Dの観てきた!クチコミ一覧

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『うれしい悲鳴』/『太陽とサヨナラ』(終演しました! ご来場ありがとうございました!)

『うれしい悲鳴』/『太陽とサヨナラ』(終演しました! ご来場ありがとうございました!)

アマヤドリ

吉祥寺シアター(東京都)

2013/10/23 (水) ~ 2013/11/03 (日)公演終了

15:00。「うれしい悲鳴」
後ほど。

Eathan-Weaton-Mortensen

Eathan-Weaton-Mortensen

THE CHAINS

レンタルスペース+カフェ 兎亭(東京都)

2013/10/24 (木) ~ 2013/10/27 (日)公演終了

19:30。
後ほど。

青鬼Ver.27【あの大人気ホラーゲーム『青鬼』を舞台化!】

青鬼Ver.27【あの大人気ホラーゲーム『青鬼』を舞台化!】

第27班

王子小劇場(東京都)

2013/10/21 (月) ~ 2013/10/22 (火)公演終了

18:00。
後ほど。

20文字のRiver

20文字のRiver

荒川チョモランマ

下北アートスペース(東京都)

2013/10/19 (土) ~ 2013/10/20 (日)公演終了

19:30。
後ほど。

伯爵のおるすばん

伯爵のおるすばん

Mrs.fictions

サンモールスタジオ(東京都)

2013/10/07 (月) ~ 2013/10/14 (月)公演終了

19:30。
後ほど。

押忍! 龍馬【池袋演劇祭CM大会優秀賞受賞!】

押忍! 龍馬【池袋演劇祭CM大会優秀賞受賞!】

劇団バッコスの祭

萬劇場(東京都)

2013/09/26 (木) ~ 2013/10/02 (水)公演終了

19:00。
後ほど。

ルチカ

ルチカ

ラボジェンヌ

MODeL T(東京都)

2013/09/14 (土) ~ 2013/09/16 (月)公演終了

15:00。
後ほど。

鉄の時代

鉄の時代

劇団霞座

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2013/08/09 (金) ~ 2013/08/11 (日)公演終了

13:00
後ほど。

vol.4 急

vol.4 急

コントの会

新宿ゴールデン街劇場(東京都)

2013/07/29 (月) ~ 2013/07/29 (月)公演終了

20:00。
後ほど。

行け!花岡星児

行け!花岡星児

 StageClimbers

劇場HOPE(東京都)

2013/07/10 (水) ~ 2013/07/14 (日)公演終了

19:30。
後ほど。

言葉の中で世界は踊り、踊る世界にウタが溢れる

言葉の中で世界は踊り、踊る世界にウタが溢れる

ナズ・ラヴィ・エ

d-倉庫(東京都)

2013/07/05 (金) ~ 2013/07/07 (日)公演終了

やりたい事をやっている。
それは伝わってきた。が、伝えようとしているのが成功して伝わっていたのではなく、こちらが前のめりになって受け取ろうとしたから得た感覚。やりたい事をやって観客がどんなリアクションをするのか先読みをしているであろう目線はなかった。
これは30分に凝縮してコンテンポラリーだと言い張ってくれたほうが良い。正直、このチケット代で大損した気分。

アイ・アム・アン・エイリアン

アイ・アム・アン・エイリアン

学習院女子大学 pafe.GWC実行委員会

学習院女子大学(東京都)

2013/11/25 (月) ~ 2013/12/01 (日)公演終了

そこまで悪くないですよ。
現時点で★2.5だけど、もっと多くの人が観たら平均3.2くらいはあるんじゃないですかね。少なくとも3は超えてるはず。個人的な感覚ですけどね。

いくつもの作品で踏襲されてきた、全員合致を前提とした決議が物語を生む話。
説明文にある通り、同条件のドナーに対してどちらに移植をするか決定を出すまでが描かれています。誰を生かして誰を殺すのか、極論を言えばそういう事。そんな立場になった時、人はどんな言動・行動を選ぶのか。何を守って何を晒すのか。熱さも冷たさもある目の離せない会話劇でした。

因みに先にコメントされたお二人、話の筋をネタバレさていますからそれはBOXにお書きください。

ネタバレBOX

何よりも気になるのは何故ユニークポイントが学習院女子大学のpafe.GWCで公演をしているのか。山田さんが教授なのか、何かしらで関係しているのか。スタッフとして入り口から何人もの生徒さんが協力されていましたが、あの人々にとってこの公演の価値や意味はどうなっているのか。演目に出演者として学生も参加していて欲しかったです。

