満足度★★★
初めてシブゲキに行きました。椅子、すごい!まずそこに感激しました(笑)
舞台美術もロフトのような立体的な奥行きもあり、見ていて楽しかったです。
役者さんたちもなんかちょっとアラフォー世代っぽい方々で昭和臭漂う熱い「キャバクラ」の世界観はとっても楽しかったです。
ネタバレBOX
ただ、脚本があとちょっと頑張ってくれたらものすごく面白くなる、もしくは人情ものとして泣ける、もしくは恋愛ドラマとして、友情ドラマとしてグっとくるのになあと思ってしまいました。
笑いの要素も内輪受けはしていたようなのですが、初見の私にはちょっとついていかれなかった部分もありました。
描きたいことが盛りだくさんのわりに深いところに入ってこない脚本で、物足りなさを抱いたまま、劇場をあとにしました。
とはいえ全体的にわかりやすいので感情移入はしやすく、すぐに世界観に溶け込める舞台だったので、とても楽しませていただきました。
満足度★★★★
これ★5以外をつけるのに勇気いるわ…………(;´・ω・)(;´・ω・)(;´・ω・)(;´・ω・)とはいえあくまで個人的な感想なのでご容赦ください。
出演者のポテンシャルの高さ、小劇場ならではのパワー、それでいて繊細なシーンも細かく演じ切っているとても見ごたえある舞台でした。
皆さんが大絶賛されるのはとてもとてもよく分かります。
ネタバレBOX
つかこうへいの舞台って結局何を見ても似たような演出だなあと思って、既視感がありました。わけのわからない、筋の通っていない台詞や構成をパワーで押し切るみたいな感じ。そのパワーが舞台上の人たちの発散で「どうだ!面白いだろ!」みたいに思える。小劇場でつか作品を見たのは初めてでしたが、ここでも同じだな、と思いました。ですが私以外の全員の方がそれを期待しており、そしてそれに見事こたえたわけですから、舞台は大成功だったのだと思います。
熱海殺人事件を小説で読むと、アイコ殺しの動機はシンプルで繊細です。無茶な話をこれでもかと放り込んでいるにもかかわらずブス殺しはズキンと胸を打たれます。その一撃のフリに全パワーを注ぎ込むという表現方法しかありえないのかな……。でもそれはきっと観客の望むものでもないし、見たいと思わせるものでもないのでしょう。つか舞台はパワー!これが見たくて見に行くものなのでしょうね……。
満足度★★★
役者さんの年齢層が意外と高くて驚きました。しっかりした芝居はとても気持ちが良かったです。じんわりと良い話でした。
ネタバレBOX
前半の説明が長くてなかなか物語が立ち上がらないため、どういう話なのか見失いました。起承転結というより起と結だけがあったという印象です。面白くないわけではないですが描かれるべきエピソードをもっと絞った方が感情移入しやすいのではないかと思いました。現状は登場人物の全てに感情移入できるけどそうなると結局「浅く広く」なってしまう。「じんわりいい話」でしたが、グっときたり、掴まれるような人間や神の言葉が聞きたかったです。きれいにこじんまりまとめた感が惜しかったです。
満足度★★★
すみません。期待していたものと違いました……。
演出も素晴らしく、美術セットシャープで美しく、映像も凝っていて決して安い仕上がりだとは思えなかったし役者も達者な人ばかりで舞台上は魅力にあふれていたのですが、私がこの劇団の特色を知らなかったばかりに途中から感情移入できなくなってしまいました……。
ネタバレBOX
レズは百歩譲ったとしても、オカルト的な話になっていった瞬間にどうでもよくなってしまった。
冒頭やカメラマンの殺人動機などは面白かったし、「フォトジェニック」という撮影イメクラ的な設定も楽しめたのですが、それが「実は昔ここでは……」と小野不由美みたいな話が展開されてしまい、あとはそれに則った説明を聞かされているだけの状態でした。どんなに悪魔とかお化けを正当化するような説明を聞かされても、感情移入はしづらかったです。お化けオチの後半はキツかった……。
他の方は高評価のようですので、お化け話の劇団と知らずに見てしまった私の情報不足だったのかな……。
展開の中では色々ありましたが、思ったより重い話ではありませんでした。
ネタバレBOX
政治色はそれほど強くないのですが、逆にそこが物足りないというか期待とは違ったというか。だからこそ描ける世界があったのではないかと思いました。
満足度★★★★
舞台上で結構リアルなプロレスを見たのは初めてです。
とても面白かった。
ネタバレBOX
内容は昭和のにおい漂うちょっとノスタルジーな世界。
今年はこの「ちょっと昭和のにおい漂うノスタルジー」という作品を多く見たように思います。流行りなのかな。
つか作品も本当に20年ぶりとかそんな感じで堪能し、色々な記憶が蘇るドラマチックな舞台でした。
満足度★★★★★
2016年のナンバーワン作品です!
