ビビの観てきた!クチコミ一覧

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夏の夜の夢のよう ~朝が来る前に妖精を消せ~

夏の夜の夢のよう ~朝が来る前に妖精を消せ~

花歌マジックトラベラー

ブディストホール(東京都)

2010/09/03 (金) ~ 2010/09/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

数少ない「今年の1本」!!!
辛口ビビちゃんも大納得!!!シェイクスピアをベースにきっちりした構成と脚本と演出で、伏線をこうやって収拾するのか!!素晴らしいです!!確かにオシモなネタも満載ですが、そういうのはただの遊びであって、内容自体は小劇場という世界の中ではない、しっかりしたエンターテイメント作品でした。見てよかった!!

明けない夜 完全版

明けない夜 完全版

JACROW

シアタートラム(東京都)

2011/08/25 (木) ~ 2011/08/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

忘れられない名作
細部にこだわった演出が忘れられません。

ネタバレBOX

救いのない話の中にさらに救われないエピソードが入り込み、
どうにもならない閉そく感のままに幕が下りる………。
作家として、このラストは勇気ある作品だと思いました。

昭和という舞台設定も最初は「どうして?」と思いましたが、味わいがあり、そのノスタルジイも世界観の一部となって、夢中になりました。
こだわりの舞台美術も素晴らしかったです。

銀河廃線 あの夜、僕は汽車から降りた。

銀河廃線 あの夜、僕は汽車から降りた。

テトラクロマット

恵比寿・エコー劇場(東京都)

2013/07/24 (水) ~ 2013/07/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

面白かったです!
私が好きなシーンは、ローズのシーン。気持ちわかるなあと思いました。ローズを演じた役者さんは印象的です。また、映像をあえて生身の芸達者な役者を揃えて表現した、という演出の工夫が素晴らしく、天井も奥行もある劇場に、最小限のセットで心情風景を見せていたと思います。
パンフレットのインタビューも楽しく拝読しました。

ネタバレBOX

一番グっと来るのは、「三角関係の瓦解」の方向性です。三角関係と言えば普通は男女の恋愛になると思いますが、この物語はそうはいかない。一人だけ女の子だったエリ、そしてそれを「わかる」と言ったローズ、そういう「男子を追いかける女子」の二つの視点に、偉大な作家性を感じました。
あえて言うのならばふうちゃんはちょっとありきたりな気がしてしまった。他が個性的な視点で描かれたキャラクターだっただけに惜しいなと思いました。もちろんその「惜しい」と思った部分も、演出や演じる役者がしっかり理解し存在するので見せ場となっているんだと思いました。
神と遊べば

神と遊べば

コロブチカ

小劇場B1(東京都)

2014/08/19 (火) ~ 2014/08/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

漫画原作を舞台にしたようなダイナミックさに興奮!!
久しぶりにハチャメチャでただただ楽しい舞台を観ました!!
ああやっぱりコロさんは天才だったんだなあ!!!!
狭い舞台に27人が入れ替わりたちかわりのギュウギュウ詰めのダンスは、最初こそ「大丈夫なんだろうか」と心配しましたが、役者一人ひとりの身体能力の高さと確実な演出力でしっかり見せてくれました!!
リピーター率も高いようで、確かに右・左、両方見たいと思いました。
人にお勧めしたい!!

一晩おいてやっぱりああ楽しかったと思ったので☆追加しました。
5☆達成!!!

ネタバレBOX

神さまとオカマ妻と偏屈市長の対決物語。といえばいいのかな?
特に筋書がどうとか、すごいセリフがあるとか、シナリオ的なことはさておき、ていうかもうそういう固いことは言いっこなしで、ただただ出演者があっちゃこっちゃ出たり入ったりくるくる場面転換し、それを見ているだけで楽しめました。
そしてそんな動きの激しい中で、ただ一人、もじもじ君(年齢がばれるw)のような異様に身体能力の高い役者が出てきて観客の視線を持っていく!
この世界観にただ身を置いて日常を忘れられたらそれで言うことなし。

小劇場B1、初めて行きました。
楽園を一回り大きくしたような舞台に4つの出入り口を作り(一つはお客様出口)、縦横無尽前後左右右往左往に出ハケす中で、役者の動きにミスはなく……と思っていたらなんとコロさんがちょっと躓いていて、うっかり笑ってしまった!ああでも久しぶりにコロさんの元気な姿を見られて大満足。