山田さんのご挨拶は誠意的で好感だったのですが、上演前はなくても良かったかも。山田さんが日常の口調で語られた後、役者の台詞感が濃い喋り方に慣れるまで自分は少し時間が必要でした。

議論したい女1と時間を気にする男1、子どもに対してもっと何か思い入れがある人物かと思ったものの。終盤にそういうのがあるのかと予想していたら特になくて。例えば男1の子どもには障害があるとか、女1は子どもが生めない体だけど保母さんをやってるとか。理論的な人に見せておいて実は人間味に溢れている、みたいなのが欲しかった。オネエの男3でもそういう事は出来たかも。昔は男として結婚もしていたけど子どもを亡くして奥さんと上手くいかなくなってオネエになった、みたいな。
ドナーの母親の意思を確認する為にした電話。これを切っ掛けに物語が急転する予感もしたのですが。母親もドナーの子と一緒に事故死していたから父親だけの意思だったとか、この電話があったから家族が心臓の提供を考え直してしまうとか。
欠席した人物にも何か意味を感じていたものの。例えばこの人がドナーやレシピエントに近い人物だったというのも話を膨らませる要素になった気がするのに。まずこの欠員によって決議する人数が奇数になるから、本題以外の何かを多数決で判断するという挿話も入れられたろうし。

こうやってネガティブな方向を願う事こそ正に物語を欲してる証拠なんですが。

司会の男5・古市さんがラストに見渡して一瞥くれるのは良かったですね。明らかに客席にも視線を向けていて、中央席にいた自分には強く刺さりました。
永い遠足

永い遠足

サンプル

にしすがも創造舎 【閉館】(東京都)

2013/11/17 (日) ~ 2013/11/25 (月)公演終了

久々に観たサンプル。
族から離れて旅する話だった。(恥ずかしながら今でもこの二文字を書き間違えそうになる時があります)
タイトルの文字を拾えば「永遠」が含まれていたり、残る「足」も読み替えれば人として何か「足りない」という連想が出来るし、音だけなら「人間は考える葦だ」という著名なフレーズも思い浮かぶ。あれだけの内容が込められているのだから、タイトルにも込められているのだろうと勝手ながら妄想してしまう。…けどまぁ、作者の真意はよく分かんないですね。
個人的にサンプル初見だった「カロリーの消費」も未だにタイトルの意味を考える事があります。人生そのものは単なるカロリーの消費だという意味合いを感じたのだけど、それだけではない気もして。

いつか人間社会から家族という構成単位が喪失する事はあるのだろうか?
少なくともこれまではどんなに歪であっても存在していた単位であって、だからこそ何百年も昔に書かれた戯曲から今も普遍に扱われるテーマでもあって。現在の日本の法律では教育や扶養や相続なんかが絡むとはいえ、「家族でなければいけない」というのはあくまで心情的な制約でしかない。繋がっているのは血であって、精神や肉体は繋がらない別の人間なのだから。

コメントの少なさはCoRichチケットを使っていないからなのかな。
勿論CoRichでの評価が世の全てではないので、ここでのコメントが少なくとも問題はないと思うものの、一部であっても好きな団体への注目度が低いのはいい気がせず。客席は埋まっていたし、ここを知り得ない演劇漬けでないライトウォッチャーが増えたという事か。

ネタバレBOX

ノボルが更にアイカとも交わるのを期待してしまった。その場合、娘であり孫であり姪もしくは息子であり孫であり甥が生まれるのか。

数年振りに戸川純の「諦念プシガンガ」を耳にする。やはりぶっ飛んで病んでる歌だった。サンプルに適していた。

吉田光希(映画監督)×河西裕介(演出家)『ハアトフル』

吉田光希(映画監督)×河西裕介(演出家)『ハアトフル』

浮間ベースプロジェクト

浮間ベース(東京都)

2013/11/04 (月) ~ 2013/11/10 (日)公演終了

気が向いたので急いでコメントしてみる。
最近観たものへのコメントが全然間に合ってないんですが、なんか気が向いたのでこれは観た今日の内に。

なるほど。浮間ベースとはこういう場所だったか。面白い空間です。
3階まである内のどのスペースで何をやるか、企画力が問われる場所。間違ってもここに立派な音響や照明を持ち込んで劇場環境に近付けようとはしないほうがいい。だったら初めから劇場を使うべきで、この場所ならではの演劇が育っていって欲しいところ。
駅から遠いです。地図を見ながら歩いても目標物がなかなか現れず不安になります。特に夜は先が見えなくてホント不安だった。初めてキラリ富士見まで歩いた時と似た感覚でした。公式サイトの地図には載っていない最短距離の道は曲がる場所が分かりにくいけど、制作スタッフを3人くらい点在させてでもそちらの道をメインにするべきでしょうか。慣れない観客は距離が長いと到着までに気持ちが萎えるし、あれだけの道中で道に迷ったら到着出来ず駅にもなかなか戻れない。

