最新の観てきた!クチコミ一覧

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殿堂の花売り娘

殿堂の花売り娘

電動夏子安置システム

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2026/10/07 (水) ~ 2026/10/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

悪ノリのし過ぎかなと思えるくらい、これでもかこれでもかというくらいの強引な言葉遊びの世界に引きずり込んでくれました。
今の国会も、似たような言葉遊びで、本質をはぐらかす詐欺まがいの答弁が繰り返されていると思うと、「これくらいの過度な言葉遊びなぞ、まだまだたいしたことはないのかな」とも思います。
たぶん演じられている役者さんたちも、楽しんでいたようで、あっという間に2時間が過ぎてしまった感がありました。
楽しかったです。 いま、シアターグリーンから外に出て、現実に戻りつつあります。
農林大臣、辞めないかぁ。

ドラッグストアンチュ

ドラッグストアンチュ

㈱アニモプロデュース

赤坂RED/THEATER(東京都)

2026/10/07 (水) ~ 2026/10/12 (月)公演終了

実演鑑賞

くによし組の國吉さん作・演出による公演。感染すると約50%の確率でゾンビ化してしまうとされる病気が流行り、感染者はドラッグストアに収容・隔離される。収容者はスマホを没収され、外界の情報から遮断された状態で、毎日支給される薬を飲み、特にすることもなく各々生きる。病気の正体も、治療法も、そもそも本当に感染しているのかも分からぬまま、収容者の焦燥と諦めと絶望が、日に日に増幅していくのだがーー。

ネタバレBOX

流感、感染、隔離、などと聞くと、連想するのは、やはりコロナ禍でしょう。2026年現在もインフルエンザやコロナの感染がニュースになるので、決して「過去の出来事」とは言えません。物語が進むにつれ、話題の中心は感染から「人々の孤独や絶望」にシフトしていきます。感情のすれ違い、一方通行、成就しない想い、等々。國吉さんの作品には、分かり合えないことへの絶望と、それでも分かり合いたいと願う祈りが込められていることが多いですが、今作もその系譜と言えるでしょう。物語の流れ方や会話のテンポなど、國吉さんらしい特徴を感じられることも、魅力のひとつだと言えます。
Things I Know To Be True

Things I Know To Be True

Prayers Studio

Prayers Studio神楽坂シアター(東京都)

2026/10/08 (木) ~ 2026/10/18 (日)上演中

予約受付中

実演鑑賞

満足度★★★★★

#プレイヤーズスタジオ
面白い、お薦め。
チラシにある「現代演劇の傑作」という謳い文句に間違いなし。世界中の家族の数だけ物語はある、本作はプライス家の1年間を通して親の期待や子の自立、そして強く深い絆を描いた話。平凡でどこにでもいるような家族、しかし1人ひとりは独立した人間。説明にある失恋をした末娘が帰ってきたから という契機ではなく、それまで潜在的に抱えていた「本当のこと」が発露し出した。

1人の人間としての自我、それを家族だから といって縛り付けることはできない。親の視点、子の視点という見方を変えながら「家族とは何か?」ということを問う。無条件の愛の限界をリアルかつ痛烈に描いた家族劇。同時に親である前に男と女という生身の人間を描いた夫婦劇でもある。

見どころは 何の変哲もない会話の中に、登場人物の心理を表すような演技(身体表現)が観え、一層リアルに感じる。対面客席で その間にあるアクティングエリアで演じることから、間近で家族の日常を覗き見るといった感覚。
見事な翻訳・演出(渡部朋彦 氏)、見応え十分。
(上演時間2時間40分 途中休憩10分)㊟ネタバレ
(フラン 妻鹿有利花サン、ピップ 蔭山恵美サンの回)

ネタバレBOX

舞台美術は、入口とは反対側にカウンターと固定電話、その傍に低箪笥。中央に段差を設えてテーブルとイス、入口近くにバラが咲き誇る植え込み(季節によって回転させ枯れた柵)。舞台は オーストラリア・アデレード郊外にあるプライス家の裏庭。

物語は、移り変わる「4つの季節」 具体的にはもう少し変化をつけて展開する。その時(季)期をカウンター後ろにある暗幕に映し出す。冒頭は末娘ロージーの旅先ベルリンの文字が映し出される。閉塞感ある家族から逃れるためヨーロッパに出かけ、そこでスペイン男と親密になったが 弄ばれただけで失恋。傷心して家に帰ってきた。季節は「秋」「晩秋」「冬」 休憩を挟んで「春」「夏」そして「人生は続く」と。季節に合わせて親が子の抱えた悩みや問題と向き合う。

