Pittsburgh Philの観てきた!クチコミ一覧

21-40件 / 400件中
フリル

フリル

アマヤドリ

王子小劇場(東京都)

2012/09/08 (土) ~ 2012/09/17 (月)公演終了

満足度★★★★

第0回公演
「うれしい悲鳴」で爆破したひょっとこ乱舞改めアマヤドリの第0回公演。

んー、良作でした。メンバーはほぼ同じだけれど、劇団名を変えるという大きな決断をした価値が十二分に出ていたと思う。確かに「だから何?」という話の流れが主軸になっていて、こんな日常を観るためにお金を払う必要かあるのか?という面もある。が、劇団と広田淳一さんが放つ世界観というのはあの劇場のあの時間でしか体験する事ができないので、演劇らしい貴重な「だから何?」だったと思う。

無理せず作品をリリースした第0回公演。今後も期待する。

松下仁さんは観させてもらう度にレベルを上げていっている。こちらもまだまだ楽しみだ。あと観させてもらった回では、なぜか根岸絵美さんが椅子に激突しまくっていた。意図的な演出なのかなとも思ったが途中からはぶつからなくなっていたので、単なるアクシデントの連続だったのかもしれない。

ちなみにもう「乱舞」ではないので、踊りのシーケンスはいらないのではないかな。

進化とみなしていいでしょう

進化とみなしていいでしょう

クロムモリブデン

赤坂RED/THEATER(東京都)

2012/07/28 (土) ~ 2012/08/14 (火)公演終了

満足度★★★

レッドシアター=クロムモリブデン
「節電 ボーダー トルネード」以来のクロムモリブデン。

相変わらずのカッコ良さ。クロムモリブデンという劇団にしかないあの統一感。劇団力。最近ではレッドシアター=クロムモリブデンという印象が強く残る様になってきている。作品構成、舞台美術、音響、照明、どれもクロムモリブデンによる一級品だ。動き、テンポのリズムが気持ち良い。

ただ前作でも書いたのだが、話を無理矢理分かりにくくし過ぎている気がしてならない。もっともっとドストレートな作品を観てみたいものだ。実力に関してはもう疑う余地もないので、クロムがレッドシアターで観せるド直球作品をいつか観させてもらいたい。

あと音楽。前作はDEVO押し。今回はクラフトワーク押し。カッコいいのだが、前作で味を占めた感は拭えない。繰り返しの部分の演出が前作とほぼ同じなので、もう少し何か違う観せ方をしてくれたら、、、というわがままなお願い。そのままでも十分過ぎるくらいカッコいいのは間違いないのだが。

森下亮さん&幸田尚子さんのデュオプレイはやはり最強。気持ちがよい。あと初見のゆにばさん、強烈。何者なのだろうか、あの人は。久保貫太郎さんは今回ちょっとやり過ぎた感じが・・・

クライシス百万馬力

クライシス百万馬力

ホチキス

シアタートラム(東京都)

2012/09/13 (木) ~ 2012/09/16 (日)公演終了

シアタートラム
「看板娘ホライゾン」以来のホチキス新作公演。なかなかのハイペースで公演をうってくれておりますな。収まりの悪い形のフライヤーが、どこ公演の織り込みでも目立っていた。

ホチキスらしいエンターテイメント。いつもより若干テンポが悪かった気もするが、役者さん達は皆いつも通り素晴らしく、キレキレなホチキスアンサンブルを観させてもらった。

ただ・・・今回は脚本がヒドい、、、あれはやっつけ仕事でしょう。失礼な言い方かもしれないが、これまでに米山和仁さんの作品は10作品近く観させてもらっている。そんな中での感想だ。とにかく今回の本はヒドいと思う。適当過ぎで、行き当たりばったり過ぎで、心が全く入っていなかった。意図的にベタにしているのだとは思うが、設定があまりにも手抜き過ぎる。ベタである理由がどこかで提示されれば良いのだが、目的も意図も見えないベタ。ご都合主義の、露骨に無茶苦茶な設定だった。

こころなしか役者さん達も演じづらそうに見えた。。。あんなに取って付けた様なご都合主義のセリフ&演出の連続では、観させてもらっていて正直しんどかった。。。ホチキスは大好きな劇団だけに、どうしてしまったのだろうかというのが今作に対する感想だ。まあこういう時もあるのだろう。

