しのぶの観てきた!クチコミ一覧

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おどる韓国むかしばなし『春春~ボムボム~』

おどる韓国むかしばなし『春春~ボムボム~』

あうるすぽっと

あうるすぽっと(東京都)

2019/07/20 (土) ~ 2019/07/28 (日)公演終了

めちゃ素晴らしい!観られてよかった…!結婚させてもらえない韓国の若い男女の昔話を、明るく元気でスリリングなダンスに。折り紙、影絵、ペープサート、映像と装置の仕掛けなど、遊びたっぷりの親子向け作品。振付、構成、演出はスズキ拓朗さん。音楽は清水ゆりさん。底抜けに明るい笑顔の奥には静かな憂いがある。これが大人だと思う。記録:http://shinobutakano.com/2019/07/27/12998/ 

チック

チック

世田谷パブリックシアター

シアタートラム(東京都)

2019/07/13 (土) ~ 2019/07/28 (日)公演終了

少年が夏休みの冒険を一人称で語る、ロードムービー風の青春物語。差別、貧困、虐待、戦争などが浮かび上がる。演技、演出は再演でさらに充実!2度目なのに「出演者がたった5人だなんて…」とカーテンコールで驚かされた。それくらい鮮やかな変身ぶり!主役2人と観客との交流も増え、臨場感アップ♪私は特に柄本時生さんに釘付け。少年役だけどセクシー!記録:http://shinobutakano.com/2019/07/13/13019/

Other People’s Money

Other People’s Money

劇団昴

Pit昴/サイスタジオ大山第1(東京都)

2019/05/30 (木) ~ 2019/06/16 (日)公演終了

約2時間20分、休憩込。老舗会社とそれに目を付けた資本家のバトル。面白かった♪約30年前の戯曲が現代も映す。経営者、株主、労働者の関係が明快。生存競争と良心のせめぎ合いも。金子由之さんの演技に説得力あり。詳しい目の感想:http://shinobutakano.com/2019/06/02/12478/

オレステイア

オレステイア

新国立劇場

新国立劇場 中劇場(東京都)

2019/06/06 (木) ~ 2019/06/30 (日)公演終了

 『オレステイア』は英国劇作家のロバート・アイクさんが約2500年前のアイスキュロスの原作をもとに執筆し、演出もされた2015年英国初演の作品です。アイクさんは当時28歳。若っ! 

 記憶喪失らしい若者オレステスに、精神科医とおぼしき女医が質問をしていきます。上手に控えるカルカス(オレステスの物語の外側にいる予言者)が手渡す証拠物件を検証しつつ、彼の家族に起きた事件をたどっていくサスペンスフルな空気の劇中劇です。

 さすがはギリシャ悲劇。強い存在感を放つ登場人物らのせめぎ合いから、家族の愛憎、戦争の矛盾などが堂々と示され、「戦争はダメ。絶対。」「軍隊はダメ。絶対。」「殺人はダメ。絶対。」と思えました…。練馬の殺人事件(農林水産省の元事務次官(76)が自宅で長男(44)を殺害)も現実に起こったばかりで、“子殺し”もすごく身近に、リアルに感じました(恐ろしいことですが)。パンフレット(1000円)の里中満智子さんの寄稿に「たかだか二、三千年で人間の心は変わりはしない」とあり、すごく説得させられました。

 演技質はプロデュース公演ならではというか、バラバラな印象でしたね。侍女キリッサと復讐の女神を演じる倉野章子さんが素晴らしかったです。今ここに居るリアルな存在感で、舞台に立っているだけで怖い(笑)。小さい声でも意味、気持ち、役割がはっきりと伝わります。

 タイトルロールのオレステス役の生田斗真さんは素直にその場にいる演技で、序盤は悪目立ちすることもなく好印象でしたが、中盤以降は過剰にナーバスな様子で前かがみの姿勢が多いのが気になりました。背筋を伸ばしてまっすぐに立ち、プレーンに語ったり、応答する演技を増やしてもいいのではないかと思いました。

ネタバレBOX

最終的にはオレステスの脳内に収まると解釈可能で、劇場が大きすぎる気がしました。
キネマと恋人

キネマと恋人

世田谷パブリックシアター

世田谷パブリックシアター(東京都)

2019/06/08 (土) ~ 2019/06/23 (日)公演終了

思春期に映画に救われた者としては冒頭から落涙。たわいない幸せを共有する瞬間の儚さ、尊さにまた涙。初演と違う印象だったのは、妻夫木聡さん演じる俳優の最後の場面。作り手と観客は作品を介し、離れていても共にあるのだ。初演感想→http://shinobutakano.com/2016/11/22/3721/

ボッコちゃん ~ 星新一 ショートショートセレクション ~

ボッコちゃん ~ 星新一 ショートショートセレクション ~

東京芸術劇場

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2019/05/30 (木) ~ 2019/06/02 (日)公演終了

