しのぶの観てきた!クチコミ一覧

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日本橋

日本橋

松竹

三越劇場(東京都)

2019/01/02 (水) ~ 2019/01/25 (金)公演終了

日本橋にある三越劇場で泉鏡花原作の『日本橋』を観るおつな機会。客席中央に通路(花道)があり、そのほぼ真横の席に座るという僥倖!通路の天井に紙吹雪を降らす装置がすっかり露出して見事な異化効果。河合雪之丞さんが演じる芸者・お孝は坂東玉三郎さんよりも弱い部分が前面に出ている気がした。女性の優しさ、愛らしさがよく見えて、医学士・葛木(喜多村緑郎)に愛されるのももっともだと思えた。

遺影

遺影

新聞家

こまばアゴラ劇場(東京都)

2019/01/03 (木) ~ 2019/01/09 (水)公演終了

本編『遺影』は男女二人芝居で、上演時間は約25分。その後のトークが40分ほどでした。トークのゲストは評論家の渋革まろんさん。渋革さんの正直かつ率直で、観客に伝わりやすい言葉選びのおかげで、充実の時間を過ごせました。詳しい目の感想:http://shinobutakano.com/2019/01/08/11496/

グレイト・ホリデイ

グレイト・ホリデイ

少女東京奇襲

シアター711(東京都)

2019/12/19 (木) ~ 2019/12/22 (日)公演終了

四人姉妹が異国で衝突するシチュエーションコメディー。約1時間15分。20代の女性で構成された劇団だが、登場人物に保守的な考えの現代人が多かったのは意外。美術、照明、音響などのスタッフワークがしっかりした公演で立派だと思った。

ネタバレBOX

若い女性が現代日本の喫緊の問題に向き合う。シングルマザー、熟年離婚、同性愛、婚姻による女性の姓変更、「27歳で彼氏のプロポーズを断るのは怖い」など。
餌

TinT!

新宿スターフィールド(東京都)

2019/12/11 (水) ~ 2019/12/15 (日)公演終了

佐川和正さん出演作なので拝見。解離性同一性障害を持つ犯罪者を演じる。行動、発言の根拠をしっかり持っていれば、外見が全く変わらなくても演じ分けは可能なのだなと再確認。

ネタバレBOX

1977年にアメリカで起きたビリー・ミリガン事件がモチーフ。犯人、医者、女性弁護士が下院議員と直接会って話す場面がいくつかあったけれど、そんなこと可能なのかな、秘書や各担当者に任せるのではないかな…などと細かいところが気になった。栄養失調で倒れて病院で点滴を受けて、医療費100ドル札1枚で足りるのかな…とかも。

終盤の、レイプ犯(実は彼の中のレズビアン人格が犯人)が下院議員に話す場面、下院議員が実の母に話す場面で、二人ともが長い、長いセリフを話す。今作の作者の主張の全てを説明しているようで残念だった。

元タイニイアリスに三方囲みの細長い舞台を設置。どの席も舞台に近く、桟敷席がなくて助かった。
五稜郭残党伝

五稜郭残党伝

温泉ドラゴン

サンモールスタジオ(東京都)

2019/12/11 (水) ~ 2019/12/19 (木)公演終了

約2時間強。函館から北に逃れる旧幕府軍残党とそれを追う新政府軍。カットアウトの暗転で素早く展開。シンプルな抽象空間に凝った衣装が嬉しい。居場所のないはぐれ者が弱者を助ける真っ当な物語に真っ直ぐな芝居。大人数出演。小劇場観劇の贅沢。

ネタバレBOX

蘇武の遺書を読み上げるアイヌ人女性が、さめざめと泣くのではなく怒りに震えて叫ぶのがよかった。これから闘いが始まると暗示して終幕。
モジョ ミキボー

モジョ ミキボー

イマシバシノアヤウサ

シアタートラム(東京都)

2019/12/14 (土) ~ 2019/12/21 (土)公演終了

約1時間20分。小劇場でロングランを重ねた二人芝居。250席規模の劇場に進出し、前回から6年を経て年輪の深み増す。

マクベス

マクベス

DULL-COLORED POP

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2019/12/12 (木) ~ 2019/12/22 (日)公演終了