プライス家は、労働者or中産階級の夫婦 ボブとフラン そして成人した4人の子ども。子どもたちがそれぞれの秘密や危機を告白することで、親が信じていた「理想の家族」の形が崩れていく。父の ボブは63歳、自動車工場の早期退職を余儀なくされ、庭いじりに平穏を求めながらも、暇で時間を持て余している。 母 フランは看護師で、家族を深く愛しているが、その愛によって子どもたちを束縛してしまう。 長女 ピップは、キャリアのために離婚し カナダ・バンクーバーへ移住することを決め、母と絶縁する。 長男マーク/ミアはトランスジェンダー(女性への移行)であることをカミングアウトし家を出る。 次男 ベンは 金融業界で成功しているように見えたが、顧客の金を横領し 親に助けを求める。次女 ロージーは 海外旅行先(ベルリン)での失恋から傷心して帰国。物語の狂言回し(ナレーター)的な役割も果たす。登場人物は、それぞれ「台詞」と「語り」によって感情と理性といった両輪で紡いでいく。

テーマ は、愛の重みと絆の深さといったところか。 親の愛情は必要だが、時に子の個性を削いでしまうといった矛盾。また 世代間の意識の違いが浮き彫りになる。親は「安定」のために犠牲を払ってきた世代、一方 子どもは「自己実現」を求める世代、その世代間のギャップが深刻な影を落とす。 人生において「これだけは絶対に正しい(真実だ)」と信じることは或る意味 妄信のような。愛は(冷・醒・褪←どれが適切だろうか)める とはフランの台詞。昔 恋した人がいたが、子どものために諦めたとボブに告白。夫婦の関係を続けられたのは 子のおかげ(まさに「子は鎹」)。その子が自分の人生を歩み始めた矢先に…ラストは衝撃的。

シーン(季節)毎に印象的な音楽が流れ、情況と状況を表出するような照明の諧調が巧い。物語は厳しい現実を突きつけるが、音楽や照明といった演出によって 抒情的といった雰囲気を醸し出している。家族劇であるが、1人ひとりの物語でもあり、その意味ではダブルキャストで違う母フランと長女ピップの姿を観てみたい と思うくらい見事。「世界中で上演され続ける」は肯ける。
次回公演も楽しみにしております。
「かしこ」

「かしこ」

演劇強制収容所旦煙草吸

表現者工房(大阪府)

2026/10/09 (金) ~ 2026/10/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

初日キャンセル待ちで拝見
独特の価値観 個人的には、ano座に似てるかな
女性だけで、パフォーマンスと演劇の融合
満席でしたが、観客もキャラ強の感じ
ハマる人にはハマる感じ

えのもとぐりむ朗読劇 Vol.2 『ミルク』×『夏砂に描いた』

えのもとぐりむ朗読劇 Vol.2 『ミルク』×『夏砂に描いた』

劇団サイエンスフィクション眼鏡

πTOKYO(東京都)

2026/10/01 (木) ~ 2026/10/14 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

「夏砂に描いた」を観劇しました。ひと夏の恋愛をテーマにした朗読劇。
5人の役者さんの感情のこもった台詞が心に響き、今公演から劇団員になったという宮下南舟さん、とても良かったです。(勿論、5人共良かったです)
切なくも優しい時間が流れる、素敵な舞台でした。

探偵かねだはじめたがやすけ十つ墓島殺人事件

探偵かねだはじめたがやすけ十つ墓島殺人事件

映像劇団テンアンツ

小劇場B1(東京都)

2026/10/03 (土) ~ 2026/10/12 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白かったです。なるほど完全オリジナルでしたが、アレとあれを知っていると・・・(以下ネタバレ・・・大してバレてないです)

轟さんのことは結構長い時間声が高い男性だとばかり思っていました。ギャグシーンが半端なかったですし、アクションシーンもカッコ良くて、役者さんてすごいです。
今日のソワレは出演回でなかった剣持さんは、違うタイプのお兄さん役だそうでそちらの回も見たかったです。
終演後相関図がいただけて良かったですが、今回初めてのテンアンツさんだったのでキャスト表があったらさらに良かったかと。