シアタートラムには無線LANはないのかなあとウロウロしていたら、向かいのセブンイレブンから電波が飛んできていた。

東京裁判

東京裁判

パラドックス定数

pit北/区域(東京都)

2012/07/31 (火) ~ 2012/08/12 (日)公演終了

満足度★★★★

やっと、初見
これまでに何度か予約をさせてもらったものの、急な用事が入ってドタキャンをせざるを得なかったパラドックス定数。遂に観させてもらう事ができた!

いやいや、待った甲斐があった。素晴らしい作品。検察側に座ったのは大正解だった。重いテーマではあるものの、たとえ敗者であっても黙認はできない強い想いを、噛み殺しながらも可能な限り前面に押し出す弁護団たち。善悪や正誤とは全く一線を画した、勝者が敗者を裁く戦争裁判。やるせない想いの叫びを感じる事ができた。

もちろん軍部の暴走も含め日本にそれなりの非があったという部分は否定してはいけないと思うし、戦争に負けた事によって不利な状況に追い込まれてしまうという部分も、出来事の規模から考えるといた仕方ないとも思う。ただ、fair trial というものを一番信じているであろうアメリカからその fair trial を与えてもらえなかったというのは、少し悲しい気がする。まあ時代が時代だっただけに、これもいた仕方なかったのか。

組曲『回廊』

組曲『回廊』

空想組曲

OFF OFFシアター(東京都)

2012/07/19 (木) ~ 2012/07/29 (日)公演終了

満足度★★★★

お見事
ナカゴーの後、「深海のカンパネルラ」以来の空想組曲へ。キャンセル待ちになり、最前列の一番端という席になった。これはこれで良かった、実は。

「組曲「空想」」以来の変則短編集。今回もお見事でした。個人的には「空想」の方が好きだけれど、今作は中心となる一本の筋が通った話が織り込まれていたため短編同士の統一感があり、またその中心となる話がとても心暖まるファンタジーでグイグイ引き込まれた。

小玉久仁子さん。毎度毎度のキレのある演技を観せてくれたのだが、今回は何といっても「バーテンダー」での演技が光った。奥の深い、大人の女性の顔。これまでの作品では一度も観た事のなかった表情にドキドキさせられた。やはり小玉さん、大好きである。

で、日替わりゲストは葛木英さん。エロカッコ良く、エロ美しい。エロじゃないか、セクシーだ。それでいてしれっとすっとぼけた演技をするので、そのギャップに落とされてしまう観客も多いのではないか。俺もその一人。

黛(まゆずみ)さん、現る!

黛(まゆずみ)さん、現る!

ナカゴー

王子小劇場(東京都)

2012/07/25 (水) ~ 2012/07/30 (月)公演終了

満足度★★★★

たまらん
佐藤佐吉演劇祭作品、ナカゴー初見。

いやはや、面白かった!これぞ俺が好きなコメディの形の一つだ。至って普通な、友人を思いやる友人という導入から始まり、でも壇れいが出てきた辺りから完全に虚構の世界に。駅でのシーンの段階で少しずつ不条理な香りはし始めていたのだが、ここまで見事な形として現れるとは!

役者さんがとにかく皆素晴らしかった・・・!個人的には乞局墨井鯨子さんの大ファンなので「海行かないー」のバカバカしさは現時点で今年No. 1。ナイロン100℃菊池明明さんもすごく好きで、まさか壇れいとして出てくるとは。しかも演じ切れていたし。

そして何といっても髙畑遊さんに超惚れてしまった。声が良い。演技も良い。もっといろいろ観させてもらいたい。

錯惑の機序、或いはn質点系の自由度 The Slight Light Like Sleight of Hand.

錯惑の機序、或いはn質点系の自由度 The Slight Light Like Sleight of Hand.