すっごく面白かった!!あっという間の2時間!!
田中角栄が可愛く見えた!!
劇場出た瞬間に脚本・演出の中村さんに「すっごい面白かった!」って言ってしまいました。本当に見終わった後、気持ちよかった\(^o^)/
「政治もの」と思って見ていましたが、実際は政治ものというよりは、田中角栄という人物を掘り下げる(しかも料亭視点で!)バイオグラフィーとでもいうべきか。
※これはあくまで私個人の感想です。
ネタバレBOX
脚本が素晴らしかったです。
過不足なく、笑いも適度に取りながら、高度成長前夜の日本を料亭で見せた。
背景の説明はスケッチ風に、それでいてしっかりドラマチックに盛り上げるところもあり、構成の良い脚本でした。
役者は驚いた!大平が出てきたときは思わず笑ってしまいました。
みなさんそっくりで!物まね番組に出られそうな似せ演出も面白かったです。
強いてあげればもう少し客席に余裕があったら……。
寒かったので厚着している方ばかりでちょっと狭かった。
客席案内が素晴らしかった。狭いところを一人一人丁寧に案内いただきありがとうございました。
満足度★★★
期待してたのと違った。
脚本、演出、役者の動きや舞台美術まで、徹底してそぎ落とした作品に圧倒されましたが、それほど面白いかと言われたらそうでもありませんでした。
みなさんの評価があまりに圧倒的に高いためにこの意見を言うのに勇気がいるけど、一つの見解ですのでコメントさせていただきました。
ネタバレBOX
大正天皇を描こうとする時点で相当のオリジナリティだし、舞台でしかできない題材だと思います。また、そんな激動の時代の天皇を表現するのに、徹底してそぎ落とした人物、エピソードなど、驚くべき構成でした。
ですが、これが面白かったのかと言われたら別にそうでもありませんでした。
というのは、結局この作品、「こういう状況でした」という状況がすべて歴史上で起こった「史実」だからなんだと思います。
つまり、主人公の感情をもとに展開された作品ではない、という意味です。
この構成は理論上はドラマというよりは朗読劇に近い感じがしました。
だから私にとっては「期待と違ってドラマチックじゃなかった」となったのだと思います。
一見の価値は見出しましたが(見て良かったと思う)、それと感動したかというのは別、という意味です。
満足度★★★
この劇場パイプ椅子しかも開演押しで4000円はちょっと(;´・ω・)
何より役者が全員芸達者!
チキンハートの二人や黒田勇樹(!)は別格としても、主人公のお姉さん役の横澤夏子っぽい女優さん、すごく面白かったです。
彼女がしゃべりだすのを期待してしまったほどです。
ネタバレBOX
登場人物たちの様々な思惑と、感情がうまくすれ違い、
面白く構成されている脚本だと思いました。
ですが、ラストが期待外れな方向に流れてしまい、結局主人公にとって何が一番大事だったの?とか、目的は何だった?というような部分がブレたように見えました。
彼女のゲス変化は意外性もあり、面白いのですが、ラスト結局主人公を選択しないのだとしたら冒頭の「3年前」は不要に思います。
そこは説明で済んでしまう部分だと思うし。
ウーパーちゃんのハケるための言い訳が興ざめでした。
だったらもう少し説明入れて感情移入させてほしかった。
面白い部分はたくさんあるのですが、ラストまで持たなかった脚本、という印象でした。
満足度★★★★
吉祥寺シアターが狭く感じた。
毎回志向を凝らした演出というか、演出のために脚本があるというか、そんなイメージのテトラクロマット。今回もファンタジーに「空」を絡め、坂口理子お得意の世界観をシンプルで大胆な美術と役者の感情を体現する演出で最後まで楽しみました。
パンフレットに脚本家の「思い」が書いてありましたが、その思いは全編ににじみ出ており、ああさすがだなあーと思いました。
ハザマ、すきま、あそび、余白。作家の思いを見事に演じた役者は凄い。
