最新の観てきた!クチコミ一覧

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許されざる者

許されざる者

シンクロ少女

OFF・OFFシアター(東京都)

2016/05/17 (火) ~ 2016/05/24 (火)公演終了

満足度★★★★★

ハッピーver。幸せなのか?
面白い。
魅力あふれるキャラクターを備える5人と、
リズミカルにクロスする場面と会話。
難しい事抜きに楽しめた。
カオスな人間関係が蠢く濃密な物語、許されざる者は誰だったのか?
やっぱりみんな?なの?
とにかく、時間をやり繰りしてバッドエンドもぜひ観たい。
間に合うかな?

ネタバレBOX

本のキャラクターが良いのか?役者さんの演技がスゴイのか?
魅力たっぷりな許されざる5人。
とくにサヤカとナツコは両極端で相反するSとNの様。
しかし根底は同じ人間、
欲と煩悩に左右される女の性と、母なる女の強さは同じだった。コズエもね。
で、許されさるものは誰
8月の家族たち August:Osage County

8月の家族たち August:Osage County

Bunkamura/キューブ

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2016/05/07 (土) ~ 2016/05/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

「女」を傍観
すごい!すごい!!見せ方もいいよね。3時間以上も座っていたなんて思えない位、集中できた。いい感じに休憩も入り良かった。「女」ってどんな生物なんでしょうか??出てくる「男」たちによってさらに考えさせられました。姉妹、母娘…とそれぞれの立場とか思いとか、ぶつかり合いが見ていてスカッとするんだけど重たくも感じました。

何度もすみません

何度もすみません

MacGuffins

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2016/05/19 (木) ~ 2016/05/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

喜怒哀楽
素直に喜怒哀楽全てが湧き上がってくるいいお芝居でした。
キャストが変わるとどうなるのか?
もう一度観たくなるお芝居でリピーター割があるのも素敵です。
当日パンフレット破棄厳禁で。

余計者

余計者

teamキーチェーン

d-倉庫(東京都)

2016/05/18 (水) ~ 2016/05/23 (月)公演終了

満足度★★★

脚本の風通しの悪さは家族愛のとらえ方に問題か?
昨日から日暮里のd-倉庫で上演しているteamキーチェーン第11回本公演『余計者』の招待券が当たったので出かけてきた。この団体を観るのは初めてで、知り合いの役者も一人としていない。

ネタバレBOX

幼い時、借金に追われ幼い妹は借金取りに連れて行かれ、両親はその借財を生命保険で返すために自殺を図った。その少年が17年を経て、両親と別れ際に約束した「自分も妹も幸せになる」という約束を果たすため、妹を奪った借金取りカップルの住む地元に戻ってくる。地元だから、当然ながら幼なじみもいて、その幼なじみの家に出入りしながら借金取りカップルや妹を金で買っている会社員(その息子は引きこもりで借金取りの家を盗聴・盗撮している)、そして自分の正体を知られた幼なじみの家で知り合った女性までも殺してしまう。そして念願の妹を救い出した・・・と思った時、彼のことも本当の両親のことも幼すぎて記憶に残っていない妹は、自分を育ててくれた借金取りの女性の遺体にすがり「お母さん」と泣き崩れる。それを見た兄である元少年は、こんなはずじゃなかったと呆然と立ちすくむ。


借金取りカップル、妹を買う会社員一家、そして幼なじみ兄弟一家という3つの家族といえるべき人間関係に刑事も加わる複雑な人間関係は、脚本家が考えていたというか計算していたようには風通しの良い整理がなされておらず、どこか混沌として見ていてしっくりこないのが最大の問題点。特に、幼なじみの事件の真相を知っているようなそぶりをさせる理由や、引きこもり少年の存在意義というものが明確に示されていないのが気になった。
役者たちは皆熱心に演じていのには好感が持てたが、細かい仕草や個々の人物設定やその仕草の違い(使い分け)が乱雑であったような気がする。例えば、少年がいつもメモ用紙をなぜ持ち歩いていたのか、刑事が借金取りカップルの女性にだけは連絡先名刺を渡さず女性自身に連絡先電話番号を書かせたのか、警察手帳を上着のポケットではなくズボンのポケットに雑に持ってたのかなど、細かい点までもっと丁寧に演出すべきだろう。
主役とも言える少年や幼なじみの学生やその同級生たちの演技全般は、見ていて一応手応えがあった感じ。

この数週間充実した団体の舞台を見続けてきたせいか、今回はそうした細かな点で若干失望したと言わざるを得ない。
東京ノート

東京ノート

ミクニヤナイハラプロジェクト

吉祥寺シアター(東京都)

2016/03/24 (木) ~ 2016/03/28 (月)公演終了

満足度★★★★

東京そして人間を見下ろす
 岸田國士戯曲賞受賞作である平田オリザ作『東京ノート』(1994年初演)は、青年団などの上演で私はこれまでに複数バージョンを観たことがあります。物語の舞台がソウルだったり、日中韓3ヶ国語上演だったり、広い劇場ロビーでの上演だったり。東京デスロック版では俳優が観客の中に居る状態での上演でした。