日本のSF小説を韓国人が舞台化した短編集。凄かった!俳優は会話も語りも自在で身体表現も巧み。曖昧さがなくブレない。鏡面の装置が効果的で照明演出に息を呑み涙ぐんだ。長い目の感想:http://shinobutakano.com/2019/06/07/12505/

『アニマの海』─石牟礼道子「苦海浄土」より─

『アニマの海』─石牟礼道子「苦海浄土」より─

劇団文化座

俳優座劇場(東京都)

2019/06/13 (木) ~ 2019/06/23 (日)公演終了

石牟礼道子作「苦海浄土」を引用し水俣病を描く老若男女の群像劇。発症から公害認定、補償への道程と患者と家族の筆舌し難い苦しみ。凛と立つ少女の正体は…。血が通っていて緻密かつ簡潔で鋭い。老齢の女性たちのコミュニケーション方法は庶民が培ってきた知恵。約1時間35分という上演時間も奇跡的。再演ツアー希望!長い目の感想:http://shinobutakano.com/2019/06/22/12603/

木の上の軍隊

木の上の軍隊

こまつ座

沖縄市民会館(沖縄県)

2019/06/26 (水) ~ 2019/06/26 (水)公演終了

本土の上官(山西惇)と沖縄の新兵(松下洸平)の分かり合えなさを、普天間かおりさんが受け止めていた…。1500人の沖縄の観客のおかげで、初めて肌に、胸にしみるように気づかせてもらえたように思います。記録:http://shinobutakano.com/2019/06/29/12665/

マイ・レフトライトフット

マイ・レフトライトフット

SPAC・静岡県舞台芸術センター

静岡芸術劇場(静岡県)

2019/05/02 (木) ~ 2019/05/03 (金)公演終了

障害を題材にタブーをやりつくす、問題提起だらけの底抜けに明るいミュージカル。どぎついブラックユーモアが満載!長い目の感想:http://shinobutakano.com/2019/05/04/12236/

WILD

WILD

東京グローブ座

東京グローブ座(東京都)

2019/04/28 (日) ~ 2019/05/25 (土)公演終了

1980年生まれの英国劇作家マイク・バートレットさんの2016年初演戯曲『WILD』を、小川絵梨子さんが演出されます。翻訳は髙田曜子さん。すごく面白かった!!幕が開いてすぐに「これはいいお芝居だ」と確信しました。俳優が素晴らしい!少人数のストレート・プレイにどっぷり入り込み、必死で頭を回転させ続ける刺激的な観劇になりました。長い目の感想:http://shinobutakano.com/2019/05/08/12268/

同じ浄土に咲く花で

同じ浄土に咲く花で

ZURULABO

喫茶茶会記(東京都)

2019/05/25 (土) ~ 2019/05/31 (金)公演終了

小野寺ずるさんが“色情狂の幽霊”を演じる一人芝居。肝の座った俳優の真摯な挑戦はスリリングでロマンティック。満たされない性的欲求と食、生、愛への渇望と。充実の60分弱。R15。

ネタバレBOX

愛する男を延々と待ち続ける色情魔の女幽霊の、暇つぶしの独り言。
「遠くまで来たんだ/朝をつれてこい」

「遠くまで来たんだ/朝をつれてこい」

劇団晴天

シアター風姿花伝(東京都)

2019/05/18 (土) ~ 2019/05/26 (日)公演終了

約1時間35分。二十代後半の若者たちの爽やかな群像劇。日本の若者がとことん疲弊している。私達は無条件の優しさに飢えていると肌にしみて実感。ひたすら申し訳ない。都合良すぎの展開はほんの少し気にかかった。若い作家の現代劇で知ること多い。

「芸術家入門の件」

「芸術家入門の件」

ブルドッキングヘッドロック

吉祥寺シアター(東京都)

2019/05/18 (土) ~ 2019/05/26 (日)公演終了

「芸術&芸術家あるある」を手作りで見せ尽くす、2時間半休憩なしの大作!演技の方法やナンセンスな短編の挿入など、全般的に私の好みど真ん中というわけではなかったですが、本物の芸術家を目指す中年男性の過去と現在、未来、あるいは古代を回想して旅するうちに、芸術にまつわるエピソードが次々に披露されていきます。ただ、さすがに2時間半休憩なしは、きつかったかな…。冷房もよく効いていて、トイレに行きたい気持ちをごまかすのが大変でした(笑)。

ネタバレBOX

才能の有無と必ずしも直結しない成功、理論と創作、プロとアマの差、成果物のビジネス利用、利権争い、労働搾取、剽窃、セクハラ、パワハラ、作品のための殺人、美化される自殺、戦火ゆえの消失、歴史の財産…。

舞台中央に巨大なニケが出来上がって、ラストにはその羽が動くという手作りの奇跡を見せてくださいました。
獣の柱

獣の柱

イキウメ

シアタートラム(東京都)