観られる演目は3つ。
自分はそもそも目当てだった河西さんの作品に大満足。しばらく彼の作品を観られていなかったので、ど真ん中のをやってもらえた感じです。気まずい瞬間と優しさと苦笑いが織り成す時間。笑いもちょっと多め。個人的にはこれだけで充分に元が取れました。
吉田さんのは好みじゃなかった。

ネタバレBOX

1階。
あれがプレアクト(景気付けだけで特に大きな意味はないもの)なのかイントロダクション(見逃して欲しくない大事なもの)なのかを明確にしたほうがいい。
上演中に気になったのは、製作スタッフが客席のすぐ脇で視界に入る場所にいた事。「あの人達も出演するんだろうか? なんであそこにいるんだろう?」とずっと気に掛かっていたし、演目を観て彼らが笑うのを見て自分は冷めました。例えば似た様な経験で、大規模な市民劇の終演後、観客より先にボランティアスタッフが思いっ切り拍手をしたのが聞こえた時にも冷めました。演目を観て何を感じるかは観客それぞれが自分の中で膨らませるもので、だからこそ思い入れも湧くもの。鑑賞に不純物を足さないで欲しい。

2階。
セロリ。

3階。
大学から演劇を始めた人が作るとこんな感じになるなー、と。昔ああいうの早稲田で観た気がする。
何故あの空間で場面を分けて交互にしたかったのか。それぞれに異なる二人だけど根底は一緒だから最後の最後にリンク、だけじゃ繋がりが弱すぎる。尚且つ親しみの湧くキャラクターがいないから、彼女達が可愛そうになって欲しくないとかそういう気持ちになれなかった。
一方が動く間にもう一方が静止してるのも演出としては絶対にベストな選択ではない。それこそ映像ならカットごとにシーンを変えられるけど、今回は演劇だったのだから、いっそ長回しのつもりでカットなしを想定して作れば良かったのではないかと。


なんで早くコメントしようと気が向いたのか考えてみると、企画への意気込みを感じたから。
これを書く時点で「観てきた!」が平均★3.0で、それはちょっと低すぎると思いました。自分はいつも★を付けない事にしているし、平均を上げる為に必要以上の★を付ける行為をしたらむしろ作り手にも作品に失礼なので、こうやってうだうだ煩くするくらいしか出来ないのですが。
その割には書いてみたら河西さんだけ推してる感じになってしまいましたが、実際そう思えたので正直にそうします。
あの場所が存在する事、小劇場演劇が好きであそこで何かを起こしたい人がいる、これらは本当に応援したい。面白い場所であるのは確かです。
月刊小玉久仁子10月号「女心と秋の空」

月刊小玉久仁子10月号「女心と秋の空」

ホチキス

スタジオ空洞(東京都)

2013/10/22 (火) ~ 2013/10/27 (日)公演終了

にんまり。しんみり。
前説でしたたかに客席の空気を和らげて本編へ。笑いを取るだけ取って切なくもさせる。…と言うとすごく王道なんだけど、実際それが出来るのは技術力があるからこそ。特に前説で空気を和らげるのはセンスの代物。最高のおもてなし。肩を張らず余計な事を考えずに楽しめる時間でした。
シリアスに重きを置いた小玉さんの姿を観るには、ゲストライターが良い仕事をしてくれています。

ゲストアクター村上誠基氏との演目は必見。何ならこの二人で新たにユニットを組んで欲しい。

廻天遊魚

廻天遊魚

アムリタ

新宿眼科画廊(東京都)

2013/08/23 (金) ~ 2013/08/28 (水)公演終了

余計な事は言わない。
好き。

ネタバレBOX

芝居自体も余計な事を言わない潔さがあった。
少なくとも自分がこれまでに観た荻原作品は一様に90分以下だった気がする。見せるべきものを確実に見せてくれるから物足りなさはない。
各登場人物にとっての外の世界が描かれていないのも潔い。殊に演劇では関係や心情を見せる為に、主の部分とは別に板挟みの状況を描くやり方が多い。というか王道だろう。でも、あの父親なんてそれこそ娘との遣り取りしか出て来ない。だからこそ、その為だけの存在なのが浮き彫りになる。場合によってそれはご都合主義で登場した様に思われるものの、あの父親はあの姿だけだからこそ異質さが増す。その分、娘にとって精神的に逃げる余地を持てない絶対的な存在であるのが伝わる。