まごころ18番勝負

王子小劇場(東京都)

2012/07/05 (木) ~ 2012/07/08 (日)公演終了

満足度★★★

次に期待
風琴工房を堪能した後、王子小劇場へ。佐藤佐吉演劇祭作品、まごころ18番勝負初見。

雰囲気はとても良くて、二転三転四転する展開をテンポ良く紐解いて観せてくれたところは◎だったと思う。が、もっと良くなったはず。とにかくセリフが説明的過ぎるのだ。トリックありきで作品が書かれている事があそこまで明確に分かってしまうと、さすがに途中から冷め始めてしまう・・・

ただ面白かった事は確か。ベタなリアクションとか、ありえない環境に容疑者を放置したりとか、ある意味本格ミステリの王道を忠実に再現してくれていたと思う。
(ちなみにベタな本格・新本格ミステリは結構読み倒している。)

今後に期待。

記憶、或いは辺境

記憶、或いは辺境

風琴工房

シアターKASSAI(東京都)

2012/06/27 (水) ~ 2012/07/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

戦争か
初のシアターKASSAIにて風琴工房。「Archives of Leviathan」以来。

うーむ。もう勘弁してくれというくらいの良作だった。素晴らしい。素晴らしい。瞬きをするのが勿体ないくらいの2時間。終幕のシーンが最高。

何なのだろうな、あの空しくてどうしようもないのだけれど、集団になると乗り越えられてしまうという力強い感じ。戦争を精神論で語っても何の意味も成さないのだが、それでも気の持ち様で乗り越えられた困難を見事に描写してくれている。日本と韓国・中国・北朝鮮はまだまだ荒れ荒れな状況だ。ポーランドとドイツとかって実際どの様な関係なのだろうな、現状。やはりこちらまでは情報が届いていない軋轢がやはりあったりするのだろうか。

どこかで一回OFFにしないと、一生子孫に引き継がれ続けてしまうと思うのだが・・・でも加害者側と被害者側では、当然傷の深さが違うのだろう。ただ、加害者側の子孫(我々)って、本当にどう振る舞って良いのか分からないよなあ。戦争は絶対にしてはいけないと思うし、過去の軍国主義を完全に否定する事もできるのだが、被害者側の*子孫*達に「我々が悪かった」と本心で言えるかどうかは難しい。もちろん歴史の過ちは完全に認める事はできるのだが、我々としては「自分たちが係っていなかった戦争の責任云々」よりも、これからもっと前向きに一緒にアジアを強くしていきましょうと言いたいのに、その度に過去の戦争が云々と言われてしまうと、やはり興ざめしてしまうのだ。難しいねえ。

劇場に向かう電車の中で読んでいた週刊ポストの「宿命の子」の中で、笹川良一さんが終戦を迎え巣鴨プリズンへ収監される場面がちょうどあって、いろいろシンクロ。

役者さんが全員素晴らしい!ブルドッキングヘッドロックの津留崎夏子さん、相変わらず美しい。

Goodnight

Goodnight

劇団競泳水着

王子小劇場(東京都)

2012/06/22 (金) ~ 2012/07/02 (月)公演終了

満足度★★★★

オープニング
佐藤佐吉演劇祭2012第一弾、劇団競泳水着。「いと愛し」以来。とにかく、とにかく素晴らしい劇団。この劇団といいTOKYO PLAYERS COLLECTIONといい、上野友之さんには毎回唸らされてしまう。ろりえの梅舟惟永さんが出られなくなったのがちょっと残念だけれども。

んー、上手いなあ。兄弟妹、友達、恋人、同僚、師弟、ちょっと距離がある先生と生徒。これらを全て織り交ぜた作品を1喫茶店で無理なく展開できる劇作家が今どれくらいいるのか。時間の経ち方もいたって自然で、水道管の破裂もさほど無理がなく、喫茶店に皆を留まらせる要因作りに強引さがない。うん、面白かった。

岡田あがささん・・・いいね、相変わらず。目力が鋭くてそれでいて、目力が暖かい女優さんだ。シリアスからオバカまで、幅の広さが無限に広がる女優さんを生の舞台で観させてもらえるというのは、本当に貴重、特権ですな。

黒木絵美花さん、すごく上手くなっている。初めて観させてもらったのは劇団競泳水着第9回公演の「真剣恋愛」だったかな?あの時も印象に残る女優さんではあったのだが、存在感の幅や深みが確実に増している。2008年の佐藤佐吉演劇祭では、劇団競泳水着が大トリだったんだ。

