無いことをこそ、今作は告げているのである。公安が人質にされた若い妻に証言を変えさせる経緯にもその穢しさは露骨に表れている。
  • 満足度★★★★★

    小学校卒業前にテレビにかじりついたあのあさま山荘事件を、人質の「家族関係」というスパイスを加えて過去にあった様々なドキュメンタリーとは違う視点から描き出した舞台
    総括!
    「お連れのない人、お~によ!」
    みんな、マトリョーシカになりたくなかっただけなのかもしれない
    あの距離で逃げ場のないシアターミラクルで直球勝負の演技
    “八ヶ岳”(杉春芳)が自白を始めるシーンが印象的だった
    小口警部補(高橋亮次)の優しさ、御子柴警部(柘植裕士)の無念さ、無骨さの対比も良かった
    丁寧に警視庁と県警のカップヌードルを巡る確執の象徴までフォローしていたが・・・
    祥野獣一が憎らしかった
    ミニマム(下は細かかったが)のセットで巧みな舞台転換
    スクリーンの活用も上手かった
    事件を全く知らない若い世代が観に来ていて、彼らにはどう映るんだろうと訊いてみたかった

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2019/08/16 (金) 14:00

    立てこもり犯から刑事まで、役者全員がいい面構え。適材適所の人選。ミラクルが時には山荘の一室、時には取調室、時には病室となり、一緒に居合わせてる感が半端なかった。多面的な描き方もグー。

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2019/08/15 (木) 19:00

     有名な浅間山荘事件を扱った芝居だが、こうくるか!、と思わせる視点の持ち方が吉水の脚本らしいなと思った。人質となった管理人の妻の事件後を中心に、時に回想シーンを混じえる手法はよくあるものだが、大きなフィクションを一つ入れたことで、物語が家族を巡る展開になった。家族というキーワードは近年の風雷紡の一つの軸となっているが、今回も妻の家族と犯人の兄弟(という家族)という2面を持ち、深みある芝居になっていた。事件をリアルタイムに(TVで、だが)見ていた自分にとっても、いろいろと考えさせられる舞台だった。

  • 満足度★★★★

    報道だけでは伝わってこない事件の中身。上演された内容の全てが真実だとしたらやりきれない気持ちになった。刑事ドラマにもよくあるが警視庁と所轄の待遇格差や被害者に圧力をかけた不条理に真実はどこのあるのだろうと思った。あの狭い箱の中 通路も使っての密接な緊張感で2時間はあっという間でした。

  • 満足度★★★★

    実際の事件に取材した風雷紡の舞台、いつもながら引き込まれますね。狭いステージを有効に使った演出が見事でした。

  • 満足度★★★★

    4~5度目の風雷紡、と最初つい書いたが調べれば3度目だった(しかも2016、2018と見始めたのは近年)。脳ミソの劣化は言わずもがな、風雷紡舞台の持つ奥行きも一因と推察した次第。
    余談は置いて・・
    歴史的事件を題材に独自の脚色を施す劇団(吉水女史戯曲)の特色は今作にも堅持され、浅間山荘事件を同じく長野の蓼科に舞台を移し(蓼科山荘事件)、人質となった主婦とその家族・親族の物語を織り込んで再構築した。
    同じ題材の舞台にチョコレートケーキ「起て、飢えたる者よ」があり、最近シライケイタ演出で若松孝二監督映画の舞台版があった(こちらはリンチ粛清事件が主。舞台版は見ず)。同時代のテロ集団の閉塞を描いた鐘下戯曲も蘇ってくる。映画も多く視点は多様にあり得る中で、冒頭人質と犯人とのやり取りが始まり、一瞬食傷気味が襲ったが、すぐさま風雷紡の語りに引き込まれていった。人質主婦の人生をドラマを通す線に据え、事件渦中から抜け出た「その後」の時間を、事件またそれ以前から連なる時間として描き出し、緊張感ある構成である。
    毎回演出を外注しているユニットだが今回は箱庭円舞曲・古川氏(初)、私も数年前に劇団公演を一度観たきり、久々2度目の仕事を拝見し好感触であった。
    シリアス劇志向にとっての会場の条件不利を懸念していたが、出入口の両側にL字客席、対する面をパネル等でうまく処理し、注意の拡散を防ぐ設えであった。
    俳優諸氏の特徴的演技が芝居を非常に立体的に、判り易く伝えていた。

    ネタバレBOX

    主婦がつい口走った証言が世間の不評を買い、悪戯や脅迫状騒ぎになる。このあたりの描写は「世間」のいかがわしさとして現在に通じるチクリ痛い批評になっている。一方、姉の婚約相手を奪って家族と縁を切った形の彼女と家族の関係、姉との関係、引いては夫との関係が最後、彼女自身の自己覚醒により解かれて行く瞬間は、もう一歩実感的に理解したかった。
  • 満足度★★★★★

    緊張感に引き込まれていきました。

    ネタバレBOX

    その場に実際にいるように錯角してしまう緊張感と臨場感がとてもありました。手に汗を握る展開、そして、役者の心の裏側がうまく表現されていたと感じます。舞台の使い方が絶妙でした。
  • 満足度★★★★★

    事実を元にしたというお芝居を見ると、どうしても気になって終演後に聞いてしまいます「どこまでが本当なんですか?」だって、あれが本当なら・・・
    シアター・ミラクルなので、本当に目の前すぐ近くで展開され、緊張感漂う2時間でした。

    ネタバレBOX

    今なら色々と暴かれて、もっと非難や批判にさらされたろうなと思われる設定だったもので、気になって聞いてしまったのでした。それにしても真理子さんたちはその後どうしたのだろうということも気になりました。
  • 公安側は革命分子を随分と過大評価していたのだなあ。

    ネタバレBOX

    「革命の為ならば犠牲はやむなし。」なんて理屈はまるで日本軍みたいだ。
    挙げ句の果てには内ゲバ。
    それでは一般国民の共感なんて得られるはずもなく。
    革命なんて夢のまた夢。
  • 満足度★★★★★

    音響と映像もこの芝居の面白さに上手くマッチして2時間飽きさせません。当時実際の放送も聞きその後いろいろな形でこの事件は放送されたり本を読んだりもしましたが、今お芝居でこうして観ると改めていろいろなことが思い出されました。知らない事も多くし、事件の真相はどうだったのか謎も残りました。

  • 満足度★★★★★

    当時の画像や録音をうまく活用し、出演者の演技力も素晴らしかったので、当時のテレビ中継を鮮明に思い出しました。
    感動しました。

    ネタバレBOX

    刑事の取り調べが迫力があった。記者会見もうまく工夫されていて分かりやすかった。

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