 ミクニヤナイハラプロジェクトの演劇作品はたぶん過去に2作ほど拝見していて、俳優が早口で怒鳴るためにセリフが聴こえづらいことが、私にとってはストレスでした。でも今作は予想していたより遥かにセリフが聞きやすく、演出家の矢内原美邦さんが『東京ノート』を通じて示す今の東京、および人間社会を味わうことができたように思います。言葉の意味と激しく動く肉体、強烈な音響、視覚効果が相まった、独特のステージでした。

 出演者は21人と大人数ですが、パっと見ただけでも違いがはっきりしていて、それぞれに違う人間であることが認識できるほど個性的でした。なのに作品全体の印象は全く異なり、彼らはすっかり没個性化され、人間の集団、生命の集合体といった風に十把一絡げに扱われます。変化のスピードがとても早く、客席にいる観客も物語の当事者も、おそらく追いつけないし、その姿を把握できない。でもその渦中にいる…。それが現代の東京なのだと体感しました。

 ロビーの物販コーナーでは過去作品のDVDが充実しており、原作の文庫本(700円)も購入できました。ロビーで写真展も開催されていたようですが見つけられず。上演時間は約1時間15分と短めでしたが、舞台で起こる現象にあてられて、終演後はボーっとしていたかもしれません。

ネタバレBOX

 ほぼ何もないと言っていい空間で、白い床には動画が映写されます。俳優は白い長ズボンを履いており、上半身は色違いのシャツで、役割によってシャツを着替え、複数役を演じます。1役を複数人で演じたり、女性役を男性が演じたりして、俳優の交換可能性が明快でした。天井から四角い枠が3つ降りてきたり、赤く丸い映像(証明も?)が天井から舞台と人々を照らしたり、高度な技術があってこそ成立する緻密な演出効果に目を見張ります。無機的でシャープな美しさがあるものと、有機的でちょっと泥臭い人間存在との組み合わせから、様々な想像ができました。

 『東京ノート』の世界ではヨーロッパで大きな戦争が起こっていて、絵画がアジアに避難してきています。舞台となる美術館のロビーでは反戦運動を行う人、志願兵としてヨーロッパに向かう若者、軍需景気に沸く会社員たちがすれ違います。美術館のロビーで静かに語られる遠くの戦争が、今作では前面に、直接的に表れていました。個人的に、日本が戦争に近づいている実感があるため、掛け声のように機械的なセリフ回しや、足取りを合わせて同じ方向に進む群舞から、運動会、軍隊を連想しました。福島、ブリュッセルという地名は原作にあるもので、新しく追加されたわけではありません。東京電力福島第一原発事故や、ベルギー連続爆破テロを予言しているかのようです。

 俳優は先述のとおり皆、個別の魅力のある方々だったと思います。課されたタスクの膨大さ、難易度の高さは想像もつきません。稽古どおり、ルールどおりに全員で動くためには、俳優同士が慎重にコミュニケートし続ける必要があるでしょう。ただ、密な交流はあくまでもステージ上に収まっており、客席へは向いておらず、何かを伝えようとするエネルギーは感じ取れませんでした。お芝居が好きな私には少々退屈でしたが、高密度のインスタレーションだと思えば不満はありません。

 数年前に肉体関係があった女子大生(稲継美保)と元家庭教師(沼田星麻)の場面が特に面白かったです。私が今までに観た『東京ノート』とは異なる解釈が示されたようで、女子大生の怒りの表出のさせ方が直接的で、スカッとしました。誇張された動きは滑稽でもあるし、ちぐはぐなところに悲哀も感じました。
許されざる者

許されざる者

シンクロ少女

OFF・OFFシアター(東京都)

2016/05/17 (火) ~ 2016/05/24 (火)公演終了

満足度★★★★★

☆バッドエンドver☆観劇
凄まじい女の執念でした。

ネタバレBOX

バッドエンドバージョンを観ましたが、バッドエンドバージョンは隣家から上下の関係に変わったものの2014年7月に観た内容と同じような印象でした。

本当に自分が蒔いた種の報いに苦しめられる話でした。作家の男が現在の妻に対して子供を希望しないと言っていたのは、今も共同執筆者であり、現在の妻とも親しい元妻が自分の親友と再婚しようとする男に対して許しがたくいたたまれない気持ちを抑え込み、再婚を許すぎりぎりの条件として子供を作らないことという呪いのような束縛を男に突き付けたことに起因してのことでした。表面の付き合い振りと心の奥底の違いに、女の執念の凄まじさに驚愕し、その描き方の素晴らしさに感服しました。

KAATで本年1月に、趣向『THE GAME OF POLYAMORY LIFE』を観ました。それぞれが複数の相手と性的関係を持つポリアモリーと呼ばれる人たちの話でしたが、そのとき子供ができたときにそれぞれが子供を愛し育てることができるのだろうかと考え、そこを描いてほしかったなと思ったことを思い出し、『許されざる者』の結末が一つの正直な気持ちではないかとポリアモリーでない私は思いました。
愛情の内乱