ネタバレBOX

劇中の相関図がわかりやすい?かと。でも逆にアレだと犯人はあの人だし、あれだとこの人だしと余計なことを考えてしまった私でした。
アレとあれで、あんなお話が展開して、お見事です。
探偵かねだはじめたがやすけ十つ墓島殺人事件

探偵かねだはじめたがやすけ十つ墓島殺人事件

映像劇団テンアンツ

小劇場B1(東京都)

2026/10/03 (土) ~ 2026/10/12 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

観てきました…舞台の前説、とっても良いです。話がお上手で舞台を観る気持ちが上がります!!笑いありのミステリー犯人は誰!?って思いながらの約3時間、楽しくてあっという間でした。テンアンツの次回作観たいと思える大満足の舞台でした。

腐らない果実 - Fig

腐らない果実 - Fig

劇団キネマ奥田塾

駅前劇場(東京都)

2026/10/09 (金) ~ 2026/10/18 (日)上演中

予約受付中

実演鑑賞

ネタバレBOXを読んでください

ネタバレBOX

登場人物全員がクズ
組織売春という凶悪犯罪を行う
反社会的集団が
何の罰も受けずに
大手を振って大道を闊歩するという
信じられないストーリー
ピカレスクならピカレスクだと
最初に知らせて欲しかった

奥田氏の倫理観を疑う
箱館に眠れ ーピリカと白虎ー

箱館に眠れ ーピリカと白虎ー

劇団B♭

ザ・ポケット(東京都)

2026/10/07 (水) ~ 2026/10/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

私自身、北海道に長く住んでまして、学校のクラスにもアイヌの生徒がいたんですが、アイヌ民族に関して全く知識がなく文献を探しても一般の書店ではなかなか見つけにくいものでして、これは私の勝手な想像ですが、A国がB国を支配するというような、規模は小さくとも本土の人がアイヌ民族を制圧し北海道に移り住むというようなあまり日本人には触れて欲しくない事なのか?アンタッチャブルなものに触れたようなこの作品、万人の人に観て欲しい作品ですね。後悔というか、まだ幼き頃、学校でアイヌの子と言うだけで距離を置き冷めた目で見ていた私自身の胸に突き刺さるようでした。あの人は今どうしているのだろうかな。

ハード・プロブレム

ハード・プロブレム

劇団青年座

吉祥寺シアター(東京都)

2026/09/05 (土) ~ 2026/09/13 (日)公演終了

実演鑑賞

人間の意識に関する学問的探究における「難しい問題」を扱ったタイトルで、主人公の女性個人の身辺のドラマは縦軸に置き、横軸に学問上の同僚、ライバルらと交わされる学問的な刺激的な議論、それに関わる主人公らの実験の成功から思わぬ展開に至るラスト。議論の詳細は忘れたが、個人が外界から受け取る感覚=クオリアの実証困難性に関係する疑問のように思われた。また感覚とは脳神経の単なる反応であり、将来それは分析そして再現可能だという楽観的立場に対し、感情、心は「反射」や「反応」にとどまらない要素を含むのではないか、なぜ悲しいのか、を脳が神経繊維から受け取った刺激に対する自動的な反応だ、とだけに還元できるものなのか、その疑問が、主人公にも、ある。
決着は付かない。が、人間への問いに真顔で、真剣に迫ろうとする営みを、作者は尊いものだ、と書いている。そしてそれらはまだ分からない、という事も重要なのだと恐らく言っている。「分からない」事を分かった事実であるかの前提を敷いて他を攻撃する言論状況。分からない事が逆説的にとても大切な事実になった。
トム・ストッパードの作品2本目を漸く観られた。

12人の生まない日本人

12人の生まない日本人

笑の内閣

インディペンデントシアターOji(東京都)

2026/10/09 (金) ~ 2026/10/12 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

一昨年京都で2回鑑賞しましたから今日が3回目の観劇になります。

見る度に面白さが増し、深く考えさせられる素晴らしい作品なので、一人でも多くの人に見てもらいたいです!

ネタバレBOX

反出生主義について少し勉強しておくといいと思います。
箱館に眠れ ーピリカと白虎ー

箱館に眠れ ーピリカと白虎ー

劇団B♭

ザ・ポケット(東京都)

2026/10/07 (水) ~ 2026/10/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

初の劇団。後で見ると重なるメンバーの居る甲斐ファクトリー(観たのは一度でぼんやりの記憶)や、劇団芝居屋に通じるある種の堅実さが流れていた。出演者は若手の中に中堅、熟練、老優が混じる印象なのは「男女の出会い」を縦軸に紡がれた物語であるためだろうか。脚本の語りは何に付けきっちりしてる大人の喋りを聞くようである。半面遊びもかましてるがそのテンポ感にもセーブが効いて、歴史事実を描くに相応しい堅実さとも言える。で、脚本家の「わたなべさん」とは..

