OJの観てきた!クチコミ一覧

61-80件 / 131件中
リュウの歌

リュウの歌

新宿梁山泊

紀伊國屋ホール(東京都)

2008/05/09 (金) ~ 2008/05/18 (日)公演終了

満足度★★★★

またしても・・・
不思議な世界に導かれた・・・。

公演中なので、以下はネタバレBOXに・・・。

ネタバレBOX

この作品を観ると、どうも浮世の富や栄達に汲々としているのがバカらしく感じられ、それぞれの人間は、何かもっと大きな目的や使命を帯びて生まれて来たような、そんな気にさせられる・・。

秀逸なストーリーは勿論だが、今回演出も素晴らしい・・。
しばし現実の世界を離れ、夢の空間へいざなわれる。
もっと大切なことあるじゃん、精一杯生きようよ、おまえにしかできない役割があんだろ・・、早くそれ見つけなよ・・。
作品は、そう語りかけてきたような、そんな気がする。

観劇後、なんだか、生きていく為のバイタリティを貰ったような、そんな感じがした。

ゆんぼーさんが来る

ゆんぼーさんが来る

play unit-fullfull

サンモールスタジオ(東京都)

2008/05/09 (金) ~ 2008/05/18 (日)公演終了

満足度★★

思ってた感じとは・・・
う~ん・・・、ここまで事前のイメージと違ってたのはちょっと久々・・。
良くも悪くも、思ってた感じとは全然違ってました・・・。

ネタバレBOX

う~ん・・・。
よくぞここまで、と言う位、ムカつくキャラ、ネタを集めてある・・。
ある意味、それはそれで結構スゴイ・・。

冒頭、めそめそした生臭坊主が女性のスカートの裾を捉えて離さない・・。
無論脚本通り、計算の内だと思うが、どうもこういう感覚は苦手である・・。
シーンは動くが生臭坊主の持つスカートの裾は変わらない。
ええ加減にせぇよ、このクソ坊主・・!
フィクションとはわかっていても、およそこういう下卑た行為は、何ともイライラする・。
のっけから溜まるフラストレーション・・・。

その後も、故人を弔ふべきシーンに、およそふさわしくない行為が延々と続く・・。
え、あのフライヤー、あの作品紹介で・・、こういうキャラ、こういう展開なの・・!?
予想していたほんわかフィーリング・・とまで言わないが、およそそれとは正反対の雰囲気・・。

無職の詐欺師まがいの男にいいように支配される妹、通夜のうちに故人の許嫁に言い寄る男、喪のあけぬうちから計算高く売り買いの商談をすすめる連中・・。

う~ん・・・。
何と言うか・・・、自分は決して高尚でもないしモラルを云々する気もないが、余りに節操ない登場人物、一連のストーリーの展開に、吐き気を催すような、何とも言いようのない不快感を感じた。

ラスト、取って付けたように少しいい感じのシーンがを挟み、ケンカばかりしていた姉妹も仲直りするが、個人的な印象としては、前半(というか物語の85%)のビハインドが大き過ぎて、とても挽回できているとは思えない。

ず~っと、神経を逆撫でするようなシーン、セリフが続く。
ある意味、ここまでムカつかせられるということは、それだけ劇中世界に引きずり込まれている訳で、それなりによくできたお芝居、と言う事なのだろう・・。
ただ心乱すのであれば、それをキッチリ収束させ、スッキリ爽やかに導いてくれる場面も欲しい。
後味の悪さを払拭できぬ間にヌルリと終わりを迎えてしまい、振り上げた拳の持って行き所のないまま終わってしまったのは残念に思った。



鏡の中の異邦人~かがみのなかのえとらんぜ~

鏡の中の異邦人~かがみのなかのえとらんぜ~

風凛華斬

シアター風姿花伝(東京都)

2008/05/02 (金) ~ 2008/05/04 (日)公演終了

満足度★★★

発想は面白い・・・
ストーリー、そして、実は同一人物という発想も、とても面白かったと思う。
最小限のセットだが、場面場面の切り替えのタイミングがよく、左程違和感もない。