愛情の内乱

ティーファクトリー

吉祥寺シアター(東京都)

2016/05/12 (木) ~ 2016/05/25 (水)公演終了

満足度★★★★★

TFactory:「愛情の内乱」
 夏のような陽射しの照る土曜日の昼下がり、吉祥寺シアターで末原拓馬さんが出演されているTFactoryの舞台、「愛情の内乱」を観て参りました。

 今回の舞台は、私にとっても、色々と感慨深く特別な舞台でした。

 なぜかと言えば、生前母が好きだった白石加代子さんがこの舞台に出演されていたからで、母の影響で、私も白石加代子さんが好きになり、1度白石さんの舞台を観たいと10代の頃から思っていたのが今日、末原拓馬さんと共演のこの舞台で拝見出来たからだ。

 若かりし頃の母の写真をバックに忍ばせて、母と一緒に観ている気分になる。生きているうちに母にも観せてあげたかった。

 舞台に置かれたちゃぶ台と襖、舞台に有るのはそれだけ。ちゃぶ台は家族の象徴。

 そこで繰り広げられるのは、母と3人の息子の「愛情の内乱」。

 遠い未来の近い過去。とある地方の大きな家。立ち退きを迫られているその家に暮らすのは、母と次男と謎の家政婦。

 家族を絶対的な力で支配しているのは、母。その母から逃れる為に志願して戦場に行った長男と母を愛していながら恐れ、長い間家を出ていた三男。

 退去勧告を受けても尚、家に居座り続ける一家に興味を持つ男が、TVのドキュメンタリーを撮りたいとやって来たのと時を同じくして、戦争で英雄になった長男アニと長い間家を出たままだった三男のジンが帰って来て、家族の歯車は思いもかけぬ方向に回って行く。

 顕になってゆく家族の問題と過去の記憶。最後に待ち受けている結末とは....。

 あらすじを言うとこういう物語なのだが、これはきっと、誰もが思い当たる親と子の物語であり、私の、そしてあなたの物語でもある。

 良くも悪くも母は子供が老人になったとしても母なんだと思う。私の母は子供の顔を見ただけで子供の心や状況を理解して、見守ってくれる母だったが、白石加代子さんの母は、どちらかと言えば、私の父に近い。

 そんな父から逃げたくて、逃れたくて、煩悶し葛藤し、時に憎みもし、父と離れたいと思い続けた母が亡くなった15歳の時から、父が兄の家の近くの施設に入って離れるまでの34年間を、この舞台の白石加代子さんの母を観て思い起こした。

 高圧的で支配的、息子たちにとっては、ある種恐怖でもあり、疎ましくもあり、心の奥底では愛している白石加代子さんの母を見ているうちに、ふと思う。疎ましく重く思っていた父の高圧的な態度は、私への父なりの愛情を間違った発露の示し方だったのだと。

 母を愛し過ぎていた故に、容貌は年々母に似て来ながらも、母のようにはなれない娘の私への苛立ちと失望と、そのことで、私にあたってしまう自分への苛立ちと多少なりとも持ち合わせていた私への愛情を上手く表現できず、誤った表現と発露で埋め戻す事の出来ない溝を作ってしまった父の心に思い至る。

 白石加代子さんの演じる母がそうだったように。

 認知症が進み、苛立ちを暴力で表し始めて兄の近くの施設に入り離れた父は、もう、私のことも忘れ始め、私を私と認識することさえ覚束無くなりつつある。「愛情の内乱」を観て、 ふと、その事に気づいて少しだけ父を赦し、少しだけ理解できた気がして最後に泣いた。

 大場 泰正さんの長男アニは、もしかしたら、私の兄と重なるのかも知れない。両親に反抗したこともなく、親思い、友達ともめることもなく、良く出来た兄と言われ、其れに比べてお前はと比べられて育った私。

 大場泰正さんのアニも正に、良く出来た兄と言われて育った長男。しかし、そう言われ続ける長男のプレッシャーと、「良く出来た兄なのに、反抗ばっかりして、お兄ちゃんを見習いなさい。」と言われ続けていた私は、兄にとっては、家では言いたいことを言える、気楽で我が儘勝手で反面、羨ましいとも見えていたかも知れない。

 誰よりも私の味方で、私を判ってくれた母だったけれど、唯一今でも、それは言わずにいて欲しかったのは、「お兄ちゃんに比べて」「お兄ちゃんを見習いなさい」という言葉と、死のひと月ほど前に言われた、「あなたは、打たれ強いから心配ないけど、お兄ちゃんは打たれ弱いから心配。私に何かあったら、お兄ちゃんを頼むわね。」という言葉であり、その言葉に長らく呪縛され、苦しんだ事を兄は知らないだろう。

