成り果て【グリーンフェスタ2016 GREEN FESTA賞 受賞作品】 公演情報 ラビット番長「成り果て【グリーンフェスタ2016 GREEN FESTA賞 受賞作品】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    池袋のシネコンならぬシアター・コンプレックスであるシアターグリーンが主催するグリーンフェスタも、今年はそろそろ終盤。
    昨年のグリーンフェスタでは従来の作風とは異なった残虐でグロテスクな「白魔来る-ハクマキタル-」を上演しどの賞からも漏れたラビット番長だった(私はこの作品、好きだった)が、今年は一昨年のグリーンフェスタで最高賞のGREEN FESTA賞を受賞した「天召し~テンメシ~」同様に将棋の世界を描いた作品で再度賞金100万円を狙ってきた(笑)。 

    一部ダブルキャストのBチームを鑑賞。フェスタ割(グリーンフェスタの他の公演の半券を呈示すると安くなる!)で入場。 

    さて小劇場演劇で将棋モノというと、鋼鉄村松が11年暮に「二手目8七飛車成り戦法」を上演しているが、それと前述の「天召し~テンメシ~」以外は記憶にない。むしろマンガの方に多い。私の記憶に残る最も古い将棋マンガは、もう知っている人もほとんどいないと思うが(Wikipediaにだって載ってない!)、水島新司がまだ野球ものに手を染めず、大阪の日の丸文庫という出版社で貸本用マンガ単行本を描いていた頃(50年以上前!)の作品「歩(ひょこ)」である。このマンガは将棋が何よりも好きな少年の物語だが、銭湯の洗い場のタイルを盤面に見立て、木桶を駒として並べ、湯舟につかりながら手を考えているところへ、入ってきた男がひょいとその桶のひとつを取り上げると、少年が「あかん、おっちゃん。それワイの歩(ひょこ)や、取ったらあかん!」と叫ぶ場面がある。なにせ貸本用のマンガとあって1回しか読んでおらず、詳しい筋は忘れてしまったものの、その場面だけは今でも鮮明に覚えている。当時貸本は大体1冊が1日(1晩)10円だった。りんご1個分くらいだ。小学生のお小遣いも1日10円というのが相場だったが、私はそれを毎日貸本に使っていた…。 

    受付開始(=開場)15分前に会場着。が、既に10人近くが並んでいる。劇団の説明に“池袋演劇界の申し子、今池袋で最も売れかけている劇団”とあるが(笑)、確かにその人気の程が窺える。 

    【❤】フン、これ書いてるあんたは“売れかけている劇団”よりも“熟れかけている女”が好きなくせに…。え、アタシ? アタシはこれ書いてるヤツの心に住んでるホンネよ。バシバシ突っ込んじゃうからネ。 

    開場されて中に入ると、舞台は2層に分かれている。奥の高い所では、着物姿とスーツ姿の2人の男が対局している。スーツ姿の男の後ろにはノートパソコンに向かっている男。そしてその手前低い所(通常の舞台面)には大盤が置かれ、その両側に男女。実はこれ、将棋連盟の会長である谷山がコンピュータソフトのジーニアス(パソコンに向かっている男が開発者で、スーツ姿の男はその指示に従って駒を動かしているだけ)と闘っているのを、野月と千葉という棋士の2人がTVで大盤解説をしている設定だ。 

    開演15分前からその大盤を使って将棋の基礎知識の講習が始まる。将棋のルールを知らない者も楽しめるようにという配慮にみえるが、実のところ劇中ではそういう駒の動きを知っていないとわからない場面などひとつもない(笑)。あくまで開演前の客席のムード造りだ。 

    【❤】何エラソーなこと言ってんだか。あんたなんて、この千葉役の瀬上摩衣が美人だからって、それだけで喜んじゃって、目はランラン、鼻息荒く、ヨダレ垂れっ放しでみっともないったらありゃしなかったワヨ。花粉症だなんて言ってたけど、もうミエミエよ。前説でも「客席内での淫色はご遠慮ください」って言ってたのに…、え、淫色じゃなく飲食…そんなのどっちでもいいじゃない。アタシ教養豊かだからつい頭にタクサン漢字が浮かんじゃうのヨ。 

    定刻に開演。開演時間にルーズな小劇団が多い中でこれは気持ちがいい。 

    【❤】アラ、瀬上摩衣がハケるのを残念そうな目で見てたのは誰よ。このハゲ! 

    (以下、ネタバレBOXにて…)

    ネタバレBOX

    舞台の大盤が片づけられ、奥の壁が両側に広げられると、舞台は森(井保三兎)が主宰する関西将棋会館に早変わりする。そこに東京での対局を終えた船井が帰ってくる。 

    【❤】って、東京みやげが「ひよ子」なのよねェ…。「ひよ子」ってそもそも福岡のお菓子なのよ。今は東京ひよ子って別会社にしてるみたいだけど…。福岡に行くのに「ひよ子」を持って行く人よく見かけるけど、裏でバカにされるダケだから要注意よ! 

    で、この将棋会館に所属する船井と彼が尊敬する天野、その妹で天性的な強さを持つ桂子といった面々が、森を心の中では蔑視する谷山やパソコンソフトとの対局をめぐって吸った揉んだする、イヤすったもんだすることとなる。 

    【❤】あーら、やっとホンネがぽろりネ。桂子がセーラー服から私服になった途端に「胸、でかッ!」って感嘆していたあんただもん。“吸った揉んだ”が真っ先にくるわよねぇ…。 

    そうまさしくDangerous Curve…いや、そんな失礼なことを言ってはいけない。この桂子役の雪島さら紗、実に適役。可憐な感じと厳しさを併せ持った役柄を見事に演じている。なにより、対局している時の目の鋭さが素晴らしい。実力がついてきたから井保三兎が今回の大役に抜擢したのか、それとも今回の抜擢で彼女が燃えたのかはともかく、これからを注目してみたい。
    この将棋会館のアイドル的存在・陽子役の江崎香澄もいい。その反面、女流棋士の一部に全く芝居のできていない人間が見受けられたのがちょっと残念。 

    今回は私の痴性、いや知性を貶めようと横槍が入って集中して書けないので、この辺で止めるが、一流プレーヤーとコンピュータの対決などといった現在の話題を盛り込みつつ、見事にエンターテインメントに仕立て上げるラビット番長はホント面白いよ。 

    【❤】そう、野球の番長は道を踏み外してしまったけれど、ラビット番長は(万一、賞金の100万円が獲れなくても)しっかりと王道を歩んでいってほしいものよネ。劇中でも言ってたじゃないの、「心まで貧乏になったらアカン!」

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    2016/12/20 12:52

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