阿久澤菜々さん。大好きな女優さんなのだが、劇団おぼんろから脱退してしまってからは、定期的に観させてもらう事ができなくなってしまった。でも久々にガッツリと観させてもらって、あぁやっぱりいいなと。

時間堂の菅野貴夫さん。いいな、あのヌけ方。

看板娘ホライゾン

看板娘ホライゾン

ホチキス

王子小劇場(東京都)

2012/05/31 (木) ~ 2012/06/10 (日)公演終了

満足度★★★★

ビューティーぞろい
ろりえ観劇後、王子へ。「砂利塚アンリミテッド」以来のホチキス。もう8、9作品目になるか、観させてもらうのは。毎回間違いなく面白いので、観逃す事ができないのだ。

で、今作も面白かったです。ここのところ、ゴーストもの?が続いているな。

砂利塚アンリミテッドのカメオなど遊び心も満載。看板娘プロデューサーという、突拍子がないけれどシャッターストリートになりつつある最近のローカル商店街にはかなり必要な職業じゃね?と思わされてしまう設定が斬新だ。

ホチキスBeautyの名の通り、ビューティーぞろい。個人的な好みでは齊藤美和子さんがダントツなのだが、中村真沙海さんもなかなか目を魅く女優さんだった。で、丹野晶子さん、強烈だ。完全に彼女向けに書かれたキャラクターだった気がする。

PowerBook G4を久々に見た。

㐂(よろこび)

㐂(よろこび)

ろりえ

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2012/05/30 (水) ~ 2012/06/03 (日)公演終了

満足度★★★★

叙情・叙事
久々のシアターグリーンにて、「三鷹の化け物」以来のろりえ。旗揚げから全公演観てまっせ。毎回新しい発見がある、やはり若手筆頭と思わせられる劇団。

叙情・叙事両方を含んだ壮大なドラマ。長さといい作風といい、先日の「百年の秘密」に通ずるものがある。奥山雄太さんの作品には必ず差別であったり自分の居場所に対する想いであったりが含まれていて、そこに一定のくだらなさと物事の軽さを加えて天秤にかけさせる。観客はそれを観て、自分の「何か」投影させ、客観的にその「何か」を考える事ができる。不思議な劇団だ。そして、まだまだ目が離せない劇団だ。

それらを表現する事を担わされているろりえ娘4人。魅力がすごい。志水衿子さんの天真爛漫さ。ブレんなあ。

百年の秘密

百年の秘密

ナイロン100℃

本多劇場(東京都)

2012/04/22 (日) ~ 2012/05/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

壮大
当日券目当てで劇場へ行っても入れなかったりを繰り返し、遂に平日のナイロン100℃。ナイロンは11月の「ノーアート・ノーライフ」再演以来。ケラさんの作品は「龍を撫でた男」以来。

ナイロンの作品は長いので平日仕事の後に観るのはいろいろしんどい。内容に関係なく疲れで眠くなってしまうのだ。なので極力平日は避けていたのだが、今回は仕方がない。それくらい観たい作品だったのだ。で、観た。

・・・・・・・・素晴らしかった。3時間超えだったが全く眠くならず、とにかくグイグイ引き込まれる大河ドラマだった。演劇が持つ可能性を改めて感じさせられた。本を書いている時にケラさんがTwitter上で見せている苦しみの成果をとくと感じさせてもらえた。感謝感謝。

過ぎ去る時間によって増長させられる皮肉や運命のいたずらなど、直球ではないケラさんのナンセンスを堪能させてもらえた。満足満足。満足過ぎる。全てを見ている木の存在がたまらない。これからも見続けるのであろう。

峯村リエさん、大倉孝二さん、松永玲子さん、3人のシーン。何だかジーンときた。松永さんを観させてもらうのが久々だったというのもあるのだけれど、何だかナイロンの歴史を感じてジーン。もちろん犬山イヌコさんと峯村さんのシーンも。今江冬子さんは帰ってきてくれないのかな・・・

天使たち

天使たち

リュカ. (Lucas [lyka])

王子小劇場(東京都)