 二人兄妹の末っ子でありながら、長女でもある私は、どちらの面も持ち合わせ、どちらの立場も何となく解る。

 そういう意味において、一番感情移入をして観られたのは、兼崎健太郎さんの次男ドスと末原拓馬さんの三男ジン。

 兼崎健太郎さんのドスは、心の奥底では母に愛して欲しかった寂しさと愛情を持っていながら、絶対的な力で支配する母を疎ましく思い逃れたい、家を出たいと思いつつ、残された母と母への思いが踏みとどまらせ、逃れたいと思いながら息子としての葬り去ることの出来ない、家族の愛情というに引き裂かれそうになりながら、自らをこの家と母に縛りつけているという事にさえ気づいていながら、行くも戻るも出来ない自分への苛立ちと諦め、其れに抗う気持ちを持て余し、葛藤しているように思った。

 それは、嘗ての私の姿と重なり、胸が軋んだ。

 末原拓馬さんのジンは、母を好きで愛しているが、その反面、母の絶対的な支配力に、自分が搦め捕られていつか、自分が自分として生きることが出来ないのではないかという不安と、これ以上この家にいて、母の影響下に居続けることへの恐怖から、家に居られないと家を出ることを選んだ。

 その、ジンの葛藤と不安もまた、私が父に対して長年感じ続け、呪縛されていたものでもあった。

 ここまで読むと、重くシリアスな母と子の愛憎の話のようだが、コミカルでユーモラスな笑いも随所に散りばめらていて、鬱々とした感じは一切ない。

 随所に笑いを散りばめながらも、しっかりとそれぞれの抱える痛みと葛藤、母と子、家族の愛情という、厄介で、でも、どうしようもなく愛しい家族の姿がある。

 最後の最後に、母の自分達への愛を知った息子たちは、その先に新しい家族の愛情の形があるのではないかと思わせる。

 その意味で、これはある種のハッピー・エンドの物語なのではないかと思う。
 
 心に様々な思いが兆した舞台だった。

文:麻美 雪

紙の方舟

紙の方舟

シアターノーチラス

小劇場 楽園(東京都)

2016/05/18 (水) ~ 2016/05/22 (日)公演終了

満足度★★★★

第20回公演おめでとう 花四つ星
 イエスの方舟事件というのをご存じだろうか? (追記2016.5.22 14時半)

ネタバレBOX

1970年代当初、千石イエスの下に集まった20人ほどの男女は“集団誘拐された、神隠しにあった、更には洗脳されたセックス集団”などと1980年頃から騒ぎ始めたマスメディアの縷言蜚語で攻撃された。殊にその中心に居た千石イエスは非難の的にされたのである。然し後には、参加していた総ての人々が、自ら進んで家庭を捨て、集団生活を営むようになったことが判明。騒ぎは収束に向かった。
 今作は、この事件にインスパイアされた作・演出を担当する主催者の作品である。自分自身、言葉を紡いで生計を立てて来た身でもあり、週刊誌記者となる道も選択肢の一つであっただけに、結果的にその道を選ばなかったが、メディアの取材態度や時流に乗り、或いは時流を作ってゆくことに様々な思いもある。
 ところで今作、日本の家族関係という習慣に疑義を呈したどちらかといえばセンシブルで比較的豊かな社会層に属し目立たなかった人々のうち、習慣としての制度に疑義を抱いて家を飛び出したモラトリアム人間たちのような気がしてならない。中心になっているマザーと呼ばれる人物は無論一度も登場しない。これが、日本的制度の本質だからである。即ち空虚が他者を蝟集する役割を果たすのである。現在、マザーを継ぎそうな者は二人。創設メンバーのイズミ。そして創設メンバーではないもののリーダー格のスミレである。どちらかというと受け身で状況の中で頼って来る者の発する声を聞き取ろうとするタイプで現マザーに近い。それに引き替えスミレは合理的判断に基づき、総てを思うがままに作り上げようとする。どちらが継ぐことになるか議論になろうが、実際に彼女たちの何れかがマザーを継ぐことは無いように思う。何故なら、彼女たちの何れもが現マザーほどの神話を未だ身に纏ってはいないからであり、それを纏う為には継承儀式が必要となり、そうなれば、最早、本物ではなく唯の代理に過ぎないからである。
然しながら、今作に登場するキャラクターのうち、最大の発明は、ウキタというキャラクターであろう。彼こそこの作品がイマージュの基底としている千石イエスの方舟事件そのものを、人間存在の不条理の側から平衡化しているキャラクターだからである。どういうことか? 彼の生は、謂わば生きながらの死である。彼が時々生命を奪わねばならぬのは、自らの生を確認したいからなのだ。だが、他の命を奪うことによってその問いに答えが与えられることはない。単に彼の向き合う情況に更なる虚無を付与する行為であるというに過ぎないのだ。だが彼自身、それを自覚することは未だにできていない。何となれば彼には社会性が無く、それ故にこそ虚無に相対し、虚無から「自ら」を覗きこまれることによって自らを虚体と為しているからである。一方、紙の方舟は世間から見ると疎外された存在であるが、彼らは社会性自体を失っている訳ではない。唯心理的に「シンドイ」レベルに居り、一種のシェルターとして“紙の方舟”と名付けられたモラトリアムの船に載っているだけである。実際、彼らは紙の方舟に乗っていた訳ではなかった。紙の方舟を待っていたのである。
 一方、この方舟の中でも一般社会対方舟の縮図が描かれている事に注意せねばならない。その構造はウキタvs他のメンバーであり、疎外のレベルはこの小集団の中ではウキタが担っているのである。そして彼の疎外こそ、その非社会性の強度に於いて唯一、マザーに対置し得るパップとしての虚体であり、男性原理の本質でもあるのだ。従って彼の魂は彷徨しており、彷徨とは死であることは今更言うまでもない。
 つまり今作が提起している問題の根は、単に大衆によってまき散らされた縷言蜚語が何を為したかではなく、それをそのような形で成立させる為に用いられた謂わば制度の構造とその心的・深的機構、その機構の中心に「存在する」虚についてなのである。
余計者