特に男か女かわからない天羽尚吾さん、不思議な空気感に最初から目が離せませんでした。
なんか一人だけ違う生き物みたいな感じで良い意味での違和感は新鮮でした。ああいう存在感は稀です。
後半、感情に押されるように次々と変化する舞台美術はとても素晴らしかったです。
ネタバレBOX
★★内容に関して非常に重要なネタバレをしています。
どうぞ未見の方はご遠慮ください★★
デハケがないので舞台が狭く感じ、前半は感情の動きも少ないため、いささかダレた部分がなきにしもあらずでした。
ですが後半一気に「ああそういうことだったのか」的種明かし(つまりいわゆる夢オチ)と、そのうえでひねったラストとさらに衝撃的な選択という脚本、その感情に押されるように次々と変化する舞台美術で怒涛の後半はとても素晴らしかったです。
満足度★★★★
長いよ……(笑)
2時間15分です。とにかく長いし、最後の15分は完全に蛇足。「終わりだな」と思わせてから15分は、長いです。そういうのは集中力が切れるのでやめた方がいい。それカットして、ラストシーンを15分前倒しにしてほしいです。周りの人は相当そわそわしてましたし、私もそわそわしちゃいました……とはいえ、とても見応えがありました。特にラストシーン。以下ネタバレへ。
ネタバレBOX
座高円寺の舞台上にあんなでかいシミ?があったの?ってずーっと思っていました。なぜなら素舞台じゃないけど、デハケ口をはっきりと観客席に見せる美術になっており、すごく変な感じ。ただこれは、「劇中劇」という内容に沿った美術ですので舞台を見る上では違和感はありません。
そしてこの「シミ」がラスト、とんでもないところに繋がるわけです……。
池田小事件関連の様々な読み物のあっちこっちを持ってきたような内容に、既視感がぬぐえませんでした。
被害者遺族も同様で、物語というよりはルポというかドキュメンタリーを見ているような気もしました。
そこはそういう狙いだとしたら、そういうもんか、と思うだけです。
客席では涙をぬぐう人が結構いらっしゃいましたが、私はそういう理由のためにいまいちラストシーンの手前まで惹き込まれませんでした。
また、「悪党」といってリチャード三世を出してくるのならば、佐久間の内側をもっと掘り下げるべきだと思いました。被害者を描きすぎて「お涙ちょうだい」風にうまくまとめられてしまったのはなんか残念な気もします。そういうのはテレビで見られるから……。
で・す・が。
私が今まで見た舞台シーンのトップ5には入るようなラストシーン。
胸が締め付けられました。
座高円寺の舞台上のシミが、殺された娘のものだった……。
これは意外性があって凄かったです。そしてそこからのラストシーンへの展開。見た価値がありました。
役者さんも一人も下手な人がいない!座高円寺の舞台に立つのだから当たり前っちゃあ当たり前ですけどね。
主演の女性は特に変化がはっきりわかる演技で、見応えがありました。
ですので満足です。
満足度★★★
闇細工福子ちゃんを観劇しました。
とっても面白かったです。
最後までたっぷりと楽しめました。
脚本は、わりとオーソドックスな舞台喜劇ですが、
演出が意外とエキセントリックで、
ほぼ素舞台の中、多めの出演者を駆使して
これでもか、これでもか、とパワーで押されました。
ただどうしても気になってしまったことが一つだけ。
以下、ネタバレBOXへ。
ネタバレBOX
小さい頃からスカートめくりもされない福子が、
大人になって整形をして人生を謳歌できると思いきや、
何度整形してもなかなか気に入った顔にならなくなって……。
という内容の中で、
整形後含めた「福子」を全部で5人の女優が演じる。
彼女らのキャラクターがそれぞれ個性的で、
最後までその魅力に引っ張られました。
この先は、かなりネタバレしますので、ご注意ください。
結局全員が「キチガイ」か?