役者さん全員に言えることだが、少し硬さが感じられ、もう少しリラックスしてもいいのではないかと思った。


イチさんがATTのメンバーだったとはビックリ・・。
次週、目白行ってみようかな・・。

アネクメネの雨

アネクメネの雨

地球割project

萬劇場(東京都)

2008/05/01 (木) ~ 2008/05/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

やはり非凡な才能・・・
冒頭、不思議な感覚のセットに、まず興味を惹かれる・・。
主宰の挨拶の前に既に物語は始まっており、何やら緊張感を強いられる。

一つ一つの言葉の響きがとても素晴らしい・・。
そして、今回も赤い布が効果的に使われ、ああ、かって地球上の何処かで、こんな物語が繰り広げられたのかな、などと考えさせられてしまう・・。

深い、深い、沢山のことを考え、感じさせられる作品。
相変わらず、豊かな才能を思わせる・・・、今回もそういう非凡な才を感じさせられた。

この本の作者には、これからも枠に囚われず、大きく羽ばたいて欲しいと思う。
次回はどんな作品を魅せてくれるのか、また楽しみにしたいと思う。

三風谷村水没前夜

三風谷村水没前夜

劇団バッコスの祭

池袋小劇場(東京都)

2008/04/26 (土) ~ 2008/04/29 (火)公演終了

満足度★★★★★

色んな意味で・・・
予想を遥かに上回る素晴らしい作品・・。

公演中なので、詳細はネタバレBOXに・・・。

ネタバレBOX

観る前は、滅び行く故郷への哀悼歌のような、そんな重い雰囲気かと思ってたのだけど・・。


軽妙な女の子二人の会話がとってもいい感じ。
時々大きな空振りもあるが、ネタのセンス、テンポがとても良く、二人の表情も何とも言えずユーモラス。
これが、本来重いはずのテーマを、随分和らげているのだろう。

冒頭、和人に侵食されていく哀しいアイヌの歴史に触れ、それが最後に生きてくる。
色んな伏線がすっきりと収束していくところなど、脚本もとてもよく練れている。

殺陣のシーン、もう凄い、という表現を通り越して、ゾクっと鳥肌が立った。
あの狭い空間でよくぞあの高い練度まで、という点にも頭が下がる。
余程練習したんだろうな・・・、素晴らしいド迫力。

色んな意味で・・・、事前の予想を遥かに上回る素晴らしい作品・・。
作者は決してアイヌ、またここで採り上げるている平取町出身という訳ではないだろう。
こういう世界を創造し、また舞台上で表現できる才能に、敬意を表したい。

観劇後、今までそんな考えた事もないのに、追いやられるアイヌ民族、生まれ故郷が地上から消滅していく出身者の心情に想いを馳せた。




その如月の望月の頃

その如月の望月の頃

アルザマス16

OFF OFFシアター(東京都)

2008/04/24 (木) ~ 2008/04/29 (火)公演終了

満足度★★★★

色んな意味で・・・
安心して観られた・・。

自分としては好きな感じ・・。

公演中なので、以下はネタバレBOXへ・・。

ネタバレBOX

予想通り、と言う訳でもないが、「サルの手」をモチーフにした作品。

余りにも素直な展開過ぎて、先々の展開がすぐ読めてしまうのだが、それを差し引いても、なかなかいい雰囲気だったと思う。

少なくとも、自分は好きな感じ。

多分、根底にある「人のよさ」みたいなものが漂っているからだろう。

時間がとても早く過ぎた・・。

終演後、えっ、早っ、携帯の電源入れて時間を確認したが、事前のアナウンスと寸分違わぬ時間。

早く感じられる舞台と言うのは、やはりそれだけ引き込まれた作品ということだろう。

ラストもいい感じだったと思う。





自分だけの好き勝手なイメージだが・・・・。
(多分ご本人達は不本意かも・・・、そうだったら、ゴメンなさい・・・、以下気にせず読み飛ばしてください・・・)