余計者

teamキーチェーン

d-倉庫(東京都)

2016/05/18 (水) ~ 2016/05/23 (月)公演終了

満足度★★★★

切ない。
作品を見終わって切なかったですね。思春期にこのような事が起きると感受性が強い時期ですから仕方がなかったのかもしれませんが、それにしても子供は親を選べないですね。切なく複雑な気持ちになりました。

8月の家族たち August:Osage County

8月の家族たち August:Osage County

Bunkamura/キューブ

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2016/05/07 (土) ~ 2016/05/29 (日)公演終了

満足度★★★

観てきました☆
豪華な俳優陣のなかで 麻実れいさんの存在感がずば抜けてました!
素晴らしかったです!

シアターコクーンで マイク無し! やっぱり生声がいいですね!

翼とクチバシもください

翼とクチバシもください

クロムモリブデン

赤坂RED/THEATER(東京都)

2016/05/11 (水) ~ 2016/05/22 (日)公演終了

満足度★★

観てきました☆
う~ん… 今回はちょっとハマらなかったな~

ネタバレBOX

あまりにも  訳わからないセリフと動きが多すぎ。。   
それと、 クロムらしい  毒気 が足りなかった。。
それぞれの キャラも なんか 薄い感じで。。

まあ、 そんな中で 池村さんと、ゆにばさんは いい感じで良かったです!

でもでも、 消化不良ですね。。  次回に 期待して待ってます!
翼とクチバシもください

翼とクチバシもください

クロムモリブデン

赤坂RED/THEATER(東京都)

2016/05/11 (水) ~ 2016/05/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

サイケ
サイケデリックな世界でアングラな雰囲気があり、幻覚のような感覚で気に入った。「無意味」の比率が高く好みがわかれるだろう。

許されざる者

許されざる者

シンクロ少女

OFF・OFFシアター(東京都)

2016/05/17 (火) ~ 2016/05/24 (火)公演終了

満足度★★★★

バッド観劇
記憶違いでなければ、初演のアトリエヘリコプターでやっていたのもバッドエンドverだったのでは。名は体を表すシンクロ芝居、ハッピーエンドverを観られないのが残念。

赤い竜と土の旅人

赤い竜と土の旅人

舞台芸術集団 地下空港

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2016/03/03 (木) ~ 2016/03/13 (日)公演終了

満足度★★★★

原発、難民問題などを力強いファンタジーに
 ある田舎の島に漂着した旅人が持っていた“釜”の不思議な、巨大な力が、人々の暮らしを一変させます。釜の力の由来や、それを利用しようとする勢力、やがて起こる大きな災害…。物語に日本の原子力政策や東京電力福島第一原発事故、そして事故後の世界を映していることは明らかです。

 そんな社会派と言い切っても問題ないお芝居ですが、オリジナルの楽曲とイスを使った表情豊かなステージング、工夫を凝らした身体表現によって、躍動感のある娯楽作に仕上がっていました。衣装とヘアメイクが凝っていて、役の区別もつきやすく、デザインも良かったです。

 ドローンを用いた予告編ミュージック・ビデオのクオリティーの高さに驚きました。クラウドファンデイングで資金を得て、3/12(土)19時の回は英語字幕付きで、Ustreamで無料中継されました。この作品が生まれるきっかけとなったイギリス・ウェールズ国立劇場のスタッフもご覧になったようで、国境を超えたアーティスト同士のつながりを維持する努力が素晴らしいと思いました。

 本番直前に病気降板になった俳優に代わって、奥田努さんがタンレ役で出演されていました。タンレはいわゆる悪者として物語を引っ張っていく主要人物です。奥田さんが所属されている劇団Studio Lifeは中劇場ツアーも行っている、数十年の歴史がある劇団です。奥田さんは大勢の俳優を抱える同劇団で主役も経験されています。中堅舞台俳優の底力を見せていただけたように思いました。

ネタバレBOX

 片足の少年(村田慶介)、赤い竜(田代絵麻)、土の旅人(野田孝之輔)に込められた意味を探ろうとしたら、便利で危険な釜が登場し、必死で謎に食らい付いていこうとしたのですが、“釜と人間との契約”のところで頭がこんがらがってしまいました。テーマを盛り込み過ぎではないでしょうか。複雑なことも敢えてファンタジー、寓話として楽しむのも方法かもしれませんが、私は“とことん意味を知りたい病”を発症してしまいました。そして快癒できず…。