というような結論に行きそうになった時は正直萎えましたが(それはないだろうと思う。そうなると「なんでもアリ」になってしまうために、ここまで素舞台で積み上げたリアルなディテールが瓦解してしまう)、
「実は好きだからスカートめくりしなかった」というオチは、オーソドックスで、安心できました。
そこに「何度でもスカートをめくってやる!」というおバカな展開が絡み、笑えるけど、スカートをめくられる「もう一回」が、まるで子供のようで、愛情を感じました。可愛かったです。
私がどうしても気になってしまったのは、
この福子を演じる一人の女優さんの所作です。
私自身が舞台の制作側にもある立場なので、
多少窮屈なことを言って恐縮ですが、
劇場は大事に扱って欲しいと思いました。
壁を蹴ったり、物を力いっぱい投げつけることは表現ではないし、
演技でもないと思います、小劇場では。
それが見ていてとても気になってしまった。
もちろん、ゲネ等で劇場側とは折り合いがついているのだとは思うのですが、それでも本番で力んだら思わぬ事故を起こしかねない気がしました。
そうなると小劇場を拠点としている人たち全員の連帯責任にもなりかねないのでは?と考えてしまいました。
作品や劇団を批判する気持ちは全くありません。
ただ、このようなことを感じる観客もいる、ということだけを
こちらに記しておきます。
ですので、最後まで楽しく観劇できたのですが、
こちらの分を一つ引かせていただき、☆3つとさせていただきました。
満足度★★★★
ノスタルジーに浸り……。
ノスタルジックな内容と舞台装置に酔えました。
戦争とサーカスという世界観が「今」は少し新鮮な感じでした。
ゆやーんゆよーんの中原中也がアリスのドウドウ鳥になるとか、言葉遊びと文学臭が多分「らも世界」なのかな、と解釈しました。
ベイビーさんは何だったのか。これは人によって見え方の違う「想像」の産物というか象徴というか、そういうものなのかな。だから軍人は「虎」に見えて、それを食べてしまえ、と。
団長が鳥になっている、というのは手を失ったことの比喩かと思いました。
色々掘り下げて考えることができる奥行のある作品でした。
満足度★★★
テトラの美しい舞台美術は素晴らしいです。
劇場に入った瞬間の期待感は、素晴らしいと思います。
池袋のこの劇場自体の雰囲気にも合っていて。
客席も満員御礼、次回作品も期待しています!
ネタバレBOX
全体的に話が広がりすぎて、というか、多くの要素を入れすぎて、結局誰の何の話なのかよくわからなくなってしまった。
最後まで見てもそれはぼんやりとしか伝わらなかったです。
特にでくの登場が遅く、説明が長く続いた前半は正直つらかった。
最初こそ舞台や衣装の美しさに目を引かれるのですが、美術って、あっという間に視覚が慣れてしまうんですよね。
だからいかに美術を駆使しても、「慣れ」てしまった視覚的刺激は、それ以上にはならないわけです。
だからこそ大事なのが「脚本」だと思います。
火事や逃げ道を作る要素など、どうも前回の脚本・演出と被る部分もあり、「なんかこれ見たな」という既視感があって、その辺も次回は「こうきたか~」みたいにしてくれると「見がい」があるかな、と思います。
全体の構成は、「なんで?」と思うことが多くて、つじつまが合う合わない以前のことに思いましたが、それでも素晴らしいと思ったのは、登場人物一人ひとりに事情があり、感情を支配する「今」があること。
こういう設定を抱える人物を構築することができるのはプロの仕事だと思いました。
決して「面白くなかった」わけではないです。ただ、もっと脚本の段階で練ることができただろう箇所がいくつか存在したように感じたわけです。
結局でくは西行が作った幽霊だったの?幕末に西行が出てくるとしたら幽霊がつくった幽霊の話?とか。
こういうことって多少知っていることが邪魔なだけになることもあるんですよね。私は職業柄そういうことを痛感することが多いです。
もっと観客がイマジネーションを広げて全部受け入れたら、そっちのほうが楽しめるのに、という……。
「時代劇」というだけでファンタジーの要素が入るし、前回も宮沢賢治でしたので、舞台での「ファンタジー」を追求する団体だと思います。
そうなると「なんでもアリ」の世界の中で、いかに「どこにでもある」要素を入れて観客側に世界をグッと引き寄せることができるか、そういうことが課題だと思います。
もちろん次回作品も見に行きますので、それまでイマジネーションを貯めて温めておいてください!!
私(観客側)も世界観を楽しめるように勉強したいと思います!
満足度★★★★
内容を知らないで見たのでびっくり
ついこないだアイフォンにしたばかりです!!