シナリオがどうとかどうでもいいといいましたがコロサイン入りの台本を購入してしまいました。もう一度見たいけどスケジュール的に難しいので、台本で舞台の余韻を味わいたいと思います。
てのひらの虫

てのひらの虫

RASCAL

小劇場 楽園(東京都)

2014/05/29 (木) ~ 2014/06/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

作家です!!!
昨日は無事に初日を終了しました!ありがとうございました!!お越しいただいたお客様に10年分くらいほめられました!!脚本を書いた私が言うのもあれですが、緊張感あふれる濃密な舞台に仕上がりました。これあと1ステージしかないなんてもったいなくて泣けてきます!!

ネタバレBOX

自分の作品を自画自賛するのはこりっちではあんまり見ないですが(ていうか私以外やっているのを見たことがないですがw)、ルール違反じゃないからまあいいや、不快に思った方、すみません。どうぞお許しくださいませ。
裁かれません

裁かれません

カリフォルニアバカンス

アイピット目白(東京都)

2009/06/10 (水) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

楽しめました☆
以前からお名前は存じ上げていた「カリフォルニアバカンス」。ビビプロのDVDに出演していただいた山口友和さんが出演ということもあり、ついに見ることが出来ました!!
公演全体の企画が素晴らしく、観客を巻き込むその方法にとにかく脱帽です。ああいう風に巻き込んで、その世界に連れて行ってくれるのね…素晴らしい仕掛けでした。ラストまで見てもその仕掛けが生かされていて、このアイデアはもう、神さまです。
内容も地獄の中で起こる悪魔対亡者対鬼って…シンプルなカテゴリーの中にも現代の就業事情が織り込まれ、笑いを取っており、楽しめました。千秋楽ですね、がんばって下さい!!!

ネタバレBOX

私が何よりすごいと思ったのが、「設定を生かす能力」です。
前説みたいなイベントの部分で観客にさいころをふらせて、「もし生まれ変わったら何になるのか」というのを面白おかしく舞台上でパフォーマンスしていました。これだけなら「ああ楽しかった」になるんだけど、それが最後の登場人物の行方においてきちんと生かされていたし、劇中でもその観客を「亡者」として扱っていじっていたりと、これは本当に「舞台ならでは」の計算された即興劇だと感じました。
そんなに大笑いするシーンがあるわけではないのですが、ストーリーも(無理がないわけでもないけど)楽しいし、ちゃんとドラマチックに出来上がっているところが、本当に大満足の1本でした。
完全版・人間失格

完全版・人間失格

DULL-COLORED POP

青山円形劇場(東京都)

2012/11/01 (木) ~ 2012/11/07 (水)公演終了

満足度★★★★★

今更なんだけどね。
あ、そうかこの舞台がDULL-COLOREDPOPだったのね。
円形舞台は初めてで、素を見た瞬間はビビりましたが、小道具がどんどん増えていくところや、役者の声のトーンで様々な場面転換を演出したりなど、経験の浅い私には見たことのないシーンばかりでした。
やっぱり一番は、コロ!!!!
久しぶりにガッツリ演じてる「コロ」を見て、気持ち良かった!!!

殺意が死んだ夜

殺意が死んだ夜

ビビプロ

小劇場 楽園(東京都)

2013/05/29 (水) ~ 2013/06/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

作家です。
作家の私が感動したよ!!追加公演、ぜひ入りたいなあ~~!!ぜひ色々な人に見て欲しいです!!

ネタバレBOX

サスペンスでミステリーなのでネタバレは絶対にしません!だってアタイが作家だから!!
うちの犬はサイコロを振るのをやめた

うちの犬はサイコロを振るのをやめた

ポップンマッシュルームチキン野郎

駅前劇場(東京都)

2014/07/04 (金) ~ 2014/07/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

ディテールに神が宿る。
BY黒澤明。


※千秋楽後に内容を書き直しました。

ネタバレBOX

といいつつとりあえず一つだけ。
冒頭のチャゲアスの小芝居は、作家の趣味なんでしょうか?
くだらないと思いつつも大爆笑してしまいました。
青いうさぎとか芸が細かすぎる!!