 釜に物を入れると新品になり、人間を入れると若返って元気になります。役人や豪商がその利権を独り占めしようとしますが、釜から出た人間に穴が開くことがわかります。昔、旅人は自分の故郷を破壊した黒い竜をしとめ、釜に閉じ込めました。そして黒い竜と、「釜に入れた物・人で、旅人の故郷を元に戻していく」という契約を結んだのです。釜に入った人間は元気になりますが、旅人の故郷の穴を埋める代わりに、その人間の体に穴が空くという設定でした。

 旅人の故郷は原爆が投下された街(広島もしくは長崎)だったとわかったところで、黒い竜の正体は原子力爆弾、原子力発電の材料となるウランであると予想がつき、日本が原爆をいつでも作れるように、原発関連施設を保持していることとつながります。
 キャパオーバーになった釜は黒い竜が焼き尽くして爆発。土の旅人の故郷と同じように、ロイの故郷も破壊されました。原子力発電所の輸出や放射性廃棄物の再処理工程を想像してしまいます。それは日本とウェールズをつなぐものでもあります。

 黒い竜がウランで、赤い竜が島に住まう神だとすれば、両方とも土から生まれたものです。私たちの故郷(地球)には常に善悪の種があり、どれも使い方次第。2つの竜のパペットがぶつかりあう戦闘場面は、不思議な感触のクライマックスでした。竜を操る複数の俳優(=人間)の懸命の演技は胸を打つものがありました。

 ほぼ何もない舞台で、俳優は両袖にスタンバイし、舞台に出ていない時も観客の目にさらされます。そういえば俳優は開場時間からステージに居て、それぞれ自由に発声、体操などのアップをしていました。開演まで30分あったのでしょうか。私には長すぎましたね、観ていてちょっと疲れてしまいました。

 俳優の中では、主人公ロイを演じた村田慶介さんの歌声が素直でいいなと思いました。ロイのおば・ミシェ役の野々目良子さんも声に説得力があり、力強い存在感でした。あとは先述の奥田努さんが印象に残っています。
『売春捜査官』

『売春捜査官』

劇団EOE

都内某所(東京都)

2016/05/18 (水) ~ 2016/05/18 (水)公演終了

満足度★★

試練の三番勝負、最終章
絶対エースなきあとの起死回生をかけた劇団EOEの試練の三番勝負、主宰の真生は、まだ金を取るレベルではないと、無料公演を三度続けて実施した。実に潔い態度というか、太っ腹である。私は数少ない全回参加者ではないかと思うが、申し訳ないとは思うが毎回辛口のコメントを続けている。全回出演の劇団員高橋、正直華のある役者とは言えないが、厳しいEOEの練習にもう一年以上参加し続けている、現在では最古参役者だ。EOEがいつも言っている愚直な努力という言葉を正に実践している真面目な人なのだろう。確かに少しずつ演技が上手くなって来ている。特に滑舌は最初と比べると遥かに良くなっている。最初は客演だったが前回から劇団員となった宮本、理由は知らないが、本公演限りで劇団員をやめるとのこと。前回は主役の伝兵衛を演じたが、私は酷評した。あまりに滑舌が悪かったからだ、今回は初回と同じ戸田役であったが、前回と比べてるとやはりはるかに滑舌が良くなっていた。EOEの似合う人だっただけに退団は少々残念な気もする。今回の主役である、最近劇団員となった井内は、あまりに滑舌が悪く、台詞を言うのがやっとのレベル、とても主役の器ではなかった。今回唯一の客演であった戸田であるが、舞台に立つのはまだ二度目とのことであった。比較的滑舌も良く、荒削りではあるが、磨けば光る逸材との印象を受けた。このような役者がEOEに入団したら、また風向きもかわるのではと思われた。
この一週間の間に、宮本ともう一人ブログだけで姿を見せていた劇団員の2名の退団発表があった。次々と役者が辞めること自体はもう耐性ができていて、特段驚くことではないが、さて、次回はどんな形で公演を打つのか、またその時は金を取るレベルになっているのか、長年のEOEファンとしては、不安を隠せない。微風とも言える追い風が、まだ吹いているのか?
次なる何らかの発表を待つしかこちらとしてはすることはない。願わくば、絶対エースの復活であるが、やっぱ難しいんだろうな。あっちゃん、カムバック!