幕末、維新前夜のアイヌモシリにやって来た和人との交流、衝突が、若者同士の出会いを軸に紡がれるのだが、図らずも胸に寄せるものがあった。
だいぶ昔に北海道の観光地かつ保護区となっているコタンを旅行で訪れ、アイヌの踊りを見たが、複雑な心境であった。この体験の核は「長」を意味するエカシという外見もアイヌそのものの老人が観衆に披露した儀式の後、自身の民族への理解を求め、一和人である我々に友好の手を差し伸べてきた事だった(手を差し伸べて、というのは比喩。その声色や姿勢等から、それを感じたのであった)。誇りを持つとは何か、自民族を意識するという事について、思考する大きな契機の一つになった。
博物館の売店に売っていたムックリを、暫く鳴らそうと頑張ったものだが中々難しかった(芝居の序盤に娘っ子が鳴らそうとする場面があったが、あれよりは巧くなった)。
先住民族の権利といった問題をより知るのはその後の事であったが、歴史上計り知れない程に争いによって殲滅された民族というものを想像し、20世紀に生まれた新たな権利概念が言わば特殊な状況を作り出していると考えた。鮭漁や狩猟、採取で暮らしては行けない。今世界中で毎年「言語」が二、三ずつ消滅し、三千言語が絶滅危惧言語だという。同化によるもの、民族消滅によるものとあるだろう。
異文化理解の逆説は、少数である程希少=価値がある、という点にある。多数派が決定権を持つ現実世界の原則と、固有性に価値を置く視点と。市場が希少価値をどう扱うかはその市場を構成する人間の価値観次第。危うい。
生み出された事への畏敬は希少価値を重視するが、生み出そうとする野心家は非効率な存在を忌避する。

閑話休題。観劇が楽しかったもう一つの要因は近くに座った女性コンビ、大人と子どもの様子。ザ・ポケットの後部席(通路より後ろ)は据え付けが甘く、動くとビンビン響く。隣の娘さんが時々、震動を伝えて来るので見ると、恋バナに反応し一々同伴者(母親?)に身を乗り出してワクワクを伝えている。ビビッドな反応に、演劇が伝え得るものへの想像を逞しくし、嬉しくなったものであった。
(話の内容に触れずにコメントを終えるがそれもありか。)

KOTH第三回公演『Return of the 舞台』

KOTH第三回公演『Return of the 舞台』

KOTH

中板橋 新生館スタジオ(東京都)

2026/10/09 (金) ~ 2026/10/11 (日)公演終了

実演鑑賞

おもしろかったです。典型的な劇中劇ですね。タイムループものだと同じ演技を繰り返すのが必須ですが、今回も同じセリフをそっくりそのまま繰り返すシーンが何度かあり「さすがだなー」と思いました。あと、全体的に古畑任三郎の推理ものが下敷きにありますね。それならそうと、もっと古畑任三郎に寄せて演じてもよかったかなと。あと、場面が変わるごとにTHE MAD CAPSULE MARKETSぽい曲が流れましたが、あれよかったです^^

ホノベ分校

ホノベ分校

劇団芝居屋

中野スタジオあくとれ(東京都)

2026/10/06 (火) ~ 2026/10/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ホノベ分校が廃校になったのがとても残念に思えました。

ネタバレBOX

一つひとつのセリフや登場人物の人間味がとても丁寧に作られ、演じられているのを感じました。
会話のやり取りに心地よい強弱があり、そのやさしい空気感にぐっと引き込まれます。
まるで本当の同窓会を覗いているようなリアリティがあり、しみじみと温かい気持ちになりました。
スリーゴースト

スリーゴースト

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2026/10/06 (火) ~ 2026/10/27 (火)上演中

実演鑑賞

満足度★★★

正方形ステージ、円形廻り舞台が二重(内円だけが廻らない)。背後にスクリーン、左右は全面鏡になっている。後方と前方下手に設置されたビデオカメラ、リアルタイムでスクリーンに投映しているのか。

『クリスマス・キャロル』の現代版だと思って観たら全く違った。ガチガチ最先端の演劇。堺雅人氏のファンは慄いたのではないか。(自分はテレビを見ないので『半沢直樹』も『VIVANT』も知らない)。伊勢佳世さん目当てだったが納得の内容。