千秋楽おつかれさまでした。
レビューを見るだけで「大当たり」だったことがうかがわれます。
本当に面白かったです。
私が見た今までの舞台の中で間違いなくベスト3に入ります。

一言でいえば
「しゃべることができるようになってしまった犬が少女を好きになってしまったばっかりに人と出会い人に飲み込まれて利用されながらも愛を貫こうとするラブストーリー」
と、解釈しています。

初見の団体さんだったので、被り物とか、決して上手というほどではないダンスや歌の時は「どうなっちゃうんだろう」といささか不安もありましたが、実はこの日、連日のワールドカップ観戦で完徹で伺ったのに、最後まで1秒たりとも眠気は襲って来ず、1ミリも目が離せない舞台でした。

大まかなストーリーはオーソドックスすぎるほどのベタなラブストーリーで、
その上に中国だのしゃべる動物だの戦争だのと、全く違う要素をてんこ盛りにし、早い展開で観客をぐいぐい引っ張り、あれよあれとという間に、ラストで出て来る「手足のない日本兵」でした。
そこで当然展開は見えたのですが(夢オチ)、では一体ゴルバチョフはどこに戻るのだろうと思ったら、なんと、

とくにうまくもないなあと思って見ていたキャバレーの踊りと歌ですよ。

もう全くそういうつもりじゃなかったのに、思わず泣いてしまいました。
結構ガーっと涙があふれてしまいました。これは快感です。
ちなみに人の舞台で泣いたのは初めてです(笑)
「よりによってなぜこのシーンで泣いてしまうのか」と思いましたが、隣の女性もかなり泣いていたので(というか、結構泣いてる人が多かった)、作家としては当然計算だろうと思います。


面白いと感じる作品は、最終的にディテールがあることだと思います。
今回の舞台では、「鋼鉄の卵を産むにわとり」「手足を欲するトカゲ」「椅子と結婚するマッサージチェア」という三人のキャラクターに、神が宿っていたのだと思います。
この三人はストーリーに大きく関係しているわけではなく、にぎやかしな感じ、しかも被り物ですから、ぱっと見ると「あははは」で終わるのですが、実は全編通じてそれぞれが訴えていることがあります。
「自信」「願望」「癒し」です。
あえて被り物で観客の目をそらしていたとしても、作家の意図は十分作品に反映され、そこが最終的に感動に繋がっているのだと感じました。

クレオパトラの妙な存在感も、舞台上にいるだけで笑ってしまったし、それに負けないカエサルも、ラストに衝撃の姿で登場して全部持っていく感の謎の男も、細部にわたって役者の魅力が光っていました。

もう一度見たいと思いましたが、中日すぎたくらいでほぼ売り切れていました。評判ってすごいんだなあと思いました。
またぜひ見たいと思います。


その嘘に、リボンを

その嘘に、リボンを

ビビプロ

シアター風姿花伝(東京都)

2009/11/27 (金) ~ 2009/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

ご来場ありがとうございました!!
ビビプロ第三回公演
「その嘘に、リボンを」へのご来場、まことにありがとうございました。
ビビプロ史上最高の540名のお客様にお越しいただき、本当に心より感謝しています。
今後の活動はビビプロホームページをごらんください。
また、MVPを発表しました。
http://blog.livedoor.jp/fromvivipro/
よろしかったらご覧下さい。

TOKYO BAKA EXPO 2013

TOKYO BAKA EXPO 2013

あぁルナティックシアター

小劇場 楽園(東京都)

2013/09/30 (月) ~ 2013/10/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

見てきた!!
「観客を楽しませる」という原点がはっきりしてる舞台でした!!
本当にただ面白いだけ!!そんだけ!!
でも脚本は意外に(と言ったら失礼ですが)しっかりしており、あえてちゃっちい舞台美術が妙に映えていたりして、なんか軽く嫉妬しました(笑)
私が見たのは「地獄の楽園ナイトメア」でしたが、「ボードヴィル」も見たくなってしまった。
そして何をやるのかさっぱりわからない(想像つかない)女子会とか、男祭とか、私が下北沢に住んでたら毎日通っちゃうのになあ~!!!