劇団ひとりと藤田朋子がいた・・。
恐縮して汗をふきふきしてる「ひとり」と、マイオウンペースの藤田朋子・・。
・・・を連想して、自分的にはなぜかとってもコミカル。
それもあって、何だかほのぼのとした雰囲気・・。

観終わって、何か心が温かくなる、そんな気がした。




空中ブランコ

空中ブランコ

アトリエ・ダンカン

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2008/04/20 (日) ~ 2008/05/05 (月)公演終了

満足度★★★

どうしても・・・
原作のイメージで見てしまうので、少し違和感を感じた。

公演中なのでネタバレBOXに・・。

ネタバレBOX

どうしても原作の色白二重顎のイメージがあるので、中迫だと最初やはり違和感は感じた。

伊良部の子供っぽい駄々っ子キャラはよく出ていたと思うが、この舞台では、よりサーカス団内部の人間関係に焦点をおき脚色もされていたようで、原作で感じられるバカバカしいまでの屈託のなさという良さが、その分少し薄くなっているように感じられた。

一方サトエリはハマリ役。
原作のパンチの効いた役柄そのままに、外国語堪能、揉め事の交渉、果ては伊良部顔負け、花形役でちゃっかりサーカスに出演までしてしまうスーパーウーマンぶり。
白衣にハイヒール、グラマラスなマユミ役が良く合っていたと思う。

技術的な制約もあり実演は難しいのかも知れないが、最後あの終わり方はやはり中途半端。
特に、伊良部が首をひょいっと曲げて落下するシーンは、原作では重要なイメ-ジの一つなので、中迫には是非コミカルに落ちて欲しかった。
最後そのシーンをどう演じるのか興味津々だったので、ド派手な衣装ばかりフィーチャーして、結局そのシーン自体省いてしまったのはとても残念。
何だか肩透かしを食らったみたいで、不満が残った。
イエス斬り捨て

イエス斬り捨て

ファントマ

あうるすぽっと(東京都)

2008/04/16 (水) ~ 2008/04/20 (日)公演終了

満足度★★★★

最後は・・・
素晴らしいエンディング、関西らしいパワフルな舞台で、楽しめたと思う。

昨夜楽日の観劇だが、この後大阪公演もあるようですので、詳細はネタバレBOXに・・。

ネタバレBOX

他の方もおっしゃってますが、初見でこの劇団の作風を知らなかったので、やはり最初は少しとまどいを覚えた。

冒頭、あの桜田門外の変を、MCの実況中継付アメフトの試合に見立てて演じられたのはビックリ、と言うかドン引き。

幕末が舞台だし、もっとシリアスな作品を想像してたので、その後も、お芝居と言うよりはゴスペルのコンサートかと見まがうシーンの連続に、最初は度肝を抜かれた。

以蔵、龍馬、山南など、幕末よく知られたキャラはよく描かれており、ストーリー自体は(まじめなシーンでは)良かったと思う。

猫さんのシーンは個人的にはちょっと・・。
海舟はこの時代、特に龍馬が出てくる作品なら、避けて通れないキーマンのはずだが、少し軽くなってしまっているようで残念。
粋でイナセな海舟だが、それとおっちょこちょいとはまた違う。
やはり時代を転回させた立役者の一人。
もう少し違った扱いで描いて欲しかった。

芹沢がジョン万次郎になって戻ってくるのもビックリ。
まあオリジナルなお芝居なので、ストーリーが必ずしも史実通りでないといけないとは言わないが、余りにも突拍子もない展開に、抵抗を覚えた人も少なくなかったのではないか。

と、色々気になった部分を先にあげつらったが、後半の加速は見事。
素晴らしい迫力、エンディングだったと思う。
最初は戸惑ったコーラスも最後は素晴らしいパワー。
最後は身体の芯からこみ上げて来るような感動を覚えた。

最後に熱く感激させてくれるのは、やはり素晴らしい作品なんだと思う。
関西らしい、エネルギー溢れる劇団だと思った。
月の砂をかむ女

月の砂をかむ女

劇団桃唄309

ザ・ポケット(東京都)