場所との融合具合も良い。アムリタにはどうも地下が似合う。しかも仄暗い所だ。タイニイアリスとかブラッツとかでやって欲しい。でなければセンティオでも観てみたい。
【沢山のご来場、誠にありがとうございました!】「面影橋で逢いましょう」「それではみなさん、さようなら」

【沢山のご来場、誠にありがとうございました!】「面影橋で逢いましょう」「それではみなさん、さようなら」

ラフメーカー

JOY JOY THEATRE(東京都)

2013/09/05 (木) ~ 2013/09/16 (月)公演終了

Rチーム「面影橋で逢いましょう」
女性メインで進む物語と時間の流れ。雰囲気を大事にしながらしっとり。
結構な長さの時期の経過を描きながらも暗転を挟まず、役者も客席も気持ちを途切れさせない作り。

終演後に「泣いちゃって立てない」と言っているお客様がいました。はまる人には大はまりの様です。

ネタバレBOX

で、自分はどうだったかと言うと、正直物足りず。チケプレに当選して拝見したのであんまりなコメントをするのも悪い気もするのですが、見せ物を目の当たりにして建前の感想を告げるほうが心無いとも思うので。

>たった一冊の大学ノートを中心に、色んな人の色んな思いが交差する。
とあるものの、結局は中心3人の思いしか交差してなかった印象。斉藤さん(字はこれかな?)の職場の人々や彼氏がもっと物語に食い込んできて、彼らのその後にもあのノートの存在がもっと意味を持ってくれたら意義が増したはず。
で、このノートは劇中ずっと一貫して交換日記としてだけ登場させるべきでは? 落とした後にコンビニで新品のノートとしても登場させるのは、交換日記としての思い入れを持とうとしている観客からすると気持ちがぶれてしまうかと。少なくとも自分はそうでした。舞台上に他の物を出さずに無対象で進行させている分、このノートが特別なものというのは明確に伝わっているので。

無対象演技の曖昧さ。
148円を財布から出すのが一発で済んでいて「148円玉があるのかよ!」と…(苦笑)。コンビニ店員男子は丁寧にマイムで小銭を何枚か回収して、斉藤さんは微妙で。意思統一の出来てないエチュードみたいになってた。
チョコポテトとじゃがりこは結構大事なアイテムだったから小道具として手作りでもいいから実物を出しても良かったんじゃないかな? 斉藤さんとも繋がる物だから、最重要アイテムはやっぱりノートではあるけど、その2つなら出しても問題なかったかと。
劇場スタッフ役を実演させないで一人芝居をさせるくらいなら、脚本の時点でどうにか出来たはず。物語の盛り上がりどころで違和感を持たせる演技をさせるのは勿体無い。

読み上げの演技。
読み上げる本人の感情と書き手の感情を読み取るのとの2つの感情が使えただけに、これはもっとこだわって欲しかった。自分が書いた内容を読み上げるならあのくらい堂々と読むだろうけど、他人が書いたものを読むならもっとたどたどしく、書き手の感情を探りながら読み進めるはず。そのほうが感情も段々と乗って、観る側も気持ちについて行きやすくて共感が増したと思う。

ここからは個人的な好みなので、批評とかじゃないです。自分のクールダウンの為のアウトプット。
斉藤さんはコンビニでも使えないダメ子ちゃんで、最後に出会った時に「もうちょっと頑張れそうです」みたいな事を匂わす感じ、のほうが好きな展開かも。
あと、ノートを拾ったのが誰かラスト寸前まで分からないまま、面影橋の近くにノートを隠して交換しながらお互いの悩みを解消していく、とか。「会わないで遣り取りをする」って要素は、手紙やメールに置き換えた物語でよく使われる手法だけに、この演目でも更に3層くらい深いところまで行けた気がするんだけどなぁ。もっと面白く出来る要素だったと思えるだけに。
雲の影

雲の影

スポンジ

サンモールスタジオ(東京都)