いばら館のろくでなしのヨウコさん

いばら館のろくでなしのヨウコさん

劇団40CARAT 【第36回公演『ダーリン×ダーリン×ダーリン』9月15日[金]~9月17日[日]阿佐ヶ谷アルシェ】

ザムザ阿佐谷(東京都)

2009/05/22 (金) ~ 2009/05/25 (月)公演終了

満足度★★★★★

芸術性を堪能。
まず、「ラピュタ阿佐ヶ谷」という劇場が、あのラピュタなのね…
入る前に、あの外観!!!!すでに「ワクワク感」が高まりました。
舞台美術、衣装、メイクと、凝りに凝ったつくりで、「花山ららワールド」と呼ばれる世界に引き込まれました。
その世界観、空間、演出。芸術性が高く、一枚の絵画になりうる場面、場面、場面……。思い出すとその美の追求心に、ため息が出ます。こんな舞台に立てて、役者さんは本当に幸せだと思います。難を言えば、この美しい絵巻の主役となる役者の力が、全体的にあと一つ、という気がしました。役者がんばれ!!!!もっと出来るぞ!!!!

夕闇、山を越える

夕闇、山を越える

JACROW

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2016/11/20 (日) ~ 2016/11/26 (土)公演終了

満足度★★★★★

2016年のナンバーワン作品です!
すっごく面白かった!!あっという間の2時間!!
田中角栄が可愛く見えた!!
劇場出た瞬間に脚本・演出の中村さんに「すっごい面白かった!」って言ってしまいました。本当に見終わった後、気持ちよかった\(^o^)/
「政治もの」と思って見ていましたが、実際は政治ものというよりは、田中角栄という人物を掘り下げる(しかも料亭視点で!)バイオグラフィーとでもいうべきか。
※これはあくまで私個人の感想です。

ネタバレBOX

脚本が素晴らしかったです。
過不足なく、笑いも適度に取りながら、高度成長前夜の日本を料亭で見せた。
背景の説明はスケッチ風に、それでいてしっかりドラマチックに盛り上げるところもあり、構成の良い脚本でした。
役者は驚いた!大平が出てきたときは思わず笑ってしまいました。
みなさんそっくりで!物まね番組に出られそうな似せ演出も面白かったです。
強いてあげればもう少し客席に余裕があったら……。
寒かったので厚着している方ばかりでちょっと狭かった。
客席案内が素晴らしかった。狭いところを一人一人丁寧に案内いただきありがとうございました。
イヌ物語

イヌ物語

劇団サーカス劇場

シアター711(東京都)

2009/06/24 (水) ~ 2009/07/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

椿晶子さん、お疲れ様!!
やっぱり何はともあれ、赤澤ムックでしょう。という、舞台でした。彼女の存在感、一挙手一投足、ハスキーボイス、そして目。ひきつけられました。後半、金崎敬江の見せ場になるのですが、こちらも素晴らしい。二人の女優に圧倒され続けた90分でした。脚本と演出が別なのですが、見ていて感じたのは、「描きたい部分にきちんとスポットの当った演出がされている」ということです。脚本家と演出家も、きっと赤澤ムックと金崎敬江のような、「対決!火花!」みたいな、いい関係だったのではないでしょうか。そしてこんなに素晴らしい役者と一緒の舞台に立った、椿晶子さん、本当に素晴らしい時間をありがとう!!

ネタバレBOX

とにかく心に残ったのは、鍵をばらまくシーンです。あれは素晴らしい。二人の女優の絡み方、役の設定、そして伏線…。鍵が一つではない、そこにものすごい衝撃を受けました。私は観劇がそんなに多くないですが、でもあえて言ってしまえば、あの鍵をばらまくシーンは、小劇場で見た芝居のシーンでは、ダントツに1位です。
悪趣味

悪趣味

柿喰う客

シアタートラム(東京都)

2009/09/04 (金) ~ 2009/09/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

柿の中で一位
ビビプロ・野元準也が遂に柿にっ?!という期待感を抱きつつ、まずは悪趣味な「乱」から観劇しました。
乱の主役〇〇(これって公表しちゃいけないみたいなので)が圧倒的に存在感があって爆発して素晴らしかった。ああ、こういうこと出来る役者さんなんだ…と思いつつ、本番では「河童」って…そのギャップもすごい。ていうか彼に河童をやらせた中屋敷さんがすごいのかな。その1点だけでも乱を見たかいがありました。あと、村長は最高!!出てくるだけで笑いが止まらなかった!!あ~天才!!
あと、席がよかった。ど真ん中のどセンターだったので、舞台全部が見渡せて素晴らしかったです。(とってくれた野元君に感謝)
本チキも、「筋知ってるけどどうせ2回見たくなる芝居だし」と思って見ました。やっぱり面白かった。こちらはコロさんの存在感…顔の細かな表情が最前列で見られて本当に良かった。柿のコロさんは、やっぱりいい!!
言いたいことはまだまだありますが、とにかく良かった!!
こういうの、本当にすごいなあ。