2008/04/16 (水) ~ 2008/04/20 (日)公演終了

満足度★★★

最後はいい感じ・・
最後はなんかいい感じでした・・・。

ネタバレBOX

宇宙基地と言う特殊な舞台設定、また、専門用語を交えた個々のセリフのテンポが速く、科学に弱い自分など、しばしば状況や用語が少し分かりにくい感じに思えた。

宇宙へも当たり前に行けるようになった未来、定期的に探査基地で活動を行うようになるが、トラブルが発生し、地球との交信が途絶える・・。
危機的状況に陥った基地の様子を、回想シーンとして描いていくのだが・・。

隊長アズマが飛び出して犠牲になるシーン、あの部分はなかなか良かったと思うのだが、全体的に時系列がわかりにくく、作品全体を通じて少し難しい印象を受けたのは残念に思った。
SAMURAIメガネ荒野に立つ!?

SAMURAIメガネ荒野に立つ!?

シネマ系スパイスコメディAchiTION!

シアターブラッツ(東京都)

2008/04/16 (水) ~ 2008/04/20 (日)公演終了

満足度★★★★

とっても・・・
愉快な作品・・。

大変楽しませていただきました・・。

ネタバレBOX

個人的には、時空を駆けるBTFの世界を彷彿させられた。
個人のキャラもよく描かれているし、映像とのコラボ、音楽の挿み方、奥行きある舞台など、作品としても上手い作り方。
ストーリーも、根底にカラリとしたウェスタンの雰囲気を漂わしており、サムライ二人の友情を軸にとても好きなテースト。

サンの意外な変身(あれは男性ならみんなオォって思うんじゃないか)、サムライ以外も個々のライバル対決など、見どころも多い。

この作品を作った方って、とてもサービス精神が旺盛なのだろう。
色んな意味で、よくできたエンターテインメントだと思う。



(出てくるだけで詳しい方なら、あぁ、あぁって深く頷く)色んな有名なキャラが出てきて、多分わかる方には、たまらなく面白い世界なんだろう。
自分はそちらの方面余り詳しくないので、その点ちょっと悔しく思った。
刺青姫

刺青姫

劇団破戒オー!!!

王子小劇場(東京都)

2008/04/09 (水) ~ 2008/04/13 (日)公演終了

満足度★★

パワーはあるのだけど・・
パワーがあるのはよくわかった。
映像を挿み、生演奏を披露し、色々工夫しようとしているのもわかる。

ただ、肝心の骨の部分が全くのアウト・オブ・フォーカスでは、やはり観ている者の共感は得られないのではないか・・。

取り上げた題材、最初の出だしも悪くなかったと思う。
例の神戸の猟奇事件をモチーフに、またその根底にイジメの問題を取り上げたのもいい。
人格の壊れた被害者もよく描かれていた。

でもその後の展開がつながっていかない。
ダンスの振り付けも、今が旬のアクションのパクリで、何だか色んなところからの寄せ集めのような印象。

そして最後に全く新しいキャラであの歌が出てきて、この作品で、この人達は一体何を訴えかけたかったのだろう、クエスチョンマークがポンポン頭の中を飛び交った。


人間の手より大きな血塗られた凶器、血まみれの手の映像。

ただでさえ緊張感を植え付けられたところへ、狭い小屋であれだけの大音量とオーバーアクションだと、観てる側は嫌でも、煽り立てられるような圧迫感を覚える。

心和ませる穏やかな作風で迫るのでなく、タイトに観客を追い詰めるのなら、やはり最後は緊張を解きほぐす、すっきりした出口も用意して欲しい。

やみくもに緊張感だけ与えられ、行き場のない狂騒感ばかり残ってしまったのは残念に思った。

KNOB のぶ

KNOB のぶ

劇団Turbo

駅前劇場(東京都)