谷賢一翻案・演出「マクベス」。約1時間半だけど凄く原作に忠実だなぁと思ってたら、最後に完全にヤられた…!ゲラゲラ笑ってしまったよ!!今を映す舞台芸術の一か八かの賭けに勝ったのでは?(笑)東谷英人さん演じるマクベスは小心者で卑怯者の現代人。私にはヒトラーや昭和天皇にも見えたけど、正体は…

ネタバレBOX

医者に、夢遊病になったマクベス夫人の話をするのがマクベスだった。おかしいな、面白いなと思ったら…(書けない)。
タージマハルの衛兵

タージマハルの衛兵

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2019/12/02 (月) ~ 2019/12/23 (月)公演終了

面白かった♪何の不安もなく物語の中に入っていける喜び。流血表現がいくらあっても清涼感がある不思議。俳優2人ともに魅せられた。装置も凄かった!

私たちは何も知らない

私たちは何も知らない

ニ兎社

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2019/11/29 (金) ~ 2019/12/22 (日)公演終了

「青踏」編集部の女性たちの信条、生活との格闘を文字通り若い俳優が演じる群像劇。現代服の衣装が素晴らしい。今の日本人が結婚、堕胎、売春等について議論する場を見つめて涙した。私たちは本当に何も知らないのだ。作品自体が強烈な風刺だと思う。約2時間40分、休憩15分を含む。

インコグニート

インコグニート

劇団俳優座

俳優座スタジオ(東京都)

2019/11/12 (火) ~ 2019/11/24 (日)公演終了

約2時間。対面客席のシャープな抽象舞台で、俳優4人が計21人を演じ分けるセリフ劇。人間に自由意志などない。でも誰かを欲する気持ち、何かを美しいと思う気持ちは、本人にとっては確かなもののはず。それらは幻想に過ぎず、いずれ忘れ去られるとしても。当日パンフレットの用語集を読んでから観るといいかも。

ネタバレBOX

記憶が長持ちしないヘンリーが、80代になって、ピアノを長く弾けるようになっているラストが良かった、脳ではなく体が憶えていることもある。
コンドーム0.01

コンドーム0.01

serial number(風琴工房改め)

ザ・スズナリ(東京都)

2019/10/25 (金) ~ 2019/10/31 (木)公演終了

約2時間15分。避妊具の新製品開発現場の事実を基にしたフィクション。男性同士の議論は性行為そのものから多方面に広がる。人がなぜ、何を作るのか。どうやって他者とつながるのか。生き方を問う展開に引き込まれた。敢えてやる「バカ」はいわばお約束。見た目の平明さ、理路整然とした分かりやすさをベースに、容易に賛否を選べない課題が次々と提示される。芝居だから慎重を要する私的な秘密を皆で共有できて、一緒に考えられる。若い人に出会ってもらいたい。碓井将大さんのキラキラは本物だった♪

COUPLES 冬のサボテン

COUPLES 冬のサボテン

アヴァンギャルド×コンプレックス

小劇場 楽園(東京都)

2019/10/31 (木) ~ 2019/11/04 (月)公演終了

約2時間。元野球部のゲイの親友たちの数十年。元気に泣き笑い、苦境を生き抜く人々が愛らしい鄭義信作品。会話のライブ感が持続するのがいい。選曲が切ない。時代の変化を実感。

ネタバレBOX

サザンオールスターズ「チャコの海岸物語」、a-ha「TAKE ON ME」など。
ノート

ノート

ティーファクトリー

吉祥寺シアター(東京都)

2019/10/24 (木) ~ 2019/11/04 (月)公演終了

約1時間50分。オウム真理教の地下鉄サリン事件を、私はオンタイムに経験していた世代。誰が、なぜ、何を…を俳優が再現するフィクション。知らない若者はぜひ。今起こってもおかしくないと思う。死刑についても考えられた。

ネタバレBOX

修行の場面はテレビで見たことがある。
上九一色村の富士ガリバー王国もつぶれた。
映画「教誨師」を思い浮かべるシーンあり。
一銭陶貨 ~七億分の一の奇跡~

一銭陶貨 ~七億分の一の奇跡~

文学座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2019/10/18 (金) ~ 2019/10/27 (日)公演終了