旅がはてしない

旅がはてしない

アマヤドリ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2009/07/17 (金) ~ 2009/07/21 (火)公演終了

満足度★★★★

美しかった。
アーティスティックに凝った舞台、衣装、照明、音楽、そして役者。
どれもが美しい舞台でした。
ダンスも評判どおりで、見ごたえがありました、もっと見たいと思いました。
ダンスというか、「動き」です。急・緩・動・静の動き、その表現が巧みで、プロムナードのように形成される団体の形も美しかったです。天才的!コロ様があまり活躍してなかったのが個人的にはちょっと物足りなかったです。
大獅、お疲れ様でした!!
また、出演者の所属団体の代表というだけでご招待をいただき、ありがとうございました。

ネタバレBOX

芝居自体は、世界観が独特で、ついていきづらかったです。何かを抽象化して表現してるのはわかるのですが、完全に現代社会とリンクするところがないので、想像すること、感情移入することが大変でした。
それと2時間半は長いです…ただ、そんなに押し付けがましいものではなかったし、受け入れられないというわけでもなかったです。
それにしてもダンスというか、あの動きは、素晴らしかったです!

共演NG

共演NG

劇団フルタ丸

「劇」小劇場(東京都)

2014/05/16 (金) ~ 2014/05/25 (日)公演終了

満足度★★★★

緻密な演出と美しい美術
緻密な演出と美しい美術は、フルタ丸さんの特徴です。
役者も常に安定していて、ヘタクソが一人もいない。
緩急・強弱があり、毎回見ていて安心します。

ネタバレBOX

いわゆるメタ構造。
冒頭の漫才コンビの「その後の二人」の「舞台」の話。
結局なぜか二人とも舞台役者になっていた。

一つ一つの小さなエピソードを積み重ね、
一つの大きなテーマを持たせて見せていく展開は面白かったし、
考えながら見ることになるので、そこも飽きることなく楽しめました。

ただ、一つ一つの話が、起承転結ではなく序破急なんですよね。
舞台だからそうなのか、よくわかりませんが………。
なので物語が急変する感じが、ちょっともやっとします。
フルタさんの、ドッカンとした太い長編も見てみたいです。
ひなたのなかのこども

ひなたのなかのこども

風雷紡

d-倉庫(東京都)

2014/08/13 (水) ~ 2014/08/19 (火)公演終了

満足度★★★★

墓地を模した美術にため息。
入った瞬間に、墓標のような柱(あとでこれが××と化す)や、暗い雰囲気の東屋、そして卒塔婆のような……(あれは何だったんだろう?)。
雰囲気がとても素敵でした。
また、オープニングの影絵も良かった。
異空間を思う存分楽しみました。
この美術に+☆。

ネタバレBOX

脚本のことを言うと、ちょっと物足りなかったです。
前半、事件のあらましを言葉をかえて何度も説明するのは必要かな?と思いました。
また、銀河鉄道と国鉄って……ダジャレ?
ここに関しては正直、一切必要ないと感じました。
宮沢賢治はどうとでも取れる作品(特に銀河鉄道は年に二度くらいモチーフとして見るほどのもの)なので、作家が使用してみたいのはわからないでもないですが、その部分こそなぜ作家自身の言葉で表現しないのか不思議でした。特にラストにで宮沢賢治の台詞を出すのは個人的にはあり得ないです。
安易に感じてしまうからです。
そこを作家自身の言葉で語ってよ!と思ってしまいました。
宮沢賢治がでてくると朗読劇風味が出てしまい、そもそもよく知ってるシーンばかりだし、中盤以降は正直しんどかった。せっかくの役者の演技が楽しめなくなってしまう、というのは私の個人的な好みなのかもしれませんが………。