広告代理店の営業であるジョー(堺雅人氏)が熱烈なプレゼンをしている。自分の見た夢を録画記録し何度でも再生可能な精神世界ビデオ、「リープマインド」。この装置の普及によって人間は本当の自分自身を知ることが可能だと。無意識に閉じ込めていたものと白昼堂々向き合える。その熱意が通じて宣伝契約を勝ち取り会社は巨額の報酬を手にする。「リープマインド」は大成功を収め、国内だけでなく海外進出に着手。

ジョーが18の時、22歳の姉、ニコが湖で自死した。服のポケットにいっぱい石ころを詰めて。ジョーは姉にもう一度逢いたかった。この装置を使えば夢を記録してずっと逢える。

戦争が起こっている。けれど殆どの人々には視えない戦争が。それが視える少数の人達は戦争を止める方法を必死に模索する。だがそもそも大多数に視えない戦争に止める方法などあるのだろうか?

ミヒャエル・エンデの警句の現代版だと感じた。「虚無」に侵食されて思考を放棄していく人々。それに抗うには自分の頭で考える行為しかない。自分の頭でこの世界を読み解いていく。正しかろうが間違っていようが。

ネタバレBOX

ジョーの母、マリ(高畑淳子さん)は娘のニコの自死を今も引きずって酒浸り。ニコはジョーに何かを伝えたがっていたとジョーを責める。

ジョーの妻、ハナ(倉科カナさん)はピアノ教師。姉のミカ(伊勢佳世さん)が精神を病んで自死してしまう。何かを知る父のケン(段田安則氏)はハナをジョーと別れさせようとする。

ミカの教え子で彼女に恋をしていたダン(小日向星一氏)はミカの自死の原因がジョーにあると突き止める。ジョーに近づく為、ハナのピアノの生徒になる。同じくミカの教え子でダンの友人、サラ(saraさん)はジョーのアシスタントに応募し選ばれる。

ジョーの視界に黒い点々が浮かびそれが小鳥となって飛び去る症状が続く。友人の眼科医ユーゴ(迫田孝也氏)の診察を受ける。

パフォーマーとして浅川奏瑛さん、加賀谷一肇(かずただ)氏、鈴木美奈子さんがアンサンブル的に小道具を回収したり運んだりする。進行と共に感情を表現するように踊り、無意識(イド)を象徴。浅川奏瑛さんにはニコの存在も重ねられる。

話は古典的なものだが語り口が難解。第一幕は要らない描写が多い。第二幕、saraさんが登場してから全くノリが変わる。まあこの語り口こそが作家性なのだろう。ただ勿体ないなとも思う。観客に“戦争”を終わらせる為に自身が出来る事を考えさせる作品にも成り得た。高尚な芸術作品で処理されてしまうと実に勿体ない。

星新一の商業誌デビュー作品『セキストラ』を思い出す。セキストラという性欲処理装置が販売される。それを使用すると電流が神経を伝わって脳を刺激し擬似オルガズムを発生、使用者の性欲が満たされる。この商品は大ヒットして世界中に普及。人々は満たされもう何も求めず静かに文明は滅んでいく。セキストラさえあればいい=完璧なドラッグ=完璧な宗教。

※後で確認するまで「ディープマインド」だと思っていた。
デミ・ムーアの『G.I.ジェーン』を想起。
キャッチコピー〈一人目は「警告」、二人目は「試練」、そして三人目は···〉。『クリスマス・キャロル』の3人の精霊は「過去」、「現在」、「未来」だった。今作の内容から考えると三人目は「(自分の)選択」だろう。

※表現が全て夢を見ているように揺らいで不確定。実はこれは全てジョーの「リープマインド」内だと思った人は多数いるだろう。
台所の女たちへ

台所の女たちへ

ONEOR8

ザ・スズナリ(東京都)

2026/09/26 (土) ~ 2026/10/12 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

山口組を観劇。男尊女卑の時代の話だが、ここに出てくる女性達は明るくて逞しい女性達ばかり。
どの人物も1人1人の個性がとても立っており魅力的でした。音無さんの舞台は何度か拝見したことがありますが、今回も静かだが芯の強い素敵な女性役でちょっと頼りない旦那さんとの夫婦の会話が良かったです。

