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CoRich舞台芸術アワード!第1位 3回獲得記念
劇団チョコレートケーキ 特別インタビュー
写真左から:岡本篤、西尾友樹、日澤雄介、菅野佐知子、古川健、浅井伸治
CoRich舞台芸術アワード!
2012、
2013、そして
2015にて3度の第1位に輝いた、
劇団チョコレートケーキにインタビューを敢行! 同劇団はここ数年で演劇界の名だたる賞を受賞し、全国ツアーも実施する人気集団に成長しました。劇団員は外部でも活躍し、注目され始めています。
演出家、劇作家、制作者そして俳優3人に、作風が一変した理由や小劇場界でのブレイクのきっかけなどを伺い、気になる今後についても、たっぷり語っていただきました。
■こりっちメンバーは“どぎつい”のがお好き
―『追憶のアリラン』で3度目のCoRich舞台芸術アワード!(以下、アワード)第1位獲得、おめでとうございます! アワードは一定条件を満たすこりっちメンバーのみが投票できる、観客投票イベントです。コアな演劇ファンからの支持の厚さが再び証明されたようですね。
日澤雄介
日澤(主宰、演出家):嬉しいです。2年連続の後、1年空いたんですが、返り咲けました。
古川(劇作家):『追憶のアリラン』は春の公演だったから、期間が空いて不利かと思ってたんですけど、こりっちメンバーの皆さんが投票してくださって本当にありがたい。
西尾(俳優):(時を経て忘れられるから)観客投票の上位入賞は無理かなって思ってましたもん。
―年末にも『ライン(国境)の向こう』の上演がありましたよね。
日澤:ええ、『ライン(国境)の向こう』は年末だったけど…アワードではかすりもしなかった(一同笑う)。こりっちで観てくれてるお客さんは、どちらかというと“どぎつい”のをお好きなんでしょうね。
古川:そうだね。
―『追憶のアリラン』の方が“どぎつい”のですか?
日澤:そうですね、観るのにストレスがかかるというか、お客さんは観てて厳しいと思います。『ライン(国境)の向こう』の方が肩の力を抜いて観られるような作り方だったから。近藤芳正さん主宰のバンダ・ラ・コンチャンとのコラボレーションだったので、幅広い客層に向けて、脚本の段階からエンターテインメントの方向性を生かしていました。
古川健
■「CoRich舞台芸術アワード!」初ランクインから知名度上昇
―劇団チョコレートケーキのアワード受賞歴を振り返ってみたいと思います。2012年の『熱狂』『あの記憶の記録』2本立て公演と、2013年の『治天ノ君』で、第1位を2連覇されました。
日澤:2連覇の時も驚きと嬉しさはあったんですが、初めて1位になった時が本当に嬉しくて! 2010年の『起て、飢えたる者よ』で初めてアワードの11位に入ったんですよ。そのあたりから「なんだこの劇団は?」と周囲に認知され始め、2011年の『一九一一年』で3位、2012年に1位! そして2013年も1位を取った後、2014年は月刊「根本宗子」さんが1位で…けっこう凹んだ(一同笑う)。
【CoRich舞台芸術アワード!ランクイン実績】
2010年 |
第11位 |
『起て、飢えたる者よ』 |
2011年 |
第3位 |
『一九一一年』 |
2012年 |
第1位 |
『熱狂』『あの記憶の記録』 |
2013年 |
第1位 |
『治天ノ君』 |
2014年 |
なし |
(番外公演、ソウル公演を含む再演などを実施) |
2015年 |
第1位 |
『追憶のアリラン』 |
―2010年から首都圏の小劇場界で知られ始めて、『一九一一年』(2011年)でさらに注目が集まったんですね。 (※古川は『一九一一年』で2011年度佐藤佐吉賞・優秀脚本賞を受賞)
西尾友樹
日澤:でも『一九一一年』は興行的には真っ赤でした…。
古川:お客さんが全く入らなかった(笑)。
日澤:あれで出来た借金を返すために、公演を1年間やらなかったくらいですから。それなのにアワードで3位だったから、コアなお客さんは観てくれてたんだなって励まされましたね。(自分たちは)間違っちゃいなかったなって。
西尾:僕は『一九一一年』がきっかけで劇団員になりました。
浅井伸治
日澤:浅井君は『一九一一年』で初めて客演したんだよね。
浅井(俳優):はい。
日澤:その後、「1年空いたから新作長編を2本やろう」って、夜中に話したよね。
古川:そうね。
日澤:それが『熱狂』『あの記憶の記録』2本立て公演。なんか無茶やったよね。