細かい描写で「ん?」と思う部分はあるにはありましたが、全体的に時代背景やオープニングの「電車ごっこ」の影絵が効いており、楽しめました。
ただ、結局、自殺ほう助をしたトキコがなぜ「自殺するとは思えないから」と探偵に依頼したのかがよくわからなかったです。
どなたかのレビューを見たらわかるかな~と思ったのですが、正直、私にはよくわからなかった。それより犯人が挙がらなかった弟の犯人の方が、姉としては気にならなかったのかな?とか、最後で変な感じがしてしまった。

とはいうものの、絵として見ると、ラストの総裁の椅子に座ったエダシマの超カッコいい(めっちゃ震えた!!)シーンとか、レールが下りてきて、そこにえげつなく(いい意味で刺激的)事件を再現するとか、弟が死んで傘をさして遠い目をして笑うトキコとか、心が震える場面も多かったです。


舞台美術の異空間ぶりや、大げさな芝居の探偵、終始抑え気味の運転手、ストーリー等の齟齬を度外視しても十分楽しんだ2時間でした。
谷仲さんは今まで私が見た中で一番役所広司に似ていました!
Parallel /パラレル

Parallel /パラレル

劇団フルタ丸

「劇」小劇場(東京都)

2013/11/07 (木) ~ 2013/11/11 (月)公演終了

満足度★★★★

舞台上の見た目の美しさ…★★★★★
セット、役者の丁寧な演技、そして演出。
舞台上の見た目の美しさは圧巻でした。
実はそんなに新しいことをしているわけではなく、よく見る設定だし、パラレルはありきたりですが、ただ、演出の構想があって書いた脚本は、「舞台を見せるための脚本」という感じ、見ごたえがありました。
面白かったです。

ネタバレBOX

ただ、正直に言ってしまうと、「見た目の美しさ」が全てで、実はありきたりなことしかやってないなあと後から思ってしまいました。
二つの世界の「もし」は、もっと破綻していてもいいんじゃないかと思います。
舞台でSFをやるなら、もっとぶっ飛んでほしかった気がします。
うまいことまとまってしまった、という感じがしてしまいました。
なんか惜しい!みたいな。
匿名家族の時のような丁寧に積み上げた脚本のほうが、満足感が高かったも。
悪党

悪党

innocentsphere

座・高円寺1(東京都)

2016/04/13 (水) ~ 2016/04/17 (日)公演終了

満足度★★★★

長いよ……(笑)
2時間15分です。とにかく長いし、最後の15分は完全に蛇足。「終わりだな」と思わせてから15分は、長いです。そういうのは集中力が切れるのでやめた方がいい。それカットして、ラストシーンを15分前倒しにしてほしいです。周りの人は相当そわそわしてましたし、私もそわそわしちゃいました……とはいえ、とても見応えがありました。特にラストシーン。以下ネタバレへ。

ネタバレBOX

座高円寺の舞台上にあんなでかいシミ?があったの?ってずーっと思っていました。なぜなら素舞台じゃないけど、デハケ口をはっきりと観客席に見せる美術になっており、すごく変な感じ。ただこれは、「劇中劇」という内容に沿った美術ですので舞台を見る上では違和感はありません。
そしてこの「シミ」がラスト、とんでもないところに繋がるわけです……。


池田小事件関連の様々な読み物のあっちこっちを持ってきたような内容に、既視感がぬぐえませんでした。
被害者遺族も同様で、物語というよりはルポというかドキュメンタリーを見ているような気もしました。
そこはそういう狙いだとしたら、そういうもんか、と思うだけです。
客席では涙をぬぐう人が結構いらっしゃいましたが、私はそういう理由のためにいまいちラストシーンの手前まで惹き込まれませんでした。
また、「悪党」といってリチャード三世を出してくるのならば、佐久間の内側をもっと掘り下げるべきだと思いました。被害者を描きすぎて「お涙ちょうだい」風にうまくまとめられてしまったのはなんか残念な気もします。そういうのはテレビで見られるから……。

で・す・が。

私が今まで見た舞台シーンのトップ5には入るようなラストシーン。
胸が締め付けられました。

座高円寺の舞台上のシミが、殺された娘のものだった……。

これは意外性があって凄かったです。そしてそこからのラストシーンへの展開。見た価値がありました。

役者さんも一人も下手な人がいない!座高円寺の舞台に立つのだから当たり前っちゃあ当たり前ですけどね。
主演の女性は特に変化がはっきりわかる演技で、見応えがありました。

ですので満足です。

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