2012/05/02 (水) ~ 2012/05/06 (日)公演終了

満足度★★★

初見
一昨日心が折れて観に行かせてもらう事が出来なかったリュカ.を観に我が憩いの場、王子小劇場へ。初見。5年半振りの公演らしい。待ち望んでいた様子のお客さんが多数。

優しい作品。天使はいて欲しいと信じたい。あまり見てもらいたくない場面も日々多々あるけれども。天使同士と宿主同士の関係性が完全に乖離していているので、天使たちは客観的に自分の宿主のみを分析して、宿主選びにも本腰を入れる。天使同士と宿主同士がシンクロしない事でベタな話の展開にならず、優しくも冷たさが張りつめた作品に出来上がっていた。

天使が人間に変わる流れや、先輩天使(佐藤祐香さん)の登場シーンなど、話の展開が若干唐突過ぎる箇所が多々見受けられたが、これは5年半のブランクの影響か。まだまだこれから楽しませてもらえそうな劇団だ。場面転換の度に風が入ってきて、シャンデリアの布がヒラヒラと揺れる演出。良かったです。

中田顕史郎さんが相変わらず素晴らしい。中田さんと奥田ワレタさんの科学反応が完璧だ。この2人のシーンが非常に現実的なので、劇中劇の部分がより際立つ。

池田ヒロユキさん、こいけけいこさん、境宏子さんはこれまで客演でいろいろ観させてもらっていたが、これがホームか。なるほどなるほど。こいけけいこさんを初めて観させてもらったのは、2008年の「俺を縛れ!」だった。初こいけけいこさん&初柿喰う客だったのだが、あの時の忍者ハットリくん的な役が忘れられない。

絶頂マクベス

絶頂マクベス

柿喰う客

吉祥寺シアター(東京都)

2012/04/14 (土) ~ 2012/04/23 (月)公演終了

満足度★★★★

乱痴気バージョンも観たかった
空想組曲の後、吉祥寺へ。「検察官」以来の柿喰う客。「悩殺ハムレット」に続く、女体シェイクスピア第二弾。

いやいや、面白かったです。「悩殺ハムレット」よりも今作の方がすんなりと世界観に入り込めた。何といってもテンポが良い。シェイクスピア作品というのは未だに少し構えて観てしまうのだが、役も話も追いやすく、適度にバカバカしい。終わり方が若干軽過ぎた(謎掛けのオチを聞いて、チャンチャン!といった感じ)が、この爽快感・気持ち良さを出せるのは中屋敷法仁さんだけだと思う。

内田亜希子さんと葛木英さんが良過ぎ。二人とも客演で何度も観させてもらっているのだが、その中でも1、2を争う輝き方だったと思う。岡田あがささんは完全に飛び道具。ずるい。「露出狂」辺りから柿喰う客での役回りが乱れてきている。本当に引き出しが多い女優さんだ。

乱痴気バージョンでは、七味まゆ味さんがマクベスを演じたらしい。それも観たかったなあ。

深海のカンパネルラ

深海のカンパネルラ

空想組曲

赤坂RED/THEATER(東京都)

2012/04/15 (日) ~ 2012/04/22 (日)公演終了

満足度★★★

本の力
「ドロシーの帰還」以来の空想組曲。

毎作毎作、観入ってしまう作品を提供してくれる劇団だ。銀河鉄道の夜をネタにした舞台作品というのはもうやり倒された感があるのだが、実はまだまだ引き出しがありそうで、その引き出しの一つを開けた作品に仕上がっていたと思う。悲しみから目を背けるために飛躍した現実逃避をさせるだけではなく、あくまでも現実の状況と対比させて、心が耐え得る最良の答えに導いていく。ほさかようさんの本の力が素晴らしい。

渡邉とかげさんと中田顕史郎さんが地に足をつけた演技を観せてくれている事でこの作品は単なるファンタジーにならず、そのおかげで「ドロシーの帰還」とは一線を画す作品に仕上がっていたと思う。

牛水里美さんは直球。いつもの怖さが十二分に出ていた。で、小玉久仁子さんね。超好きな小玉さんが、超好きな感じで出ていた。エラから水が漏れてたね・・・

オーシャンズ・カジノ

オーシャンズ・カジノ

北京蝶々

王子小劇場(東京都)

