満足度★★★
作りすぎた感が強く…
冠に付いている戯曲試食会とはこの劇団が行なっている「古今東西、有名無名の戯曲たちと時間をかけて向きあい、自らのスキルアップを図ると同時に、お客様に戯曲本来の味わいを楽しんで頂く」ためのアトリエ公演だという。会場は“行灯パブ・ろびっち”となっているが、これは今回の料理の原作者・アントン・パヴロヴィッチ・チェーホフに因んだシャレで、いつものアトラクターズ・スタヂオである。
さてこの「タバコの害について」という怪作であるが、このチェーホフの一人芝居は過去2回観たことがある。最初は戯曲にほぼ忠実な30分弱のものだったが、2回目に観たのは柄本明によるもので、柄本はなんとこの芝居を90分に及ぶ見事なまでの爆笑と悲哀のドラマに仕立て上げていた。実験的な作品の多い夢現舎がこれをどう料理するのかワクワクして会場へ。
地下の受付に下る階段からもうチェーホフの様々な写真が貼ってあり、雰囲気を盛り上げる。客席に入るとドリンクとつまみを勧められるが、実は私、ちょっと空腹だったので新高円寺で降りてから、マクドナルドでダブル・クォーターパウンダーとチキンナゲット、それにマックシェイクを腹に納めてきたばかり。これでアルコールなんぞ飲んだら(連日の睡眠不足もあって)完全に寝てしまうと思い、遠慮。テーブルにはザクースカやブリヌィといったロシア料理の写真入り解説が置かれている。これをサカナにウォッカを飲むとは、梅干をじっと見つめて酸っぱい唾が出てきたところでご飯を搔き込めばオカズが要らないという話によく似ている(爆)。
定刻に開演。
(以下、ネタバレBOXにて…)