ご来場ありがとうございました。  ブルックリン

ご来場ありがとうございました。 ブルックリン

ミュージカル座

六行会ホール(東京都)

2016/05/11 (水) ~ 2016/05/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

最上の至福
素っっっ敵な作品でしたぁ✨💖😁💖✨

“人間”の真の力強さや
“愛”の深さや大きさ
“信頼”の強さ
そして、
“人の心”の温かさ。。。

そんな想いのたくさん詰まった素敵な「おとぎ話」
を、舞台と云う名の路上でパフォーマー達が
パワフルに、
時に笑いもありつつ、
時に優しく繊細に紡いでいました✨💖✨

と、共に
素敵でパワフルな生演奏とミュージカルナンバーの数々もホントに素敵過ぎる✨💖😁💖✨

更に加えて、心地好くてカッコいい照明が
作品に素晴らしい彩りを添えていました✨💡💡💡✨

何から何まで
ホントにホントに素敵な作品で、
魂の奥底の大切なモノが
熱く、温かく包まれた感じです。

闇狩人

闇狩人

日本テレビ

天王洲 銀河劇場(東京都)

2016/05/13 (金) ~ 2016/05/22 (日)公演終了

満足度★★★

漫画だと…

面白いんだろうけど…舞台はちょうと世界観が出せなかったのではないんでしょうか?なんて、思いました。最初のナレーションから正直に期待は失せました。が、殺陣はよかったです。

舞台 下天の華 夢灯り

舞台 下天の華 夢灯り

オデッセー

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2016/05/13 (金) ~ 2016/05/23 (月)公演終了

満足度★★★★

思ってた以上に

かなり楽しかった。物語りもわかりやすく、主役の女子もかなり動ける方だったので、殺陣も凄くよかったです。個人的になりますが、小笠原くんの信長さまがめちゃくちゃ素敵でした。後、蘭丸が信長さまより背が高いのは違和感がありましたが、キャラ1人1人のドラマがちゃんと見えていた舞台だと思います。

しんじゃうおへや

しんじゃうおへや

yhs

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2016/03/12 (土) ~ 2016/03/13 (日)公演終了

満足度★★★

当事者と現場を題材に描く日本の死刑
 南参さんの前説が非常に微笑ましくてつかみはバッチリ!客席もちょうどいい感じの満席でした。開演前にin→dependent theatre 1stの広いロビーでもいい時間も過ごせていましたので、私にとってとても幸せな小劇場観劇になりました。

 ある死刑囚の男性を中心に、刑務官や謎の女性を登場させ、死刑にまつわる人々の思いをドラマティックに描きます。シンプルな舞台美術が、拘置所内の死刑執行室、死刑囚の独房、誰かの部屋へと、境目なくスムーズに変化していきました。夢と現実、過去と現在の境目を曖昧にさせるのも巧みです。死刑がテーマですから、どうしても空気が重たく、暗くなりがちなところ、ちょっとトリッキーな劇中劇や、電気屋の3人組を登場させて笑いを取るシーンが挟まれていました。残念ながら私には笑えなかったんですが…。

 死刑囚を描いたお芝居だと風琴工房『ゼロの柩』が強く印象に残っています。死刑囚は刑務所ではなく拘置所の独房に収監され、弁護士や親戚などのごく身近な人としか面会できないし、基本的にずっと一人きりなので会話もできません。それが何年も続く、そしていつ終わるか(死刑の日が来るか)は、全く知らされない…。セリフでは死刑囚の三塚(小林エレキ)と刑務官の小栗係長(能登英輔)がそれぞれに1度話す(解説する)程度だったので、お芝居の前半でもっと詳しい説明があっても良かったのではないかと思いました。

 演技については残念ながら拙さが気になりました。私の勝手な考えですが、俳優の演技とは人と人との間に生まれるもので、セリフをしゃべっていても、いなくても、常に他者から何かを受け取っている状態で、起こるものだと思っています。このお芝居では、自分の中で想像して作り出した演技を、ただ披露しているだけの人が散見されました。

ネタバレBOX

 刑務官たちが死刑執行の予行演習をする場面から始まりました。実際の執行方法がわかりますし、「執行のボタンを押す刑務官もまた人殺しなのではないか」というテーマに、早くから目を向けさせる効果もあったと思います。また、妹をストーカーに殺された刑務官がいることで、被害者家族の視点も描いていました。

 死刑囚の三塚は大人しいので最初は“悪人”には見えないのですが、彼がある部屋で謎の女性(被害者の幽霊または幻)と出会う場面が少しずつ挿入され、3人の女性を無差別に殺傷した“非人道性”が明らかになっていきます。終盤の教誨師との会話では、三塚の不幸な生い立ちがわかってきて、死刑囚の“人間らしさ”もまた際立ってきます。三塚と長らく接してきた刑務官は、罪人とはいえ彼は人間だと思うしかなく、そうなると自分たちが殺人者であると認めることになります。死刑という制度の矛盾と問題点が、当事者の心情を描くことでわかりやすく示されていたと思います。

 三塚が女性殺しを具体的にやって見せて、自白しながら心情を吐露している時に、唐突に電気屋3人が登場する…というのが最後の場面でした。あの世とこの世が重なる趣向が面白かったです。

 電気屋3人がいたのは死刑執行室の直下にある地下室。床と天井に四角い白い枠を設置して、上の階と下の階の両方を想像させる工夫がいいですね。
 電気屋のシーンで特に感じたのですが、女性(女優)の扱いが少々乱暴すぎる気がしました。物語の中の職場では男性から女性へのパワハラ、セクハラが横行しているようです。