2012/04/18 (水) ~ 2012/04/30 (月)公演終了

ショウとしては
「パラリンピックレコード」以来久々の北京蝶々。

ショウとしてはとても面白かった。女の子達のエンターテイメント性はずば抜けていて、それだけでもそれなりに観る価値はあると思う。ただ、、、話に中身が無さ過ぎだ。芯がゼロ。ちょっと規模の大きい大学生の文化祭といった感じ。せっかく役者さん達は皆魅力溢れているのに、あそこまで何も残らない話だと・・・なんだかもったいない。

北京蝶々を観させてもらうのは今回で9作品目になるが、これまでの作品には重さであったり、深さであったり、リサーチで裏付けされた発見であったりが必ずどこかにあった。ただ今作はそういった要素が皆無だったので、正直驚いた。まさかあのままの流れで終わってしまうとは。北京蝶々という看板を背負っているからには、もう少し唸らせてもらいたかったと思うのは、観る側のわがままか。

帯金ゆかりさんのパワーは必見。相変わらず素敵な女優さんだ。

オルフェゴッコ

オルフェゴッコ

双数姉妹

吉祥寺シアター(東京都)

2012/03/15 (木) ~ 2012/03/20 (火)公演終了

満足度★★★★

活動休止
DULL-COLORED POPを観た後、吉祥寺へ。「サヨナラ」以来の双数姉妹。この公演で双数姉妹の活動は一旦止まるらしい。活動休止という話だが、雰囲気的には解散っぽい。20年間も活動を続けられた劇団ってすごい。すごいの一言に尽きる。

大団円。面白かった。舞台装置もお見事で、観客席にいてもこの作品の深い深いところに一緒に入っていく幻想に陥る。なんかこう、ダンテの「神曲」とか水木しげるの地獄本に吸い込まれた感じ。そこに佐藤拓之さんの優勝力士暗記というよく分からん力技がごり押しされるところが双数姉妹。小栗虫太郎が頭にポコポコ浮かんできて困った。何でだ。

2Fで弟の姿を決して見ずに、もくもくとカフェを経営する姉。一番心を打たれた。

あの怪演を披露してくれたのが野口かおるさんか?

くろねこちゃんとベージュねこちゃん【ご来場ありがとうございました!!】

くろねこちゃんとベージュねこちゃん【ご来場ありがとうございました!!】

DULL-COLORED POP

アトリエ春風舎(東京都)

2012/03/14 (水) ~ 2012/04/08 (日)公演終了

満足度★★★★

再始動後の初見
「心が目を覚ます瞬間~4.48サイコシスより~」以来のDULL-COLORED POP。いよいよ再始動。っていうか再始動2作目か。谷賢一さんの作品は「ヌード・マウス」以来なのでつい最近だ。

面白かったですな。圧倒的なエグさ。人の弱さを観せ過ぎている。擬人化されたネコたちの、時たま空気を読まない存在。それでいて全てを一番近くで見ているのは彼ら(彼女ら)なので、逆に人間の悲壮感とイタさを掘り下げる起爆剤になっていた。

A cat has nine lives. しぶといというか、母親の執念=ネコっていうところに、谷賢一さん作品の真骨頂を観た気がする。母親が真実を知った場合どうなっていたのか・・・も観てみたい気がした。堀奈津美さん演じる息子の妻も、実はネコでした。

百花亜希さん、かわい過ぎるだろう。

貴方と私の演劇革命

貴方と私の演劇革命

月刊「根本宗子」

新宿ゴールデン街劇場(東京都)

2012/04/02 (月) ~ 2012/04/09 (月)公演終了

満足度★★★★

初見
どこでどう動いて、どこでどう止まって、どこでどのアングルでどの表情を見せたら自分の最高を引き出せるのかを完璧に知り尽くしている人だ。

うれしい悲鳴

うれしい悲鳴

アマヤドリ

吉祥寺シアター(東京都)

2012/03/03 (土) ~ 2012/03/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

爆破
痛覚が無い=鈍感=空気が読めない男と、過敏症=敏感=必要以上に他人の気持ちを読み込んでしまう女。

このページのQRコードです。

拡大