亀田佳明さん目当てで観に行って、満足しました。

ネタバレBOX

国策としての陶貨製造(発明)に庶民が尽くしていく姿は、最初から結果が見えていることもあり、痛々しく、腹立たしい。敗戦してすぐに「進駐軍が来るまでに完成した陶貨を破棄せよ」という命令が出て、舞台では赤茶色の重たい目の紙吹雪が降る。
グリーンマン GREEN MAN

グリーンマン GREEN MAN

人形劇団望ノ社

プーク人形劇場(東京都)

2019/10/25 (金) ~ 2019/10/27 (日)公演終了

またもや傑作!影絵は実演始まるなり驚異的繊細さ、愛情深さに涙ぐむほど。十字軍の時代の魔女退治から現代、そして数千年後の未来も射程に入れた壮大な物語。憂いと希望、思想を受け取り何度も落涙。三百枚もの影絵操作を全て披露。キーボードとドラム、ギターの生演奏、歌と語りで進行。音楽も含め全て手作り。影絵だけでも前売三千円は安過ぎる。
長い目の感想:http://shinobutakano.com/2019/10/27/13920/

暴力の歴史

暴力の歴史

東京芸術祭

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2019/10/24 (木) ~ 2019/10/26 (土)公演終了

ドイツ人演出家のトーマス・オスターマイアーさんが、2016年に書かれたフランスの小説を舞台化。演出はスタイリッシュでクールで知的で洗練されていて、俳優は静止も暴発も自在の、さすがの演技力でした。おぼつかなさ、奇妙な曖昧さなどの不安材料が全くないので、すっかり落ち着いて作品と向き合えました。
詳しい目の感想:http://shinobutakano.com/2019/10/26/13910/

会議

会議

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2019/10/25 (金) ~ 2019/10/30 (水)公演終了

面白かった!序盤のとぼけまくりの会話が可笑しい。恐怖と闇の深さはさすがの別役実戯曲。加害を目にしても「私は知らなかった」と無実を主張する庶民のひ弱さ、罪深さ。
詳しい目の感想:http://shinobutakano.com/2019/10/26/13898/

どん底

どん底

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2019/10/03 (木) ~ 2019/10/20 (日)公演終了

現代の俳優が高架下でゲリラ的に演じる。最後まで異下効果が継続。劇の内と外を常に意識するので大勢の登場人物(=現代人)の独白が粒立ち、自分事としてゴーリキーの言葉を咀嚼できた。五戸真理枝演出はある意味私の期待通り。終演後に一緒に観た人と口論になりかけた(笑)。賛否両論前提の古典演出は目撃する価値ありと私は思う。ルカの言葉に鼻をすする人も、笑う人もいる客席は素敵。きれいごと(正論、理想)の劇的効用と破壊的弊害が両立。“俳優”が連呼する「オーガニズム(organism)」はできれば日本語で聴きたかった。

誰そ彼

誰そ彼

浮世企画

駅前劇場(東京都)

2019/09/19 (木) ~ 2019/09/23 (月)公演終了

浮世企画「誰そ彼」約2時間弱。妖怪話と社会問題を掛け合わせ今の日本を痛烈に風刺する娯楽作。見たいものしか見ず、見えても否定し、なかったことにする愚かな私たちの話。弟役の造形が素晴らしい。残すは本日18時、明日15時の回のみ。お見逃しなく。下北沢の駅前劇場。

ネタバレBOX

兄の存在はなかったことにされたが、庭には巨大な糞が残った。放射性廃棄物のよう。
桜姫

桜姫

阿佐ヶ谷スパイダース

吉祥寺シアター(東京都)

2019/09/10 (火) ~ 2019/09/28 (土)公演終了

阿佐ヶ谷スパイダース『桜姫~燃焦旋律隊殺於焼跡~』約2時間45分休憩込み。上手サイド席で超楽しかった!楽隊の演奏がサラウンド♪摩訶不思議を堂々と成立させる演劇力で、自在に飛躍するのが痛快。悲劇だが悲壮感なし。主役、脇役などないと思えた劇団総力公演。開演前、終演後の賑わいもいい。

ネタバレBOX

楽隊に導かれ、自ら進んで堕ちていく元気な桜姫。彼女の夫の墓掘りは楽隊を皆殺しにして、幽霊とともに「生きたい」と決意を述べる。

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