2008/04/11 (金) ~ 2008/04/15 (火)公演終了

満足度★★★★★

絶対期待を裏切らない!!
期待を裏切らないという点で言えば、ほんとに素晴らしい劇団だと思う。

今回も笑って、ほろっとさせられ、最後はとてもいい気分。

こういう時間を過ごしたいために、自分は劇場に足を運ぶんだと思う。

これから演劇を観てみたいという方には、自分なら、まずこの劇団を勧めたいと思う。


ネタバレBOX

純朴なタクシー運転手役の富田がとてもいい味を出している。
理不尽に赤ん坊を押し付けられ困り果てるが、一度縁を持った赤ん坊の行く末を案じる心優しい役柄を好演。
そして前作「マイナス・ワン」に続いて、教会の神父さんとシスターズ。
あくまで正しい道を説く神父さんと個性豊かなシスターズ。
今回は清楚なシスターズが一転、修道服を脱ぎ捨て脚も露にダンスを披露するシーンも・・。
このシーン、男性の観客には、嬉しいサプライズかも・・。
今回は定番のキリストに加え、マリアさんも優しい雰囲気。
全編ユーモアとペーソスで彩られ、根底には穏やかな慈愛が満ち溢れている。
そして、今回もまた奇想天外な結末・・。

作品の質も高いが、役者の年齢層の幅広さもこの劇団の特筆すべき点だろう。
可愛い子役だけでなく、何と今回は生後数ヶ月の赤ん坊もナマ出演。
(多分前回公演中に生まれた赤ちゃんなんだろう)
ぐずって作品を損なうこともなく、とても自然な印象。
栴檀は双葉より芳し、この子もいずれ劇団Turboの看板役者に成長するんだろうか。

相変わらず、笑わせ、そして時にほろっと来て、最後は心温まる結末が待っている。
この劇団はいつ行っても、きちんと満足させてくれるんだろう。
安心して劇場に足を運べる貴重な劇団だと思う。
御前会議

御前会議

青年団若手自主企画 柴・宮永企画

アトリエ春風舎(東京都)

2008/04/07 (月) ~ 2008/04/14 (月)公演終了

満足度★★★★

笑えた・・
面白かった・・。

素直に、笑っちゃいました。

ネタバレBOX

現代口語ミュージカル・・・。
う~ん、なるほど・・。
ミュージカルと言う言葉にひっかかるとちょっと分かり難い感じもするが、なるほど、あのリズム感、テンポ、間合い・・。

全編ナンセンスなシーンの連続なのだが、テンポの良い会話、ベタな突っ込み、意味はよくわからないのだが、笑える作品であることは間違いない。


最後までこの方達の立場がよくわからない・・。
御前会議・・・。
終盤になってようやくおぼろげながらもその意味が見えてくるのだが・・。

こういう作品は、余り深く考えずに、刹那的に楽しめばいいんだろうな。
深く考えるより、素直に笑いに身を任せよう、そう思わせる作品。

※何と言っても不倫の二人が面白い。
大人しそうな風貌とは裏腹に、何度もクロス・カウンターを炸裂させる松岡の役柄が面白い。
うちのだりあの咲いた日に

うちのだりあの咲いた日に

青☆組

こまばアゴラ劇場(東京都)

2008/04/05 (土) ~ 2008/04/13 (日)公演終了

満足度★★★

自分には・・・
どこか淡い感じの作品に思えた。

ネタバレBOX

ペットの7回忌で久々に集まった家族。
寝たきりの祖母を甲斐甲斐しく世話するヘルパーさん、高校生の連れ子のある男性と結婚した長女、彼氏を連れて来た妹にその元カレ、おじいちゃんにそっくりな長男と子供のないお隣夫婦。

そうだよな、こんな時しか顔合わせない親戚同士って、何となくよそよそしくてしっくりこなかったり・・。

割と癖のある性格のキャラが多いのだが、どこか淡々という感じで物語は進行する。
当然意図的だとは思うのだが、音楽はおろか、効果音も全く挟まないのでそう感じるのかも・・。
あと、いつの時代だよっていうレトロな格子戸やふすまのあるセット・・。
その割に登場人物の会話には、海外に頻繁に行き来してる人々の様子が描かれ、何となくアンバランスな感じも・・。

どこと言う劇的なシーンがある訳でもなく、ほんとに、ある日の日常をそのまんま切り取ったような、そんな作品・・。

余り調味料を使わず、あくまで素材の味で勝負する、そんな風に主張しているようにも感じた。

※淡い色調の作品の割りには、タバコを吸うシーンがやたら多いのもアンバランスな感じ。
本物のタバコではなく、あくまで舞台用の無害のものと言うことだが、タバコを吸わない自分には、やはり少々気になった。
ピース!!!