2019/05/14 (火) ~ 2019/06/09 (日)公演終了

再演と言っても脚本は改訂され、出演者も演出も変わってほぼ新作ですね。がっつりSFに気持ちよく浸かり、人類の歴史、未来に思いを馳せる充実の時間でした。自分を絶滅した恐竜と重ねながら…。劇団ってありがたいなとしみじみ感謝。上演時間は約2時間15分、休憩なし。長い目の感想:http://shinobutakano.com/2019/05/23/12358/

恐るべき子供たち

恐るべき子供たち

KAAT神奈川芸術劇場

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2019/05/18 (土) ~ 2019/06/02 (日)公演終了

白井晃さんの美しい演出に見とれながら、この「恐るべき」物語から何が学べるのかを考え続けました。上演時間は約1時間40分弱。

ネタバレBOX

真四角のステージは床から1段ぐらいの高さで、ちょっと低い土俵みたい。それを白い大きな布(府織布?)が数枚覆っており、1枚ずつはがして広げたり丸めたりして場面を作っていきます。楽しかったな~♪ 特に、交通事故でエリザベートの夫(斉藤悠)の首が飛んだ場面の演出がよかったです。斉藤悠さんが白い布の穴から頭だけ出して、首から下は真っ白。首に白い布をかぶった真那胡敬二さんが夫と同じ衣装でふらふらと歩き、死体が首と首のない体に分離された状態で会話が続けられました。そこから一気に面白くなった気がします。
CITY

CITY

彩の国さいたま芸術劇場

彩の国さいたま芸術劇場 大ホール(埼玉県)

2019/05/18 (土) ~ 2019/05/26 (日)公演終了

約1時間45分。藤田貴大さんの新作戯曲は「氷川きよしのビジュアル系化」ぐらいの衝撃(笑)。最終的にはジュブナイル要素が見え蜷川幸雄演出「わたしを離さないで」を想起。選曲も蜷川さんへのオマージュかな。大道具移動も上演中の「海辺のカフカ」を思い起こさせた。

1001

1001

少年王者舘

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2019/05/14 (火) ~ 2019/05/26 (日)公演終了

約2時間15分。始まったかと思ったらすぐに終わってまた始まって、どんどん増えて瞬く間に消滅する。最後には清々しい気持ちに。新国立劇場での維新派、唐ゼミの上演を思い出す。国立の劇場が新たに開かれ、色んな人集まる場に。小川ラインアップ楽しい♪

お気に召すまま

お気に召すまま

ヌトミック

こまばアゴラ劇場(東京都)

2019/05/12 (日) ~ 2019/05/19 (日)公演終了

シェイクスピア作『お気に召すまま』を“テキスト”として使用し、ヌトミックという集団にとっての新しい演劇表現に挑戦したという印象で、別に他の戯曲でもよかっただろうと思いました。詳しい目の感想:http://shinobutakano.com/2019/05/12/14778/

メディアともう一人のわたし

メディアともう一人のわたし

SPAC・静岡県舞台芸術センター

舞台芸術公園 屋内ホール「楕円堂」(静岡県)

2019/04/27 (土) ~ 2019/04/29 (月)公演終了

長いカテコ込みで2時間弱。思い入れの強い場面が連続し冗長。私には情念たっぷり過ぎた。俳優の身体能力高く歌が上手いの流石。大岡淳さんのプレトークが明快で楽しかった。

Scala –夢幻階段

Scala –夢幻階段

SPAC・静岡県舞台芸術センター

静岡芸術劇場(静岡県)

2019/04/27 (土) ~ 2019/04/29 (月)公演終了

「ふじのくに⇄せかい演劇祭2019」。拙メルマガでNo.1お薦めとしてご紹介していた舞台です。ハッと驚かされ、たくらみににやりとして、ダンサーの肉体、技術にほれぼれして楽しみました。

ネタバレBOX

ベッドや居間などの生活空間のある灰色の抽象美術で、中央には大きな階段があり、それを挟むように2台のトランポリンが設置されています。トランポリンは客席からは見えない低い位置にあり(高い席からは見えます)、床から落ちた人が跳ね上がってくるように見える仕掛けです。

椅子がくしゃっとあらぬ方向に折り畳まれたり、額が壁から外れて落ちたり、引き出しが斜めに崩れたり、床の穴に人が吸い込まれるように落ちて行ったり、普段ならあり得ない事が起こるのが楽しいです。

男性ダンサー、女性ダンサーらがそれぞれに同じデザインのカジュアルな衣装を着ているので、ドッペルゲンガーが現れたとか、誰かの脳内で複数の自分が増殖したとか、SF的想像ができ、日常と地続きの非日常へと突然、スムーズに誘われます。

多人数で階段から滑り落ちる演技か繰り返されるのは、少し長く感じました。最後はダンサーたちが壁と同色のフード付きコートを羽織り、舞台美術と溶け込むように同化していって消え入る…という演出だったように思います。ダークな世界観で終了。

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