2013/07/24 (水) ~ 2013/07/31 (水)公演終了

雰囲気は予想通り。
宣伝美術の第一印象に惹かれて観劇。
勝手に予想していた通り、人間の内面の暗い部分をフューチャーした内容でした。かといって終始お先真っ暗でネガティブな訳ではなく、なんとか生きようとしているからこそその重荷が余計に重みを増している感じ。それなりの社会生活を営んでいる人には何処か感じ入る所があるはず。それが心地よいか不快かは好みがあるだろうけども。それも含めて、人間は生きていかなきゃならんのだなぁ。

舞台美術。良いです。
開演前から既に世界観が確立している。音選びも適切。

ネタバレBOX

その舞台美術ですが、良かったからこそもっと合点したかったのもある。何故あのデザインだったのか? 店内のシーンを主として物語が進行するものの、舞台美術としては屋外として装飾されている。彼らがいた事さえいつか過去になってその場所が廃墟になっていくという意味だったとしても、それを察するにはファクターがちょっと足りてないかも。

演技について。
これは完全に個人的な趣味としてなんですが、演技をし過ぎている感があった。日常生活を描いた作風に対して、演技自体は「表現してます!」という主張がこそっと見えた様な。強い怒りなどはあのやり方で良いとして、日常的なやり取りは役者自身の主張がもっと弱くても良いのではないかと。演目の雰囲気が見えているだけに、役者の個人技に統一感を持たせられていないのが惜しい。あの空気感はきっと濃度を上げる事が出来る。
プルーフ/証明(元田 演出ver.)

プルーフ/証明(元田 演出ver.)

DULL-COLORED POP

シアター風姿花伝(東京都)

2013/05/29 (水) ~ 2013/06/02 (日)公演終了

面白いか面白くないかで言えば、面白かった。
過去も含めて5バージョン観た中で、最も観やすい。過去のバージョンは概ね舞台美術がシンプルで、観客の想像力で何処までも補完出来ると同時に、想像が苦手な人にとってはちょっとハードルがあった。けれど今回は舞台美術がそれなりに準備されていて視覚的にまず説得力があるので、空間を信じる事が出来る状態から物語に入って行ける。ダルカラも役者も全く知らない人に純粋に戯曲を知ってもらうには程好い。
『谷バージョンを観逃してこの戯曲は気になってるけど、彼ではない演出助手のバージョンだからなぁ…』なんて観に行くスイッチが入らないでいる人がいるなら、とにかく今すぐ予約する事をおススメします。

が、ベタ褒めではない。
久々に「お薦め!」をチェックしたけど、あくまで「舞台を初めて観る方に」だからね。

元田さんのオリジナル作品を観られる機会もいずれあるのかな。期待してます。

ネタバレBOX

まず細かい揚げ足を取らせてもらうと、舞台美術に植物を入れた事で季節感に矛盾が発生している。9月や真冬などいくつかの季節が出てくるのに、舞台手前に草がある。種類によっては年中ずっと青々とした草もあるけど、どうもその類には見えなかった。黒板はとても良かったので、もっと使っても○。
警察を呼んだ時の電話。ケイタイであんな喚きの通報をして途中で切っていれば、イタズラでないかと確認の折り返し連絡が入るんじゃないだろうか。

肝心の演技。
演目の中で役者が自由を手にしているというより、演目の上に自由なまま放されてしまっている印象。特に感情のパラメータがアベレージ付近をうろうろしている時間が多い気がした。「強い・弱い」とか「昂ぶる・鎮まる」とか、『不安定だからこそ人間らしい部分』が不足していた感じ。エコライザーでいう所の高音と低音が効いてないというか、絵で言えばフレームの中に納まり過ぎているというか。
そして大切な単語が流れてしまっている。前後の遣り取りからして意味合いにもっと比重がかかるであろういくつかの単語が、台詞のフレーズの一部として済まされていた。強めるとか、言いにくくなるとか、言葉を選んだ素振りが見えるとか、そういう何かが欲しかった。

ラストの心象。
演出家が女性と知って観たからなのか分からないけど、少女マンガ的な雰囲気を得た。これまでのバージョンではキャサリンが社会に出て行く第一歩というか、人間として認められるのを証明する兆しに思えた。でも今回は、心を囚われながらも自分の中で最高の男性像であった父親に代わる男性であるハロルドと出会えたキャサリン、みたいな。背景が透けて見える舞台美術だから、ロバートが遠くから二人を見守る姿とか出されたらどうしようかと思いながら観てた。いや、出ても別にいいんだけど。
黄門さま珍道中

黄門さま珍道中

劇団だいこん座

沼南公民館 大ホール(千葉県)

2013/06/01 (土) ~ 2013/06/01 (土)公演終了

観たのは生き様。
愛さずにいられなかったなー。

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