千秋楽まで頑張ってください!!!
ネタバレBOX
アップル社の前に並ぶ人たちの話だなんて全く知らずに見たので、途中まで意味がわかりませんでした。
でも、わかってからは「なるほど」と思わず膝を打ってしまった!
(古!!!)
これ、新しいシットコムに思えました。
一時間おきの暗転は、ややまどろっこしく感じましたが、視点が新しいし、物語の展開も意外性が多くて斬新だと思いました。
フルタ丸ってはずれがない!!
すごい劇団です。
満足度★★★★★
見てきた!!
「観客を楽しませる」という原点がはっきりしてる舞台でした!!
本当にただ面白いだけ!!そんだけ!!
でも脚本は意外に(と言ったら失礼ですが)しっかりしており、あえてちゃっちい舞台美術が妙に映えていたりして、なんか軽く嫉妬しました(笑)
私が見たのは「地獄の楽園ナイトメア」でしたが、「ボードヴィル」も見たくなってしまった。
そして何をやるのかさっぱりわからない(想像つかない)女子会とか、男祭とか、私が下北沢に住んでたら毎日通っちゃうのになあ~!!!
満足度★★★★★
漫画原作を舞台にしたようなダイナミックさに興奮!!
久しぶりにハチャメチャでただただ楽しい舞台を観ました!!
ああやっぱりコロさんは天才だったんだなあ!!!!
狭い舞台に27人が入れ替わりたちかわりのギュウギュウ詰めのダンスは、最初こそ「大丈夫なんだろうか」と心配しましたが、役者一人ひとりの身体能力の高さと確実な演出力でしっかり見せてくれました!!
リピーター率も高いようで、確かに右・左、両方見たいと思いました。
人にお勧めしたい!!
一晩おいてやっぱりああ楽しかったと思ったので☆追加しました。
5☆達成!!!
ネタバレBOX
神さまとオカマ妻と偏屈市長の対決物語。といえばいいのかな?
特に筋書がどうとか、すごいセリフがあるとか、シナリオ的なことはさておき、ていうかもうそういう固いことは言いっこなしで、ただただ出演者があっちゃこっちゃ出たり入ったりくるくる場面転換し、それを見ているだけで楽しめました。
そしてそんな動きの激しい中で、ただ一人、もじもじ君(年齢がばれるw)のような異様に身体能力の高い役者が出てきて観客の視線を持っていく!
この世界観にただ身を置いて日常を忘れられたらそれで言うことなし。
小劇場B1、初めて行きました。
楽園を一回り大きくしたような舞台に4つの出入り口を作り(一つはお客様出口)、縦横無尽前後左右右往左往に出ハケす中で、役者の動きにミスはなく……と思っていたらなんとコロさんがちょっと躓いていて、うっかり笑ってしまった!ああでも久しぶりにコロさんの元気な姿を見られて大満足。
シナリオがどうとかどうでもいいといいましたがコロサイン入りの台本を購入してしまいました。もう一度見たいけどスケジュール的に難しいので、台本で舞台の余韻を味わいたいと思います。
満足度★★★★
墓地を模した美術にため息。
入った瞬間に、墓標のような柱(あとでこれが××と化す)や、暗い雰囲気の東屋、そして卒塔婆のような……(あれは何だったんだろう?)。
雰囲気がとても素敵でした。
また、オープニングの影絵も良かった。
異空間を思う存分楽しみました。
この美術に+☆。
ネタバレBOX
脚本のことを言うと、ちょっと物足りなかったです。
前半、事件のあらましを言葉をかえて何度も説明するのは必要かな?と思いました。
また、銀河鉄道と国鉄って……ダジャレ?