ネタバレBOX

榊原郁恵さんはカラッとした明るいイメージだったので、少し悪っぽい愛人役が以外にも合っていてビックリでした。
真ッ逆様

真ッ逆様

柿喰う客

本多劇場(東京都)

2026/06/12 (金) ~ 2026/06/23 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

今までの柿喰う客のイメージとは違うポップな印象を受けたキービジュアル。
内容も歌があり華やかで明るいイメージはあったけれど、柿らしい鋭さは相変わらず残っていて、新たな「柿喰う客」のステージに進んだようでした。

ハルカス寄席

ハルカス寄席

近鉄アート館

SPACE9(大阪府)

2026/10/01 (木) ~ 2026/10/27 (火)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★★

笑福亭笑利さんが一番良かったです\(^o^)/

箱館に眠れ ーピリカと白虎ー

箱館に眠れ ーピリカと白虎ー

劇団B♭

ザ・ポケット(東京都)

2026/10/07 (水) ~ 2026/10/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

最初と最後のシーンに演出のトラ丸(伊藤 順)さんが出演し、孫娘とのボケとツッコミの漫才のような始まり方。これが全体の世界観を表しているようだ。ただ 全編にわたって もう少し笑いがうまく決まれば 惜しい。
物語は、副題にあるピリカと白虎の話を交差しながら展開していく。時は江戸から明治へ、その間に起こる戊辰戦争を背景にしている。

マキリ---アイヌの人々が使う小刀を介して、蝦夷の地 アイヌコタンと和人が住む会津(白虎隊)を繋げ、それぞれの未来(生きること)を模索する。今回 初挑戦となる殺陣シーンも それぞれの地での戦いを重ね合わせることで厚みを持たせている。
(上演時間2時間 休憩なし)

ネタバレBOX

舞台美術は 後ろに人が通れる大きさの額縁枠が3つあるのみ、上演前には幕が被せられている。トラ丸さん曰く 古い写真だと説明しているが、最後は絵であることが分かる。シルエットに映る人物は誰なのか、それが物語で紐解かれていく。舞台前方は広い空間、そこで殺陣シーンを観(魅)せる。上演前は海鳥の鳴き声、そこは蝦夷の地 箱館である。

幕末 会津戦争に出陣した若い武士が 何らかの事情で箱館に上陸し、榎本武揚率いる幕府軍に編入されている。いつの間にか道に迷いアイヌの人々がいる集落に迷い込む。そこでアイヌの人たちと話を交わし、少しだけ知り合いになった。アイヌ民族は松前藩に虐げられ 和人を信用していなかった、一方 幕府軍は戦闘員としてアイヌ民族を味方に引き入れたかった。そこで会津の若武者たちに その(仲介)役を担わせたが…。

会津では落城寸前、女たちの選択が迫られている。薩長に捕らわれ辱めを受けるよりは自害を選ぶ者、薙刀をもって戦闘に加わる者など、史実に近い話を盛り込むことで臨場感を漂わせる。知られた話として、武装女性部隊「娘子隊」は 薙刀を手に新政府軍と戦闘。一方 足手まといになることや辱めを避けるため自刃したといった悲劇 などである。

箱館では幕府軍がアイヌ民族を巻き込み、蝦夷の地を開拓し新世界を築こうとする。しかしアイヌ民族の和人に対する恨みは深く容易に承諾しない。やがて兵刃を交えだすが、それを止めようとした若武者が犠牲に、そして会津では母と姉が戦禍で命を落とす。この2つの場面を巧みに交差させた殺陣シーンが良かった。殺陣シーンを通じて母・姉と息子/弟の情愛がしっかり刻まれる。

ラストは、再び冒頭のシーンだが孫娘は登場せず、既に3年前に亡くなっていると。物語は爺の妄想なのか夢オチなのか、史実を盛り込みながらも現実離れした話(ファンタジー)は、笑いと泣きが適度に交わっていた。
次回公演も楽しみにしております。
殿堂の花売り娘

殿堂の花売り娘

電動夏子安置システム

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2026/10/07 (水) ~ 2026/10/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

前回の短編集の答弁の話を膨らませたストーリーみたいなイメージです。いつもどおり言葉遊び的な要素が多い作品。

ネタバレBOX

答弁の部分は多分ほぼ前回と一緒(?)なのがちょっと残念ですが、全体的にはいつもどおり面白い。遅れたり、忘れたり、馬鹿になったり、結局あの花は何なんだという気持ちはありつつ(笑)、会話が軽妙で面白いですね。

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