ピース!!!

劇団Peek-a-Boo

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2008/04/02 (水) ~ 2008/04/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

いや~、素晴らしかったです!!
いや~、素晴らしかったです!!
自分の中では、昨年のTurbo以来、久々のフルマーク、大絶賛の劇団!!

う~ん、どこまでも夢に溢れたファンタジー、宇宙のように広やかな愛。
際立つそれぞれのキャラも素晴らしいが、この作品の根底に流れているのは、全編を優しく包み込む愛情なのだろう・・。

作品を象徴しているのは、やはりベガの底抜けに大らかなキャラ・・。

決して激昂することなく、いつも穏やかに、そして、接するもの全てに分かち与える愛情・・。

観劇中、ずっと、夢を観続けていたんだと思う・・。
しばしば涙が溢れ、感動に胸が熱くなった。

自分が劇場に足を運ぶのは、実に、こういう作品を観たいが為なんだろうと思う。

素晴らしい感動、夢見る空間を与えてくれた劇団、役者さんに感謝したい・・。
いや~、素晴らしい劇団を発見した。
次回も、必ず、観に行きたいと思う・・。

(レビューを書きながら、またあの感動が蘇ってきた・・。
 感情ある動物、人間に生まれて、ほんとうに良かったと思う)


龍馬よ雲になりすませ

龍馬よ雲になりすませ

劇団前方公演墳

萬劇場(東京都)

2008/04/04 (金) ~ 2008/04/06 (日)公演終了

満足度★★★

思い入れが強過ぎたので・・・
う~ん・・・。
この作品に寄せる、自分自身の思い入れが、少々強過ぎたのかも・・。
(何しろ、久々、仕事サボッて駆けつけたりしましたので・・・)

茫洋たる龍馬、重厚な西郷、いなせな海舟、逃げの桂、電光石火の高杉・・。
キャラもよく描かれているし、薩長同盟、幕末最大のエポック・・・。
冒頭、映画音楽とみまがうばかりの大迫力。
これは、という期待が高まったのだけど・・・。

ストーリーもスポットの当て方も悪くなかったと思うのですが・・。
自分のような幕末マニアにとっては、やはり途中の遊びがちょっと・・。
思い入れが強過ぎた分、少し拍子抜けのように思いました。



燻し銀河

燻し銀河

ネルケプランニング

天王洲 銀河劇場(東京都)

2008/03/26 (水) ~ 2008/03/30 (日)公演終了

満足度★★★

決して悪くなかったと思うのだけど・・
ラスト15分くらいの感じなんか、決して悪くなかったと思うのですが・・・。

現実の部分と、そうでない部分とがない混ぜになってしまっており、少しわかりにくい感じがした。

あれが色合いなのかもしれないけど、途中のドタバタは個人的にはちょっと・・。

遠山景織子さん、窈窕たる風姿がとても素敵。

どこか幻想的な役柄によく合っていると思った。

静かなる演劇

静かなる演劇

Hula-Hooper

ギャラリーLE DECO(東京都)

2008/03/26 (水) ~ 2008/03/30 (日)公演終了

さっぱり・・・
わかりませんでした・・・。

心は孤独なアトム

心は孤独なアトム

“STRAYDOG”

シアターアプル(東京都)