ここに関しては正直、一切必要ないと感じました。
宮沢賢治はどうとでも取れる作品(特に銀河鉄道は年に二度くらいモチーフとして見るほどのもの)なので、作家が使用してみたいのはわからないでもないですが、その部分こそなぜ作家自身の言葉で表現しないのか不思議でした。特にラストにで宮沢賢治の台詞を出すのは個人的にはあり得ないです。
安易に感じてしまうからです。
そこを作家自身の言葉で語ってよ!と思ってしまいました。
宮沢賢治がでてくると朗読劇風味が出てしまい、そもそもよく知ってるシーンばかりだし、中盤以降は正直しんどかった。せっかくの役者の演技が楽しめなくなってしまう、というのは私の個人的な好みなのかもしれませんが………。
細かい描写で「ん?」と思う部分はあるにはありましたが、全体的に時代背景やオープニングの「電車ごっこ」の影絵が効いており、楽しめました。
ただ、結局、自殺ほう助をしたトキコがなぜ「自殺するとは思えないから」と探偵に依頼したのかがよくわからなかったです。
どなたかのレビューを見たらわかるかな~と思ったのですが、正直、私にはよくわからなかった。それより犯人が挙がらなかった弟の犯人の方が、姉としては気にならなかったのかな?とか、最後で変な感じがしてしまった。
とはいうものの、絵として見ると、ラストの総裁の椅子に座ったエダシマの超カッコいい(めっちゃ震えた!!)シーンとか、レールが下りてきて、そこにえげつなく(いい意味で刺激的)事件を再現するとか、弟が死んで傘をさして遠い目をして笑うトキコとか、心が震える場面も多かったです。
舞台美術の異空間ぶりや、大げさな芝居の探偵、終始抑え気味の運転手、ストーリー等の齟齬を度外視しても十分楽しんだ2時間でした。
谷仲さんは今まで私が見た中で一番役所広司に似ていました!
満足度★★★★★
ディテールに神が宿る。
BY黒澤明。
※千秋楽後に内容を書き直しました。
ネタバレBOX
といいつつとりあえず一つだけ。
冒頭のチャゲアスの小芝居は、作家の趣味なんでしょうか?
くだらないと思いつつも大爆笑してしまいました。
青いうさぎとか芸が細かすぎる!!
千秋楽おつかれさまでした。
レビューを見るだけで「大当たり」だったことがうかがわれます。
本当に面白かったです。
私が見た今までの舞台の中で間違いなくベスト3に入ります。
一言でいえば
「しゃべることができるようになってしまった犬が少女を好きになってしまったばっかりに人と出会い人に飲み込まれて利用されながらも愛を貫こうとするラブストーリー」
と、解釈しています。
初見の団体さんだったので、被り物とか、決して上手というほどではないダンスや歌の時は「どうなっちゃうんだろう」といささか不安もありましたが、実はこの日、連日のワールドカップ観戦で完徹で伺ったのに、最後まで1秒たりとも眠気は襲って来ず、1ミリも目が離せない舞台でした。
大まかなストーリーはオーソドックスすぎるほどのベタなラブストーリーで、
その上に中国だのしゃべる動物だの戦争だのと、全く違う要素をてんこ盛りにし、早い展開で観客をぐいぐい引っ張り、あれよあれとという間に、ラストで出て来る「手足のない日本兵」でした。
そこで当然展開は見えたのですが(夢オチ)、では一体ゴルバチョフはどこに戻るのだろうと思ったら、なんと、
とくにうまくもないなあと思って見ていたキャバレーの踊りと歌ですよ。
もう全くそういうつもりじゃなかったのに、思わず泣いてしまいました。
結構ガーっと涙があふれてしまいました。これは快感です。
ちなみに人の舞台で泣いたのは初めてです(笑)
「よりによってなぜこのシーンで泣いてしまうのか」と思いましたが、隣の女性もかなり泣いていたので(というか、結構泣いてる人が多かった)、作家としては当然計算だろうと思います。
面白いと感じる作品は、最終的にディテールがあることだと思います。
今回の舞台では、「鋼鉄の卵を産むにわとり」「手足を欲するトカゲ」「椅子と結婚するマッサージチェア」という三人のキャラクターに、神が宿っていたのだと思います。
この三人はストーリーに大きく関係しているわけではなく、にぎやかしな感じ、しかも被り物ですから、ぱっと見ると「あははは」で終わるのですが、実は全編通じてそれぞれが訴えていることがあります。
「自信」「願望」「癒し」です。
あえて被り物で観客の目をそらしていたとしても、作家の意図は十分作品に反映され、そこが最終的に感動に繋がっているのだと感じました。
クレオパトラの妙な存在感も、舞台上にいるだけで笑ってしまったし、それに負けないカエサルも、ラストに衝撃の姿で登場して全部持っていく感の謎の男も、細部にわたって役者の魅力が光っていました。
もう一度見たいと思いましたが、中日すぎたくらいでほぼ売り切れていました。評判ってすごいんだなあと思いました。
またぜひ見たいと思います。