 小林エレキさんが演じた三塚は“無差別殺人犯の死刑囚”という、演じるハードルが非常に高い役柄。自分の殻に閉じこもって自問自答するタイプで、他者と関わるのがとても下手な人物です。過去と対峙する恐怖や、それゆえ曖昧になる記憶、突然あらわれる幻想、常に襲ってくる孤独…。一人の人間に背負わせるには重すぎるものを表しながらの熱演でした。
 小栗を演じた能登英輔さんは、相手とその場でコミュニケーションをしているように見え、刑務官の葛藤にリアリティを感じられました。
許されざる者

許されざる者

シンクロ少女

OFF・OFFシアター(東京都)

2016/05/17 (火) ~ 2016/05/24 (火)公演終了

満足度★★★★

ハッピーエンドバージョンを拝見
 マンションの上下階に住む2組の夫婦の奇妙な交流を描いた作品。

ネタバレBOX

ローンの残りは下の階の住人(町田 ゲンキ・サヤカ)は30年、姉さん女房で一回り年が違う。ゲンキはフットサルのコーチ、サヤカは市民劇団の女優。上の階の住人のローンは残り10年(坂本イクオ・ナツコ)、なおイクオはバツイチでTVのシナリオライター、前妻(鈴木コズエ)との間に8歳になる一児あり、シナリオは前妻と未だに共同執筆している。因みに両夫妻とも結婚6年の倦怠期。
 サヤカは一回り姉さん女房ということもあろうが異常な嫉妬でゲンキを追い詰める。その模様は、見ていてげんなりするほどだ。というのもゲンキがシングルマザーと浮気をしていたことがバレタ結果なのであるが、連日、一から十までそのことで絡まれ、蒸し返されてゲンキも遂にサヤカに浮気を勧める。ここで、大人同士の手練手管を用いた駆け引きがあるのだが、このマンション建付けが悪いのか階下の物音が上階へ筒抜けである。コズエからこの情報を得ていたナツコはベランダに出て階下の言い争う様を見聞きするのを楽しみにしている。“他人の不幸は蜜の味”とはよく言ったものだ。そのナツコは一応、目の前にいる時、亭主が自分を愛してくれればよい。浮気も基本的には許すというスタンスで、コズエとイクオが良く一緒に映画を観に行っていることも黙認している。それでも、小遣い稼ぎにドーナッツを揚げて売っている。味には定評があって、リピーターも多い。偶々、ナツコからドーナツを買ったゲンキ、自然と話をするようになってナツコの提案で気分転換にスカイツリーに出掛けた所、サヤカにばれ、ここでもひと騒動。それぞれ、連れ合いに知れることとなった為、二組の夫婦は話し合いの場を持ち、結果納得づくでスワッピンングをすることとなったが、卵巣を一つ摘出して妊娠しにくかったサヤカもナツコも妊娠した。これはルール違反だとしてゲンキが激怒。二組のスワッピングは終わりを告げることになった。イクオと別れてから長くシングルマザーを続けてきたコズエは、ゲンキの紹介で知り合った男といい関係になって、イクオとのコンビも解消することにした。ゲンキは自分の子ではないであろうお腹の子を自分の子として育てる決意をし、田舎へ引き籠ることにした。それが、サヤカの希望であったからである。ナツコのお腹の子はイクオの子だとナツコは言う。だが、ナツコもイクオの持つ距離感に耐えられなくなって別れることになった。イクオは独立したシナリオライターとして生きてゆくことになるが、ちょっと元気がない。
 許されざる者、というのが誰、というのでもない今作、総ての登場人物が許されない、と解釈することもできそうだし、だれだれ、と考えることもできよう。然し、浮気をしまくっているのは、大体金を持っている連中である。自分も某企業に勤めていた時、親族経営の会社だったのだが、その業界の日本一の企業の会長の息子など、男女関係なんて結婚してからでも好きにすればよい、と平然としていたものだし、今はフランスに住む、自分の先輩などは、近場のグアム等へ船旅をする有閑マダムと遊んで散々金品をせしめていた。男女関係なんてその程度のものだろうとする人々は、自分の周りにもこのように存在していた。一方、今はヒューストンに住んでいる研究者夫妻は、高校時代のカップルがそのまま結婚してずっと連れ添っている。幸せな夫妻とはこういうカップルなのだろうとつくづく思わせる素敵なカップルである。また、学生時代は左翼運動の書記長で頭は切れるが、金に縁のない先輩もいる。奥さんは、優しい方で上手にやりくりしながら団地で慎ましい生活を送っているが、子供達の性格の良さがこの夫婦の円満を示しているようで微笑ましいご夫婦である。このカップルも幸せだろうと思う。
 国王夫妻ではブータンのワンチュク夫妻。王子が生まれてそのニュースは微笑ましいと受け取られた。
 効果音の使い方、選曲のセンス舞台装置の配置などが上手い。このメイルような内容で、観客をひうっぱる力は実力派だが、ナツコの執着には、怖気をふるうのも事実である。

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