2008/03/20 (木) ~ 2008/03/23 (日)公演終了

満足度★★★★

中村優演じる先生がとても素敵・・
いわゆる、企画モノ、と言うんだろうか、
劇団生え抜きのメンバーではなく、その公演の為に役者さんを集めた舞台。
自分が普段観る事の多い小劇団のお芝居とは若干趣が違うが、自分は特に抵抗もないし、むしろ過去良い作品に巡り合ったことも多い。
事実、昨年自分なりのベストセレクションを選んだアワードでも、東京セレソン、劇団Turbo等小劇団の雄に混じって、結構な数の企画モノを選出している。
いずれも(ビジュアルも含め)役者のレベルが高く、比較的大きな劇場、従って、チケットも高額な作品が多い、というのが共通点だが、今回「アトム」も、そんな流れの作品。


中年を迎え創作意欲も衰えた脚本家が、かっての自分の人生を断片的に回想する、と言うストーリーなのだが・・・。

掲載されてる事前の作品説明とは、少し感じが違うように思った。


自分の過去のシーンを点描し、それを今の自分につなげていくというスタイルを取っているのだが、正直なところ、ストーリー自体は少々つながりが悪いところもあり、そのシーン、シーンの継ぎはぎ、と言う印象は否めない。

そんな中、自分の過去、小学生の頃のシーンに出てくる中村優演じる先生、この女性がほんとに素晴らしい。
今まで余り明確に意識したことなかったが、自分が好きになるのは、こういう女性なのかな、などと漠然と思った。

この舞台を観るまで自分は知らなかったのだが、中村優はいわゆるアイドルタレントであり、当然ビジュアルもすこぶる素晴らしいのだが、何と言うか、この女先生の役は、性格の素晴らしさ、芯の強さが内面からにじみ出てくるような役どころ。
まだ豊かさの薄い時代が背景なのだが、輝く美しさを内面に包み込んだ、そんな役柄が際立っていた。

いやでも興行収入で結果を求められる映画監督等も経験している人らしく、若手タレントをふんだんに使った舞台は華やかで、いわゆる、見せ所、泣かせどころ、というのをよく知っており、いくつかのシーンでは目頭が熱くなることも・・。

自分の心の中の「元気」をアトムに重ねた、自分自身に捧げるラプソディ、そんな風に感じた。

Change The World/チェンジ・ザ・ワールド

Change The World/チェンジ・ザ・ワールド

劇団 マグナムブラザーズ×サムライモンキー

萬劇場(東京都)

2008/03/19 (水) ~ 2008/03/24 (月)公演終了

満足度★★★★

熱くてひたむきな作品・・
若い頃の自分の夢と実際生きていく生活との葛藤。
何か打ち込む物がある人間にとって、いつかぶち当たる壁だろう。
適齢期の男女がいれば、そこには異性の問題も絡んでくる・・。
どれも待ったなし。
そういった人生の最も芳醇な時に、同時に迫られる二者択一。

”音楽で世界を変える!”を合言葉に、熱い演奏を続けるロックバンド。
強烈なリーダーシップでバンドを引っ張るリーダのキラー。
妥協を知らず、自分の信念に忠実に、逆らう者には鉄拳も辞さない。
レコード会社のプロデューサが見に来る千載一遇のチャンス。
自分達バンドの集大成になるはずだった運命のライブの日を迎えるが、次々に困難なハードルが待ち構える。

余りに突拍子もないトラブルは、少々リアリティに欠けるキライはあるものの、次々と降りかかるアクシデントは見ていてスピーディで飽きさせない。
いつまでも自分の理想を追いかける、熱く一途な思い・・。

青いなぁ、若いなぁ、などと思いながらも、いつまでも夢を追い求める姿に、何か眩しいものを感じた。

夢を追い求めながらも、現実の生活とどれだけ折り合いをつけて行くかというのが、大人になるということであり、それは若さの喪失でもあるのだろう。
そう言えば、夢中になって追いかけてた日があったな・・。
忘れかけていた、あの頃の気持ちをもう一度思い出させてくれるような、そんな作品。

そんな気持ちを想い出させてくれるのも、演劇のいいところだな、と思った。

このページのQRコードです。

拡大